[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
更新スピードは戻りますので、引き続きよろしくお願いします。
今回はイチャイチャ回です。
あたりが白く覆われ、直ぐに青に塗り変わる。
ぼやけた意識がだんだんと覚醒していき、そして。
「あばばばばばべぼ!?」
……溺れていた。
大海原のど真ん中で、空、白、いの、いづな、巫女までもが、波に揉まれていた。
そこに一筋の影が通って……
「おーい、みんな大丈夫か?」
佑馬の一言とともに、全員が海面に浮上した。
「佑馬……泳げたんだ……助かっ、た……。」
「まぁな。」
中でも一番危なかった白にお礼を言われ、全員が辺りを見回し始めたその時。
『――始まりがあれば終わりがあるように、出会いもあればまた、別れも』
「悠長にオープニング流している場合か!」
直接脳内に送り込まれたオープニングに、空の鋭いツッコミが入る。
「何処の世界に溺れてスタートする『と◯メモ]があんだ!ときめけねぇよ!」
「あ、す、すみませぇん……空さまのイメージと、女王様のイメージを混合して、舞台シチュエーションを構築するのに手間取ってますぅ……もう少しお時間をぉ」
「必要ないな。」
「……え?」
空のイメージと女王のイメージの知識をすり合わせるために、かなりの時間を取っているプラムに、佑馬が否定の言葉をかける。
佑馬が手を上に翳し、
パチン!
と、指を鳴らすと
「……え?」
海の中の学園という世界が広がった。
「プラムの精霊の動きから、空と女王の知識を確認したからこれで間違ってないと思うぜ。」
「……あ、はい、これであってますぅ。」
一瞬の間が空いたあと、プラムがこれでいい、という言葉をかける。
既に構築も終わっており、オーシェンド風の建築様式で建てられた海底の学校は、とても不思議な雰囲気を醸し出していた。
そして、まず、視界に無数のアイコンが灯り、映し出された。
「……?なんですのこれ。」
視界に映るそれに触れようと、だが手を空振りさせるステフに空がいう。
「UI(ユーザーインターフェイス)……『コマンド選択画面』だ。」
それは、まんま恋愛シミュレーションゲームのステータス画面。
「あ、設定は終わらせているけど、空、何か不満があるか?」
「いや、完璧だ……一人を除くけど。さすがは佑馬。」
「ふむ、少々息苦しい服ですな。」
その姿に、佑馬は思わず苦笑。
原作知識でこの設定を組んだため、いのは結局学生服おなったのだ。
「こちらは……佑馬たちの世界の服でしょうか?」
物珍しそうに制服を見ているジブリールが、佑馬に質問を投げ掛ける。
「まぁ、似たようなもんだが……いいね。」
「そうでございますか?」
腰から出ている翼によって上衣が持ち上げられ、ヘソがチラ見えし、なんとも言えない素晴らしい光景を作っていた。
「ところで、一つ宜しいですの?」
「ん、なんだ、ステフ。」
「なんで私だけ、ソラやいのさん、佑馬と同じ男性服なんですの?」
そう、白に、ジブリール、いづな、巫女。
女性全員がセーラー服だったが、ステフだけは、空たちと同じブレザーだった。
「あー、それね。ステフコミュ力高いから、情報収集宜しくってやつだったと思う。」
「その通り。好雄くん的な情報力、交友力を期待していたんだが……」
そのステフに向き直って、ため息を一つ。
「……どっちかっつーと、伊集院になったな。」
「はい?よくわかりませんけど……イジューイン?誰ですの?」
「はいはい、雑談はそこまで。オープニングもっかい流すよー。」
ステフの頭にハテナが浮かんでいるなか、佑馬がスクリーンにさっき脳内に流れたオープニングをそのまま流し始める。
「おい、佑馬。これをもっかい見ろっていうのか……。」
「え、だって俺がオープニング作るわけにもいかないし、正直めんどいし。」
「最後が本音だろ。」
「うん。」
はぁ……とため息をつきつつ、退屈なオープニングを見る。
オープニングが終わると、いきなりポップな音楽が流れ出した。
そこで、ピンク色の背景とともに映像が変わり、女王が制服姿で赤珊瑚の下を泳いでいる姿が映される。
女王は何やら物憂げな眼差しで、何かに焦がれるように宙へ手を伸ばし、
「La――」
謡った。
その歌声を耳にした全員が、一斉に息を呑んだ。
「まあ……!」
「ほう、これはこれは……さすが、美人は歌まで違いますな。」
「ぐっ……さすがにこれは強烈だな……吐きそうだ。」
ステフやいのが感嘆の声を上げるなか、吐きそう、という理由で息を呑んだ佑馬。
「佑馬……気持ちはわかる。とりあえずあれを攻略しなきゃいけないらしいが……やる気出ねぇ……」
佑馬の気持ちを理解している空も、小さくため息を吐いた。
『一日目』
唐突に、一同の視界に『一日目』という表示が現れる。
空と白には見慣れたものだが、他の一同のためにプラムが説明をする。
「えっと、目の前にいくつかコマンドが表示されていると思いますが、それを使ってある程度の行動選択ができま」
「『デート』っと。」
プラムの説明の途中に、いきなりデートボタンを押し始める佑馬。
「よし、ジブリール!行こうぜ!」
「あ、わかりました!すぐ行きます!」
二人して校舎とは反対の方向に向かっていく姿を眺めながら、
「「くそっ!リア充め!」」
ソラと白は、悔しそうに叫んだ。
開始早々いきなりゲームを破棄して、デートし始める佑馬。
「いいんですか?」
ジブリールも確認というレベルだが、そう質問する。
「何も問題ない。時がくれば終わるさ。」
何か含みのある言い方に、ジブリールはハテナを浮かべるも、今はデートを楽しむことにした。
「よく考えたら、これまだ二回目か?」
「そうでございますね……デートと称したものはこれが二回目でございます。」
「久しぶりのデートだし……前はジブリールがしてくれたから、今日は俺がリードするよ。」
「なら、お願いします。」
そこで、手を繋ぎ始め、何処からどうみてもカップルな二人。
「さて、とりあえずここに載っているデートスポットは全部制覇してみるか!」
「おー!」
そこで、二人にとって二回目のデートが始まった。
「まずはここ!桜珊瑚の公園!」
「コマンドに『弁当作り』があるので、作って持参してきましょう!」
「よし、なら俺も作ってこよう。現地集合で!」
二人して『弁当作り』のコマンドを押す。
そして弁当を作り終えて、桜珊瑚の公園で待機している佑馬。
「申し訳ありません、遅くなりました!」
「いや、俺も今来たとこだよ。」
定例文とも言える一言を言った後、二人で弁当のおかず交換を始める。
「そういえば、ジブリールの料理は久しぶりだな。」
「そういえばそうでございましたね。はい佑馬、あーん。」
「あーん……うん!すごい美味しい!」
その一言に、ホッと胸を撫で下ろすジブリール。
「なんだ、こんなに美味しいならこれからジブリールにご飯作って貰おうかな……。」
「私は佑馬のご飯を食べたいのですが……たまには私が作ることにしましょう。」
「そうしてくれると嬉しい。っと、ジブリール、あーん。」
「あーん……さすが佑馬ですね。いつもながらとても美味しいです。」
そして、弁当が無くなるまであーんをし続けた二人。
明日はショッピングをすることにして、その日は解散した。
『二日目』
その日は弁当は作らず、デパートに出掛けた。
「うん、これは俺たちの世界のデパートだ。」
「これが佑馬たちの世界のお店ですか……大きいですね。」
目を輝かせながらデパートを見るジブリールを見て、顔を緩ませながら。
「じゃあ、行こうか。」
と言って、中へと入っていった。
「さてと……まずはここかな!」
「ここは……宝石店でございましょうか。」
まず向かったのは、宝石店。
「俺が自分達のやつ設定したから、お金には余裕があるんだよねー……これなんかどうかな?」
「綺麗です……ですが、これ夢の中だから結局は……」
「そこ突かれると痛いなぁ……。」
そう、夢の中のため、プレゼントしても現実に戻ったらなくなるのだ。
だが、
「でも、その時その時に二人の思い出となるものを渡せれば、例えそれが残らなくても、俺はそれでいいかな。気持ちさえ伝わっていれば。」
「佑馬の気持ちは十分いただいております!」
そのあと、デパートの飲食店でまたあーんをした佑馬とジブリールは、また明日会う約束をして解散した。
それからしばらくは、学校にも行かずにとにかくデートスポットを制覇することにしていた。
遊園地、動物園という名の水族館、庭園。
とにかくいろんなところを回り続け、ゲームを始めて三十日がたった頃。
「これでデートスポットは終わりだな。よし、俺らの用事は終わったから、あとは空達待ちだな。」
「そうでございますね……とても楽しかったです。」
「そう言ってくれると有り難いよ。」
そして、そのまま唇を合わせる二人。
暫く唇を合わせてから、今頃学校に行くのもっていうことで、引きこもり生活に突入する二人だった。
精霊から読み取ったっていう描写ですが、心臓やNARUTOでいうチャクラと同じものとして扱います。
フィールやジブリールが精霊から個人情報を特定していたので、間違ってはないかと。
急ぎすぎて変な文になってないか心配です。
次回、この章最終話です。