そんなことがあってからか、俺の学園生活は寂しいものが確定されてしまった。
休み時間になれば隣に座るクラスメイトが一斉に離れていくし、昼時になれば早く学食へといかないかという視線。
まぁお陰で授業には集中できるし、俺へのクラスメイトからの評価、いや評判か?と聞いた先生は授業中俺に質問や問いについて全く話してこない。
大変ありがたい、ありがたいが・・・。
だが、そんな俺の耳にいい情報(?)が手に入った。
それは俺と似たような時期に転校生が来たらしい。
金髪に髪を染めて、尚且つ目付きがヤンキーの如く悪い。
なぜか図書館にある小説を読んでいて周りから怖がられている。らしい。
「・・・境遇が似てるというか、いや、似て異なるものだよな。」
肩肘を突いて教室から見える空を見上げる。
もう放課後というのに一人寂しく教室にいる男子生徒。あぁ、俺は本当に。
「友達っていうもんがいねぇんだな。」
呟いた言葉は空に消えた。
その同じ時間、別の教室で、長谷川小鷹と三日月夜空がある言葉を発した。
部活だ、その手があったと。
次の日にそして行動が起こされた、そして作られた部活
隣人部が設立された。
その日も俺はあいも変わらず素敵なぼっち学園生活を堪能していた。
変わらない授業風景、俺への対応、そして過ぎる時間。
新しい刺激が欲しい、いや、そんな大層なものは欲しくない。
ただ、友達が欲しかった。
その日の放課後、掲示板に貼り付けられた部員募集の紙を俺は見た。
隣人部
とにかく臨機応変に隣人
ともよき関係を築くべく
からだと心の健全に鍛え
たびだちのその日まで
共に想い募らせ励ましあい
皆の信望を集める人間になろう!
活動場所:礼拝堂談話室4
そして謎のイラストが手足の生えたおにぎり?を暴食しようとしてる。なんとも感性豊かな部長だなと思うものだった。
だがそれ以前にある点に気付いた。
「と、も、だ、ち、募、集。?」
その部活動の謳い文句を左上から右下へと斜め読みするとそう読める。
なぜだか分からないが、俺はこのポスターに、惹かれてしまった。
「面白そうじゃん・・・!」
ワクワクが止まらない、かつてない高揚感に体か軽い。
鞄を握り締め、礼拝堂へと走った。
それを見ていた一人の女子、その子もこのポスターに気付いた。
「ともだち募集か・・・。」
呟いて先に走っていった男子を見る。
「アイツも、友達欲しかったのかな。」
礼拝堂談話室4とプレートが付いている扉の前まできた。
なにやら会話しているようだが、俺はそれ以上の興奮を覚えた。
楽しそうなことには変わりない、俺はこの部活に入る、そして学泉生活を謳歌する!
よし、この扉をノックして部活に入部すると言えばこのくだらない学園生活ともおさらばできる。
そう気合を入れてノックしようとした。
「あんた、川崎じゃないの?」
ノックしようとした腕が止まった。声のしたほうへと首を動かすと、そこにいたのは。
「私もその部活に入部するわよ。」
満面の笑みで微笑んだ金髪の美少女。
「・・・柏崎、星奈。」
俺の転校初日を綺麗に彩ってくれたご本人がそこにいた。
「てめぇ!リア充は帰れ!周りにいる男子からちやほやされてるくせにんなとこくんな!」
「な、なによ!関係ないでしょ!あんたには!」
「あんだろうがよ!てめぇのせいで俺は今絶賛学園ぼっちなんだよ!ざけんな!」
「それはあんたがクラスであんなことするからでしょ!」
「てめぇが話しかけてこなかったら俺は今頃友達と一緒に下校してんだよ!」
部屋の前で騒がしくしてるとガチャッという音と共に談話室の扉が小さく開いた。
「あ、入部したい「隣人部ってのはここね?入部したいんだけど」おま・・・被せんなよ!」
そして扉を開けた本人は違うと言って即閉めた。あ、今鍵も閉めたぞ。
即閉めだしを食らって柏崎は涙目になりながら扉を何度もノック、いや、叩き始めた。
「ちょ・・・なんで閉めたのよ!ちょっとー!」
何度も叩くその姿を見てると少しだけ可哀想だなこいつ、なんて思ってしまう。
中にいる生徒も鬱陶しいと思ったのかまた小さく扉を開けた。
それに間髪居れず柏崎が吼える。
「ちょっとなんで閉めるのよ!あたしは入部したいだけ「リア充は死ねっ!!!」」
ちらっとだけ見えた黒い髪をした綺麗な女子、勢いよく扉を閉めようとした。
「その言葉、撤回しろよ。」
俺は靴を素早く扉の間に滑り込ませて扉が閉まるのを防いだ。
「なっ・・・。」
バタンと閉まる筈だった扉は俺の足によって閉まることが防がれた。それと同時に扉に挟まれた俺の上履きが軽く潰され、上履きが赤く染まった。
「ちょっと、あんた。」
柏崎が俺の足から血が出てるのを見えたのか、俺のほうに振り返り心配そうに見つめて来る。
「あんたあんたうるせぇな、俺の名前は川崎龍司って言うんだよ。」
柏崎の後ろからいきなり足を前に出したものだから他人から見るといかんせん危ない状況だかどうでもいい。そういうと柏崎は視線を逸らした。少し頬を赤く染めて。
不良が野良猫を拾い上げるときと似た様な感覚?