[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
本気でプロット練り直します。
まだまだアンケートをしていますので、どうぞよろしくお願いします。
それと、こちらはかなり時間を開けてすみませんでした。
プロットを書いた紙を無くしまして……。
引きこもり生活10日目、ゲームを始めて40日目。
空達に呼ばれて学校に向かった佑馬とジブリール。
かなり久しぶりに着る学生服に身を包み、校門の前にいくと、空たちを含めて久しぶりに登校した一同に、息を飲ませる光景が広がった。
「……ま、まさか……爺さん、か?」
「す、すげぇな……少し……いや、全面的にこの爺さんを見直すことにするわ。」
そこにいたのは、やつれ細りフジツボが張り、地と一体化した石像があった。
ゲーム開始からずっと土下座をしたままという、その男の中の男の名は、初瀬いの。
空はその姿を見て自分の小ささといのの恋愛に真っ直ぐなその姿勢に頭を項垂れて、佑馬はその男の姿をしっかりと目に焼き付けていた。
「これが……男の中の男……か。」
そう呟いた佑馬に、一同はただ頷くばかり。
そして、その男の中の男のいのに、ある一人の女性が近づいていった。
その女性こそ……。
「……嘘や……まさか……?」
巫女がそう呟くのも無理はない。
その女性こそ、女王、ライラなのだから。
ライラはなおもいのに近づいていき、そっと、いのの両頬を手で包み込んだ。
その瞬間、生き物だったことを思い出したかのように、石像化したいのが動くことを思い出したかのように動き出す。
フジツボが、地が、こびりついていた全てが剥がれ落ち、顔を上げさせた女王の両手に導かれるように、いのが顔を上げる。
ライラはこの世のどんな財宝よりも美しい笑顔を浮かべ、言った。
「……ないわー。」
(ですよねー。)
その場の全員の心の声がハモった。
「……くっ!」
だが、このままでは終われない、といのは奥歯を噛んだ。
いのの本当の愛は見事に玉砕された……が。
佑馬達には知らされていない、だが、佑馬は知っている空達の作戦を実行に移す。
いのはコマンドを選択し、『+』のついたハートマーク。
即ち、プラムの用意した必勝の魔法、"惚れ魔法"のコマンドを選んだ。
そして、
「失礼します女王よっ!ふん・ぬぅぅぅぅううう!」
ライラのおっぱいを揉んだ。
プラムの術式を完成させるために。
「……えっ!?」
その瞬間、ライラの周囲が赤く光り、
「あ……ぐっ……!」
プラムが眼に複雑な模様を浮かべ苦しそうに声を上げた。
「……あ、あぁ……。」
ライラはいのに胸を揉まれたまま、か細く声をあげ、顔がだんだんと朱色に染まっていった。
「や、やりました……これで……これで女王様はどんな感情を抱いても、それがいのさまに『惚れた』と認識されますぅ!」
そう、つまり、これでゲームは終了。
そして。
「いや、いやいや。惚れるにしても違うから。ないから。ごめんなさいっ!!」
ライラはきっぱりといのを振り、飛ぶように校舎に向かっていった。
…………。
初瀬いのは燃え尽きていた。
真っ白に。
佑馬は静かに、いのに近づく。
「あんたは……男だよ、初瀬いの。俺は本当の男というのを始めてみさせてもらった。」
頭を下げる佑馬から出たのは、尊敬の意。
滅多に、いや、始めて見せる、他者に対する完全なまでの敬意。
「……あ、あれ?」
そして、その言葉はプラムから溢れる。
その言葉に対し、空と白、佑馬は笑みを浮かべた。
「それじゃあ茶番はおしまいな。」
指を再びパチン!とならすと、全員がゲーム開始する直前までいた女王の間に戻る。
「……え?」
「……え、えーと、アミラちゃんにはちょっと状況がわからないなーって☆えーと?」
そう反応したのは、この場で唯一作戦を聞かされていなかったアミラとプラム。
「俺らな、最初から本当に女王を起こす方法を知っていたんだよ。このゲームに参加したのは、ジブリールが知らないデート場所でデートをしてみたかっただけだ。」
そこから明かされたのは、佑馬のゲームの参加理由、そして、女王の起こし方を知っているという言葉。
「プラム、俺にゲームの製作を任せた時点で、このゲームは俺たちの勝ちなんだよ。」
「……え?」
「惚れ魔法で女王が惚れてもプラムが総取り、失敗してもそれは使った人が責任を負う。そんなことを俺がさせるとおもうか?」
そして、衝撃の事実を突きつける。
「このゲームは最初から最後まで俺が全て作ったゲームだ。盟約に誓ったゲームはまだ行われてはいない。」
「な……!」
「そして、盟約変更だ。」
佑馬は口を吊り上げて全員に向けて言った。
「さて、俺たちが楽しい時間はここまで。ここからは皆で楽しい時間を過ごそうぜ?」
◆◆◆
「退屈だわ……何か、楽しいことはないのっ!?」
誰もいない海の中、ライラは一人で嘆いていた。
ライラは全てを持っている。
美味しい食べ物も、美も富も恋も、全てが女王のもの。
だからこそ、足りないもの。
それは、愛、真実の愛。
それをくれる王子様が現れなければ、私の心は空っぽのまま。
『盟約に誓って。』
その時、ふと声が響いて、ライラの意識が鮮明になっていく。
「また誰かきたわね……退屈だし少しだけ相手してあげるわ。」
どうせくだらない男だろう、とうんざりするライラ。
今回はうんと優しく、にこにこと笑って、思い切りメロメロにして、最後にこっぴどく振って捨ててやる。
そうしよう、と心に決めた瞬間、ライラの視界は真っ白に塗りつぶされて……。
「……ッ!?」
何が起きたかはわからない。
ただ、わかったことが幾つか。
一つ目、さっきの白い閃光とともに、海は蒸発。
二つ目、空から人類種三人と天翼種が一人降りてくる。
三つ目、痛覚は遮断されている。
四つ目、母様に乳母に侍女に名前も覚えていない姉妹達が、一様に泣きわめいていること。
呼吸は出来ない、痛みもない、だが、海が無いために自由に動くこともできず、太陽の光にも突きつけられ容赦なく気力を蝕む。
空から降りてきた人類種の三人のうちの一人が声をあげる。
「さて、いきなりだが、ゲームを始めよう。"俺を惚れさせろ"」
そう言って、オーシェンドで一番高い塔、女王の間を指し、
「俺らはあそこにいる。そこに辿り着いて口説き落とせばゲーム終了だ。」
空には、人類種が三人と天翼種が一人。
その人類種のうちの一人と天翼種が前に出て、
「……っ!!」
二人が腕を振り下ろした瞬間、目の前の全てが消え去り、時間とともに直っていった。
「見ての通り、おまえを含めて何もかもを消し飛ばしても数秒で戻る。」
「なお、シチュエーション指定のとき」
「……あなた、の……友人、知人……親族も、登場させ……た。」
人類種三人の言葉が耳に届くが、どれもこれもが理解の範疇を越えていた。
だが、わかることは一つ。
ゲームをクリアするためには、あの人類種みたいな化け物と天翼種から逃げながらあの塔に向かわなければならないということ。
「つまり、だ。」
人類種の男が、死刑宣告とも言える言葉を放つ。
『これからおまえはなんの手助けも受けず、ただひたすら死ぬだけだ。どこまでもがき苦しむか、見せてもらおう。』
その瞬間、世界が吹き飛ばされた。
◆◆◆
佑馬とジブリールは破壊の限りを尽くす。
天撃、粉塵爆発、巨大なプラズマ、須佐之乎による斬撃など、多種多様な強力な魔法が二人から次々と放たれる。
「ああ……これは楽しいな。」
佑馬の口は緩んでいた。
全てをとにかく壊し続ける。
下で逃げ惑う人は何度殺しても死なない、痛みもない。
前世では出来なかった、破壊の限りを尽くすという行為。
心の内側で少しずつ何かが壊れるのを感じながらも、佑馬は破壊をとにかく楽しんだ。
そして、女王の親戚に近づき……腕をへし折った。
◆◆◆
画面の外で見ていたアミラ、プラム、ステフ、いのは静かにその光景を見ていた。
いや、主に、佑馬を見ていた。
全員が不気味に思うほど口を吊り上げて嗤い、再生の間も与えずにとにかく破壊する。
途中でライラの親族に近づき、腕をへし折り、傷ついた部分に手を当てて爆発させたりしていた。
誰もが、恐怖を覚えた。
ライラはなんとか塔に近づこうとするも、何度も何度も佑馬によって遠ざけられる。
ジブリールも再生の間を与えずにとにかく天撃を打ちまくる。
まさに、悪魔のコンビ。
大戦の時ですら生ぬるいであろう光景は、佑馬とジブリールが飽きるまで続いた。
これにて、この章は終わりです。
次回から神霊種編です。
中途半端ではなく、しっかりとここで終わりであってますからね。