天衣無縫な男の話   作:シデン

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初投稿になります。この小説は作者がFGOをプレイする中で感じた理不尽な場面を主人公がぶっ壊す小説です。

更新は不定期になります。

よろしくお願いしますm(_ _)m


1.邂逅

 

>人理継続保障機関カルデア

 

標高6000mの山の地下に存在する巨大な魔術工房。

魔術の名門たるアニムスフィア家の主導で創られた

それ(カルデア)は、人類の未来を守る為に存在している組織

らしい。

 

詳しい話は依頼人(エルメロイ2世)から聞かされた筈だが俺には

関係のない話なので記憶に残っていなかった。

 

一応の時計塔(魔術協会)出身者である俺だが、学者とは正反対(戦闘系)の人間であると自負しているので特に問題は無い。そこのところも依頼人(エルメロイ2世)は折り込み済みだったのだろう、俺への依頼は至極単純なものだった。

 

<裏切り者の排除>

 

 

 

 

 

それが、カルデアにて召喚されていたあるサーヴァント経由での今回の依頼だった。

 

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

チョットした登山家紛いの事をしながらカルデアにやって来た俺は、表向きは48人目のマスター候補者ということになっている。なんでも、量子ダイブ(レイシフト)の適性もあったらしく依頼人(エルメロイ2世)からは依頼完遂後は俺の好きにして構わないらしい。

 

実際、過去の英雄・偉人を召喚する術式には非常に興味があり、尚且つ手合わせも出来るとあらばテンションも上がる。

 

そして意気揚々とゲートでの認証チェックを済ませた俺は職員の出迎えも無いので適当に辺りを散策する。

 

なんかSF映画に出てきそうなぐらい近未来的な内装だなぁ、と壁や床などを見回していると、少し遠くからちっこい動物みたいなのが駆け寄ってきて、

 

「キュー、フォーウ!!」

 

などと面白い鳴き声をあげながら大跳躍を顔面にかましてきやがった。

 

ふぁひひやふぁんふぁふぇへぇ(なにしやがんだテメエ)

 

真っ白なもふもふを顔面で堪能しつつ問い掛けるがフォウフォウ言いながら俺の頭を前脚でてしてし叩いてくるだけで当然言葉が返ってくることはねぇ。

 

ただなんとなくその仕草にホッコリしていると、謎生物が駆けてきた方向から人が走り寄ってくる音が聞こえてきた。

 

そいつが誰かを確認するために謎生物を顔面から頭の上に移動させる。走って来たのはどうやら女性らしい。淡い桃色のようなショートヘアに片目を隠すように伸びている前髪、さらにはメガネときた。どこか儚げな印象のその女性が息をきらしながら声をかけてきた。

 

「フォウさん、いきなり、走り出されると困ります。あの、大丈夫でしたか?」

 

身長は勿論俺よりも低く、人見知りなのかやや俯きながらの格好になるとあら不思議。欠片もあざとくない、最高の上目遣いになって俺と謎生物を視線が行き来する。

 

「ああ、特に驚きもしなかったからな。君はコイツの飼い主かい?」

 

そう言って頭の上の謎生物を指差す。俺と彼女のやりとりを聞いているみたいに静かになってるが、ホントに不思議な生き物だぜ。

 

「あ、あの…。飼い主という訳ではないのですが、お世話係のようなものでしょうか?ここ1年ほど前からカルデア内に住み着いたみたいで私以外には近寄りもしない不思議生物、私はフォウさんと呼んでいます」

 

そう言って彼女は俺の頭の上のフォウと呼ばれた生き物を受け取る為に両手を上げた。フォウも理解したようで「キュー、フォウッ」、と鳴きながら彼女の両手目掛けて跳躍した。するとそのまま腕を伝って左肩から回り込んで右肩に落ち着いたようだ。なんか定位置みたいだな。

 

「っと、自己紹介がまだだったな。俺はシデン、シデン=ベルフォルマだ。48人目のマスター候補者一般枠。よろしくな、キュートなお嬢ちゃん」

 

そう言って右手を上げながら締めくくる。掴みとしては悪くないハズだ。彼女もかわいいと言われたからか、ほんのり頬を赤らめてはいるが嫌そうな感じはないようだ。

 

「え、えっと。そんな風に言われたことは無いので…どう返せばよろしいでしょうかフォウさん。『キュー、キャウっ!』…はい、分かりません」

 

なんかこの娘も見ててホッコリする。不思議生物と漫才じみたやりとりをする彼女。多分俺、暖かい眼差しってヤツをしてるんだろうなぁ。俺の視線に気が付いたのか、さっきよりも真っ赤になった彼女と目が合う。

 

「あっ、申し訳ありません!自己紹介が遅れてしまって。私はマシュ=キリエライトと言います。私もマスター候補者の中の1人になります。よろしくお願いしますね、先輩」

 

ふむ、マシュと言うのかこの娘は。脈絡もなく先輩呼ばわりされてしまったが悪い気はまったくしないな。こう、守ってあげたくなる様な雰囲気というかなんというか。

 

「おう、よろしくな後輩。つーか、ホントに俺が先輩でいいのかい?俺ってば適性はあるみたいだが、魔術に関してはド素人だから先輩の威厳的な?そういうモンがスッカラカンだから、ザルだから」

 

…なんか言ってて悲しくなるなぁ、時計塔出身者ではあるが魔術は強化と申し訳程度の回復魔術しか使えねぇ。弾き出されなかったのはアレの存在が大きいんだろう。まあ、そんくらいギリギリだったから一般枠で誤魔化せたんだが。

 

「いえ、私も何故か分からないのですが自然とそう呼んでしまいました。ご迷惑だったでしょうか?」

 

眉根を寄せながらちょびっと悲しそうな表情で俺を見るんじゃねぇよマシュ嬢。罪悪感半端ねぇわ。…おいコラ謎生物、やれやれみたいな感じで首振るなっつーの。

 

「いや、迷惑じゃねぇから。アンタの好きに呼べばいいさ。ついでに俺もマシュって呼び捨てにするけど構わねぇか?」

 

「は、はい!どうぞ先輩のお好きな様に呼んでいただいて結構です!」

 

途端に嬉しそうな表情を浮かべるマシュ。その表情があまりにも綺麗だったので思わず見惚れてしまったのは内緒だ。魔術関係者しかいないこの場所(カルデア)で不自然なほど無垢で純真なコイツは…、なんか良いな。まさかこんな所で心のオアシスに出会えるとは幸先がいいぜ。

 

「こんなトコで会ったのも何かの縁かね?良かったら案内を頼めるか、マシュ?なにぶん初めて会ったのがそこのフォウとマシュしかいなくてな。ちっとばかし途方にくれてたんだ」

 

「構いませんよ。此処は複雑に入り組んでますので慣れるまではかなり迷ってしまうと思います。それにもう直ぐ所長の今回の実験による説明が始まると思いますので、詳しい案内はその後で構いませんか、先輩?」

 

「マジでか!?遅刻はマズイなぁ。そーいうことなら構わねぇ、頼むぜマシュ」

 

「任せてください、先輩!さぁ、こっちですよ。付いて来てください」

 

マシュは意気揚々と歩きだそうとするが、それに待ったをかける声が()()()()から聞こえてきた。

 

…えぇ、気付いていましたとも。ヒトじゃねぇクソッタレな気配を。上手く隠してるつもりなんだろう、事実マシュは何も感じていないらしい。此方に向き直り普通に挨拶を交わしていた。

 

無視しちまうと逆に警戒されるか、仕方ねえ。俺もマシュ同様振り返りながら()()()()()を視界に入れる。ソイツは自らをレフ=ライノールと名乗りやがった。胡散臭さ丸出しのソレは、不敵にも俺の名を聞いてきやがるので内心渋々名乗ってやる。

 

そうこうしている内に所長とやらの実験の説明が始まる時間になってしまいマシュとクソ(レフ)を連れて他のマスター候補者達と所長がいる部屋に入る。

 

当然、既に説明が始まっていたみたいで部屋の中の俺達以外の全ての人間から注目されることになっちまった。ちくしょうあのヤロー、テメエのせいで恥かいたじゃねぇかコラ。

 

()()()()()()()()()()()()()()そう思わずにはいられなかった。そして、その判断が間違っていなかったと気付いた時にはもう手遅れだった。

 

そう、()()()()()()()()()()()()()()()

 

アレ?…依頼、失敗?(汗)

 

 





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