因果律の鎖を越えて -ULTRA・ZEST-   作:猫丸又三郎

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だいぶ前にクリアしたスーパーヒーロー作戦をネタにしようとして、考え付いた結果これって……
ユーゼスさん、個人的にはめちゃくちゃ大好きなんですがねぇ。

プロローグは、どこかで見たような人も出てきます。
本編には無理だろうけども……


プロローグ

「―――私は………ウルトラマンにも、地球人にも為れなかったのか…………」

 

 因果地平の彼方、と呼ばれる場所。

 そこにユーゼス・ゴッツオは居た。

 己が神に取って代わろうと画策し、手にした『光』の力。歪んだ光を使って全てを変えようとした彼は、同じく『光』の力………ウルトラ一族の決死の一撃によってその力を無力化された。

 更に、もう一人の自身とも言える男、イングラム・プリスケンらの攻撃によって完全に力を失った。

 

 そして、彼は今、ここに居た。

 

「結局、ウルトラマンになるには神の力など必要ないのだな…………」

 

 光を手にした事で分かった、『力を持つ』という事。

 自身の経験と同じく、正しい方向にも歪んだ方向にも簡単に向けられる力……。

 そんなモノを必要とせずに戦ったイングラムやリュウセイ等こそが、ウルトラマンと共に生きていく者達なのだろう。

 

「私は……お前が……うらやましい。……………イングラム」

 

 薄々だが勘づいている。

 自身の半身が、虚空からの使者になった事。

 並行世界の自分に、今の自分の記憶が流れ出している事。

 その私が、再びイングラムや鋼の救世主によって倒される事。

 因果律の鎖によって縛られた運命から、抜け出す事が出来ない事。

 幾らやっても結果は同じであろう。

 因果という烙印に縛られた以上、ソレを変える事は出来ないのだから。

 クロスゲート・パラダイム・システムがあっても、ウルトラの光があったとしても、その結末を変える事は出来やしない。

 つくづく自分の情けなさに嫌気がした。

 あの時……新西暦155年にウルトラマンに出会わなければ……………あるいは、自身がウルトラマンへとなっていたら……………。

 

「馬鹿だな、私も。それこそ有り得ない話だろう………」

 

 超人的な力はいずれ身を滅ぼす。それは重々承知だ。

 ……だが、もしそうなったならばどうなる?

 私は神へとなろうとしただろうか?

 それとも、私も彼らと同じく人間の為に戦ったのだろうか?

 結果は知る由もない。だが、そんな考えを、ここへ来てから幾度となくしてきた。

 叶いもしない夢物語を………。

 

 

 

「―――じゃあ君は、その物語を望むのかい?」

「………ッ!?誰だ!」

 

 気付かぬ間に、見知らぬ男が立っていた。

 妙に派手な服装の青年だ。まるで気取った神の様な恰好である。

 ……その割には背中にとても大きな風呂敷袋を背負っているが。

 

「私も、たった今しがたこの因果地平の彼方へとやって来たばかりさ。……それより」

 

 そう言うと、男は背負っていた風呂敷を広げた。すると―――

 

「………っ、何だ、この負の力は……!?」

 

 黒く、漆黒よりも深い闇。

 それは超神ゼストにあった歪んだ力よりも強大な邪悪であった。

 

「ある世界……といっても、並行世界の塊みたいな所で発生した『消滅しようとする力』さ」

「消滅しようとする……力」

 

 次元修復した時に相殺しきれなかった分でね、と青年は付け加えた。更に、

 

「……これは、ある世界から流れ出した生きようとする力だね」

 

 目の前に、光が現れた。邪悪な闇とは打って変わって、暖かい光であった。

 

「彼の言葉を借りれば、人の心の光………とでも言うのかな?」

 

 その二つの力を目にして、ユーゼスは自分が使った力がどれだけ弱く小さいモノなのか思い知った。

 ゼストの邪悪な力ですら、『消滅しようとする力』の数万分の1程度にも満たないだろう。

 

「これだけの強力な力だ………これを『生きようとする力』………ましてやそれ以上の力に変えられたら、君の言う『光』へとなるかもしれないな」

「何を馬鹿な………もし本当にそんな事が出来るのならば、私の因果の鎖も断ち切れる筈だな」

「なら、やってみるかい?」

 

 そう言った青年は、その二つの力を操るかの様に手を動かす。

 すると、その動きに合わせて二つの力は衝突した。

 直後、大きな閃光と共に、ユーゼスには何かが見え始めた。

 鋼を纏った巨人、光の意思で戦う戦士、黒の創世たる王、魔の力を持つ少女、夢を叶える少女達………。

 

「何だ………私の知らない何が起ころうとしているのだ!?」

「既に『因子』は揃った……後は『鍵』となるモノとそれを操る『戦士達』が必要となるのか」

 

 うむ、と自身の顎に手を置き、しばし考え事を始めた。そして直ぐに、

 

「後は君のその願いだけだ。過ちと罪を認め、それを乗り越えるだけの『想い』だ」

「私は……………」

 

 目の前で炸裂する閃光は徐々に強くなってゆく。ウルトラマンよりも強大な、暖かみを帯びた光がユーゼスに迫る。

 そして一呼吸置いた後、ユーゼスは絞り出す様に叫んだ。

 

「―――彼らと同じ……ウルトラマンと同じように人間を護れる力が………欲しいッ!!」

 

 閃光。

 意識が遠のいていく様な気分。

 ユーゼスはそんな謎の感覚に襲われた。

 

「力が君に答えた………後は君次第だ、ユーゼス・ゴッツオ」

 

 

 

「……あの光を………あの力を手に入れるのは……………私だぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 何故か自然と出た言葉を最後に、ユーゼスの存在は因果地平の彼方から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~、ユーゼスはやっぱり叫んでいましたな~」

 

 ユーゼスが消えてなくなってすぐ、オレンジ色の大きなロボットが近付いてきた。

 

「だが、その咆哮が新たな物語を呼んだんだよ」

 

 ユーゼスを消した二つの力は、既に消えていた。

 消滅しようとする力と存在しようとする力。この二つが合わさった時、生きとし生ける万物の『生きようとする力』、生き物や人間全てが持つ力に変わる。

 大極の力、スフィアでも重要ないがみ合う双子がそうであったように。

 そして、生み出されたこの力はどこへと消えたのか。

 何処かに散っていったのか、或るいは―――

 

「………いずれにせよ、なんで勝手に私が持っていたZクリスタルの欠片を使ったんです!アレに残っていた並行世界の戦士達の虚憶を見て、楽しもうとしてたのに!!」

 

 青年の手に握られたZクリスタルは、もうただの石ころ同然になっていた。透き通る様な宝石感が感じられない。溜め込んでいた力を全て使い切っていたのだ。

 

「ジ・エーデル、君も懲りない人物の様だね」

「一度でも神を気取った貴方に言われたくありません!!」

 

 青年は無限に広がる彼方を見つめた。

 ユーゼス・ゴッツオがどこへ消え去ったのか。それは消し去った張本人であるアドヴェントですらも分からなかった。

 ただ、彼は思った。

 因果律の鎖を、ユーゼス自身の力で解ける事を……………




新期参戦とかのアイデアが考え付かないのも私だぁぁぁぁぁっ!!

次回からはユーゼスが真面目にウルトラマン(?)やります。
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