因果律の鎖を越えて -ULTRA・ZEST-   作:猫丸又三郎

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 無理にシンフォギアネタ積み込んだ為にこうなったのだ………


 ユーゼスさんにアホセル、新期参戦のシンフォギア装者達の回です。ユーゼス単品の筈が………

 動き出したユーゼスに、現れた謎の赤ワカメ……。

 波乱を呼ぶのはどっちなのか!?(大方赤ワカメのボケが波乱を呼ぶが……)



第六話 ファーストコンタクト

 

 

 

 

 

「―――以上で、終わらせて頂きます」

 

 壇上に立つ男が舞台袖に歩いて行った。

 ステージ端で司会を務める男がマイクを手にとり、次に進める。

 

「では次は……ユーゼス・ゴッツォ博士、登壇して下さい」

 

「はい」

 

 司会に呼ばれ、ユーゼスは座っていた椅子から立ち上がった。そして、そのままズカズカとステージ上に登る。

 その姿を見て、他の席に座る者達は「なんて奴なんだ?」「礼儀も知らんとは!」等と口々に漏らしていた。

 だが、ユーゼスは気にする様子もない。

 

 ここは日本の東京。ある会場で行われているのは、国際研究者フォーラムだ。

 世界中の一大研究者たちが、自身の成果を発表する為の場。表立てはそう言われているが、実際には有名博士達のお膳立てだ。一介の名も無い博士が登壇する場ではなかった。

 そこをどうにか金で買収したユーゼスは、このステージに立っていたのだった。

 

(このチャンス……物に出来れば、私の勝ちだな)

 

 手にした紙を広げる。カンペなのだが、それは全く何も書かれていない白紙だった。

 あんな紙など必要ない位、設計や理論は覚えている。これが発表された時、世界は戦慄する事だろう。

 

「私の名はユーゼス・ゴッツォ。貴方がたの様なちんけな成果などよりも、素晴らしいモノをここで発表させて頂こう」

 

 そんな挑発的な言葉に、他の科学者達が笑い始めた。

 

「ははは、君の様な青二才が何を言うのだね?」

 

「我々よりも優れたモノだって?馬鹿な事を言う若造だ」

 

 ユーゼスはそんな戯言を無視して、マイクに顔を近づけた。

 

 

 

 

 

「私は、世界中にこの技術を提供しよう。―――この大気浄化弾の技術を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユーゼスがこの世界に転生して二ヶ月。

 日本の復興スピードが飛び抜けて早過ぎるだけなのか、お台場は既に元通りになり、ごく普通の平和な日常が戻っていた。

 ユーゼスはこの世界に生きる場所が無かった。だから、最初はホームレス同然で生活をし、その間にユーゼスは色々な事を調べ回っていた。

 この世界の事、ウルトラマンの事……。

 最初に調べたのは、この世界の歴史であった。

 この世界に生きる為には、最低限の世界の成り立ち程度は覚えておかなければならない。

 そこでまず知ったのが、ウルトラマンがいつ現れたか、であった。

 

 事の始まりは10年ほど前。宇宙怪獣ベムラーの飛来と共にやって来た初代ウルトラマンを皮切りに、ウルトラセブン、ウルトラマンジャックが地球の守りについていた。

 ……だが、そんな時に現れたのが、宇宙人達の連合部隊、ETFであった。

 MATと共に戦ったウルトラ戦士達は、自ら光の力を全て使って地球を守護した。

 ウルトラ戦士達による決死の攻撃によってETFは壊滅。後に『第一次異星人戦争』とも呼ばれる戦争は幕を閉じ、それ以降8年間もの間はウルトラ戦士も怪獣も現れる事はなかった。

 

 だが、人類のみでも地球を守る為にとの事で、ビアン・ゾルダーク博士率いるチームは人型機動兵器「パーソナルトルーパー」を開発し、来るべき異星人との決戦に備えた。

 

 そして2年前。

 古代の巨人像を人間が発見した時から、再び宇宙人と怪獣による地球攻撃が開始された。だが、呼応するかの様に人類を守る新たな守護者も同時に現れた。

 現れた新たな光の戦士、ウルトラマンティガ。

 地球を守護する為に造られた機動兵器、SRX。

 二対の巨人の死闘によって、復活した邪神ガタノゾーアと宣告者ジュデッカは倒れ、『邪神戦争』は終結した。

 

 世界は再び平穏を取り戻し、怪獣も現れなく無くなった。

 依然として特異災害であるノイズの出現はあるものの、つい3ヶ月程前に開示された『シンフォギア』と呼ばれる対ノイズ兵器や都市伝説としてよくスレ板を騒がせる『仮面ライダー』の存在によってある程度の治安は維持されていた。

 二ヶ月前に出会った門矢士も仮面ライダーであったので、後者は都市伝説ではなく実際に存在しているのだろうが、一向に顔など見せてはくれないらしい(ちなみに、現在までに確認された仮面ライダーの数は10人である)。

 

 

 次に知った事。それはウルトラ警備隊やMATの事であった。

 

 10年前までは科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MATの三つの組織があったが、その三つを統合した新組織『GUTS』が造られていた。

 2年前の邪神戦争でも最前線で戦ったらしいが、その組織も新たな組織形態に移行しようとしているらしかった。

 まあ、そんな事はユーゼスには関係などないが。

 ……だが、防衛隊というモノは利用できる存在だ。ゼストの力以外に、ユーゼスは様々な技術を知っている。

 パーソナルトルーパー以外にも、バード星人でしか造れない技術を。

 そのブレイクスルー技術を生かせば、何処からかGUTSの者が声を掛けてくる。そう思っていた。

 だからこそ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この大気浄化弾は、私以外の誰もが造り得なかったモノだ。それを見ても、青二才と呼べるのかね?」

 

 だからこそ、今この場に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言うと、GUTSは釣れなかった。

 だが、幾つかの研究所や組織、更には米国政府から雇いたいとの声が上がった。その数は20。やはり大気浄化弾は地球人に大きな衝撃を与えたらしかった。

 かつての失敗点はCPSを造り上げていた40年の中で改善していた。

 今思えば、あの改良がなければこの地に立ってはいなかっただろう。せめて、この世界の大気浄化弾は完全なモノにしたかった。

 設計図は来場していた科学者全員に配っていた。一度この世界で実験した所、成功しているので大丈夫だ。レーダージャミングなどは起きる筈もない。

 ユーゼスはこれからどの技術を公開しようかと悩みつつ、先程声を掛けてきた組織を比べ始めた。

 この世界で役立てる場所に就きたいとは思っているが、軍事関係に直結している企業や研究所には行く気などなかった。

 そもそも米国関係が殆どな為、とりあえずは日本単一で絞って見てみる。すると、

 

「………ほう、これは」

 

 目ぼしい所が幾つか見つかる中、一つだけ、妙に鮮明に映った。

 

 

 

 その組織は『特異災害対策機動部二課』という。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私立リディアン音楽院高等科は既に一日の授業を終え、学生達は全員各々青春を謳歌していた。

 部活に精を出す者、自分の趣味を全うする者、友達と楽しく過ごす者……。

 それぞれが今日という一日を過ごしていた。

 

「ふい~、今日も授業が終わったぞぉーっ!」

 

 両手を挙げ万歳している少女、立花響は叫ぶ。これでも本人的には声量を落としているつもりだったのだが、

 

「もう響、声が大きいよ」

 

 隣に並んで歩く小日向未来は笑いながら言った。本人的にはこんな事が日常であるから気にする必要ないが、外なので一応の注意をする。

 

「立花、人の目に触れる場所でそうやっているのはどうかと思うぞ?」

 

「それに、もしかしたらノイズが出るかもしれねぇぞ?」

 

 響の後に付いている風鳴翼、雪音クリスの二人も冗談交じりにそう言った。

 平和な日常。4人にとっては一時的な平穏の日常。

 シンフォギア装者達は今この一瞬を、大切に生きていた。

 

 

 

「………響、アレ」

 

「ふぇ?未来、どうかしたの?」

 

 最初に気が付いたのは未来だった。

 通りに隣接する公園を指を指す方には、今まで見たことない風景があった。

 

「なっ、何なのだアレ………」

 

 翼が遠目から見ても不自然過ぎるソレは、クレーターだった。

 3ヶ月前、『ルナアタック』によって発生した月の破片は地球の引力に引かれて落ちてくる事象が発生したが、隕石が公園に落ちたなんて事は聞いていない。

 そもそも、落ちたならソニックウェーブなりなんなり起こっているだろうに。

 

「まさか、新手の宇宙人の仕業だったりな」

 

 悪い顔をしながらクリスがそう言うと、未来と翼は「それはない」ときっぱり言った。

 冗談をこうも簡単に切り捨てられ、流石にクリスは口をとがらせる。

 

「まあどうであれ、見てみようよ!」

 

 そう言うと、響は一人駆け出して行った。3人も渋々それに付いて行く。

 

「………アレ、これ、人間……………?」

 

「何?それは本当か!?」

 

 響が見たモノは、クレーターの中心で見事に鼻ちょうちんを作って寝ている男だった。

 赤色の髪の男は、いかにも涼しげな表情で寝ている。……というより気絶しているのだが。

 

「何してやがんだ、コイツ」

 

「クレーター作って寝るって、物凄い物好きだね」

 

 まじめに突っ込むクリスと、ボケというよりも天然に近い事を言う響。

 クレーターを作って寝る以前に、何で公園で堂々と寝ているのかも問題なのだが、それを誰も突っ込まない。

 と、すると、

 

「…うう…レモ…ン…」

 

 男はうなされるかの様に呟いた。

 レモン、という名前は女性だろうか。

 

「………ん……ここは………って、うおっ!?」

 

「「「「!!」」」」

 

 目の前に少女が4人立っている事に気が付くと、男が飛び起きた。一時目をパチクリして、状況を整理しようとしているのが目に見えて分かる。

 

「貴方、何故ここで寝ていたのですか?」

 

 翼が先に口を開き、取り敢えず訪ねてみた。絵面的には、女子高校生に職質される大人。中々シュールなのは気にしてはいけないだろう。

 

「えーっと…………何で寝てんだろう?」

 

「いや、理由をコッチに聞くなよ」

 

 ボケたかの様に言う男に、クリスが速攻にツッコミで切り込んだ。

 グサッ、という音がしたかの様に、男が苦悶の表情を浮かべる。

 

「ちょっと待て……俺は…………誰だ…?どうしてこんなところに…?」

 

 男はそう言い始める。酔っ払いじゃあるまいし、と翼は思った。

 

「誰だ……って、貴方ふざけているのですか?」

 

「………ふざけるなら、もっと気のきいたことを言っているよ」

 

 男はぶっきらぼうにそう言った。もしかして本当に自分が誰か分かっていないのだろうか。

 

「もしかして…………記憶喪失?」

 

 半笑いながら響が冗談で言ってみた。すると、

 

「くそ…思い出せない…。記憶喪失というやつらしい…」

 

「えぇー」と小さく言う響。流石に本当に記憶喪失だとは思っていなかった。

 それをネタにしてしまったのに若干罪悪感。

 

「アンタ、名前ぐらい覚えてんだろ?まさか、ソレまで忘れちまったのか?」

 

 クリスが若干脅す形で尋ねる。だが男は何か思った様子もなく――多分そういう癖なのだろうか――口は勝手にこんな事を言った。

 

「………君の様な美人がキスしてくれたら思い出せるかもな」

 

 一時の沈黙。だが徐々にクリスは顔を赤らめていく。

 

「なっ…………なぁっ…………!?」

 

「こっちは冗談さ。………自分が誰なのかわからないのは本当だけどね」

 

 本当に笑えない冗談に、クリスは羞恥で真っ赤になって立ち尽くした。響がクリスをいじっているが、それもどうやら頭に入っていないご様子だ。

 そんな彼女を放っておいて、翼は代わりに言葉を続ける事にした。

 

「………全く笑えない冗談ですね」

 

「本当に、全くだな」

 

 笑いながらそう言う男は「ん?」と呟くと、少し考える。

 

「ちょっと、待ってくれ……そうだ……アクセル………」

 

「それが貴方の名前何ですか?」

 

 思い出したかの様にそう言った男に未来は聞く。男=アクセルは首を縦に振って肯定の意を表した。

 

「そうらしい………よく分からん。それ以外はサッパリだ」

 

 そう言いつつも、アクセルはほぼ無意識に近い形でクレーターに落ちていたあるモノを持ち上げた。

 

「えっ、刀………」

 

「というより、トンファーに近いよ?」

 

 アクセルが寝ていた隣に落ちていた立派な凶器に、未来と響は驚きつつもそう言った。

 トンファーの様な形をしているが、芯の部分には鋭利なブレードが付いている。

 この状態でお巡りさんに見つかると、立派な銃刀法違反だ。

 

「コイツは………そうだ、ミズチ・ブレードってんだ。………ちゅうことは、俺のモンなのかな?」

 

 正直自分でも分かっていない様だが、たぶん彼が記憶喪失になる前から所有していたモノなのだろう。

 

「随分と良い刀ですね」

 

「分かるのかい?コイツがどういうもんなのか」

 

「いえ………ただ、これは幾つもの戦場に駆り出されたモノですね」

 

 幾つか刃こぼれを起こし、錆が出来ている事からそう見抜いたのだろう。翼はミズチ・ブレードを歴戦の名刀だと予想していた。

 

「そんなもんかねぇ…………」

 

 どんなモノなのか分かっていないアクセルが空返事した、その時―――

 

『聞こえるか、皆!』

 

「!?」

 

「ん、どったの?」

 

 アクセルを除く4人の少女は、携帯通信機から聞こえてきた声に一斉に反応した。響、翼、クリスは特に顔を強張らせる。

 一人だけ状況が読み込めていないアクセルはポツンと佇んでいた。

 声の主は風鳴弦十郎。特異災害対策機動部二課の司令官であり、翼の叔父だ。

 

『お前たちのいる地域に、ノイズの反応が出た。数が多くはないが、気を付けろ!』

 

「「「了解!」」」

 

「ちょ、あの………何が起こってんの?」

 

 何が起きているのか分かっていないアクセルは、未来に取り敢えず尋ねてみた。

 

「アクセルさん、ノイズの事まで忘れちゃったんですか!?」

 

 呆れたというか何というか、ともかく説明するのも面倒な奴らの事をすっかり忘れたアクセルに、未来は手短に答えた。

 

「ノイズは特異災害であって、人間が触ると炭化してしまう危険な存在なんです」

 

「それって、アレの事?」

 

 呑気に指さす方向には、ノイズが丁度出現した所であった。

 それを見て未来は後ずさりし、同時に3人が前に出る。

 

「オイオイ、危険だって!下がれよ美少女三人組!」

 

 アクセルは3人に向かって叫ぶ。だが、彼女らは引く事などしない。

 

「下がる訳には参りません……防人として!」

 

「アンタは黙ってな!アレは私たちの獲物だ……!」

 

「あいつ等を倒せるのは、私たちだけですから!」

 

 各々がそう口にすると、全員揃って深呼吸。そして、彼女たちは―――

 

 ―――歌い始めた。

 

 

 

 ―――聖詠―――

 

「っ、な、何だ何だぁ!?」

 

 突然、少女たちから大量の閃光が放たれる。その輝きにアクセルは思わずひっくり返りそうになった。

 

「あれが響たちの力……『シンフォギア』です!」

 

「し、シンフォギア………?」

 

 未来が言った言葉。シンフォギア。

 厳密には彼女たちは装者である事を明かす事は禁じられているが、この場はシンフォギアを纏う以外には仕方がない。

 ガングニールが、天羽々斬が、イチイバルが起動し、彼女たちを包んだ。

 

(………なんだ……俺は、コレを知っている………)

 

 脳裏を掠めたビジョン。それに映されたのは、シンフォギアと呼ばれる“兵器”。

 アクセルは喪われた記憶の断片に、何かを感じた。

 

「はぁーーッ!!」

 

「ハッ!」

 

「ばぁ~ん☆」

 

 3人を包む光が消え、そこにはシンフォギアを纏った少女がその場に佇んでいた。

 

「か、カッチョイイ~!」

 

 シンフォギアの姿を見たアクセルは、先程のビジョンが無かったかの様に感嘆の声を上げた。

 

「3人とも、頑張れぇ!」

 

 少々間抜けな声援だが、彼女たちを震えだたせるには十分だった。

 

「行くよ二人とも!」

 

「言われなくとも!」

 

「ぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

 響の腕のアーマーが可動し、肩まで伸びる。それの駆動音が、開戦の合図となった。

 

「ハァァァァァァッ!!」

 

 3人は守るべき明日の為に、ノイズの群れへと突っ込んで行った。

 

 

 

 

 





 急展開過ぎるシナリオを作ったのも私だ。

 台詞回しはSRWA第一話スーパー編からの引用です。

 一応ミズチ・ブレード持っているとはいえ、ノイズを叩っ切る事は流石に………アレ、炭が転がって………?

 アホセルがボケ倒す感じも何だか楽しいです。コレで神奈延年氏のCVってのがまたwww

 それでは、また次回………。
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