焔光の夜伯と剣巫の英雄譚   作:カラムイラス

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 七話目です。どうぞ。


七話

いきなり現れた男は自分のことをビショウと名乗り、ステラに対して深々と礼を捧げた。

「その服。〈解放軍〉のの使徒が着用する法衣よね。だったらあんたがここの司令官ってこと?」

「さすがはステラ殿下。そうですよ。私がそこの奴らの言わば頭。ですが」

 ビショウはそういうと倒れている〈解放軍〉を見て顔色を変えた。

「まさかここまで使えないとは思ってませんでしたが」

 彼はヒヒヒと笑いながら彼らをあざ笑った。それに対してステラは怒りを覚えた。

「あんたね。仮にも部下を笑うなんて最低よ!」

 彼女は手に自らの〈固有霊装〉を顕現させた。

「はあん? こんな弱い奴らが部下とは思いたくありませんね~。ましてやこんな簡単な留守番もできない屑どもなんて。それに」

 彼の言葉の後に彼の後ろからまた数人が姿を現した。

「まだいますから」

 その言葉が発せられるとその数人がステラを囲んだ。ビショウ本人は倒れている一人に近づいた。

「俺は大人しくしてろって言ったよな? なんでこうなったあ?」

 ビショウの声には怒気が宿っておりそれを問いただした。言われた本人は恐れを感じて慌てていた。

「いや、俺は子供にズボンを汚されて。それにムカついて銃を突きつけたらいつの間にか倒れていて・・・・」

「そんな理由で手を出したのか? ・・・・・・いやあ」

 ビショウは最初こそ呆れていたが何かを考え付いたような顔つきをした。

「ビ、ビショウさん?」

 部下の一人も何を考え付いたのかわからずに怯えながら名前を呼んだ。

「すまねえな。同情するぜ」

 そういうと彼はズボンを汚された部下の肩を叩いて励ました。

「だが、安心しろ。お前らの誇りは俺が取り戻してやる」

 彼は徐に銃を取り出して、子供に向けた。それに気づいたステラは慌てて問いただした。

「何をするつもり?」

 その言葉にビショウは嗤った。

「何って。この子供に自分のやったことの愚かしさを教えるんですよ」

「人質には危害を加えないはずじゃないの」

 それを聞いてビショウは爆笑した。

「あなた達はもう我々に危害を加えているでしょ? これほどまで多くの同胞が倒れているんだ。言い訳はできないでしょう?」

 ビショウの言い分にステラは無言になった。彼はそれにと続けた。

「この子供はわれらの誇りに傷をつけた。その代償ははらってもらわないとねえ?」

 持っていた銃はすでに子供に向いており、ビショウは引き金を引くため手に力を入れた。

「そこまでです」

「!?」

 その言葉と同時に銃が切り裂かれていた。

「だれだぁ」

 ビショウは声の聞こえた方向を見た。するとそこには〈雪霞狼〉を持った雪菜がいた。

「先ほども言いましたが。高神の巫女です」

 ビショウはそれを聞いて一瞬首をかしげたがすぐにまた笑い出した。

「あの都市伝説を語る女。面白いねえ。」

 そういうと彼は顔に手を当てた。

「あの都市伝説が本当に存在するわけないだろ? お前はそれを本当に信じているのか。本当に笑えるよ」

 ビショウの言った事に雪菜顔色一つ変えずにいたがステラはそれを聞いて首を傾げた。彼女は何のことを言っているかと。実際分かるはずもない。雪菜が言った「高神の巫女」という名前は裏の世界でも迷信として語られる。本当の都市伝説なのだから。

「あなたが何を言おうと、私はあなたが行ったくだらない理由での民間人への暴行を認める訳にはいきません」

「くだらない?」

 その言葉にビショウは切れた。

「くだらないだと? お前の言ったことは我々への侮辱だ。我々には他の物には理解できないものがあり、それを誇りとしている。それを・・・くだらないだと?」

 彼は狂ったように呟きはじめた。他の〈解放軍〉の人物達も怒った様で雪菜を囲んだ。

「迷信を語ったお前などに、我々の誇りが理解できると思うなよ‼」

 かれの言葉で囲んでいた人物たちが雪菜に襲い掛かった。あるものは真っ直ぐに突っ込み、あるものは上から襲い掛かり、あるものは後ろから逃げられない様に覆い、あるものは銃を撃った。しかし雪菜はそれらを冷静に対処した。突っ込む輩には腹に掌底を食らわせ、上から襲い掛かるものには顎を打ち抜き、覆いかぶさる者には蹴りを繰り出し、銃には目もくれず狙撃手を無効化した。そして全員の無力化が完了するとビショウに目を向けた。ビショウはあいも変わらずに笑っていた。

「そいつらはそれなりの実力なんですがね? まあいいでしょう。今度は俺が相手をしますよ?どこからでも掛かってきなさい」

 その言葉を聞き終えると雪菜は駆けだした。その途中で雪菜は〈雪霞狼〉を横に構えていた。

「はあああああ」

 雪菜が〈雪霞狼〉でビショウに襲い掛かった。ビショウはほくそ笑み左手を前に突き出した。〈雪霞狼〉はその中に吸い込まれてた。

「えっ?」

 そこでビショウは驚愕した。なぜ今左手から血が出ているのか? と。

「あなたのことは有名ですよ? ビショウさん」

「な、なぜだ。なぜ俺の能力が発動しない?」

 雪菜はゆっくりと立ち上がり、ビショウを見つめた。

「これまで数々のテロ行為による被害者は約千人。それによる死者は百人以上にも上る程の犯罪者。〈伐刀者〉としての能力は相手の力を吸収してその力をそのまま返す。特異な能力を持つ凶悪犯としても有名すぎるくらいです」

 雪菜は〈雪霞狼〉を消しと、ビショウはその場でバランスを崩した。

「なぜ俺の能力が発動しない?」

「・・・。私の能力としか言えませんね?」

 ビショウが尋ねると雪菜は苦笑しながら答えた。そこで彼は気づいた。

「その目。まさか、・・・・本当に存在しているのか?」

「だから先程からそう申していました」

 彼は驚いたような目で雪菜を見た。いや、正確には雪菜の目を見た。彼女の目が青くなっていたのだ。

「その目。霊視能力を有して未来を見る青い目。そして先程の身のこなし方。まさか本当に存在するのか。この国が国際魔道騎士連盟の日本支部の基となる組織よりも歴史が深く、そして昔から政府に強い発言力を持つ組織。お前は本当にそこの人間なのか?」

 ビショウの言葉に雪菜は息を吐いた。それを肯定と悟ったビショウは慌てた。

「なぜ、お前らが存在する。お前らはずっと陰にいたじゃないか。今更表に出る理由が存在するのか? 答えろ獅子王機関!」

 雪菜は何も答えずにそのままの状態でいた。ビショウいろいろな考えを巡らせ、ある言葉を発した。

「ま、まさか本当に実在するのか? 本物の迷信と信じられてきた焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)が!」

「そこまでだ。テロリスト」

 その言葉と共にビショウの体に鎖が巻き付けられた。ビショウは再び声のした方を向いた。そこには空隙の魔女(くうげきのまじょ)の異名をもつ南宮那月が魔法陣の上にいた。

「大人しく観念するんだな? お前には聞きたいことがいくつかあるのでな。なあに正直に答えてくれればお前を監獄結界には行かせないさ」

 その言葉と共に那月とビショウの姿が消えた。

 

 

 




 というわけで七話目終了。本当に大変ですね。感想、ありがたく読ませていただいています。誠に勝手ながら自分はある事情によって返信ができないでおります。本当にすいません。ただ、こんな駄文を読んでくださり、尚且つ感想もくださった方には感謝の気持ちを忘れません。というかいつの間にかお気に入り100を超えていてびっくりしました。本当にありがとうございます。
 なんてお世辞はここまでにして。皆さん。ついにストブラova第二期の予約が開始されましたよ。それに今回は雪菜のキャラソンアルバムまで出るということじゃないですか! 興奮しまくりですね‼ 予約? 全てしました。
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