[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
遅れてすみません。
第二ゲームが始まった。
まず動き出したのは、[ ]陣営。
獣人種数人ほど操作して、機凱種のところまで移動すると、機凱種一体が佑馬陣営と[ ]陣営の間にある海の上で待機を始めた。
そこに向かってくるのは、空間転移している天翼種約五十体。
そして、その機凱種と天翼種が出会い、
……硬直した。
「さすがに気がついたか」
その光景に、さすがは[ ]と頷きながら言う佑馬。
このゲームのルールは実際に穴だらけだ。
しかし、穴ではない場合もある。
例えば
つまり、今回みたいに一体対十六隊では、戦闘が生じることはないのだ。
この選択を取られた場合、二つの選択肢が生まれる。
一つは、戦えないなら、戦わなければいいという選択肢。
だが、これは一時的に凌いでいるだけにすぎない。
もう一つは、十六対十六に単位、範囲、場所の指定はないということ、それ即ち。
「まぁ、まだ想定内だな」
瞬間、一体の機凱種と
二つ目は、範囲が決まってないなら、勝手に決めてしまえばいいというものだ。
今回の場合、一体の機凱種と下にいた海棲種をまとめて、十六隊対十六隊に
戦争でわざわざ相手にルールを決めさせるような真似をする者はいないのと同じことだ。
佑馬陣営では、先代の英雄たちが的確な指示により、各自の軍事力、防衛力、そして内政と着実にやっていくなか、[ ]陣営から再び機凱種一体が境界の海へとやってきた。
それにより、再び空間転移で移動してきた天翼種と対峙、天翼種はその機凱種を同じよう殲滅。
そこに間を置かず、機凱種一体を配置した[ ]陣営。
天翼種がまた同じように処理しようと天撃を構えた瞬間
「アズリール!今すぐ退却させろ!」
佑馬は天翼種を操作しているアズリールの手を止めるように指示した。
「にゃ!?どうしてにゃ!」
驚いたように声を上げるアズリールだが、応えはその隣から返ってくる。
「何度も言っていただろう、アズリール。機凱種、それも
「……あれ、解析体だったのにゃ!?」
応えたのは、ラフィールだ。
どうやら最初から言っていたようだが、アズリールは無視していたらしい。
「だから何度も言っていただろう……」
ラフィールは呆れ声でアズリールに言った。
解析体とは、機凱種の中で最も認識性能に特化した機体のことだ。
「うちのトラウマに触れて聞こえなかったにゃ……」
今回のアズリールは、どうやら本当に落ち込んでいるようだ。
「ラフィール、出来るだけフォローしてやってくれ……」
「ああ、すまない……」
その光景にため息をつきつつ、結局先程と同じように機凱種を処理したアズリールをラフィールに任せて、佑馬はジブリールの元へと戻った。
「またあの人ですか……」
疲れて戻ってきた佑馬を心配したジブリールは、同情の意味も込めて言うが、
「今回は仕方ないといえば仕方ないんだ」
さすがにこれで責められるのは何かと不憫なので、一応アズリールを擁護しておき、ゲームに戻った。
◆◆◆
「白、どうだ?」
「ん……いい、感じ」
「そうか……巫女さん、助かった」
「気にせんでええよ。東部連合としてもエルキアが滅ぶんはいろいろ不味いかんなぁ」
空たちは早急に立てた作戦が成功したことに一息つき、少しのびをした。
「あの……一つ聞いてもいいですの?」
そこで、ステフが申し訳なさそうに空に質問した。
「何故機凱種をわざわざあんなところに送ったんですの?」
「おっと……今回の意図、お前には分からなかったか」
「う……はい……」
空の指摘にさらに申し訳なさそうにするステフに、空が応えた。
「今回の作戦の意図は大きくわけて二つある」
「ほうほう」
「まず、一つ目。このゲームのルールが本当に機能しているかどうか。これはしっかりと機能していることが確認出来た」
「なるほど?」
「二つ目は、こちらの
「なるほ……はい?」
一つ目に納得し、二つ目も同じように納得しようとしたところで、ステフは首を傾げた。
「戦力の増加ってどういうことですの?」
数を減らしているのに、戦力は増加しているという矛盾。
ここには、疑問を持たざるを得なかったのだろう。
「まぁ、普通なら弱体化になるわな。だけどさ、機凱種、それも解析体ならどうだ?」
「……!!相手に攻撃
空たちがやったのは、簡単なことだ。
3,使える種族同士は友好的であるが、それ以外の種族はどちらにも属さない、『中立勢力』である。
8,内応、裏切り行為は禁止とする。
つまり、自分達が使えない種族は中立と言っておきながら、陣営内は全員味方なのだ。
よって、自分達が最初から操作できる種族で一番足の速い獣人種で機凱種の元へ向かい、コンタクトを取って解析体を境界線へと向かわせた。
それにより、攻撃してきた相手の技を解析し、
これにより、戦力増加が見込めるのだ。
「このゲームは機凱種がキー種族だからな」
これは、佑馬たちの一回戦目の攻め方からでも分かる。
佑馬たちは、こちらに攻め込んできたときに真っ先に機凱種を滅亡させた。
それは、機凱種が自分達の負ける可能性がもっとも高い種族だからだ。
「とは言っても、海棲種を合計
「四十五……?」
ステフは、空の言葉を聞いて目を見開いた。
四十五人犠牲にしたということは、逆をいえば相手がすることを分かっていたから、解析体三体の一体につき十五人、計四十五人を使ったことになる。
つまり、そこまでは空の手の上だったということだ。
「そやけど、一体ずつ、三体でそんなに技を模倣出来るもんなのかえ?」
そこで、再び巫女が話に参加する。
だが、その質問に空と白がお互いを見ながら、笑いあう。
「三体?
「解析体、
そして、二人から出させた答えに、この場にいる全員が目を剥く。
どう見ても、境界線付近には解析体、それどころか機凱種すらいないのだ。
「ど、どういうことですの?」
「それは秘密だなー。なぁ、
突如名指しされた人物に、全員の視線が集まる。
「はいぃ……首尾よくやれましたぁ」
ステフの質問に対する答えは、プラムだ。
プラム、つまり、吸血種が機凱種の姿を隠しているのだとステフは解釈する。
「つまり、解析体全機で技を解析しているわけやな?」
「そういうこと。しかし、まだ不安要素がいくつかあってだな……やはりきたか……」
巫女の言葉に笑顔で頷くも、一転、一気に顔を曇らせた。
「プラム、すまないがまた頼むぞ?相手の
「ええぇ……なんとかしてみますけどぉ、無理がありますよぉ……」
その瞬間、解析体と吸血種達がいた大地は灰とかした。
◆◆◆
「は~い、いっちょ上がりなのですよぉ」
「見事だな、シンク」
「もっと褒めるのですよぉ♪ただぁ、
今回、機凱種を倒したのはシンクとローニだ。
だが、一緒になって倒したのは、本当に偶然。
『女、お前も気がついていたのか』
「当然なのですよぉ。貴方こそ、気づいていたのですねぇ」
『当然だろ?』
会話を交わす度に火花を散らす二人に苦笑しながら、佑馬はスクリーンを見る。
当然、佑馬は気がついていた。
だが、シンクの指令書を見て自分が動くのをやめ、任せたのだ。
(……逃げられたな)
先程と灰と化した大地から、今度は相手のエルキアへと目を移す。
そこにいたのは、機凱種数体と吸血種数人とプラム、そして、エルキアから何かを持って飛び立った天翼種だ。
(……さすがはプラムと言ったところか……こりゃ一本取られたな)
「一本取られたのなら、取り返せばいいだけのことでございますよ」
急に背後から声をかけられて、一瞬体が硬直した佑馬。
振り返ると、そこにいたのは、ジブリールだった。
「ジブリールも気がついていたのか」
「はい♪ですので、あの二方の
ニコニコと指差した場所は、相手の機凱種の主力がいた座標だ。
そこが、
「佑馬がくれた
「……ジブリール。よくやったな!」
佑馬はジブリールの言葉に、自分の
「佑馬のおかげでございます。吸血種と転移をを使って、完全な不意討ち、そして、確認もしっかりして来ましたので、現在生き残っている機凱種はエルキアにいるもののみでございます」
機凱種の主力の全滅、それは、相手の詰みを意味する。
「よし、それじゃあ幕引きといこう」
そして再び、佑馬陣営の全勢力が[ ]陣営に襲いかかった。
本当は朝の六時に投稿する予定でしたが、プロットをとある場所に忘れてしまい、この時間の投稿となってしまいました。