[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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旅行(熱海)の帰りだけど時間があるので
2度目の投稿です!

佑馬×ジブリール要素が少ないので、少しずつ入れていきます。


味方と敵と

佑馬side

 

勝者 空 の声が響くなか、佑馬はさっきの三手と盤面から、空がどういう風に置いていったかを一方通行を使って逆算をしていた。

 

白の打つ手と盤面から数十通りまでには絞れてきたが、まだ核心に迫ってはいない。

 

白が空の手を読みきり、見えない盤面からどうやれば勝てるかを計算して打ったさっきの手。

 

自分にはどうやっても思い付かない。

 

思わず口を吊り上げてしまう。

 

(ふっ、これだと、[ ]の足元にも及ばないな。ジブリールと二人がかりででも、この二人に勝てるように、見れるものは見て盗まないとな。)

 

しかし、と。

 

目の前で抱き合ってる空と白を、そして、抜け 殻のように倒れている少女と森精種を見て、

 

(今は後ろから見守っておくか。)

 

そう一歩後ろに下がり、見守ることを決めた。

 

side out

 

三人称side

 

白が空に謝罪の言葉を言っている部屋で、一つの声が上がる。

 

「クラミーッ!ねぇクラミーッ!聞こえないのですッ!?」

 

皆が声の上がった方に視線を向けると、そこには。

 

必死の形相で少女、クラミーに呼びかけ続ける森精種の少女、そして。

 

ステフが思わず口元を押さえて息を呑んだ。

 

抜け殻、いや、ハッキリと死体のように、力なく椅子に崩れているクラミーの姿に。

 

空がどうやって勝ったのか、ステフはわからない。

 

だが、目の前で起きていることは、空が提案したこのゲームに負けた場合の結末。

 

そこには、クラミーと呼べる人物は、人格は、もはや存在していない。

 

「さて、俺"ら"の勝ちだな。第一要求といこうか。」

 

このゲームの賭けの内容、それは

 

一つ、ゲーム結果の恒久的確定

 

つまり、相互譲渡された存在の痕跡を、抹消・交換・保有することの確定。

 

二つ、それとは別にもう一つ要求できる

 

要求は決勝後、変更してもいい

 

というものだ。

 

空の言葉に、森精種の少女が悲鳴のように懇願する。

 

「待っ、どんなことでもするのですっ!クラミーを、こんにするのだけはッ!!」

 

だが、空は一切の温度を無くした瞳でそれを見返す。

 

「俺が負けて、白が同じことを願ったら、お前らはそれを飲んだのか?」

 

空の言うとおり、彼女が同じ立場なら歯牙にもかけなかったはずだ。

 

だが、

 

「む、虫が良すぎるのはわかっているのですっ!で、でも要求内容は変更可能に設定したのはそっちだったのですよっ!わ、わたしをどうにでも好きにしていいのです!クラミーを、こんな・・・こんなにするのだけはっ!」

 

その言葉に、空は悪魔のような嗜虐的な笑みで、死刑執行人の鉈を振り下ろすように、

 

「だ〜め♪予定通りの要求をさせて貰う。というわけで。」

 

「や、やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!]

 

「要求一、互いの奪い合った全ての記憶の定着と、奪い合った全ての返還。」

 

「「「「・・・ぇ・・・?」」」」

 

白、ステフ、ジブリール、森精種の少女から、その言葉に同じ音を溢し。

 

「かはっ!はっ・・・はぁ・・・」

 

同時、クラミーが呼吸を思い出したように意識を取り戻す。

 

だが、目が覚めても虚空を見つめ続けるクラミーに、少女が駆け寄る。

 

「クラミー!クラミー!大丈夫なのです!?自分がわかるのです!?」

 

必死な少女の声に、だが、クラミーは呆然と虚ろな目を続ける。

 

それから、何度も身体を揺さぶられ、ようやく気がついたように、

 

「ええ・・・うん、私は、大丈夫・・・むしろ・・・」

 

とクラミーは震える自分の肩を抱きしめ、悪夢のように空を見た。

 

「あの男が、空が大丈夫な理由が、理解できないで、上の空だっただけ。」

 

瞬間、盟約の実行に、ジブリールと森精種が作ったゲーム盤が爆音をあげる。

 

その様子に、もっとも冷や汗を流したのは、意外にも、空だった。

 

「あ、危ねぇ・・・ジブリールの"核"があってさえ、この要求はギリだったか・・・」

 

原理的不可能性を有する契約は順守出来ない。

 

空の要求は、あのゲーム盤の全魔力量でも足りるか怪しかったわけだ。

 

そのとき、ジブリールが前に出ようとするが、佑馬に腕も取られ、止まる。

 

(ジブリール、言いたいことはわかるが、やめておけ。)

 

(どうしてでございますか?)

 

(人の身で神に挑むんだ。これくらい橋、渡れるだけマシだろ?)

 

(そ、そうでございますが・・・)

 

そこで、佑馬がまわりをみて、

 

「まぁ、これはさすがにやりすぎだわな。」

 

そう呟いた。

 

その言葉に反応したのは二人。

 

「そうだな、手段はもうちょっと選ぶようにするよ。」

 

「こんなものやりすぎなんてレベルじゃないわよ。」

 

自分の胸にうずめて泣いている白の頭を撫でながら空が。

 

そしてクラミーが。

 

そのクラミーは空達の"過去"に触れて、恐怖に顔をひきつらせている。

 

「なんで、"こんな経験"をしてまともでいられるのあなた!?」

 

クラミーが何をもって、そう叫ぶのか。

 

ゲーム中の空の心境すら最後には奪われていたなら、見たはずだろう。

 

そのことかもしれないし、もしかしたら、

 

白さえ知らないことかもしれない。

 

だが、唯一その全てに心当たりがある空も、意外そうに一同に問う。

 

「えっ、俺ってマトモに見える?」

 

いいえ、とその場の全員が首を降り、

 

「引きこもり、ニート、童貞、コミュ症・・・」

 

「そこッ!!なんで俺の精神を攻撃してるんだ!?」

 

空のステータスを呟いて、別の意味でマトモではないことを言っている佑馬がいた。

 

 

 

 

その翌日、エルキア城の小さな会議室にて。

 

そこに空と白、佑馬とジブリール、ステフ、クラミーと森精種の少女がいた。

 

空は皮肉な笑みを浮かべ、白はいつもの半眼、そしてクラミーは落ち着いた目で。

 

あれから子供のように泣きじゃくっていたので、僅かに目は赤いが、本来の調子を取り戻している。

 

「・・・それで、なんでここに集められてるんですの、私達。」

 

誰が先に言うか窺っていた様子の質問を、ステフが引き受け口になる。

 

同じく待っていたように、空が答える。

 

「俺はクラミーの記憶である程度意思疏通してるが、共闘するんだ。自己紹介が必要だろ。」

 

クラミーは、黒目黒髪の、知性を湛えた鋭い瞳を覗かせ、端的に言った。

 

「クラミー・ツェルよ。よろしく。」

 

・・・・・・

 

それ以上言うことはない、という様子に、仕方なく空が続ける。

 

「えー、俺と同い年の十八歳、身長は158㎝、スリーサイズは上からぁ「あ、あんたっ!?卑怯よそれっ!」あとブラはパッドが入ってて実際は「わ、わかったわっ!わかったからやめてちゃんとやるからぁっ!」仕方ないなぁ。」

 

微妙に半泣きになっているクラミーに、さらに佑馬が追い討ちをかける。

 

「それといつもはクールを装っているけど、窮地になるととても子供っぽくなったり「なんであんたがそんなこと知ってるのよっ!?」え?勘だけど、当たってた?」

 

そうニヤニヤする佑馬に

 

「こいつもこいつで一体なんなのよッ!!!」

 

そう叫ぶクラミーだった。

 

「わかったから、紹介はよ。」

 

そう煽る佑馬に、

 

「くっ・・・わ、わかったわ。でもその前に、"フィー"を紹介しなきゃ説明出来ないわね・・・」

 

と、クラミーがちらりと目配せして、フィーと呼ばれた森精種の少女が口を開く。

 

「はぁい、フィール・ニルヴァレンなのですよ。」

 

柔らかそうなふわふわのカールが掛かった金髪から、森精種の象徴でもある長い耳を覗かせる、見た目十代中盤程の少女が、気の抜けるような声で自己紹介する。

 

「そこの悪魔以外はぁ、気楽にフィーって呼んで欲しいのですよ〜」

 

お日様のような笑顔とはこのことか。ふわふわした柔らかい雰囲気のフィーに、しかし、悪魔呼ばわりされたジブリールがはて、と首を傾げて言う。

 

「はて、随分と嫌われたものですね。何故でしょう不思議でございます。」

 

その言葉に意外にも、佑馬が答える。

 

「ジブリール、お前大戦のとき、首都に『天撃』ぶっぱなしただろ。それのこと言ってるんだよ。」

 

「え、でもその件は森精種の方にも非は「二対八くらいでお前が悪い」そ、そんなぁ〜・・・」

 

天翼種が人類種に責められただけで落ち込む様子にクラミーとフィールが少し驚いた様子を見せるが、空がフィールに言う。

 

「えーと、じゃ、フィーと呼んでも?」

 

「はいなのですよ〜?」

 

「共闘するにあたって、わだかまりはなくしたい。どうすりゃジブリールを許してくれる。」

 

と端的に切り出す空に、フィーは気の抜けた声で頬に指を当てて考える。

 

「ん〜、それはとっても難しいのですよぉ〜」

 

だが、クラミーも目を閉じ、腕を組んだまま言う。

 

「・・・フィー、空の計画に、彼女の力は必要よ。私からもお願い。」

 

うぅ・・・と、仕方なさそうにため息をついて、フィーが提案をする。

 

「じゃ〜、足を舐めて『許して下さいフィール様』って言えば許すのですよ〜♥」

 

「おやおや〜天の彼方までつけあがりましたね耳が長いだけの森の雑種さんが♪」

 

にっこにっこと黒い笑顔で笑い合う二人に、佑馬が一言言う。

 

「ジブリール、俺は目を瞑ってるから、やれ。」

 

その言葉にジブリールは絶望の色を見せながら、

 

「えぇぇぇ、ま、まさか本当にこんな動物の足を舐めろとおっしゃるので「今度なんかプレゼントしてやるから」わかりました。それならやらせていただきます。」

 

そしてジブリールがフィーの足元に這いつくばり、ペロペロと舐めながら「ドーゾ、オユルシクダサイフィールサマ(棒)」と言ったのを見た一同は

 

(((((こいつ、佑馬に対してチョロすぎる!)))))

 

と、おもったのであった。

 

そしてフィールはというと、

 

「はぁい、許したのですよ〜」

 

あっさりと、本当に許したらしい顔で、手を合わせて微笑む。

 

「よし、よく頑張ったなジブリール。」

 

そしてジブリールの頭を撫でる佑馬に

 

「佑馬からのプレゼントが貰えるのなら、これくらいどってことないのでございます」

 

と、気持ち良さそうに目を瞑るジブリール。

 

「お、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。なら、今から出掛けるか!」

 

「はい♪是非行かせてもらいます♪」

 

と、いきなり出掛ける話が出てきて、

 

「それじゃあ、後よろしく」

 

っと言って出ていこうとしたところを

 

「・・・ちょっと、待ちなさい!」

 

クラミーが止めた。

 

「なんだよ」

 

そう不機嫌そうに答える佑馬。

 

「まだ、あなたの自己紹介がまだだわ。あなたは一体、何者なの」

 

その問いに、口を吊り上げながら

 

「俺は唯の人類種さ」

 

と言って出ていった。

 

・・・・・・・

 

「空、あいつは一体何者なの。」

 

と、クラミーが問うが、

 

「俺もよくわからん。ただ、今わかっているのは最強の味方ってことかな。」

 

と苦笑しながら空。

 

「・・・そう、いえば・・・昨日、の・・・ゲーム・・・全、て・・・理解、してた、よ?」

 

と言った白に

 

「マジかよ。いつからだ?」

 

空も驚きの表情を隠せないでいる。

 

「・・・最初、から・・・」

 

その言葉に、その場にいたステフ以外の全員が絶句する。

 

あのゲームを最初から全て理解していた?

 

(おいおい、マジかよ。味方としては最高に心強いが、敵となったとき・・・)

 

と、内心空は冷や汗を流していた。




次話、佑馬×ジブリールにします!
頑張ります!
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