[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
とあるお方の熱意により更新再開します。
それに伴い、エピローグは削除させていただきました。
明らかに一瞬の時間。
ここにいる化け物達ですら、視認できた者は少ない。それこそ、できたとしても行動に起こせる者などいるはずもない。そんな一瞬の出来事。
このゲームはとにかく先を正確に読んだ者が制すると言っても過言ではない。だから優秀な人材は何人いても問題ない。それだけ一つのことに集中できるのだから。
だが、読めなければ優秀な人材もただの飾りだ。その壁を壊せるものこそ、[ ]に対抗するに足る戦力となる。例えば、ルールのおかげで一方的なスナイパーとをして天翼種が撃ち続ける天撃を全て受け流しているリクやシュヴィのように。
「……ジリ貧だな」
「……うん……でも……なんとか、間に合った……」
「でも次来るぞ。このままじゃ時間だけが過ぎていく」
天翼種を攻撃することはルールによりできず、相手はエルキアめがけて攻撃してきているためルールに違反はしていない。[ ]にとってはそこが首都なら儲けもの。そうでないにしても相手の意識そちらへ剥けることが出来れば上々。というよりも、既に一つ良い発見があったため今回の奇襲は現時点でも大成功と言えるだろう。
「なるほど。
「……隙有りぃ♪」
遂に見つけた勝ち筋と言わんばかりのニヤッとした表情。流れ弾に偶然当たった相手の機凱種数体が蒸発したことも大きい。解析体がいない今、戦力をほぼ無意識に削ったということになる。しかも天翼種がいるのは何もない空中。佑馬サイドがその機能を使ってもその天翼種を
通常個体の天翼種のため撃つ回数は決まっているが、それでも天翼種。常識が通じるような威力をしていない。機械種を使って何とか受け流してはいるものの、それでも受け流しきれてはいない。佑馬サイドのエルキアは確実に破壊されていっている。一発撃つのに約二十秒。ゲームの時間に換算すると百六十時間。一週間弱に一度撃ち込んできている計算になる。
そして先ほどのが五度目。六度目まではまた二十秒のインターバル。それを理解しているリクとシュヴィは二人して指令書を書き始めた。枚数にして約八枚。リクは持っている四枚をシュヴィに渡し、シュヴィは盤面を見ながら一枚ずつ、時に二枚投函していく。誰もが盤面や二人を注視するなか、ついに二十秒。天翼種の六度目の攻撃が始まる。他の者もそのインターバルに気がついているために視線を向けるが――何も起こらない。
盤面からそこに天翼種がいるのは分かる。だがいつの間にか、そこにもう一体追加されている表示があった。
「……機凱種か」
佑馬がポツリと溢す。天翼種の近くに表示されているのは一体の機凱種。対峙してから両者全く動こうとしない。十六対十六のルールにより戦闘にならないのだ。
リクとシュヴィがこれ一つに時間をかけた理由は簡単。エルキアにいる人類種及び少数の機凱種を離れさせるため。例え吸血種を使って[ ]サイドが十六以上になったとしても戦闘にならないようにするための保険。
これでなんとか優勢に何も戻ったと思った人はかなりいる。だが、流れはまだ[ ]サイド。今のを止めたからといって、その流れはやはりというべきか、止まらなかった。
「さて白。何か分からんが連結体が戻ったようだ」
「……流れは……渡さ、ない」
シュヴィによって足止めされていた連合体が復活したのだ。これにより[ ]サイドと佑馬サイドの機凱種の差が縮む。
――それが何だというのだ。
「シュヴィ。これで向こうが
「……予定、通り」
案の定指示を出したのにあまり動いてくれない機凱種に戸惑う[ ]。それもそうだろう。渡されたのはシュヴィが培った『感情』だ。そんな機凱種がシュヴィ側を何も思わず攻撃できるだろうか。答えは簡単、否だ。
裏切りや内応は禁止。では
佑馬サイドの機凱種はシュヴィによってほぼ制圧状態にある。シュヴィのアバターに対して機凱種への指令を出せば、そのまま機凱種への指令となる。それらを知ってか知らずか、[ ]は今までのがむしゃらな攻撃を突如としてやめ、戦力を[ ]サイドのエルキアへ集中し始めた。
完全なまでの
「さてシュヴィ。ここからが本番だ。行けるか?」
「……手強い……けど、リクとなら……いける」
今度はリクとシュヴィがニヤッとしながら盤面を見る。このゲームが終わるまで後六時間弱。佑馬からは「二時間までなら使ってもいい」と言われている。第二回戦も大詰め。幕引きは派手なほど興奮し、記憶に残るものとなる。ならば派手にいこうではないか。最後の思い出は、二人きりで――
◆◆◆
「佑馬も洒落たことするのね」
「馬鹿言え。こういうことに限ってはこの世界の誰よりも気が利くぞ」
クラミーの微笑に心外だとばかりに反論する佑馬。他の者は目の前で行われている人類種の知恵の限りを尽くした戦いを注視する者、早くゲームをしたいとウズウズしている者、大戦の英雄に煙たがれるものなどいろいろなのだが、ふと気になった佑馬はアズリールの元へと向かった。
「あれかわすにゃ!? ひゃー、それすら対処するとはさすがにゃ~」
「アズリール。ちょっといいか?」
「んにゃ? どうしたにゃ佑馬ちゃん」
一人で実況のような感嘆の声を漏らすアズリールは一応近づいてくる気配は分かっていたのか、特に驚いた様子もなく応対した。
「あそこにいる地精種のことなんだが――」
「そういえば、うちはあんな奴知らないにゃ」
「――ん?」
地精種と同盟を組むために送ったアズリールが知らない。本当に知らないのか、それとも嫌だからあんな奴知らないという感じの奴なのか。
「あ、本当に見たことないにゃ。誰にゃ?」
「……全権代理者じゃないのか?」
「なんか、全権代理者には次の
見逃せない言葉だった。
アズリールにはこの事を言ってはいない。つまり向こうが知る余地は無いはずなのだが、それを分かっていたとしか見られない発言。最初のドラウヴニルの発言は第一印象からの失望の念だと分かるが、今の彼は意にも介さないと言ったところ。このゲーム内で一番あの地精霊と一緒にいた彼はとっくに気づいていたのだろう。すると気になるのは本物の全権代理者だ。このゲームを当てるほどのキレ者。八位という序列もあって同盟相手とはいえ敵となった瞬間厄介極まりない。
「それで、その全権代理者はどんな奴なんだ?」
「……分からないにゃ。着いた瞬間「同盟は組んでやらぁ。だが次の召集ゲームには参加しねぇ。
「……通りで同盟組んでくるのが早かったわけだ」
「行くのに手間取ったにゃ」
どうやら全権代理者はかなり聡明らしい。同盟を組むにしては弱すぎる条件。そこに効力はない。だが敵意も無いと。しかも
「今度会いに行くか」
「それはお任せするにゃ」
目まぐるしく変化する盤面。完全な防衛に徹した[ ]は確実に佑馬サイドの戦力を削っているが、[ ]の被害も決して少なくない。
まだゲームは
今になって地精種の全権代理っぽい人を適当で無能な奴にして良かったと本当に思っています。あれ入れたら[ ]の敗北が一瞬で決まりますやん。