「そういえば、提督の仕事って何ですか?」
夕食を皆で食べている時、阿武隈が、悠に尋ねてきた。
「ん?聞きたい?」
「はい!!!」
「んー・・・。軽巡と駆逐なら大丈夫か・・・。」
阿武隈に聞かれた時、悠は少し考え始めた。
「ん?どうしたんですか?考え始めて。」
「いや、よく百聞は一見にしかずって言うじゃん?だから聞くだけじゃなくて見せようかなーって・・・。」
「へー。アタシ達にもですか!?」
悠が言った瞬間、阿武隈が目をキラキラと輝かせてきた。
「うん・・・。軽巡1人(軽巡組は、3人でジャンケンをして勝利したのが参加する。)と駆逐だけでね。2日に分けて見るの。」
「私達も入れてくれないなんて不幸だわ・・・。」
悠がそう言った時、炊きたてのご飯を食べながら山城は、ブツブツつぶやいていた。
「山城。朗報だ。」
「え?何ですか?解体で楽にしてくれるんですか?」
山城は、どう見ても〝不幸!!!〟と言えそうなどす黒いオーラを出しながら悠を見つめていた。
「違う。何故そうなる・・・。
えーっとね・・・。戦艦レシピを使って、1回建造させたらね・・・。
扶桑が来た。」
「ぃやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!扶桑姉さまが来たぁぁぁぁぁ!!!ひゃっふーぅぅぅ!!!」
悠がそう言った瞬間、山城は直ぐに立ち上がり、喜びの舞を満面の笑みで舞い始めた。
「山城が壊れた・・・。」
その光景を影から見ていた扶桑がボソッと呟いていた。今日も日本は平和です。
次の日、悠、漣、曙の3人は、自宅の最寄りの駅のホームに立っていた。悠は、スーツ姿、漣と曙は、私服姿だ。漣は、2日前まで風邪で寝込んでいたので、マスクをしている。
「うぅ、眠っ・・・。」
悠がねむそうな声で呟く。ホームには悠達以外は、車掌しかいない。有人駅、しかも始発駅なのに寂しい光景だ。
留置線から出てきた列車は線形の事情で、1度橋の上まで行き、折り返してホームに入ってくる。ライトグリーンでラッピングされた車両と赤色でラッピングされたけばけばしい気動車が4両でホームに滑り込んでくる。
「乗るよ。」
悠はそう言いながら、緑色に光ったドア開ボタンを押し、ドアを開けると、4人がけのシートの隅に座わり、少しゆったりした。漣達もそれに続き、悠と同じ4人がけのシートに座る。
『この列車は 水郡線 水戸行きです。終点の水戸まで、各駅に止まります。お待たせしました。間もなく、発車いたします。』
いつも通りに自動放送が鳴る。
『プルルルルル・・・。扉が閉まります。ご注意ください。』
発車ベルが鳴り終わると、気動車は終点に向けてゆっくりと走り始めた。