「…で、今日はこのクラスに転校生がくる。入れ。」
そう担任に催促され教室に入る。クラスの全員、では無いが俺に注目する。そして奇しくも転校に慣れている俺はその視線に気にすることなくそのまま中央へと歩いて行く。
「転校生の川崎 龍司、よろしく。」
簡潔極まりない自己紹介でクラスは静寂に包まれた。担任もクラスに居た生徒すら誰も何もすることなく、只静寂の数秒過ぎた。
担任ははっとした様に川崎の席はそこだど教えてくれた。俺は返事をすることなくその席まで移動し何事もなく着席した。
「では、HRは終了する。転校生に話があるなら授業前に済ませておけよ。」
そういうと担任は手早く準備を済ませて教室から出て行った。
だが1科目目というのに誰もその転校生へと話しかけることはない。出てきてからの無愛想さ、そして見た目から誰も話しかけようとはしない。
重要なことなので二度書かせてもらった。それ以外はこのクラスのいつもの雰囲気となる。
とある女子生徒に群がる男子、それを遠目でみて不快そうにする女子、その二つに馴染めない転校生。こう見てみるとなんともいえない状況のクラスに編入してしまったもんだと思ってしまう。
だが、今回だけは少しだけ違った。その転校生へと男子に群がられていた女子が近づいてきた。
「あんた、いったい何様のつもりよ。」
綺麗な金髪の髪の毛をふわりと靡かせてその女子が言った。日本人離れしたそのスタイル。美しいその瞳に違わず気の強い女子のようだ。
自分の自信が満ち溢れている、といえばいいのだろうか。その女子の取り巻きからもなにやらこちらに言ってきているが、正直五月蝿いだけに少しだけ、イラついた。
「テメェこそ何様のつもりだ?その五月蝿い取り巻きを黙らせろ。そうでもしないとその取り巻きの顔が人間じゃ無くなるぞ。」
椅子に座りながらその女子を睨み付ける。そしてその周りにいる男子にも流れるように睨む。
その視線に驚き、または有り得ないと驚愕の表情をするクラス。ちなみにその睨まれた男子生徒は完全に逃げ腰になっていてみっともなかった。
「な、なによえらそうに。」
取り巻きが意気消失するのと同時にその女子も不安げな表情になって自身を抱くようにして視線を逸らした。
(…なんだが、アイツと話してるみたいだな。)
いつも上から目線で来るのにいざこうして少しだけ口論しようとするとまるで悪いことをしたように反省するアイツを、思い出してしまう。
「で、いったい何の様だ。」
視線を机の上に戻し、相手の言葉を聴く体勢(?)になる。そうするとまた機嫌が戻ったのかその視線から逃れた気の緩みかはたまたそのどちらかか、また取り巻きと女子が息巻く。
「あんたねぇ・・・まぁいいわ。見た目通り気が強いみたいだけど、私に“だけ”は逆らわないほうが身のためよ。」
ふふんと胸を張る。いい加減止めて欲しい。自分で理解していないのか見せ付けてるのか分からんがその豊満な胸に嫌でも気を使ってしまう。
そして自分が偉いのか両親が偉いのかよく分からんが、俺には関係のない話だ。
ムカつくなら潰す。それが俺なりのやり方だから。
俺の態度が、まぁ気に入らないのだったのだろう。取り巻きの一人の男子が俺の肩を掴む。
「おいお前、話しかけられてるんだ、返事くらい――」
イライラしてる上にこんなヤツに肩を掴まれて返事を強制させられる。嫌にでも反応してしまうだろうが。
俺の肩に置かれた手を右手で掴みそのまま立ち上がってそのまま右手を内側に捻る様に引き相手が、腰を下げるようにして痛がったのと同時に左手に持ち替えて右の掌で肘を上げてそのまま体重をかけて机へと叩きつける!
ダンッ!という音と共に叩きつけられた男子の小さな呻き声をあげる。その音に連動するようにクラス全員がこちらに注目して女子は悲鳴を、男子はこちらを止めようと行動に起こそうとするが。
そのクラスメイトを押さえつけてる転校生の言葉を聴いて、凍りついた。
「・・・俺はこれから準備しねぇとなんねぇんだよ。それを邪魔するってことは、この腕が使えなくなってもいいってことだよな?」
クラス全員の視線を集めてなお、押さえつけてる男子の腕を折ろうとするその言葉。
あまりの冷たさに誰も行動を起こせなかった。
その視線というか目線が、本気だったから。
「冗談に決まってんだろ。」
そういって手を退けると男子はそのまま逃げようとするが腰が抜けたのかどたどたと自分の席へと戻っていた。
「俺の邪魔だけはするんじゃねぇ、それだけだ。」
そうして俺のクラスの印象が確信した。
残念というか凶暴というか