チノ「美味しい。」
千夜「良かった。新しい緑茶「エメラルドの涙」。好評ね。おばあちゃんも気に入ってくれたのよ。」
チノ「おばあちゃん・・・千夜さん、私達それぞれの喫茶店の跡継ぎになるんですよね。」
千夜「そうね。」
チノ「ラビットハウスと甘兎庵はライバルで深い因縁があったみたいですが、」
千夜「え?」
チノ「それは私達の世代には関係ないですよね?お互い頑張りましょう。」
千夜「深い・・・因縁?」
チノ「あれ・・・?」
その後ラビットハウスに帰って来たチノは、カウンター席に俯せていた。
ココア「チノちゃん凹んでる・・・」
リゼ「そんなにショックだったのか・・・」
チノ「因縁を持ってると思っていたのはきっとおじいちゃんだけです。」
ティッピー「なぬ!」
楽兎「ティッピーがショックした。」
リゼ「向こうからはガン無視だったって事か。」
ココア「おじいちゃん!」
リゼ「勘違いだったか・・・」
ココア「可哀想!」
緑羽太「また相談に乗ってやるよ。」
ティッピー「憐れむな!」
そこでココアとリゼと緑羽太はフルール・ド・ラパンに来て、シャロに事情を説明した。
ココア「と言う訳で本当に因縁があったのか調べたいと思います!」
シャロ「何でうちに・・・仕事中なんだけど・・・」
リゼ「千夜の幼馴染として何か知ってたら教えてくれないか?」
緑羽太「分かる事があれば良いから話してくれるか?」
ココア「天国のおじいちゃんが泣いているよ!」
シャロ「そう言われても・・・」
ココア「誤魔化す気だね?シャロちゃん。」
シャロ「ん?」
ココア「リゼちゃん連れてきたのは尋問上手そうだからだよ!」
リゼ「尋問!?」
シャロ「えー!」
尋問を想像するシャロ。椅子に座ってる軍服姿のリゼがムチを持ってる。シャロは椅子に座られてロープで縛られてる。
リゼ『さあ情報を吐くんだ。』
シャロ『うう・・・』
リゼ『そうしたらこの美味しそうなメロンパン、私が食べさせてやろう。』
メロンパンをシャロ顔に当てるリゼ。
シャロ『ああー!』
尋問されても嬉しそうな表情をするシャロ。緑羽太はシャロの想像を読んでた。
緑羽太「これ尋問よりただのご褒美だろ?」
シャロ「か・・・覚悟は出来てます!さあ先輩尋問して下さい!」
緑羽太「期待してる!?」
リゼ「え・・・な・・・何だか分からないが・・・どんと来い!」
シャロ「はい!」
リゼ「じゃ・・・じゃあ何か心当たりは無いか?」
シャロ「えーと・・・そんな記憶があるような無いような・・・やっぱり何も分かりません。」
リゼ「そっか・・・残念だな。」
ガッカリするリゼ。シャロは裏切られたと思った。
シャロ(先輩の期待を裏切ってしまった・・・)こうなったら頭を打って思い出します!」
手に持ってるトレーで自分の頭を何回も叩く。
リゼ「シャロ!そこまでしなくても!」
何回も叩き過ぎて気絶してしまった。
リゼ「シャロ!」
緑羽太「おいシャロ!」
ココア「シャロちゃん!」
気絶したシャロはそのまま仁王立ちして気絶してしまった。
緑羽太「気絶しちまった・・・」
青山「あのー。」
ココア「青山さん!」
青山ブルーマウンテンが話し掛けて来た。
青山「私昔のマスターを知ってますから聞いていただければ。」
リゼ「シャロの努力が無駄に!」
緑羽太「いやシャロも努力してたぞ!?」
青山「マスターはおヒゲが素敵で、淹れてくれたコーヒーは創作意欲をかきたてました。」
リゼ(何の話なんだ・・・?)
青山「中でもコーヒーあんみつはとても独創的で。」
ココア「そんなメニューもあったんだ!」
リゼ「成る程、幻のメニューか。」
ココア「私も食べてみたかったな!
青山「では、あの美味しさを文字で表現しましょう。」
ココア「自分の仕事して!」
シャロ(何かを・・・思い出しそうな気がする・・・)
何かを思い出したシャロ。それは幼い頃に遡る。千夜とシャロは、ラビットハウスに偵察に行こうとするが、シャロは怖がっていた。
千夜『ラビットハウスに偵察に行くわよ。』
シャロ『ヤダ!怖いよ!』
千夜『おばあちゃんのお手伝いしないと。』
シャロ『だって鬼ジジイがいるって聞いたよ。』
千夜『大丈夫。』
シャロの頭を撫でる。
シャロ『千夜・・・』
千夜『うちのおばあちゃんだって鬼ババアよ。』
シャロ『意味分かんないよ!』
余計シャロが怖がる。そしてラビットハウスに来店してのメニューを見る。
千夜『これってメニュー』
シャロ『ブルーマウンテン、キリマンジャロ?魔法の呪文みたい。』
メニューを見て2人は何故か怯えてた。
シャロ『凄く強そうなメニュー・・・!』
千夜『おばあちゃん負けちゃう!帰ってなんとかしなくちゃ!凄いメニューを考えるわよー!』
シャロ『わー!』
シャロを引っ張って店から出た。その2人をマスターは見ていた。
ティッピー『今のは何じゃ。』
回想終了。
シャロ(あの子が変なメニューを作る切欠になったのは・・・私!?)
フルール・ド・ラパンから出て、ラビットハウスに帰る最中。
ココア「コーヒーあんみつは美味しそうだけど、結局何も分からなかったね。」
緑羽太「また何か分かりそうになるかもな。」
リゼ「因縁と言えばうちの親父も戦友の話をよくしてたな。」
ココア「戦友?」
緑羽太「リゼの親父さんのか?」
リゼ「ああ。ライバル関係から任務を切欠に無二の友人になったらしい。」
ココア「へえー。」
リゼ「今は引退してバーテンダーやってるらしいけど。」
ココア「バーテンダー!チノちゃんのお父さんみたいだね。」
リゼ「そうだな。最初は仲が悪い方が後々上手くいくのかもしれないな。」
緑羽太「まあ喧嘩する程仲が良いと一緒なのかもな。」
ココア「私も最初はリゼちゃんに銃を向けられたな。」
それは、初めてリゼと会ったが、いきなり銃を向けられたあの時を思い出したココア。
緑羽太「そんな事があったのか!?怖ぇよ!」
ココア「殺したいほど憎かったなんてこれからもっと仲良くなれそう。」
リゼ「こ・・・殺す気は無かったぞ!」
ココア「ホントかな?」
リゼ「当たり前だろ!」
ココア「リゼちゃんとは今は親友だもんね。」
リゼ「今はってなんだよ!前からだろ・・・」
ココア「え?何て?」
リゼ「何でもない!急ぐぞ!チノと楽兎が待ってる!」
ココア「あー!待って!」
緑羽太「置いて行くなー!」
その頃ラビットハウスでは、チノと楽兎が掃除をしていた。そこに3人が帰って来た。
チノ「おかえりなさい。」
楽兎「帰って来たか。」
ココア「ただいまー!」
緑羽太「何も情報が入らなかった。」
楽兎「そうか。まあ後々分かってくるかもな。」
チノ「ティッピーを何処かで見ませんでしたか?」
ココア「ん?」
リゼ「まさか・・・おじいさんの因縁を晴らそうと特攻を!?」
チノ「そうかも・・・あ・・・いやいやあり得ません。うさぎですから。」
ココア「ん?」
そこに、鉢巻を巻いて、旗を背負ってるティッピーが現れた。
ティッピー「戦が始まる!いざ!」
チノ「やろうとしてた!」
ティッピーから熱いオーラが出てる。
ココア「ティッピー本気だね!」
リゼ「心無しか毛が逆立って見える!」
楽兎「暑苦しいオーラが!」
緑羽太「彼奴天下を取るつもりか!?」
ココア「よーし!その覚悟に敬意を払って私も手伝うね!」
鉢巻を巻くココア。
チノ「やめて下さい!仕事して下さい!」
ココア「準備オッケー!」
チノ「ああ・・・」
ココア「リゼちゃん!特攻の基本を教えて!」
リゼ「戦死する事が前提だからオススメは出来ないな。」
緑羽太「結局教えるのかよ!」
ティッピー「どりゃーーーー!!」
チノ「ティッピー!」
甘兎庵に特攻を始めるティッピー。皆も後を追い掛ける。そして甘兎庵に到着した。
ティッピー「ババアを出せ!ババア!」
リゼ「何処からか声が!」
楽兎(ティッピーが喋ってるだけだろ!)
そこに千夜が木刀を持って挑んで来た。
千夜「何だか分からないけど相手になるわ!そいや!」
ティッピーと千夜の対決。だがしかしチノがティッピーを抑えて勝負終了。
チノ「ティッピーそこまでです。お騒がせしました、お仕事の最中に。」
千夜「あら、もうおしまい?」
ココア「もう!ティッピー、仲良くしなくちゃダメだよ。」
緑羽太「なあ千夜ちゃん知ってるか?昔ラビットハウスではコーヒーあんみつを出してたって事を。」
千夜「え?」
チノ「そうなんですか?」
楽兎「情報手に入ってるじゃねえか!」
ココア「チノちゃん裏メニューがあるの黙ってたね?」
チノ「何の話です?」
ココア「コーヒーあんみつのように、ティッピーと甘兎庵も仲良くできるよ。」
千夜「コーヒーあんみつなら、昔うちでも出してたみたい。」
ココア「え!」
千夜「ラビットハウスとコラボしてたって聞いた事があるわ。」
5人「コラボ!?」
しばらくして、千夜がお品書きを持って来た。
千夜「お待たせー。はいこれ。」
お品書きをチノが受け取る。
チノ「この中にコーヒーあんみつが。」
千夜「宣伝のためにラビットハウスと甘兎庵、お互いのお店で出したんですって。」
ココア「へえー。」
千夜「特製のあんこが美味しいって評判になって。」
チノ「あ・・・おじいちゃんはそれが気に入らなかったのかも。」
リゼ「まさか、コーヒーが注目されなくて拗ねたのか?」
チノ「自分のコーヒーに相当な拘りを持っていましたから。」
楽兎「そりゃあ落ち込むわな。」
チノ「辛かったんですね。」
リゼ「大人げない・・・」
するとティッピーが落ちて、あんこに捕まれてた。
千夜「でもコーヒー羊羹を出した時は、コーヒーが美味しいって評判になっておばあちゃんが拗ねたみたい。」
リゼ「どっちもどっちだ!」
緑羽太「互いに拗ねたのか。」
あんこに押さえ付けられたティッピー
ティッピー「あー!どいて!」
千夜「私からは楽しそうに見えたなー。」
チノ「深刻な因縁じゃなかったんですね。」
千夜「ココアちゃんに感謝ね。」
ココア「え?何で?」
千夜「だって私達が出会ってなかったらラビットハウスさんとこうしてお友達になれなかったもの。」
チノ「ん?」
すると千夜は、チノに小指を向けた。
千夜「約束。」
チノ「え。」
千夜「私達お互いの店の立派な看板娘になりましょうね。」
チノ「あ・・・はい!」
指切りげんまんをして約束を交わした。
そして5人は帰って行った。千夜は厨房へ行って祖母に尋ねた。
千夜「おばあちゃん、もう一度コーヒーあんみつ出してみない?」
祖母「やなこった。あのジジイが化けて出てくるよ。」
嫌がる祖母だが、千夜は嬉しそうになった。
ラビットハウスに戻って来た5人。
リゼ「千夜って甘兎庵を大きくするのが夢だったよな。」
ココア「女社長だって。格好良いな。」
チノ「大人の女・・・!」
楽兎「どうしたチノちゃん!?」
チノ「私・・・街中の喫茶店をフランチャイズ化します!」
リゼ「千夜に影響された!」
緑羽太「それはやめろ!」
ココア「頑張れ!チノちゃん!じゃあまずはメニュー名を改める所から始めようね!」
チノ「はい!」
メニュー表を書き加えようとしてる。
緑羽太「励ましてる場合か!」
ココア「えっと・・・漆黒の。」
チノ「ダークネス。」
ココア「暗黒卿・・・黒炭の如き。」
チノ「一番暗き時・・・ダーケストアワー。」
楽兎・緑羽太・リゼ・ティッピー「やめろーー!!」
これには4人は怒った。
数日後のある日、チノは甘兎庵の制服を着て接客をしていた。中学校の宿題の職業体験をしている。
チノ「いらっしゃいませ・・・」
来店した女性客を席に案内する。
チノ「こちらへどうぞ。め・・・メニューです。」
だが緊張してる模様だった。そこに千夜が相談する。
千夜「着物って動き難いかしら?」
チノ「何かしっくりこなくて・・・は!」
するとあんこに目を向けたチノは、あんこを頭に乗せる。するとチノがやる気になった。
チノ「これで千のお客さんも捌けます。」
千夜「しっくりってそっち?」
女性客「お願いしまーす。」
チノ「はい!ただいま!ご注文承ります。」
明らかに本気モードに入ったチノ。
チノ・千夜「ありがとうございました。」
女性客を見送った。
千夜「チノちゃん、お疲れ様。」
チノ「はい。それにしても私に近いサイズの着物なんてあったんですね。」
千夜「昔友達のために作ったんだけど着て貰う機会がなくて。でもラビットハウスの跡継ぎさんがうちで働いてくれるなんて、こんな嬉しい事は無いわ。」
チノ「千夜さん・・・私も千夜さんに色々教えて貰えて嬉しいです!」
千夜「うちとの誤解も解けたし、本当に夢みたい。私・・・私・・・」
すると千夜が、嬉しそうにその場に崩れた。
千夜「幸せぇ〜!」
チノ「千夜さん!」
その頃ラビットハウスでは、リゼがポットを拭いて、ココアがティッピーをモフモフしていて、楽兎がモップで床掃除をしている。
リゼ「チノは今頃甘兎庵で働いているのか。」
ココア「千夜ちゃんに影響されて・・・こんな事になってなきゃ良いけど・・・」
チノ『今日から抹茶派です。コーヒー派に宣戦布告です。』
千夜『甘兎庵看板姉妹!』
チノ『爆誕!』
甘兎庵に寝返ったチノを想像した。
ココア「ヴェアアアアアアア!!チノちゃん取られる!」
叫びながらティッピーと一緒に倒れたココアはそのまま気絶した。ティッピーは泡を出しながら気絶した。
楽兎「ただの中学の職業体験だろ。たった3日間だけなんだから大袈裟なんだよ。ったく・・・」
横を見ると、マヤがテーブルを拭いていた。マヤの職業体験はラビットハウスだった。
楽兎「マヤちゃんは、こんな変わり映えのしない仕事場で良かったの?」
するとマヤは嬉しそうにクルクル回る。
マヤ「ここ、慣れてるから楽なんだー。」
リゼ「甘い!」
マヤ「ん?」
リゼ「大切な授業の一環だろ!厳しく行くぞ!」
マヤ「本当はね・・・リゼとココアと楽兎、3人と仕事してるチノが羨ましくて、私が代わりをしたかったの。」
ティッピーを頭に乗せて純粋な言葉を言ったマヤ。
ココア「マヤちゃーん!厳しくしちゃダメ!」
泣いてるココアがマヤに抱き付く。
リゼ・楽兎「いや、厳しくしなきゃダメだ!」
マヤ「へっ!」
小悪魔のような笑み。
フルール・ド・ラパンでは、メグが職業体験をしに来てた。フルールの制服を着てる。
みくる「メグちゃん制服可愛いよー!」
シャロ「め・・・メグちゃん、どうしてうちに来ちゃったの?」
メグ「えへへ。この制服で働いているシャロさんとみくるさんがキラキラして見えたから。」
シャロ(ピュア!)
みくる(天使!)
するとシャロとみくるが何か視線を感じた。
青山「期待の新人さんですねー。」
テーブルの下から青山が覗いてた。
シャロ「守らなきゃ!」
青山「何からですか?」
みくる「分かるでしょ。」
メグ「ん?」
するとまたみくるが何か視線を感じた。
緑羽太「激レアのメグちゃん!何か見逃せないな!」
メグ「緑羽太さん!」
みくる「何やってるの緑羽太?」
緑羽太「いや、フルールの制服姿のメグちゃんが珍しかったからつい。」
みくる「転売しないでよ?」
緑羽太「するかアホ!!」
その頃甘兎庵では、チノが千夜の祖母と対面してた。
祖母「ふーんそうかい。あんたがあいつの孫かい。」
チノ「は・・・はい!」
祖母「厳しく行かせて貰うよ。」
チノ「はい!」
祖母「間違えてコーヒー淹れたら、ただじゃおかないからね。」
チノ「はい!(やっぱり緊張する・・・)」
千夜「チノちゃんチノちゃん。」
チノ「ん?」
千夜「食い逃げだ!発砲許可!頭を狙え!」
突然銃を構えながらリゼのモノマネをした。チノは怯えた。
千夜「リゼちゃんのモノマネだったんだけど、緊張を解そうと思って・・・逆効果だったかしら?」
祖母「これ千夜。」
千夜「あ!じゃあ次はココアちゃんのモノマネやりまーす!」
祖母「千夜。」
チノ「仕事そっちのけな所が既にそれっぽいです。」
祖母に注意されてもそっちのけな千夜は、ガッツポーズしてココアのモノマネをする。
千夜「お姉ちゃんに任せなさーい。」
チノ「ダメです。本当に姉オーラが出てしまってます。美化されてます。でも私のために普段やらない事までしてくれてありがとうございます。」
千夜「良いのよ。ラビットハウスごっこは1人でよくやってるから。」
チノ「え!」
祖母「ほら何時までも遊んでないで、後は任せたよ。」
チノ・千夜「はい。」
その後厨房で餅を作る。
千夜「そうそう、上手よ、チノちゃん。」
チノ「は・・・はい。シャロさんはあんこが苦手だからここで働かないんですか?」
千夜「そうね。最近はちょっと慣れて来たみたいなんだけど、それよりもお隣さんだから気恥ずかしさがあるんじゃないかしら。私もうちに来ないって言い難いし。」
チノ(千夜さん、バイト仲間が居なくて寂しそうなのにモノマネするほど・・・幼馴染って難しいです。)
餅をティッピーの形にした。
チノ「(そして練り切りも難しい。うーん。)でも私、お2人が一緒に働いてる所見てみたいです。」
千夜「あ・・・」
チノ「帰って来たら、誘ってみたらどうですか?」
千夜「そ・・・そうね。ありがとう、チノちゃん。じゃあ後で誘ってみようかしら。」
チノ「はい。」
外では千夜の祖母が静かに聞いていた。
その後、千夜は外で竹箒で掃除をしてると、シャロが帰って来た。
千夜「あ!おかえり、シャロちゃん!」
シャロ「ただいま。何か楽しそうね。」
千夜「分かる?実はね、甘兎庵に可愛い新人さんが入ったの!(3日間だけだけど。)」
シャロ「チノちゃんの事ね。)奇遇ね、私も可愛い後輩が出来たの。(3日間だけだけど。)」
それを聞いた千夜は悔しそうに膨れっ面になった。
シャロ「何その顔!?」
夕方、千夜が部屋で悲しそうに落ち込んでた。
千夜「フルールを満喫してるみたい・・・とても甘兎庵で働く気なんて無さそう・・・」
チノ「聞いてみなきゃ分かりませんよ!ファイトです!」
落ち込む千夜をチノが励ます。
千夜「そうね。」
元気になった千夜は、シャロの家に入って来た。手には何か荷物を持っていた。
千夜「ちょっと言いかしら?これお裾分けの和菓子なんだけど。何してるの?」
入ると、シャロが刺繍をしていた。
シャロ「可愛い後輩ってバレエが出来る子で、スピンを見せて貰ったんだけど、服を引っ掛けちゃって。私がけしかけちゃったから、これはちょっとした罪滅ぼしね。」
すると千夜はまた怒った。
千夜「うちの子だって帯回しには自信があるのよ!」
想像する千夜。
千夜『よいではないかー!』
それはチノの帯を回しをしている。想像終了。
千夜「コマのようにね!」
シャロ「コマって・・・」
千夜「私もう行くわ。」
お裾分けの和菓子を置いてすぐに帰って行った。
シャロ「何なのよ・・・ん?」
すると風呂敷と一緒にあった1枚の手紙を見付けたシャロは、その手紙を見る。
シャロ「はっ!」
その頃チノは、千夜の部屋で職業体験レポートを書いていたが、中々進まなかった。
チノ「職場体験レポート・・・難しいです。」
するとチノの携帯が鳴った。電話に出る。
チノ「もしもし。」
ティッピー『チノ、休憩中か?』
チノ「はい、おじいちゃん。」
ティッピー『敵地の様子はどうじゃ?』
電話相手はティッピーだった。
チノ「どうと言われても、何を報告すれば良いんですか?」
すると千夜の祖母が入って来た。
祖母「あんた、良く見ると仏頂面があのジジイにそっくりだね。」
ティッピー『ババアの声、大きなお世話じゃ!』
すると千夜の祖母がもなかを差し出した。
祖母「疲れてんなら、あのジジイが嫌いだった最中でも食べな。」
チノ「あ・・・あの・・・」
祖母「羊羹も欲しいのかい?ジジイに似て業突く張りだね。」
今度は羊羹をチノに差し出した。
チノ「い・・・いや・・・」
祖母「喉が詰まったらどうするって?」
チノ「あ、ああ・・・」
泣きながら怯えるチノ。
祖母「だったら茶を飲めば良いだろ。」
今度はお茶を差し出した。
祖母「足りなかったらそう言うんだよ。全くジジイに似て図々しいわい。好きなだけ休憩してな!ゆっくりするんだよ!」
千夜の祖母は部屋から出た。もなかを食べるチノ。
チノ「美味しい!なんて優しいおばあちゃん!」
厳しそうに見えた千夜の祖母はとても優しいと思ったチノ。
ティッピー『ダメじゃ!食ったら虫歯になるぞ!チノ聞いているのか?チノ!チノ!』
注意を聞いてないチノは電話を切ってお茶を飲む。するとそこに千夜が帰って来た。
チノ「おかえりなさい。どうでしたか?」
千夜「それがね・・・」
すると廊下からドタドタと音が響いた。その音は次第に近付き、戸が開いた。開けたのはシャロだった。
シャロ「もう!素直に直球で言いなさいよ!」
千夜「シャロちゃん!」
何故シャロが来たかと言うと、それはシャロがあの手紙を見たからであった。
手紙に書かれた内容は「シャロちゃんと同じ制服を着て一緒に働きたいの」と書かれてた。
シャロ「全く・・・そしたら私も・・・直球で返すんだから・・・!」
フルールの制服を千夜に差し出した。
千夜「ヤダ・・・変化球だわ。」
受け取った千夜はフルールの制服を着て嬉しそうに喜んだ。
チノ「着てしまってます。ノリノリです。千夜さんがフルールで働きたいと思ってるって勘違いされてませんか?」
千夜「そうね。」
チノ「私が着た着物も本当はシャロさんに用意した物だったんじゃ?」
千夜「見て、シャロちゃん、とっても嬉しそう。」
シャロ「もう!うちには絶対興味ないって思ってたのにしょうがないわね!」
嬉しそうなシャロ。
チノ「きっと一緒に働きたいって思いは同じだったんです。」
千夜「まあその気持ちが分かっただけでも今日は十分だわ。本当に一日だけ働いてみようかしら。」
シャロ「本当にって何よ!」
チノ(なんだかレポートに書いておきたい出来事です。)
すると千夜が着てるフルールの制服のボタンが取れてしまった。そのボタンはシャロの頬に当たって落ちた。
千夜「ああ!きつくて胸のボタンが・・・腰回りは大丈夫なのに・・・」
チノ「あれのサイズは・・・?」
シャロ「私と同じよ・・・」
千夜「ボタン見付からないわ。」
チノ「凄い・・・」
シャロは笑ってるが、完全に殺気を醸し出してた。
その頃ラビットハウスでは、ココアと楽兎がリゼとマヤを見送ってた。
ココア「遅くまでお疲れ。」
楽兎「明日も宜しくな。」
リゼ「また明日な。」
マヤ「ココア、楽兎、じゃあね!」
こうして2人は帰って行った。するとココアの携帯に受信音が鳴った。
ココア「チノちゃんからメールだ!帰って来たら今日の話沢山聞けると良いね、ティッピー。」
メールを見ると、夕飯にお呼ばれしたので帰りは遅くなります。」と送られて来た。
ココア「ありゃ?」
次のメールを見ると、「千夜さんいわく甘兎庵看板姉妹爆☆誕」のメールと、チノと千夜がポーズを取ってる写メまで送られて来た。
楽兎「看板姉妹って。」
するとココアが叫んだ。
ココア「ヴェアアアアアアアアアアアアア!!!チノちゃんたら!!!」
これには楽兎がびっくりした。
その後、チノにメールが来た。
ココア『ラビットハウス新三姉妹で対抗だよ!』
そしてリゼとマヤと一緒に写ってる写メまでも送られて来た。するとまた受信音が鳴った。送って来た相手は楽兎だった。
楽兎『チノちゃん、ココアは嫉妬してるから気にしなくて良いよ。』
チノ「全くココアさんは、しょうがないココアさんです。」
千夜「ボタンあったわー!良かった!」
やっと取れたボタンを見付けた。
シャロ「やっぱりフルールで働かなくて良いわ。」
千夜「え?どうして?」
シャロ「なんでもよー。」
千夜「似合うと思うんだけど・・・」
するとシャロは痺れを切らせて怒った。
シャロ「もう!うるさい!早くそれを脱ぎなさいよ!」
千夜「おやめになってー!」
逃げる千夜を追い掛けるシャロ。そんな2人を見て微笑んだチノであった。
「END」
キャスト
綾部楽兎:斎藤壮馬
ココア:佐倉綾音
チノ:水瀬いのり
リゼ:種田梨沙
千夜:佐藤聡美
シャロ:内田真礼
マヤ:徳井青空
メグ:村川梨衣
茶度緑羽太:相葉裕樹
鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
ティッピー:清川元夢
タカヒロ:速水奨
千夜の祖母:一城みゆ希
女性客:M・A・O
祖母「ジジイを出しな。」
タカヒロ「今は・・・出掛けております。」
祖母「じゃあまた来るから、羊羹置いとくよ。」
タカヒロ「ありがとうございます。え?」
次回「Eを探す日常」
ココアの叫びが中毒になってしまいました。
感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。
どの組み合わせが好き?みくる編
-
みくる×ココア
-
みくる×チノ
-
みくる×リゼ
-
みくる×千夜
-
みくる×シャロ