[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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明日魔法科高校を出します。




エルヴン・ガルド攻略

漆黒の夜の中に、朱い月の光に照らされながら空を舞う二つの影があった。

 

「クラミーお見事なのですよぉー。本当に、私の補助無しであの老害を破るのぉ、すごく心配したのですよぉー?」

 

二人分の空を舞う術式を維持しながら、嬉しそうに語る耳の長い少女、フィール。

 

「・・・それよりフィー、大丈夫なの?」

 

黒いベールも被り空を舞う、クラミー。

 

「えへへぇ、クラミーに心配されるのも悪くないです、成長しているのですねぇー。あ、クラミー、情報が入ってきたのですよぉ。」

 

そう言ってフィールが、額の魂石(ジェム)に触れる。

 

まぁ、他国の『精霊回廊情報伝達網』を傍受しているのだが。

 

その情報に、フィールは目を見開く。

 

「フィー、どうしたの?緊急事態?」

 

「はい、そうなのですよぉ。」

 

そして、その情報を半信半疑に語る。

 

「一人の神霊種が、アヴァント・ヘイムと同盟を組んだらしいのですよぉ。」

 

「・・・なんですって?」

 

これは空の計画にもなかったこと。

 

つまり、イレギュラー。

 

「しかもその神霊種の姿が・・・」

 

「人類種でしたってか?」

 

その声にバッ!と後ろを向くクラミーとフィール。

 

そこにいたのは・・・

 

「・・・佑馬。」

 

「よぉ、クラミー。切り崩しご苦労さん。」

 

「マスター達のために、ご苦労様でございます。」

 

そして、ジブリールだ。

 

「まさか、この神霊種って」

 

「そう、俺のこと。」

 

にわかに信じられないフィールとクラミーだが、この状況を見ては、信じるしかない。

 

なぜなら、佑馬が黒い翼を生やして飛んでいるからだ。

 

「あ、でも俺、本当に人類種なんだぜ?これはホント。魔法でも使って構わないからさ。」

 

その一言で、フィールは魔法を使う。

 

結果は当然、

 

「・・・本当に人類種なんですねぇ・・・。」

 

「どういうことなの?」

 

「うーん、なんだろ。人類種でもあるし、神霊種でもあるのかな。」

 

実のところ、そこは佑馬も曖昧な部分である。

 

生物なのに、神霊種。

 

体の構造は人類種なのに、神霊種。

 

「正直、俺にもさっぱりだ。」

 

「で、そんなあなたがなんの用かしら?」

 

当然と言えば当然の疑問だ。

 

「あー、エルヴン・ガルドと同盟組もうかなーって思っててさ、来ちゃったわけ。」

 

「佑馬さんも落ちましたねぇ。あんな老害と組むことを考えるなんて」

 

と、フィールが言いかけて、

 

「え?俺、フィールを全権代理者にするつもりなんだけど。」

 

その一言にフィールとクラミーは絶句した。

 

「だってさ、あんなやつらより頭の回るフィールの方がよっぽど向いてるじゃん。なぁ、クラミー?」

 

「・・・そうね。」

 

実際それはクラミーも思っていたことだ。

 

あんな老害よりも、絶対にフィールの方が全権代理に向いている。

 

「わかったわ、ソラに一矢報いたいところだったし、やりましょう。」

 

「クラミーが言うならぁ、私もやるのですよぉ。」

 

クラミーが了承し、それにフィールも賛同する。

 

「そうか、なら改めて自己紹介な。」

 

その言葉に二人は頭にハテナを浮かべるが。

 

「神霊種の『全権代理者』中田佑馬だ。」

 

その言葉に、目を見開いた。

 

「佑馬が・・・神霊種の『全権代理者』?」

 

「おう、クラミーならわかると思うが、これでソラの作戦も面白い方向に転ぶと思うぜ?」

 

「そうね・・・かなり面白くなってきたじゃない。」

 

クラミーは、子供のような無邪気な表情を浮かべていた。

 

「よし、まぁ一時同盟を組んで、フィールを『全権代理者』にしてからもっかい詳しい話をしよう。」

 

「わかったわ、それで、具体的に何をするのかしら?」

 

「俺が『人類種』として、ゲームを仕掛ける。」

 

「どういうこと?」

 

「つまりですね」

 

そこで、ジブリールがその全容を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど・・・面白いじゃない。」

 

「だろ?お前らもこいよ、絶対に面白いの見れるから。」

 

「絶対に見に行くのですよぉ♪」

 

「あの森の老害達がどんな表情をするのか、見物でございますね♪」

 

これから起こることを予想して、皆が笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルヴン・ガルドの都市の一角にある大きな城に、一人の少年と、三人の少女が入っていった。

 

「誰だ!貴様ら!」

 

「人類種の使者だ、全権代理者に話がある、通してもらおう。」

 

人類種、という言葉を聞いて、少しだけ警戒するエルフの男性。

 

「・・・少し待っていろ。」

 

そう言って城の中へと入っていった。

 

「やっぱりバレないね。」

 

その一人の少年、佑馬が言うと、

 

「まぁ、これだけ魔法を重ねていればね。」

 

一人の少女、クラミーと

 

「まぁ、基本こんな程度ですよぉ。」

 

「森の雑種に佑馬の魔法を看破出来るわけがありません。」

 

残りの少女、フィールとジブリールがそう言った。

 

「でも、驚いたのですよぉー。『精霊回廊接続神経』がないのにぃ、『八重術式』まで使えるなんてぇ。」

 

「まぁ、さすがに無理があるけどな。精霊量的には、二百術式くらい余裕でいけるけど。」

 

その言葉にもはや呆れる一同。

 

「・・・佑馬も佑馬で大概よね。」

 

「否定しないのですよぉ。」

 

「佑馬が規格外なのは、今に始まったことではないのでございます。」

 

三者三様に佑馬を人外認定したが、

 

「俺もそう思う。」

 

本人も自覚があったようだ。

 

そこで、森番であろう、さっきのエルフの男性が戻ってきて、

 

「通れ。」

 

そう一言言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い廊下を抜け、大きい会議室みたいな部屋に入った。

 

そこにいたのは・・・

 

「ふむ、あんたが『全権代理者』か?」

 

「その通りだ。用件はなんだ。」

 

白い髭を生やした初老の男だった。

 

「ゲームをしてもらう。」

 

「ほう、賭けるものは?」

 

「こちらが賭けるものは『ソラとシロに関する情報』だ。」

 

その言葉に、全権代理者の男は嘘かどうか調べ始めた。

 

「もういい?」

 

その精霊が引いたと同時に聞く佑馬に、少し眉が動くが、

 

「ああ、それで、こちらが賭けるものは?」

 

「『全権代理代理者の権利の剥奪』だ。でも、ゲームをするのは俺ただ一人だ。」

 

「わかった、ゲームを受けよう。」

 

「内容はそちらが決めてくれ。時間はいつでもいい。」

 

「なら、今からやろうか。」

 

そこで、数枚のカードを取り出す男。

 

「ゲームは、『オラクル・カード』だ。」

 

「わかった、始めよう。」

 

そう言った瞬間、勝ちを見たのであろうその男は、不敵に笑いだす。

 

「そちらからノコノコと来てくれるとは思ってもみなかったぞ。おかげでなんとか対策が立てられそうだ。」

 

「はは、そうかよ。じゃあ始めるか。」

 

「「"盟約に誓って"」」

 

「では、2カードセット。」

 

「2カードセット。」

 

その男に続いて、佑馬が言う。

 

同時に、それぞれの手札から、二枚のカードが消える。

 

そして、テーブルの上に、その二枚が出現する。

 

「では、これで勝負でいいかね?」

 

「ああ。」

 

「では、『オープンディール』」

 

「『オープン・ディール』」

 

男に続いて、佑馬もそう言う。

 

男が出した札は、『力』と『戦車』

 

役名 『名誉とは勝利なり』

 

そして、佑馬が出したカードは『吊るされた男』と『世界』

 

役名 『旅とは試練を与えるもの』

 

男が呼んだのは、全身甲冑の騎士、たいして佑馬は、首に縄を付けて杖を携える老人。

 

全身甲冑の男に向かって杖を振るが、それを弾いて佑馬に突撃する騎士。

 

オラクル・カード。

 

タロットカードの大アルカナ、二十二枚を使った単純なゲーム。

 

基本的に森精種同士で使うゲームだ。

 

その斬撃を喰らったのを確認した男は、「勝った」と呟くが、

 

「なんだ、こんな程度か。」

 

魔法を使わずに耐えた佑馬に、絶句する。

 

「貴様・・・一体何をした。」

 

「何って、ただ耐えただけだけど?」

 

「そんなわけあるか!」

 

その事実を信じられないと叫ぶ男だが、

 

「このゲームでイカサマ出来ないのはあんたが一番よく知ってるだろ?」

 

不敵に笑う佑馬を見て、背筋に寒気が走ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2カードセット。早くしろ。」

 

と、言う佑馬に対面している初老の男は、既に満身創痍だ。

 

「くそ・・・!2カードセット!!」

 

手札から二枚のカードが消えて、テーブルの上に現れる。

 

佑馬の出した札は、『恋人』と『隠者』。

 

役名 『一方的な愛こそ崩壊の始まり』

 

男が出した札は、『皇帝』と『女皇』。

 

役名 『行動しないことこそ最大の防御』

 

男の役は、完璧に防御に徹するの役。

 

しかし、それは皇帝の不倫相手による密告により、女皇が怒って、男に攻撃する。

 

「ぐっ・・・」

 

「さぁ、どうする?まだやるか?」

 

「当たり前だ・・・」

 

既に満身創痍だが、まだやろうとするあたり、全権代理者も伊達ではないようだが、

 

「なら、俺もそろそろ魔法の防壁はろっかなー。」

 

「な、なにッ!?」

 

その一言により、だんだんと蒼白していく全権代理者の男。

 

「あとさ、もっと言えば、俺神霊種でもあるんだよね。」

 

「わかった、負けだ!負けを認めるから、これ以上はやめてくれ!」

 

実は、このゲーム。

 

最初の初撃も含め、全て佑馬が手札を読みきって圧倒していた。

 

つまり、最初以外は一撃も与えられておらず、

 

「まぁ、頑張った方じゃね?」

 

それに神霊種で魔法を使うと言われてしまっては、負けを認めるしかないだろう。

 

「じゃあ、盟約に従い、お前から全権代理者の権利を剥奪、フィール・ニルヴァレンにその権利を渡すことにする。」

 

「・・・え?」

 

その言葉に、男は耳を疑った。

 

あのニルヴァレンの恥を全権代理者にすることに。

 

「お前さ、フィール舐めてるだろ。こいつ、お前よりも圧倒的に上だからな?」

 

「な!そんなわけ・・・」

 

「だって、ここにフィールがいるのに、気づいていないだろう?」

 

「な・・・!?」

 

そして、一人の少女の輪郭が揺らめき、

 

「全権代理者がこれってぇ、もうエルヴン・ガルドは終わってますよねぇ。」

 

フィール・ニルヴァレン、本人が現れた。

 

「それじゃあ、ここに用はないし、今後について話し合うか。」

 

その一言とともに、男を残して四人は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界に情報が回った。

 

エルヴン・ガルドの全権代理者が変更、

 

例の神霊種と同盟を組んだと。




エルヴン・ガルドはあっという間に併合。

オラクル・カードはそれっぽいのを当ててみました。

違和感ないと嬉しいです。

そして、名前も与えられないモブの全権代理者。

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