METALMAX ~レッドウィング~   作:ダメ夫

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酒場とハンター達

「ここがツバサの家か」

そこは大破壊前にアパートと呼ばれた建物だった

建物は大破壊の影響で半壊していて使える部屋は少ない

1階にあるツバサの部屋は無事だが建物自体いつ壊れてもおかしくない

「待ってて今電気つなぐから」

どこからか持ってきたバッテリーで部屋に電気を送る

「その辺で休んでいて」

当然だが部屋には何もないベッドも机も

しょうがないのでシグマは床に座る

「何もないんだな」

「前は、母さんもいたんだけど5年前に亡くなったし、基本食べてくのに精一杯で他の物にお金使えないしね」

ツバサは寂しそうに答える

「でも、いつかはハンターとして成功していい家具たくさん買ってやるんだ。しってる?冷蔵庫ってものがあってそれに食べ物いれておくと腐らないんだって」

「寂しいのか?」

「・・・・少し、もう馴れてきたけどこの部屋には母さんの思い出があるから」

「オレなんかが入ってきてよかったのか?」

「もちろん。あの時思ったんだ、シグマが手伝ってくれたら上のランクに上がれるんじゃないかって、そしたらハンターとしてもっとやっていけるんじゃないかって」

シグマを見るツバサの目は期待と楽しみでキラキラと輝いていた

「まかせとけよ。宿代の分はきっちり働くさ」

「うん、よろしく。あとね、実は私きょうだいが欲しかったんだ。私の事お姉ちゃんだと思って何でも頼ってね」

「『お姉ちゃんと思って』って、やっぱりオレの事ガキ扱いしてるだろ」

「大ジョブだよ~ちゃんと男としてみてるって、お姉ちゃんそこら辺はしっかりわきまえてるから」

「思いっきりガキ扱いしてんじゃねえか!」

「よし、今日はシグマが来たお祝いにねずミートのから揚げにしよう」

「オイ、話そらすな!」

「あ、水は屋上のタンクに溜まってるから必要ならそこのバケツで汲んできてね、あとトイレは外に作ってあるから」

「ちゃんと話を聞け!!」

「はいはい、もうすぐできるからおとなしく待ってね」

シグマは(オレ、これから先ずっとツバサの尻にしかれていくんじゃね?)と

不安になっていった。

 

 

 次の日二人はある遺跡の前にいた

「だれもいないわね?」

「ああ、大丈夫だ」

「よし、入るわよ」

そこは大破壊前ディスカウントショップだった建物である

「どう、私の秘密の遺跡、ここならシグマに似合った服も手に入るはずよ」

「おお、いろんな物がたくさんあるな」

「いい、誰にも言っちゃだめよ。お金にならないけど使えるものたくさんあるんだから」

本来ハンターは遺跡から使える物を発掘し、それ売って金を稼ぐがツバサはこの遺跡からでてくる物が大変気に入って自分で使うために隠している。

二人はシグマのサイズにあった服を探しだした。

「シグマ、これなんてどう?」

「ちょっと、派手すぎじゃないか」

「あ、コレ・・・すごい良い」

「なんか良い物あったのか?」

「見て見てこれ、このヘルメットすごくかわいい。これは是非私のコレクションにくわえねば」

「・・・オイ」

「あ、コレもかわいい、あ、これも」

ツバサはシグマの事を忘れ自分のコレクションを探しはじめた、シグマは仕方ないので一人で探すことにする

「ま、こんなもんか」

タンクトップにアーミーズボン、履物にアーミーブーツ邪魔だった長髪は後ろでまとめることにした。

「ツバサ、こんな感じでどうだ?」

「え?いいんじゃない。それより、コレとコレどっちがいいかな?」

「・・・・どっちでもいい」

「何その言い方、わかってないなあ可愛いヘルメットっていうのわね、etc etc」

この時代ファッショナブルな物は少ないその為かツバサはレディースヘルメットをコレクションするほど集めている。

「etc etc」

「なあ、もう解ったからいいだろ、オレ腹減ったよ」

「うん、そうね。今日は酒場で食べるわよ、みんなに紹介したいし」

ようやく話が終わりシグマはほっとした

が酒場までの道はなかなか遠く空腹は限界に達していた

「まだかよ、もう限界だぞ」

「もうすぐよ、・・・ほら見えた」

酒場はハンターにとって大事な場所である。酒場で情報を入れ、酒場で仲間を探す

ハンターは自分の行きつけの酒場を1つや2つもっている

この酒場はツバサの行きつけの酒場のひとつで中にはハンター協会のオフィスもあり多くのハンターが行きかい情報も手に入れやすい

「マスターひさしぶり」

「あら、ツバサちゃんひさしぶりねえ。最近顔ださないから心配してたのよ、あらそっちの子はだあれ?」

「昨日見つけた私の仲間よ」

「あらそうなの、ツバサちゃんが仲間なんてめずらしいわ。私はヌッカよよろしくね」

シグマに握手を求めたこの人物は体格は筋骨隆々のオカマだった。

「よ、よろしく・・・」

「もう、照れちゃって可愛いわねえ、食べちゃいたいわ」

その言葉にシグマの背筋が凍りつく

「ムトンさん達来てます?」

「ええ奥にいるわよ」

ツバサはムトンを見つけ手をふる

「ムトンさん今日は紹介したい奴がいるんです、こいつはシグマ昨日あの後に仲間になったんです」

「おいおい、いきなりだな、まずはこちらも自己紹介といくか俺はムトンこのチームのリーダーを任してもらっているハンターだ、まあ戦車はないがな」

「ムトンさんには色々お世話になってるわ、ムトンさん強いんだから喧嘩しちゃだめよ」

「こっちはレティア、ナースをやってるうちの紅一点だ」

影のある美人が二人を見る

「・・・よろしく」

ツバサがそっと耳打ちしてくる

「レティアさんムトンさんが好きなんだけど気づいてないの、たまにそのせいでこっちに当ってくるけど気にしないで」

「こっちは二ール、ハンガー、コード、メガネ、ガンオタ、ベーコムのソルジャー六人だ」

「よろしく、ってリーダー俺達の紹介短くないですか」

「ははは、ちゃんと紹介して欲しければもっと腕をあげるんだな」

「ひどいッス、リーダーには勝てないけどオイラ達もがんばってるッス」

「ははは、今度はそっちの話を聞かせてくれよ」

ツバサは昨日起こった事を話す

「信じられないんだな、切り裂きマンティスを倒すなんてBクラス以上のソルジャーじゃなきゃ無理なんだな」

「そうなんですよ、それでムトンさんにお願いがあって、ムトンさん確かIゴーグル持ってましたよね」

「なるほど、シグマくんのレベルを測りたいんだな」

Iゴーグルとはハンターの道具で相手の強さを測る事ができる。他にも現在地が分かったり

特殊な信号を読み込んだりできる優れものである

「いいよ、俺も興味あるしな」

ムトンはゴーグルを掛けセッティングする

「よし、準備できた。シグマくんのレベルは・・・・2」

「・・え?」

「だから2」

「壊れてませんよね」

「見てみるか」

ツバサはゴーグルを受け取り見てみる

「二ールさん4、ハンガーさん5、コードさん4、メガネさん4、ガンオタさん4、ベーコムさん6、レティアさんうわ、10もある」

レティアはフンと自慢げな顔をした

「ツバサちゃんをさっき見たら11だったぞ」

「ええ、そんなに上がってました?」

横でレティアはムスッとしている

「ムトンさんは、ひえええ29、これEクラスのレベルじゃないですよ」

Eクラスの平均レベルは約10であり、ムトンのレベルはあきらかにEクラスを超えている

「これで、Eクラスなんだホント恥ずかしいよ」

ムトンは顔を赤くしながら苦笑いをする

「んでシグマが・・・2」

「ホントに彼、切り裂きマンティス倒したの?」

「おいおいレティアつっかかるなよ」

「だってムトン、彼のような子供でレベル2よ。まだ彼が高レベルのソルジャーでした、て言われたほうが信憑性あるわ」

「・・たしかに」

「待って待って、本当なんだから。シグマ、シグマも何か言ってよ」

話についていけずシグマは一人テーブルの上の料理を勝手に食べていた

「モグモグ、要するに・・モグモグ・・俺が強いってとこ・・モグモグ・・見せればいいわけだろ」

「どうするの?」

「簡単なこった、ここにいる連中とオレがやり合えばいい」

「ちょっと、シグマ!」

「なるほど、良い考えですね」

「わかったんだな、見せてもらうんだな」

自分達よりレベルの低い子供にそう言われては彼らも引くことはできない

「ちょっと、皆さんおちついて」

「あら、大丈夫じゃない、彼、切り裂きマンティス倒すくらいつよいんでしょ。」

いつもとげのある言い方をするレティアだが、仲間を侮辱されいつも以上にくってかかる

「ああもう、わかったよ、お互い大怪我だけはやめてくれよ」

ムトンもこうなっては止める事はできない

シグマと六人のソルジャーは店の外に出る

「安心してくださいよ、怪我させる気はありませんから」

「ああ、オレもそのつもりだ」

シグマはどういうつもりだったのか不明だが明らかに今の発言で六人は殺気だっている

Eクラスの彼らは財政的に恵まれていないため武器は鉄パイプやバットを武器にしており命のやり取りには少々むかないがこういった喧嘩にはとてもむいていた

「いくぞ!」

六人のうちの一人ベーコムが先に仕掛けた

シグマは鞘をつけた状態で応戦する

「うらああ!」

ベーコムは六人の中で一番力があり、それにあわせてバットを使っている

思い切り振りかぶったバットがシグマの腹部を狙う

シグマはサッと後ろによけ、バットが通り過ぎたタイミングで手の甲に一撃を与える

「ぐあ!」

ベーコムは痛みでバットを落としてしまう

「コードさん!」

「わかった!」

コードとメガネが同時に仕掛ける

シグマはメガネの腕をつかみ一本背負いでコードに向かって投げた

「うげ!」

「うぎゃ!」

二人はぶつかりそのまま倒れる

「ハンガー、足だ」

「オウ」

ハンガーと二-ルが二人でシグマの両足をおさえる

「今だガンオタ!」

「わかったんだな!」

ガンオタがバットでシグマを狙う、だが

キンッ

「え?」

シグマは黒刀を抜いていた、そしてその刀でバットを受け止めていたその結果バットは切り裂きマンティスの時と同じように切り跳ばされる

「なあ、こんなもんでいいだろ?」

シグマは刃を二ールに向けて聞く、もはや、勝負は見えていた

「もう、みんな何やってるのよ!」

後ろで見ていたレティアがたまらず怒鳴る

「・・・ちょっと行ってくる」

今まで見ているだけだったムトンがシグマの前に立った

「あんたもやるのか?」

「ああ、ちょっと確かめたい事があってね」

「ちょっとシグマ!さっき言ったでしょ、ムトンさん強いんだから喧嘩しちゃだめ!」

「大丈夫だよツバサちゃん手加減するから」

「・・・今の見てそんなこと言えるなんて大した余裕だな」

自分も同じ事をしたのに、シグマは悪びれもせずに相手が喧嘩を売ってきたみたいな顔をする

「多分大丈夫だろ、あ、その刀抜いていいから」

「・・だったら、抜かせてみろ!!」

シグマは鞘をつけた状態で打ち込む

が、ムトンはひらりとかわし

バキッ!!

顔面にパンチを当てる。シグマは3メートル近く吹飛ばされる

「・・・クソ、やるな」

「どうしたんだ、刀使わないのか?」

「そんなに使って欲しけりゃつかってやるよ!」

頭に血が上りやすい性質なのだろう、シグマにはもう手加減しようなどとは頭ににない、ただムトンに勝てば良いそれしか考えていない

「こいつはかわせないぞ!」

シグマは本気で斬りかかる。しかしムトンはそれもひらりとかわし、腹部に一発、そのまま一本背負いで地面に叩きつける

「さすが、ムトン」

レティアは小さくガッツポーズをきめていた

「痛テテ・・・さすがリーダー」

シグマに倒されたメンバーもしだいに起きはじめていた

「・・・思った通りだったな」

「何がですか?」

「実は彼はな・・」

「ちょっと待てよ」

ムトンがツバサに話かけている途中シグマが割り込んできた

「今のがオレの本気だとおもうなよ。これから本気見せてやるよ、ライトモード!」

「ち、ちょっとシグマそれは駄目!!」

黒い刀が光りはじめる

「みんな伏せて!」

「くらいやがれぇ!!」

レーザーが周りの壁を削りながらムトンへ襲い掛かる

が、ムトンに届く前にレーザーは消えてしまった。

「へ、あれ?」

そして、前と同じ様にシグマの体から力が抜けシグマは倒れてしまう

「シグマ!」

ツバサが急ぎ駆け寄って

バコン! 

倒れているシグマをゲンコツした

「あんた、一体何考えてんの!喧嘩するなっていったでしょう。みなさんすいませんこいつには後でちゃんといいきかせておきますから。シグマ帰るわよ。!」

「ツバサちゃんちょっと待って、」

声をかけたのは店の中から出てきたヌッカだった

「止めないでください、コイツには帰って説教しなくちゃ」

「店に穴あけてそのまま帰る気?」

「・・・・やっぱりばれてました?」

「ばればれね、修理代ちゃんと払ってよね、今すぐ!」

店中にツバサの言い訳と泣き声が響いていたがヌッカは慣れた手つきでツバサから金を徴収し店の外にほうりなげた。

店の外からツバサの泣き声きこえたがあきらめたらしく声が聞こえなくなった

「ツバサちゃんも災難だったな。」

「確かに悲惨ですね、ツバサちゃんが悪いわけじゃないのに」

「ねえ、ムトンさっき何を確かめたの?」

「ああ、あのシグマ君の動きがちょっとおかしくてね」

「おかしい?」

「うん、彼の動き方、と言うか体捌きな、あれ上級ソルジャーの体捌きだった。あの体捌きとあの刀、たぶんツバサちゃんの言っていた事は本当だろう」

「やっぱりあいつ強いんだ」

「ただな、あの動きができる奴がレベル2てのはおかしいんだよなあ、あの動きを覚える過程でレベルはもっと高くなるもんなんだが・・・」

「どういうことですか?」

「何ていうか順番がでたらめだ、生まれたての雛が空の飛び方を知ってるような、そんな感じかな。実際シグマ君の身体能力はレベル2だったし」

「あいつ・・・一体何なんだろう?」

 

 

酒場を後にした二人は家に向かっていた

「重いいい!」

シグマはツバサに引きずられていた

「ホントに役にたたない!」

「スイマセン、申し訳ないです。」

「今月の食費どうすんのよ!」

「本当にもうしわけありません」

「いい、明日からハンターの仕事ビシビシ入れるわよ。さぼったらぶっとばすからね!」

「わかっております・・・・」

シグマは『ああ、オレ、ツバサに逆らえないの決定だ』と心の中でつぶやいていた

家につくまで、まだまだ道のりは長くツバサの説教は続きそうだ。

 

 




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