METALMAX ~レッドウィング~   作:ダメ夫

2 / 3
最初ですので説明的になります。すいません


黒い刀の少年

 大破壊から数十年後、荒野を一人の少女が金属探知機を使いグルグルと歩き回っていた。

短い髪を後ろに短いポニーテールとしてまとめた姿がボーイッシュな雰囲気をだし

頭には遺跡で拾ったレディースのバイクヘルメットにゴーグル

服装は迷彩キャミソールにレザーの短パン

彼女の名前はツバサ、駆け出しのハンターである

この時代、ハンターとは俗に戦車乗りを言うが彼女は戦車がない、なぜなら持っていないからである。

この時代、戦車とは自走でき、攻撃できる乗り物を戦車と言った

ハンター達は自走できる乗り物を見つけ、それを改造して賞金首やモンスターと戦うのだが、この時代では乗り物自体が貴重でめったに手に入れる事ができない。

「ああ、どこかにいいクルマ埋まっていないかな」

少女は額に汗をながしながら戦車が埋まっていないか歩き回っていたのだ

「ハア、これじゃ今月もEランクだ」

ハンターにはランクがあり、上からA~Eとなっていて上に上がる程高額の依頼が受けられる、その分難易度は高くなるがハンターは誰もがAランクを目指す

「あれ、あれはムトンさん」

前から8人のハンターチームがやってくる

「やあ、ツバサちゃん調子はどう?」

チームリーダーのムトン、ツバサのなじみで、優男で面倒見のいいEランクのハンター、実力はあるのだが上に上がれないハンターである

「だめですね、そっちはどうですか?」

「こっちも駄目だ。戦車のせの字も見つからないよ」

「お互いクルマ運がないですからね」

「まったくだ、ハハハハ」

「ねえ、盛り上がっている所悪いけどもう行きましょう」

チームの紅一点レティアが声をかける

「ああ、そうだな、それじゃまたなツバサちゃん」

「ええまた」

ムトンたちが去ったあともツバサは黙々と戦車をさがす

この時代戦車を手に入れる方法は3つある、1つ目はモンスターを捕まえて乗りこなす事、モンスターの中には大破壊の影響で暴走してしまった乗り物もいる

このタイプは捕まえ(または倒して)Cユニットと呼ばれる制御装置を取替えることで安全に乗ることができるが、多くのハンターが必要とする戦車であり、モンスターと呼ばれるだけにこの方法はとても危険で相当の実力者以外はだれもやらない

(これをやれるなら戦車は要らないともいえる)

2つ目は買う事、一見まともな方法に聞こえるが、先にも有ったようにクルマはこの時代とても貴重で最低でも12000Gは掛かると言われる(1Gは大体100円位)だが多くの戦車持ちがこの金額以上稼ぐため決して高いとはいえないが多くの者が自給自足しているこの時代ツバサの月の稼ぎは約40Gであるとても手がでない。

そして3つ目、探す事、大破壊前の遺跡からクルマが見つかることがある。

そういう場所は大抵簡単に入れないが入ることができたなら金がなくても実力がなくてもクルマをてにいれることができる。

その他にもモンスターとなったクルマが壊れたためか、何かで事故ったのかたまに地面に埋まったクルマが出てくる。

あくまでたまになのでめったにないことなのなだが運がよければ簡単にクルマを手にできる。

もちろん今ツバサがやっているのは3つ目である

「あああもう!何にも見つからない。・・・・あきらめて帰ろうかな」

数時間探した結果何もみつからなかった

ツバサは少し泣きたくなった。

「戦車は無理でも何か足しになる物くらい出てきていいじゃない!」

一人でわめき散らしていると金属探知機が何かに反応した。

「え、ほんとに?何かみつけたの」

口に出したとたんに何か見つけたので上機嫌になった

「えっとこのへんかな?」

その場所は崖で、海が見える場所だった

「あれ?この場所前に来たときと違う」

海の影響か、それともモンスターのせいか、その場所は数日前来た時と地形が変わっていた

「もしかして地形が変わった時何かでてきたんじゃ」

ツバサは反応のあった場所へ近づく

「もしかして、これに反応したの?・・・」

そこにあったのはコールドカプセル、大破壊前は冷凍睡眠《コールドスリープ》を目的につくられたものだが、大破壊後は主に死体の保存に使われている、ようは棺おけである

ツバサはカプセルを覗き込む

「まだ若いのに可哀相に」

中には少年が見えた

ツバサは16歳だが少年はもっと幼く見える12~4位だろうか

「あれ?何これ・・刀?」

少年の横に刀らしきものが見え、ツバサは確かめようとカプセルを開ける

別に盗るつもりはないがそれがどんなもので少年がどんな人物かしりたくなったのだ

「やっぱり刀だ、もしかしてこの子ソルジャーだったのかな」

周りを観ると名前のような文字が書いてある、途中で剥がれていて途中までしか分からないが『Σ-』の文字だけが分かった

「しぐま・・・でいいのかな」

その瞬間少年の目が開いた。

「キャアアアアアアアア!!!!!!!!!」

ツバサの金切り声が海に鳴り響く

「死体が、死体がっっ」

「うるさいなあ、オレは死体じゃない」

「じゃあ何!」

「オレは・・・・・・何?」

「私がしるか!!」

ツバサはヒステリックに叫び少年を見る

幼い顔は凛とした雰囲気の美少年で、髪はボサボサの長髪で腰の辺りまで伸びている全体を見るとまるで野性の狼、いや、仔狼の雰囲気が見える。

そしてその肉体は

「うっ!」

ツバサの顔がどんどん赤くなる

「なんだよ。」

「いや・・・あの・・・・ふく・・ないの?」

「ふく?・・・・・うわっなんでオレ全裸?」

「私にきかないでよ!」

二人は互いに後ろを向き

(あれは子供だ。あれは子供だ。あれは子供、だから大丈夫)

(オレは男だ、オレは男だ、だから見られても平気だ)

二人は同時に互いを向く

「と、ととりあえずこれでも着て」

「おおおお、オウありがとう」

ツバサは持っていた雨が降った時のためのレインコートを渡す

「で、あんた何者なの?」

「さあ」

「もしかして記憶喪失ってやつ」

「みたいだな」

「何か覚えていることはない?」

「ん~あ、」

「何かおもいだした?」

「オレ、サムライだ。」

「は?」

「それだけしか思い出せない」

「サムライって大昔の刀を使うソルジャーでしょ、他には」

「ん~、ん~あっ。」

「今度は何」

「黒刀はオレにしか使えない」

「黒刀って?」

「・・・・・・わからない」    

「なあんだ。結局何もおもいだせないのね」

少年は先ほどまでとは違い深刻な表情ををしている

「大丈夫?」

「オレはだれだ?黒刀ってなんだ?とても大事な物のはずだ。

なのに思い出せない。違う思い出せないんじゃない。知らないんだ。

なのになぜオレはそれが大事なんだ?分からない分からない!」

少年はガタガタと震えている。

ツバサも少し心配になってきた。

先程までの少年には能天気な明るさがあっただが今の彼は得体の知れない何かに押し潰されそうに見える

「あ、アレじゃない?君が持っていたあの刀」

「刀?」

ツバサは先程見た刀を少年に渡す

「どう?」

「わからない・・・・」

少年はゆっくりと刀を抜いた、鞘の中から黒く光る刃体が姿を現す

「何これ・・・」

黒い刃の中に多くの重なった様な模様がみえる

「私聞いたことあるこの紋様ダマスカスって奴じゃないかな、たぶん。」

「わからないけど、たぶんこれだ。体に馴染む」

「他に何か・・・!!」

二人は同時に同じ方向を向いた

「お前も気づいたか」

「君も気づいたようね」

ハンターのツバサはモンスターの匂いに気づき、少年は近寄ってくる何かの気配を感じた。

「あれは・・ヤバイ・・」

ツバサはそのモンスターを知っている、大きな刃物を4本の腕に持つ虫型のモンスター

「切り裂きマンティス!?」

戦車をもたないハンターは戦うなと指定される程のモンスターである

「いい、気づかれないようにして」

ツバサは先程の少女の顔とは違いハンターの顔になる

今のツバサの武器はパチンコだけで他に武器はない、戦えば彼女の実力ではやられるのが目に見えている

二人は見つからない要に身を隠す

「このままにげるわよ」

少年はうなずいてツバサの後に続く、だが

ワオ~ン

目の前で犬の鳴き声がした

「まさか、バズーカドーベル!? このタイミングで。」

目の前に武装した野犬の群れがいる

バズーカドーベルとは大破壊前に軍用犬として作られた武器の使えるバイオ犬の子孫達である。犬で在りながら武器が使え、野犬の群れ独特のチームプレイをおこなう危険なモンスター

危険度は切り裂きマンティスに劣るが関わりたくはないのは一緒である

「まずい囲まれた」

切り裂きマンティスも先程の泣き声に気づいて近づいてくる。

「・・・私が囮になるからその隙に逃げて」

「何言ってんだ!」

「私は年上でハンターよ。残るなら私だわ」

「だから何言ってんだって、オレは男だぞ!それに・・」

少年の言葉を軽く人差し指で封じる

「いいから、お姉さんの言うことは聞きなさい。」

ツバサはウインクしながら優しく笑ったそして

「いいちゃんと逃げるのよ」

バズーカドーベルに向かっていく

「こっちよ!」

バズーカドーベルは全部で6体、ツバサはバズーカドーベルから逃げながら壁として切り裂きマンティスを近づけない作戦にでた

バズーカドーベルがツバサを追えば邪魔で切り裂きマンティスは攻撃できない

だが予想外出来事がおこった

7対目のバズーカドーベルが現れたのだそれも真正面に

そのためツバサは逃げる方向を変えざるをえない

その結果壁の役割がなくなり切り裂きマンティスの進入を許してしまった

徐々に徐々にツバサは退路を断たれる

(絶体絶命だ)

最早ツバサに逃げる道は残っていなかった

バズーカドーベルが砲塔を向ける

ツバサは最後のあがきにパチンコを構える

ドゥウウン

砲撃が発射された、がその砲撃はツバサに当らなかった

目の前で弾けとんだのだ

「何?何がおこったの?」

「クオオオラア勝手に置いてくんじゃねええ」

少年が息を切らしながら追いかけてきていた

「何で逃げないのこのままじゃ・・」

「だから勝手に決めてんじゃねよ」

その瞬間バズーカドーベルの2撃目が発射される

だが少年がもっていた小石を親指で弾くとその小石が砲撃に当たり目の前で爆発する

「まさか人間パトリオット!?」

ツバサが驚くのも無理はない人間パトリオットとはソルジャーの実力者が使う武器で砲撃を撃墜する技術で、それを幼い少年がしかも小石でやるなど思っても見ないだろう

「ちゃんと話聞けよ!お前自分の事お姉さんって言ってたけどオレのほうが年上かもしれないだろ。」

「それにな・・さっき言ったろオレはサムライだってよ。

サムライはな、こう言う時逃げちゃいけないんだよ!」

少年が黒刀を抜く

バズーカドーベルは噛み付きによる攻撃に切り替え少年を狙う

「しゃらくせええ!」

噛み付きに行った一体目を一刀で倒し後ろで待機していた二体目を二刀目で倒す

「オオオオオオオオオ!!」

続いて砲塔を向けていた二体を一気に蹴散らし、即座に残りの三体を切り裂いた

「すごい・・・・」

まさに疾風迅雷と呼べる早業だったツバサはあまりの早業に動くことができない

キシャアアアア

最後のもう一体が姿を現す、切り裂きマンティス、戦車に匹敵するモンスター

「いくら君でもそいつは無理よ!逃げるわよ」

「大丈夫だよ、何でだか知らないけど分かるんだこいつには負けない」

切り裂きマンティスは腕についた刃物で襲い掛かる

少年は刀で受け止めた

パキンッ

軽い音と同時に襲い掛かったはずの切り裂きマンティスの刃物は千切れ跳んだ

まるで、細く丈夫なワイヤーに腕を引っ掛けたとき腕が千切れ飛ぶ様に

「な、何なのあの刀」

切り裂きマンティスの刃物は戦車の装甲すら切り裂く刃物であるその刃物を黒刀はまるで紙切れのように扱う

「あんな武器ランクAのハンターでも持っていないわよ」

ツバサはもう心配や恐怖はないただ目の前の少年と黒い刀に驚愕するだけだ。

切り裂きマンティスは少年から距離を取る、だが逃げはしない本能なのか危険と言われる生物のプライドかまだ闘志がみなぎっている

切り裂きマンティスは4本から3本に減った腕を大きくかまえる

少年はそれを見るとスッと力を抜いた、そして

「モードライト!」

黒刀の紋様が光りだす

「くらえ!!」

少年が横一線に刀を振るう

ピシュン

刀からアサルトレーザーが走り切り裂きマンティスを上下に焼き切った

カシャン!

刀を鞘に戻す、と同時に少年はガクリと膝をついた。

「ちょっと、大丈夫?」

ツバサが駆け寄る

「すごいじゃない。どうやったの?」

「わからない、わからないけどできた」

少年は先程までの元気が嘘のように疲労しているまるで刀に気力を吸い取られたように

「・・・これからどうするの?行くとこある?」

「ない・・何をするべきかもわからない」

「よし!じゃあ家ににきなよ、助けてもらったししばらく面倒みるわ」

「・・・いいのか?」

「うん、その代わり私のハンターの仕事を手伝ってよね、あんだけ強いんだから平気でしょ」

「ああ、いいぜどうせやることないしな、記憶が戻るまで手伝ってやる」

「あ、そういえばまだ名前言ってなかったわね、私の名前はツバサあなたは?」

「おれは・・・・・わからない・・」

「じゃあ、シグマとよぶわ」

「なんでシグマなんだ?」

「君の入っていたカプセルに書いてあったの名前かわからないけど」

「・・・うん、それでいい気に入った。オレはシグマだ。」

「よろしくねシグマ」

「よろしくなツバサ」

二人は手を握り合う

この二人はまだしらないこれが大きな冒険の始まりである事を

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。