ウィンストンの作ったロケットに乗り込み、ロンドンを出発した。
「ねぇねぇ、何処に着陸するつもりなの?」
「レイコウタワーから30メートル離れた場所に着陸するつもりです。目的地に着陸したら問題でしょう?」
「うーんそうよね。でもしばらく歩きってこと?」
かなり不満なメイだが、ウィンストンには考えがあると判断し、黙ることにした。
「正面から入って攻撃される可能性を考えて、裏口に近い場所を着陸地点に考えました。いわゆるステルスです。トレーサー、あなたの十八番ですよ」
「ははぁーん、つまりコッソリ手掛かりを確保するってことね」
「ですので、私は最後に潜入します。一番大きいですからね」
ロケットが着陸し作戦開始。ウィンストンの指令がトレーサーに伝わる。最初に警備室の制圧、その後メイに連絡し二人で潜入。その数分後にウィンストンが潜入するという算段だった。
「任せて」
さっそくビルの前で警戒する男達を背後から殴り気絶させ、警備室に向かう。しかし、違和感も覚える。誰もいないのだ。
「ねぇどういうこと、誰もいないんだけど・・・」
「ふむ。警備室のカメラを封じたらメイさんを動かします、引き続き向かってください」
トレーサーが警備室に入り、カメラの映像を確かめる。
「他のフロアにいるみたい。不用心だけど、今ならメイも動けるかも」
「了解しました。メイ、行ってください。私も入り口付近で待ってます」
予定の時間が経ったため、ウィンストンも行動することにした。警備室の映像を自分の所有する端末でも見られるように設定し、トレーサー達と合流するために走る。途端、ビルの外から轟音が鳴り響いた。
「何があったか把握できますか!?」
「わかんない、でもこのビルには何かあるのは確かね」
「カメラも多くが破壊されたようです。どうも引っ掛かりますね、メインフロアで落ち合いましょう、そこで情報を整理するんです」
目の前に現れた警備ロボットの大軍に、テスラ・キャノンを構え一息つく。
「荒事はしたくありませんが、そこを通らせていただきます」
引き金を引き、前方に広範囲の電撃を浴びせていく。ショートした機械達は次々に倒れていき、そのまま前へと進んでいく。
(見取り図は見たのですが、高いタワーにも関わらず倉庫が一階しかないのは不自然だ。もしや既に持っていかれたのか?)
そう憶測を重ねていくなか、メインフロアに他の二人が既に到着しているのがわかった。
「どうしたんですか・・・あなたは何故?」
目の前にいた老兵にテスラ・キャノンを握っていた腕に緊張が走る。
(生態系回復の資料、彼が関係してるのか?いや、彼は無関係だ。しかし聞く必要性が出てきましたね)