今日は休みの日、シャアは模型屋に行くことにした。
「いらっしゃい秀一くん!今日は何の用かな?」
彼はここの店員だ。名前は知らない、私は店員さんと呼んでいる。
「店員さん、頼んでいたガンプラはどうだった?」
今日は兼ねてより注文していた百式の100分の一スケールを買いに来たのだ。
「えーと、あと少しで届くと思うんだけども…お?来たかな?」
配達員が店内に入ってくる。用事を済ませダンボール箱を受け取り、開くとそこには百式が君臨していた。
「…随分と懐かしいな…」
「そうだねぇ…Zはもう何年前だっけかな?」
するとそこに近づく男の影が
「百式のMGは売っていないのかな?」
その声にシャアは聞き覚えがあった。というよりも、以前の自分の声そのものと言っても過言では無い、そんな声だった。
シャアは咄嗟に身構える。得体の知れない物との接触。
その時、店員が情けない声を出しながら質問する。
「もももっ、もしかしてもしかしたら、池田秀一さんですか⁈」
「あぁ、そうだよ?」
「みっ店に飾りたいので、サインを頂けませんでしょうかっ!」
店員は頭を下げながら色紙を池田秀一と呼ばれる男に渡した。
この男は一体誰なんだ?何故私と同じ声をしている?
シャアの頭の中には疑問が渦巻いていた。
サインを書き終わった彼はシャアに興味を示した。
「…?なんでしょう、池田さん。」
「君はなんとなく、シャアに似ているね?名前はなんというんだい?」
「私は赤井秀一といいます。」
「赤井秀一くんか…!赤い彗星と呼ばれた子だね?」
二人をよそに店員はサインを嬉しそうに後ろの棚に飾っている。
「少し私と話をしないかい?赤井くん。」
「なんでしょうか?ここで話しても…」
彼は首を横に振る。
「いいや、二人だけで話がしたい。もし来てくれるなら、その百式のお代は私が支払おう。」
しかしシャアはその場を動こうとしなかった。
彼は笑う。
「フフッ、そんな頑固なところも、シャアの様だ」
店員が二人に話しかける。
「じゃあ、奥の部屋使います?バイトの控え室なんですけど、僕だけしか今はいないんで空いてるんですよ。」
「いいのかい?」
「サインのお礼です!赤井くんも、それなら良いよね?」
「ええ、まぁ…」
私、シャアアズナブルは、池田秀一という男と話をする事になった。
「さてと…ここなら深いことが聞ける。」
「何を聞くつもりですか?」
シャアは尋ねると彼ははっきりと言った。
「君は、シャアアズナブル…だね?」
「ご冗談を…シャアはアニメや漫画の…「それを君は、認めても良いのかな?シャア」…どういう意味です?」
「君は今、この世界に来て困惑していることもあるのだろう。アムロやカミーユといった存在は実在しないのだから。ライバルもいない。でもだからといって、シャアであることを忘れてしまったら、もう二度と元いた世界に戻れなくなってしまうよ?」
「では私はどうすればいいのです?あの時の様に戦争も無ければ、政治力も無いシャアに、何が出来るというのです?」
「…渡したい物がある。住所を教えてくれないかな?」
「…関係が見当たらないが?」
「私から、この世界にシャアとして名を馳す為の餞別さ、受け取ってほしい」
「貴方は、私にシャアとして何を求めているのです?」
「そうだね…まずは君にこの世界のパイロット…ビルドファイターだね、彼らの強さを見てほしいかな。じゃあ話はこれくらいにしよう、ではまた会おう、秀一くん」
彼はシャアの住所を聞いてから、店を出て行った。
後日、家にある物が届いた。
「池田さんは私に…どうしろというのだ…?」
彼の両手には仮面があった。
終わりです。今回は本編ではなく日常編という事で、某漫画と同じ題名です。ご了承ください。
あと池田さんの口調は想像です。違ったらごめんなさい…