[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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まさか次これを投稿するときに、累計作者になっているなんて誰が予想していたのでしょうか……
本人もビックリです。

さて、この作品も一周年を迎えました。
何故か二ヶ月前に投稿を始めた作品の方が早く終わりそうですね。

しかし、この作品は私の初投稿にして小説の原点です。

読み返して黒歴史丸出しでしたが、それでもその部分はあえてそのまま残し、見返す度に恥ずか死しておきます。

長々と書きましたが、本編に入ります。
前回を忘れてしまった方は、五、六話前にある『記憶』から読んでいただければ、ここまでの流れがわかるかと。


吸血種の脅威

 配置していたはずの機凱種全機が全滅させられたというのは、スクリーンに映し出されているマップですぐに分かった。

 

 そして、一回戦目と同じように大軍勢を率いて[  ]陣営に押し寄せてきた。

 多国籍軍ならぬ、多種族軍である。

 

「ソラ!またきますわよ!?ここで負けてしまっては後が……というか、勝ってもいけないんでしたわ!もうどうすればいいんですのー!!」

 

「少し落ち着け。大丈夫だ」

 

 一回戦と同じ展開、機凱種が全滅させられ、力で押される。

 それを再現するかのように、次々と倒されていく味方にステフの表情が絶望に染まっていく。

 

「やっぱり、無理だったのですわ……いくらソラたちでも、あそこまで偉人達を揃えられては……」

 

「今のは聞き捨てならんな。俺たちを誰だと思っているんだ?」

 

「[  ]は……二人で、一人。[  ]に負け、は……ない……!」

 

 空と白は、目を細めてステフを見た。

 [  ]にとって、さすがに見逃すことはできなかったのだろう。

 だが、いくら空と白が断言しようと、戦況が変わるわけではない。

 

 既に、味方の七割がやられてしまっているのだ。

 

「……でも、さすがに潮時かな」

 

「……!!そんな……!では、やっぱりソラたちでも――」

 

「そろそろ隠す必要(・・・・)もなくなってきたな?プラム(・・・)

 

「はぃぃぃ!では、反撃(・・)といきましょー!」

 

「――え?」

 

 ソラの『潮時』という単語を、二回戦も勝てないから抵抗をやめて諦める、という意味で受け取ったステフ。

 だが、その次に聞こえてきたのは、なんと反撃宣言だだった。

 

 最早、ステフはこの状況に頭がついていけていない。

 

「本当に首尾よく(・・・・)やってくれたな。それじゃあ早速、全ての幻惑を解除(・・・・・・・・)してくれ」

 

「わっかりましたー!」

 

 空の指示と共に、やたらとテンションが高いプラムは指令書に指示を書いてボックスに投函。

 それと共に、ゲーム内のエルキアにいた空、白、ステフ以外の人類種を含む全種族の影とゲーム内の空の背後(・・・・・・・・・)の影が揺れた。

 そして、姿を現したのは、

 

「機凱種!?」

 

 いたのは、数人の人類種、プラム、いづな、巫女、いの、ライラ、アミラと数人の吸血種のはずだ。

 それが、いつの間にか全員機凱種に変わったのだから、それはステフでなくても驚いてしまうだろう。

 

「これは一体どういうことですの……?」

 

「簡単なことだ。最初から機凱種は一機もやられてない(・・・・・・・・・)ってことだよ」

 

「でも、確かに解析体は地精種と森精種の艦隊に、本隊はジブリールによって壊滅したはずじゃ!」

 

「あー、つまりだな――」

 

◆◆◆

 

「つまり、今まで倒していたと思っていた機凱種は全て、他種族だってことだ。プラムに幻惑(・・)を見せられていたということだな」

 

 同じ頃、佑馬陣営でも同じような説明が行われていた。

 

「それは一体、どういうことなのでしょうか。例えそうだとしても、佑馬が見逃すはずはないかと」

 

 当然の沸き上がる疑問をジブリールが問う。

 

「今のプラムは吸血種の力を最大限に発揮できる状態にある。それだけならこの眼が誤魔化されることもないけど……例えば、そこで空の血(・・・)を吸っていたのだとしたらどうなるか。想像は難しくないはず」

 

「それはつまり、ソラは自分の身体を犠牲にしてあんなことをしたって言いたいのかしら。だとしたら、それは間違いよ」

 

 佑馬の説明した理論に、聞いていた者はほぼ納得した様子なのだが、ただ一人、文字通り空の全てを知っているクラミーだけが反論をした。

 だが、その反論に苦笑する佑馬。

 

「確かに、吸血種に噛まれたら特殊な病気を発症するため、空自身はやろうとは思わないだろうし、白が絶対に許可しない。だけど、ゲーム内のアバター同士なら、どうだ?」

 

 その言葉に、ハッとするクラミー。

 どうやら、話の内容を掴めたようだ。

 

「アバターは、俺らと同じ力、知能などでできているクローンに近い存在だ。つまり、アバターの空の血をアバターのプラムが吸ったとするなら、現実の空に影響は出ることもなく、指令書で指示内容を書けばその通りに幻惑をかけてくれる」

 

 アバターはアバターであり、現実世界で動かしている本物(プレイヤー)とリンクしているわけではないのだ。

 

「それと、このゲームはそもそも現実から魔法で干渉することが不可能なんだよ」

 

 佑馬の顔は、笑っている。

 過去の偉人達を揃えたからといって、結局[  ]にはあまり問題のないことだったのだ。

 そう、例え[  ]と同程度のゲーマーが数人増えたぐらい(・・・)では。

 

「今回は見事に一本取られたな。まさかプラムの幻惑がこの眼を騙すほどの力を見せるなんて思っても見なかった」

 

 佑馬の称賛とともに、エルキアにいる機凱種の解析体ほぼ全機で攻め込んできた多種族軍の全攻撃を分析し、[  ]陣営が受けた全ての力を凝縮。

 エルキアから放たれた一閃の光は、佑馬達の軍勢を、反射があるはずの佑馬を含めて全て跡形もなく消し飛ばした。

 

◆◆◆

 

「……すごい……すごい!すごいですわ!!」

 

 佑馬達の多種族軍を見事倒した空達に、ステフは嬉しそうにピョンピョンと跳び跳ねている。

 しかし、空と白の表情はさらに引き締まっていく。

 

「いや、まだだ。まだ二人……いや、俺達と同じ二人で一人の大戦を終わらせたご先祖様が残っている」

 

「こくこく……」

 

 佑馬を含めた主戦力は作戦で上手く倒すことが出来たが、佑馬が完全に指示を委任した種族、人類種と機凱種が残っているのだ。

 

「さて、白。[  ]からすれば、ある意味ここからが本番だ。心の準備はいいか?」

 

「わくわく……」

 

 空と白はとても良い笑顔をしていた。

 何千年も続いたという大戦を、神霊種や幻想種や天翼種や森精種(化け物ども)という人類種とは遥かに格上の彼らよりも早く、大戦を終わらせた張本人。

 そんな彼らとゲームが出来るというのは、空と白にとって願ってもいないことだろう。

 

「白、死んででも負けられねぇな」

 

「もち……にい、となら……地獄、でも……怖く、ない」

 

 それぐらいのつもりで、という意味で言ったのだが、白はそれを大きく上回る気概を見せて大きく頷いた。

 

 そんな頼りがいのある妹の頭を、空はくしゃくしゃと撫でる。

 白も目を瞑って気持ち良さそうにそれを受け入れた。

 

 今、味方陣営の戦力は、人類種と機凱種、少数の天翼種とプラム率いる少数の吸血種、いづな、巫女、いのだ。

 対して佑馬陣営は、人類種と機凱種、妖精種と少しの天翼種のみ。

 

 戦力としては、かなり拮抗している状態であるため、完全な采配の勝負となる。

 采配によって大戦を終わらせた相手とその采配で勝負。

 こんなにもワクワクするゲームは、そうそうあるはずがない。

 

「さぁ、ゲームを始めよう」

 

 人類最強のゲーマー達のゲームが、今始まりを告げた。




最近、二次創作の小説なのにすごい頭を使います。
どうしてでしょうか。
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