そんな彼方にアザレアの花束を   作:ゐろり

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みなさんおはよーそろー!約4ヶ月ぶりのゐろりです。
本当に長らくお待たせしました。
そしてこんなにも長い間放置してしまったことを心からお詫び申し上げます。

さて今回は曜ちゃん視点で物語が進みます、それではどうぞ!


第二十三話〜吐露の彼方に〜

〜前回のあらすじ〜

 

約一週間、三年生の三人と絶対防衛線の準備を進めてきた彼方達。

一方で、千歌と曜の二人は…

 

 

最近、彼方くんの様子がおかしい…と、いうより恐ろしい。

ついこの間の倉庫大掃除以来彼方くんは毎朝遅刻ギリギリに、それも絆創膏やテーピングだらけで登校してくる。一回気になって彼方くん家行ってみたけど結局いなかったり学校にで聞いても上手い具合にはぐらかされた。

本当に彼が心配で心配で仕方がない。自分でもなんでこんなに彼を気にしてしまうのか訳がわからない。そのことを前に千歌ちゃんに相談したら

 

「曜ちゃん…そこまで気づいていてなんで答えが出せないの!?バカな私でさえ答えわかってるよ!?」

 

と散々言われてしまった。しょうがないじゃん、わかんないものはわかんないもん。

まあ私のことは一回置いておいて。とにかく彼方君からアイドル活動は続けてくれって言われちゃったからね、頑張って桜内さん勧誘しなきゃ!

 

 

 

 

 

 

今日も千歌ちゃんが朝っぱらから桜内さんに突撃している…けど反応は薄いなぁ。あ、千歌ちゃんけっつまづいた。うわあ痛そう……ってこんな呑気なこと考えている場合じゃない。あんまりちんたらしていられないし、そろそろ私も何か考えてみないと。

千歌ちゃんみたいにぶっつけ本番で行ってもどうせ断られちゃう。それなら、ちょっと趣向を変えていってみようかな?

そして体育の授業が終わり終礼の準備を始めた頃に梨子ちゃんに話しかけた。

 

「ねえねえ桜内さん、今日の放課後って時間ある?」

「え?……は、はい。多分、大丈夫…」

「そんなに緊張しないで、別に変なことする訳じゃないんだから」

「そ、そう?…ごめんなさい、私って人見知りだから…」

「ううん、気にしないで。それじゃあまた後で!」

 

よし、うまく誘えた!さて次は千歌ちゃんにどう説明したものか…とりあえず事情を掻い摘んで話してみよう。

「ねえねえ千歌ちゃん、今日の放課後私桜内さんと用事あるから先に帰ってもらってもいい?」

「ふえ?どうしたの急に?」

「まあ色々とね。ダメかな?」

「んーん、大丈夫だよ!」

「ごめんねー、ありがとっ!」

これでシチュエーションは完璧だね。あとは実行に移すのみ。彼方君が頑張ってるんだもん、私ももっと頑張らないと!

 

 

 

そして放課後。今は桜内さんとたわいもない話をしながら二人で浜辺を歩いてる。最初は緊張気味だった(というか警戒気味だった)けど今はちゃんと話してくれている。

「それで渡辺さん、今更だけどどうして私と話してくれてるの?」

「本当に今更だね……んーまあぶっちゃけちゃえば千歌ちゃんと同じスクールアイドル部への勧誘だね。」

「やっぱり…」

「ごめんね……でもね、ちょっとだけ私の話聞いて欲しいんだ」

「話?」

「うん。私もね、最初はスクールアイドル部入るつもりなかったんだ。」

「やっぱり水泳部入ってるから?」

「そうだねぇ。自分で言うのもあれだけど私これでも強化選手だから練習も結構ハードだしだし正直他のことやるのは厳しかったんだ」

「じゃあ、なんで大変なのにスクールアイドル部に?」

「………彼方君がいる、からだと思うんだ」

「え、江口君が?」

「うん。この間彼方君の身の上話を聞く機会があってさ、なんだか考え方が変わったっていうか気持ちが固まったっていうかでさ……統廃合かもって言われた時も本当なら全然関係ないはずの彼方君が一番に心配してるところとか見て動かされたんだ

。本人には恥ずかしいから絶対言わないけどね」

「そっか……確かに江口君お人好しだよね。私もまだ会ってから大してたってないけどなんとなくそう思う。」

「でしょ?で、その彼方君が今すっごく頑張ってるの」

「頑張ってるって……あ、最近やたら遅刻ギリギリだったりあざだらけなのと関係あるの?」

「多分…詳しいことは聞いても教えてくれなかったけどそうだと思う。でもどうして彼方君があそこまで頑張ってるのかは知ってるんだ」

そしてわたしはいよいよ本題に入ることにした。

 

「私達、浦女のみんなを守るため」

「ま、まもる?ってなんでそれがあざだらけの彼方君と関係あるのよ…」

「ごめん、ちょっと詳しことは言えない。でも少なくとも彼方君は浦女を守るために今も死ぬ気で何かをやってる。わたしは彼方君のおかげで自分の新しい可能性を見つけることができた。だから、彼方君の助けに少しでもなりたい!そのためには桜内さん、いや。梨子ちゃん。あなたの力が必要なの!自分勝手なこと言ってるってわかってる、でもわたしには、わたしたちにはあなたが必要なの!だから……」

気づいたらわたしは涙を流しながら梨子ちゃんに向かって頭を下げていた。

「ちょ、ちょっと!わかったから頭を上げて!」

「え……?」

「あなたの熱意は伝わったわ、本気で言ってるのも痛いほどわかる。でもね、わたしにもわたしなりの面倒臭い事情があるの。」

「う、うん……」

「……だからね、ちょっと考えさせて」

「え……?い、いいの!?本当に!?」

「ってまだ入部するわけじゃないのよ?」

「わかってるよ!やったーーー!」

「も、もう……ふふっ」

これで少しは前に進んだかな?でも、今は純粋にわたしの話が少しでも梨子ちゃんに届いたことが素直に嬉しい!誰かに思いが伝わるのってこんなに嬉しいことなんだ!

「それじゃあもう日も暮れそうだしそろそろお開きにしましょうか、曜ちゃん?」

「うん!梨子ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

少女は想う。少年の力になりたいと。少年は想う、彼女を守りたいと。二人の想いがやがて大きな力とならんことを。




最近だんだんと執筆の調子が戻ってまいりました
これからもどんどんと投稿していきたいです。
それでは、アディオス!
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