「……ということだ、わかったか?安室くん」
「…この機体の事は大体わかった。後は僕がどれほどの力を持ち合わせているかだな…」
「君には期待しているんだ…負けは我が社の恥、勝利の報告以外はいらないよ…」
黒服の男と会話を交わすアムロ レイ、いやこの世界の名は 安室 透。
「…気に入らないな。負けは必要な事だ。負けてこそ学ぶ事だってあるぞ?」
「それは敗者の屁理屈であり負け犬の遠吠えだよ…まぁ君がどんな事を思おうと私には関係無いんだけどね…?」
黒服の首にぶら下がるのはGBE(ガンプラバトルエレクトロニクス)の文字
「大会まで君は自由だ。それまでは好きにしているといい」
そういうと黒服は部屋から出て行ってしまった。
(…何故だ…俺は一企業に協力しているだけのはず…なのに何故胸騒ぎがするんだ…?)
アムロの足は自然と、ある場所へと向かっていった……
「ここは…湖か…。何故俺はこんな所に来たんだろうな…」
ララァの事が今でも忘れられないのだろうか。チェーンと交わしたあの口づけさえも、自分を慰めるだけのものだったのだろうか。そして何故、自分はこの世界にいるのか。
そんな事を思っていると、一匹の鳥がアムロの肩に降り立った。
「…鳥?首輪が付いてるな、一体誰の…」
「えるちゃーん、どこ行くのー」
背後から少女が名前を呼んでいる。…緑の毛色をした鳥を見るアムロ。
「君がえるちゃんなのかい?」
そう聞くや否や
「ララァ、ララァ、ドコー」
「⁈何…」
「あ、いた」
「うぉ⁈」
アムロは驚き、素っ頓狂な声を上げる。
「あー…すいません、うちのえるちゃんが…大丈夫ですか?」
「あっ、あぁ、大丈夫だよ。気にしないでくれ。」
「そうですか、それは良かった…貴女も大丈夫?えるちゃん?」
そう呼ばれると、鳥は大きく翼を広げる
「ララァ、ララァ、アエター!」
「もう、えるちゃんってば」
クスリと笑う少女、その顔にアムロは見覚えがあった。
アムロは今すぐにでも聴きたかった。何故君がララァと呼ばれているのかと。
何故なら彼女の笑う面影が、ララァに似ていたから。
しかし初対面の人にそんな事をすぐに聞くわけにはいかない。
「…その子の名前はえるちゃんなのかい?」
とりあえずアムロは当たり障りの無い事から聞く事にした。
「本当はエルメスって言うんです。でもあんまり可愛く無いでしょう?だから…」
「…エルメス、か…」
エルメスとはジオン製のビット採用MAの名前であり、ララァの乗機でもある。
「貴方は…私が昨日会った方と同じ雰囲気がしますね」
アムロはその時、はっきりとわかった。彼女が自分のニュータイプの感性をはっきりとではないが、感じ取っている事に。
「…同じ?その人は一体…」
「確か…赤井秀一…と」
「…シャア…やはり…」
奴は、この世界で生きている。
そして目の前にいるララァと呼ばれた少女。
運命の歯車は廻され始める。
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