チノ「ん?」
目を覚ましたチノはココアを起こす。
チノ「ココアさん起きて下さい。ココアさんホント起きて下さい。」
起こそうとしてもココアが起きない。チノは先に洗面所へ行く。それと同時にココアが起きた。
ココア「チノちゃん・・・?」
洗面所で、チノとココアが歯磨きをする。
チノ「何で私の部屋で寝てたんですか?」
ココア「えっと、確かね・・・先に寝ちゃったチノちゃんが袖を離してくれなかったんだよ。夕食後に焼いたパンの美味しそうな匂いがしたのかなあ?」
チノ「美味しそうだったんだと思いますよ。」
ココア「え?」
真顔で即返答したチノであった。
その後ココアは、千夜と一緒にマーケットに来ていた。
千夜「うーん、パンって言うより小麦粉の匂いかしら?優しい匂いよ。」
ココア「それ・・どっちにしてもパンだよね。」
千夜「私は?」
ココア「千夜ちゃんはね、暖かくて包み込んでくれるようなわびさびを感じさせる匂いだよ。」
千夜「わびさび?」
ココア「年末もこのマーケットは色んな物が売ってるね。お使いで来たのに楽しくなっちゃう。チノちゃんと楽兎君も来れば良かったのに。」
千夜「クリスマスの時とは違った感じで楽しいわね。」
ココア「お肉やフルーツの匂いでお腹が減って、ん?」
偶然買い食いしているリゼとシャロを見付けた。
ココア「リゼちゃんが買い食いしてる!?」
リゼ「ココア!千夜!」
同時にリゼも2人を見付けた。2人はケーキを食べていた。すると千夜はシャロを見て冗談を言う。
千夜「シャロちゃんが試食してる!?」
シャロ「ちゃんと買ったわよ!」
リゼ「けど良く2人とも気づいたよな、こんなに人が多いのに。」
ココア「お腹空いてたから。」
千夜「シャロちゃんはハーブの香りが漂ってるから。」
シャロ「え?嘘?ヤダ!そんなに染み付いてる?」
自分の服を嗅ぐシャロ。
リゼ「冗談だから確認しなくて良いんだぞ?」
ココア「リゼちゃんは硝煙の危険な香りがするから近付くとすぐ分かるよ。」
リゼ「ええ!?」
リゼも自分の服を嗅ぐ。
ココア「冗談だから確認しなくて良いんだよ?」
その後ココア達は近くのベンチに座って食べる。ココアと千夜はドーナツを買って食べてる。
ココア「動いてるとお腹が減るから仕方ないよね。」
シャロ「何時もじゃないからね・・。」
千夜「普段はお仕事で忙しいけど、こうしてると私達普通の高校生らしいわね。」
リゼ「確かに。」
ココア「この街は空気も澄んで綺麗だね。良い匂いするし。」
シャロ「それは手に持ってるドーナツの匂いでしょ?」
千夜「そう言われれば慣れちゃって気にしてなかったわ。」
リゼ「冬だから余計に空気が澄んでるな。」
ココア「皆で深呼吸してみようよ。はい吸って・・・吐いて・・・」
皆で深呼吸する。
リゼ「ボーっとしてきた・・・」
シャロ「何か忘れてるような・・・」
千夜「明日は日曜日かしら・・・?」
ココア「社会に貢献する使命を抱いてたような気がする・・・」
完全に目的を忘れてしまったこの4人。
その頃チノと楽兎はココアが帰って来るのを待っていた。
チノ「遅いですね・・・ただのお使いなのに。」
楽兎「ああ、彼奴何所かでサボっているな?」
チノ「おじいちゃん、楽兎さん。」
楽兎「ん?どうしたの?」
チノ「私コーヒーの匂い大好きです。緑茶とハーブの匂いも素敵です。でも、最近安心する匂いが増えたみたいです。まだかな・・・?」
そう言ってチノがカウンターに伏せて目を瞑る。楽兎は微笑んでチノの頭を撫でる。
楽兎「チノちゃん良かったね。俺とチノちゃんが最初に会った時は、初めて家族以外の俺に近付いたよな。俺、また会える日がとても不安だったな。今でも独りぼっちなのかな?って思ってたら、ここまで成長出来たなんて、俺何だか嬉しくなっちゃうな。」
今日のラビットハウスは安らぎな空気に包まれている。
その頃ココア達は携帯に表示されてる時間を見て焦っていた。現在の時刻は14時18分。
ココア「いけない!もうこんな時間!!急いで帰らなきゃ!!」
全速力で帰る4人。
ココア「帰る前に急いでチノちゃんへのお土産買わなきゃ!!」
リゼ「私も!急がないと遅刻する!!」
シャロ「減給はいやー!」
千夜「こんな日もあるわねー。」
こうして間に合ったココア達。
ココアがラビットハウスの更衣室で制服に着替えてると。
マヤ・メグ「お邪魔しまーす!!」
ココア「あれー?どうしたの?」
マヤとメグが来ていた。
マヤ「宿題で調べ物あってさー。」
メグ「この喫茶店にインタビューで来たの。」
2人が来た理由は職業レポートの宿題をする為であった。
マヤ「率直に聞きます。」
メグ「この喫茶店を預かる者としてのやりがいは何ですか?」
ココア「お客様の笑顔です!」
チノ「ココアさんバイトですよね。」
ココア「チノちゃん!」
何時の間にかチノが来た。
チノ「それに店の事は店主である父に聞いて下さい。」
ティッピー「決して楽ではないが、この息詰まる現代社会の中ここを癒しの場として一杯のコーヒーを求め訪れる客の為にと思うとやりがいはある。帰りの際はまた来るよマスターの一言はああ彼にとってここは第二の家なのだと・・・」
いきなりティッピーが語りだした。チノがティッピーの口を塞ぐ。
マヤ「チノが語り始めた!」
チノ「それより早く着替えて下さい。」
メグ「私手伝うー。」
ココア「じゃあお願いしようかな。」
メグがココアに制服を着させる。
メグ「こうやってお手伝いしてみたかったんだー。」
ココア「ありがとう、メグちゃん。」
メグ「あ!裏表逆!」
制服が裏表逆になってしまった。表に直して、次はリボン。
メグ「えっと・・・リボンどうやって付けるんだっけ?」
マヤ「1人で着た方が早くね?」
メグ「ふえぇーん・・・ごめーん・・・」
正論を放ったマヤ。
制服に着替えたココアは、ホールに向かった。リゼと楽兎が仕事をしていた。
リゼ「ココア、チマメはどうした?」
ココア「チノちゃんのお父さんにインタビュー中だよ。」
リゼ「そうか、職業レポートか。中学の冬休みの宿題で出たなぁ。懐かしいな!」
ココア「楽兎君は職業レポート何処でやったの?」
楽兎「俺は、母さんがパティシエやってたからパティシエのレポートを書いたんだ。」
ココア「凄〜い!お母さんパティシエやってたの?」
楽兎「今もやってるんだ。今じゃ母さん、もうプロ顔負けに上達してるんだ。」
ココア「それで、リゼちゃんはお父さんに聞いたの?」
リゼ「私は軍人になるつもりは無い!けど・・・あの頃はやんちゃだった・・・」
ココア「え?」
リゼ「花屋さんに行くなんて!」
ココア「それ普通だよ!」
楽兎「可愛いなおい!」
その頃チマメは、タカヒロの部屋に来ていた。マヤとメグがタカヒロにインタビューする。
マヤ「この喫茶店の、やりがいや拘りは何ですか?」
タカヒロ「一杯のコーヒーを大切に、豆にも拘って、お客様に安らぎのある静かな空間と時間を提供する。先代までに無いお客様の立場に立った接客を・・・」
すると痺れを切らせたティッピーが怒った。
ティッピー「何じゃと!お前よりわしの方がお客の立場に立っておるわ!」
怒るティッピー。しかしタカヒロは。
タカヒロ「フッ。」
ティッピー「なぬ!?」
笑って返した。
マヤ「チノが二代目に宣戦布告!?」
タカヒロへのインタビューは終わり、ホールに向かう。
マヤ「個人経営って大変なんだな。」
メグ「この辺競争が激しいみたいだね。」
リゼ「お!インタビュー終わったみたいだな。」
チノ「甘兎庵とフルールドラパンもありますしね。」
マヤ「その喫茶店にもインタビュー行ってみたいね。」
リゼ「それならココア、休憩時間にでも連れて行ってやったらどうだ?」
ココア「え?私これでも仕事あるんだよ?」
チノ「その仕事は私が代わりにやりますから、ココアさん連れて行ってあげて下さい。」
楽兎「そうそう。ココアは思う存分妹達と回って楽しんで来い。」
ココア「わー!妹たちの頼みなら断れないなあ。」
マヤ「え?良いの?」
メグ「良かったー!ココアちゃんなら安心だね!」
リゼ「偵察か・・・気を抜いたらやられるぞ!」
マヤ・メグ「やられる!?」
チノ「リゼさんの冗談ですよ。」
こうしてココアとマヤとメグの3人は、最初に甘兎庵に訪れる。
千夜「あら!チノちゃんのお友達の。サービスするわよ。」
ココア「学校の宿題で千夜ちゃんの所にインタビューに来たんだよ。」
メグ「ずばり!ラビットハウスとは敵対関係なんですか?」
ココア「張り合ったのは昔で、今は違うんだよ。」
千夜「良きライバルと思ってるわ。」
ココア「そうなの?」
千夜「最近チノちゃんのお父さんがジャズやってたって聞いて、音楽も出来なきゃって気付かされたの。でも!楽器無いから歌います!」
何処からかカラオケセットが出て来た。
マヤ「すげー!」
メグ「カラオケ居酒屋みたいー!」
マヤ「でもさ、バイトしてると勉強とか大変じゃない?」
メグ「両立するのって難しくないですか?」
ココア「働くことも勉強の内だよ!」
千夜「メリハリ付けてこなせば大抵何とかなるものよ。」
マヤ「何か格好良く見えるな!メグ!」
メグ「凄いんだね!マヤちゃん!」
キラキラする2人。
千夜「ココアちゃん今度数学教えてね、ちょっとピンチなの・・。」
ココア「私も文系全般教えて欲しいかな・・・」
ガクガクする2人。
そして次に向かったのは、フルール・ド・ラパン。
シャロ「いらっしゃいませー。」
マヤ「うさぎっぽさが負けてる!」
メグ「ラビットハウス完敗だよー!」
ガクガク震えるマヤと目をキラキラしているメグ。
マヤ「しかもこのスカート丈!」
シャロ「何!?」
スカートを抑えるシャロ。
ココア「大胆さも負けてる!」
メグ「歌いだしても可笑しくない衣装だね。」
シャロ「歌!?」
ココア「歌うサービスあったっけ?」
シャロ「無いわよ!服よりもハーブティー気に入って欲しいな。」
だがしかしココアは震える。
ココア「リラックスした隙にやるつもりだ!」
シャロ「何でよ!」
マヤ「お店の決めポーズもやってよ。」
シャロ「無茶振り!?」
マヤ「ラビットハウスではこんな!」
左にココア、右にメグ、真ん中にマヤ勝手ポーズを取る。
シャロ「先輩でさえやっているというなら・・・」
リゼもやってると思ってるシャロは、勇気を出してウィンクしてピースするポーズを取る。
シャロ「これがサービス!!」
ココア「でもリゼちゃんには却下されたんだよね。」
シャロ「ター・・・」
その事を聞いたシャロは恥ずかしくなった。
ココア「職業インタビューならあっちに小説家さんも居るよ。」
そこに青山ブルーマウンテンがハーブティーを飲んでた。
マヤ「あの人小説家だったの?メグ行ってみよ!」
メグ「うん!」
シャロ「今の職業インタビューだったの?」
ココア「あれ?言ってなかった?」
2人は青山にインタビューする。
メグ「是非、小説家さんになった経緯とやりがいを教えて下さい。」
青山「私のような者でも参考になれば・・・」
マヤ「うんうん!」
青山「きっかけはある方に勧められて、やりがいは・・・」
マヤ「やりがいは?」
メグ「やっぱり人を感動させられる時ですか?」
青山「そうですね・・・」
すると突然体を横にしてテーブルの下から店員さんの太もも辺りを覗く。
青山「店員さんを観察しても怪しまれません。」
メグ「人間観察って奴ですね。」
マヤ「これただ覗いてね?」
またもや正論を放ったマヤ。
その後フルール・ド・ラパンでハーブティーを頂いた3人は、次の場所へ向かう。
ココア「お金が・・・」
財布の中は空っぽ寸前。
マヤ「和菓子とかハーブクッキーとか美味しかった。」
メグ「色々話も聞けたしね。」
ココア「じゃあそろそろ帰ろっか。」
メグ「もう帰るの?」
マヤ「他の喫茶店もインタビューしようよ。」
ココア「ダメ!遅くなったらチノちゃん心配させちゃうよ。」
すると2人はある事に閃いた。
マヤ「お願い!姉貴!」
メグ「もっと一緒に居たいね、ココアお姉ちゃん!」
妹の仕草攻撃でココアを感動させる。
ココア「わー!もう!遅くなったらチノちゃんに怒られるんだからね。」
マヤ「チノとどっちが姉か分かんねえな。」
メグ「うふふ。」
これにはココアも断われなかった。
それぞれ回って、ラビットハウスに戻った。
マヤ「リゼー帰ったよー。」
リゼ「お!どうだった?」
マヤ「将来私達が、ここのライバルになる可能性がある!」
リゼ「寝返る気か!?」
楽兎「まさかの裏切り者参上!?」
チノに近付くメグは、こっそり話す。
メグ「私はね、チノちゃんが素敵なお姉さん達と友達で良いなと思ったよ。」
チノ「お姉さん・・・」
メグ「将来あんな人達みたいになれるかなあ?」
チノ「メグさんだけでもそのままでいて下さい。」
翌日のラビットハウス。
ココア「行って来まーす!」
楽兎「行ってらっしゃい!気を付けてよー!」
ココアとチノが買い物に出掛ける。
ココア「見てー!雪が積もりまくりだよー!雪うさぎ作るよ!」
積もった雪で雪うさぎを作る。
チノ「先に買い物に行っちゃいますよ?」
ココア「完成!」
一瞬にして雪うさぎが出来上がった。
チノ「あ、可愛いです。」
ココア「このくらいで見とれるとはまだまだ子供だねえ。」
チノ「どっちが・・・」
ココア「このまま新学期まで雪が残ってたらきっと学校で雪合戦だね。武者震いするなー。でも千夜ちゃんに球投げられたらと思うとゾッとしてきた。」
するとチノは、ココアを見て何かに気付いた。
チノ「ココアさん、ちょっと腰低くして下さい。」
するとココアはファイティングポーズを取る。
チノ「構えろって意味じゃないです。」
手招きするチノ。
ココア「ん?」
ココアの額に顔を当てる。すると。
チノ「凄い熱!ココアさん・・・」
なんとココアが風邪を引いてしまった。急いでラビットハウスに戻る。
ラビットハウスで。ドアが開いた。
楽兎「ん?チノちゃんにココア?もう買い物済ませたのか?」
チノ「楽兎さん大変です!ココアさんが風邪を引いてしまいました!」
楽兎「何だと!?」
焦ってココアの額に手を当てると。
楽兎「熱っ!おいおいマジかよ・・・!」
ココアの看病をする事となってしまった。そこに千夜がお見舞いに来てくれた。
千夜「ココアちゃん、お大事にね。」
ココア「お見舞いありがとね。色々持って来て貰っちゃって。」
千夜が持って来たのは、桃缶ニンニクとりんごだった。
チノ「桃缶とリンゴとニンニク・・・?」
ココア「ニンニクを首に巻くと風邪に効くんだよね。」
チノ「普通は焼いたネギじゃ・・・」
千夜「そう!病魔が立ち去るのよね。」
チノ「ニンニクで撃退するのは吸血鬼です。」
楽兎「ココアをドラキュラにすんな。」
リゼ「風邪って聞いたけど大丈夫か?」
そこにリゼが来た。手に持ってる皿の上にはうさぎりんご3個あった。
ココア「わー!リゼちゃんが剥いてくれたの?」
リゼ「刃物の扱いは任せろ。チノにリンゴうさぎにしろって言われたけど、これの何処がうさぎか分らなくて、こっちの方がうさぎっぽくないか?」
銃とヘルメットを被ったうさぎりんごを見せる。爪楊枝を銃に見立て、りんごの頭をヘルメットに見立たせてる。
ココア「凄い!」
楽兎「彫刻!?」
千夜「可愛い!」
チノ「普通のうさぎは銃構えません。」
すると今度は、マヤとメグがお見舞いに来た。
マヤ「ココアー大丈夫?」
メグ「この前無理させちゃったかな?」
ココア「2人ともありがとー。お姉ちゃんは大丈夫だよ。ちょっと熱があるだけ。」
マヤ「早く良くなって雪だるま作ったり雪合戦しよう!」
メグ「良いねー!」
チノ「暫くは安静です。」
リゼ「風邪が完全に治るまでは無理だな。」
千夜「そうよ、ココアちゃんは今悪魔と戦ってるの。」
チノ「病魔です。」
メグ「だからニンニク持ってるんだ。」
千夜「そうなの。十字架も持って来るんだった。」
マヤ「十字架ならリゼのナイフの方が格好良いよ。」
楽兎「何で悪魔と対立してんだよ。キリスト教徒かよ。」
ココア「あっはははは・・・ゴホッ!ゴホッ!」
笑い過ぎてココアが咳き込んだ。
チノ「ココアさん!また熱出てるじゃないですか!ちゃんと寝ないとダメです。」
リゼ「ゆっくり安静にして寝ろよ?皆行くぞ。」
千夜「また来るわね。」
マヤ「ちゃんと寝ろよー。」
メグ「ココアちゃんお大事にね。」
ココア「皆ごめんね。」
リゼ達は部屋から出た。
チノ「病人はちゃんと言うこと聞いて下さい。」
ココア「ごめんね、チノちゃん・・・楽兎君・・・」
チノ「大丈夫ですから。」
楽兎「安静してろよ。」
一方千夜は、シャロの家に来た。
千夜「シャロちゃん!どうして起きてるの!?」
何とシャロも風邪を引いていた。彼女はドテラを着て、熱さまシートを額に貼っていて、テーブルで勉強していた。
シャロ「寝てても暇なだけだし。」
千夜「ダメよ、寝てなきゃ治らないわよ。さあ!ニンニクを巻いて梅干しをおへそに!」
またニンニクを取り出した。
シャロ「巻かないわよ!あんたのおばあちゃんが言う民間療法は絶対間違ってる!」
千夜「あのね・・・治るって思い込みの効果は大事よ。」
シャロ「本当はこの方法信じてないでしょ・・・帰って良いわよ。長くいると移っちゃうし。」
千夜「移すと治るってのは迷信だったのかしら?」
シャロ「捨て身の看病だったの!?」
千夜がカバンから本を出してシャロの横に座って読む。
シャロ「何してんの?」
千夜「寝るまで居るわ。この本読み終わるのに時間かかるし。」
シャロ「・・・・」
優しい千夜に、シャロは密かに顔を赤くした。
その頃、チノはお粥を持ってココアの部屋に入る。だがココアの様子が可笑しい。
チノ「リゼさんがお粥作って帰りましたよ。」
ココア「チ・・・ノ・・・」
何とココアが苦しんでいた。チノがその異変に気付いた。
チノ「苦しいんですか!?私に出来る事だったら何でも言って下さい!」
ココア「チ・・・チ・・・」
チノ「何ですか!?ココアさん!」
ココア「地中海風オマールエビのリゾットが食べたいな・・・」
チノ「え?地中海?」
額に手を当てると。
チノ「凄く熱いじゃないですか!早くお薬を!」
さっきより熱が上がっていた。薬を飲ませようとするが。
ティッピー「チノ!風邪薬が切れておるぞ!」
薬が無くなっていた。
チノ「え!?近くのお店はもう閉まってますし、父は仕事中です・・・どうしましょう・・・」
ティッピー「家が近い千夜に貰いに行くのはどうじゃろう?」
チノ「おじいちゃんナイスアイディアです!今から走って行けば一時間掛からず帰って来られます!」
ティッピー「だが外は雪が積もって危険じゃ・・・」
そう言われてチノが困る。苦しんでるココアを見て決心した。
チノ「私・・・行って来ます!」
急いで千夜の家に向かう。
ティッピー「チノ・・・そうじゃ!」
ある事を思い付いた。
楽兎の部屋に向かう。
ティッピー「楽兎!楽兎!」
するとドアが開き、中から楽兎が出て来た。
楽兎「ティッピー慌ててどうした!?」
ティッピー「お願いがあるんじゃ!聞いてくれるか?」
楽兎「何でも言ってくれ!」
その頃チノは1人で夜の雪道の中を歩いていた。千夜から薬を貰いに行く為である。
チノ「沢山降ってる・・・朝になったら雪かきしなくちゃ・・・」
???「夜道に1人で歩くのは危ないよ?チノちゃん。」
チノ「楽兎さん?」
後ろからコートを着た防寒姿の楽兎が歩いて来た。
楽兎「一緒に行こ?」
2人は千夜の家に向かう。
楽兎「ティッピーから『チノを頼む』って言われて来たんだ。」
チノ「ありがとう楽兎さん、一緒に来てくれて。」
楽兎「仕方無いよ。夜道だと危ない事があるからね。それに、チノちゃんの大事な姉があの状態で心配だからね。」
照れて怒ったチノが楽兎にポカポカ叩く。
チノ「お姉ちゃんじゃありません!ココアさんはココアさんです!」
楽兎「ごめんごめん!冗談冗談!」
チノ「でも・・・」
楽兎「ん?何?」
チノ「ココアさんの匂いは、嫌いじゃありません。」
その頃ココアの部屋では、青山がホットワインを持って来た。
青山「あのー、お加減如何ですか?ホットワインをお持ちしました。ココアさん、あらあら。これでは治りませんよ。」
ココアは寝ていた。布団を掛け直す青山。
青山「クシュッ!何だか私も寒くなってきましたね。」
持って来たホットワインを飲む青山。
青山「あー美味しい。流石マスターのワインです。身も心も温まります。あらら?どうしたんでしょう・・・ココアさんが二人も。もう一度出直して来ます・・・」
部屋を後にした。ドアが閉まったと同時にココアが目を開けた。
ココア「チノちゃん・・・」
結局青山は何しに来たのやら。
そしてチノと楽兎は甘兎庵に着いた。電気はまだ点いてる。するとシャロの家から千夜が出て来た。
チノ「千夜さん!」
楽兎「おい千夜!」
千夜「チノちゃん!あら、楽兎さんも一緒で。」
チノ「あの!風邪のお薬があったら譲って頂けないでしょうか!?ココアさんのお薬切れてしまって・・・」
千夜「良いわよ。幾つ?」
ドテラから幾つかの風邪薬を取り出した。
チノ「持ち歩いてるんですか!?」
楽兎「応急用かよ!」
千夜「ちょっとね。」
チノ「シャロさん風邪ですか?」
楽兎「まさかシャロも!?」
千夜「ほら、早くお薬持ってココアちゃんの所に。」
風邪薬をチノに渡す。
チノ「はい、ありがとうございます!」
楽兎「ありがとな千夜!恩に着るぜ!」
急いで帰る2人を千夜が見送る。
千夜「私も急がないと。」
そして2人は無事帰って来た。チノは薬を持ってココアの部屋に入った。
チノ「ココアさん!お薬貰って来ました!」
ココア「チノちゃん・・・?」
チノ「大丈夫ですか?」
ココア「少し落ち着いてきた・・・あれ?おでこどうしたの・・・?」
おでこが赤くなってた。
チノ(雪で滑って頭から転んだって言ったら笑われる。)
ココア「ああ、雪ではしゃいでスノボごっこしたら転んだんだね、危ないよ・・・」
チノ「普通に転びました。」
ココア「チノちゃん、もし風邪移しちゃったら私が全力で看病するからね。」
チノ「私はそんなに柔じゃないです。リゼさんに鍛えられたので。」
翌朝、チノが風邪を引いてしまった。顔は真っ赤になっている。ココアはすっかり元気になってる。
ココア「私の風邪は移らなかったけど、おたふく風邪になるなんて。」
チノ「何故か負けた気がします・・・」
ココア「ちゃんと安静にしてなきゃダメだよ?今度はお姉ちゃんが看病するからね。」
チノ「1人で大丈夫です・・・熱もまだ微熱ですし・・・」
ココア「病人はちゃんと言う事聞かなきゃダメだよ?」
チノはそっぽ向くが、嬉しそうな顔をした。
楽兎の部屋でも予想外の事態が起こってた。
タカヒロ「楽兎君、具合はどうかね?」
楽兎「ええまあ、まさか、俺まで風邪になるなんて・・・あの時と同じ感じ・・・」
何と楽兎も風邪を引いてしまったのだった。タカヒロがお粥を持って来てる。
楽兎「すみませんタカヒロさん、風邪を引いてしまって面目無い・・・」
タカヒロ「気にしなくて良いよ。今日はゆっくり安静にしてなさい。」
楽兎「ですね。」
ココアは外に出て買い物に出掛ける。すると途中で自分が雪うさぎを見付けた。小さな雪うさぎが3匹出来てた。そして横には、雪戦車に乗ってる雪うさぎがあった。
リゼは部下達に見送られながら外出する。
千夜とシャロは外に出ると同時に顔を合わせた。笑う千夜だが、シャロはそっぽ向く。しかし笑顔で千夜を見た。
ティッピーとタカヒロは台所で会話をしていた。ティッピーはプルプル震えてた。
マヤとメグは雪道を歩きながら会話をしていた。するとマヤが走り出した。追い掛けるメグ。
青山ブルーマウンテンは、マヤとメグを見て微笑んだ。
翌日のラビットハウス。チノはすっかり元気になって仕事をしていた。
リゼ「おたふく風邪良くなったのか?」
チノ「おはようございます、もう治りました。」
リゼ「まさかまだ掛かってなかったとはなあ。おたふくって頬っぺがこーんななるんだよな。」
ティッピーのほっぺを引っ張る。そこに楽兎が来た。
楽兎「やっと仕事に戻れたー!」
リゼ「楽兎!すっかり元気になったな。」
チノ「楽兎さんおはようございます。」
楽兎「おはようさんチノちゃんにリゼ。風邪から解放されたからな。休んだ分張り切って頑張らねえとな。」
リゼ「そう言えばココアは?」
チノ「まだ起きてないみたいですね。」
リゼ「全く。」
チノ「・・・ちょっと起こして来ます。」
楽兎「俺も起こしに行くよ?」
チノ「私で大丈夫です。」
ココアを起こしに行くチノ。
楽兎「チノちゃん、すっかりココアの妹になった気分だな。」
リゼ「そうだな。」
ココアの部屋に入ると、ココアはまだ寝ていた。鳴ってる目覚まし時計を切って起こす。
チノ「ココアさん開店の時間ですよ、起きて下さい。」
ココア「パンが焼けたらラッパで知らせてね・・・」
寝言を言ってるココア。
チノ「風邪治って今日から一緒に働くんじゃないんですか?」
ココア「あと20分〜・・・」
まだ寝言言ってるココア。そこでチノは、顔をココアの耳に近付き、こう言った。
チノ「お姉ちゃんのねぼすけ。」
すると突然ココアが起きて、チノの額とぶつかった。
チノ「どうして目覚ましより小さな声で起きるんですか!?」
ココア「えーどうしてかな?」
余程痛いのか強く額を抑える。
こうしてラビットハウスにまた新しい日々が始まった。
「END」
キャスト
綾部楽兎:斎藤壮馬
ココア:佐倉綾音
チノ:水瀬いのり
リゼ:種田梨沙
千夜:佐藤聡美
シャロ:内田真礼
マヤ:徳井青空
メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
ティッピー:清川元夢
タカヒロ:速水奨
ココア「チノちゃん!さっき何て言ったの?」
チノ「何も言ってません。」
やっと1期編が終わりました。チノとティッピーの場面は作者のちょっとした欲で楽兎に変えました。
次回はちょっとオリジナル1話を投稿します。その次は2期編に突入します。
感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。
どの組み合わせが好き?緑羽太編
-
緑羽太×ココア
-
緑羽太×チノ
-
緑羽太×リゼ
-
緑羽太×千夜
-
緑羽太×シャロ