色々忙しかったです! 嘘です! サボってました!
これからは1話ごとの長さを短くしていきますので、より読みやすく、早く更新できると思います。
前回のラブライブ!
遊び相手を見つけました。
朝特有の穏やかな光とちょっと寒いと感じさせる空気が俺の体を起こしてくる。
それに抗うように光からは体を背け、外気を遮るように掛け布団を深く被り直す。
今日は学校がない。
こういう日にゆっくりできないでどうする。
「Good morning、駆」
聞き慣れた英語の発音と、優しさを感じる声色。
かすかに香る甘い匂いも、休日の朝だからこそゆっくり味わうことができる。
「今日は学校休みだからもうちょっと寝かしてくれ」
口籠ったような声を発し、まだ眠たいですよアピールをする。
俺を起こしてくれているのは、おそらくマリー。
癒しボイスで起こされるなんて、まるで夢のようだ。
ん? マリー?
「うわぁ!」
「何ですか駆。 まだ寒いので布団を取らないでください」
目の前には、髪がぼさぼさで服がちょっとはだけてしまっている美少女が口元に笑みを浮かべながらじっと見つめる。
頑張れば見え……
「マリー! 起きてるんだったら起こしてくれ!」
理性と格闘し、なんとか勝利する。
「Why?」
「いやなぜって、常識的に考えてまずいだろ!」
「何かまずいことでも?」
「いや、だから俺は立派な男だし、流石に同年代の男女が一緒に寝るっていうのは……」
「どこが?」
「どこがって、どっからどう見ても……」
自分の体をしっかりと確認する。
いや、小さいやないかーい。かーい。かーい。
心が叫びたがってるんだ。
* * *
「朝っぱらから散々だな……」
マリーに早く起こされてしまったため朝食までにゆとりがあったので海辺を散歩をすることにした。
当人は事務作業があるとかで、早く起きたらしい。
じゃあ人の寝顔を見る前に起こしてくれ!
おかげで若干の眠たさは残るが、海の潮の香りが全身に透き通り体が活性化していく。
「やっぱり海だけは一流だな……」
朝見る海も、夜見る海も。
表情を変えても、芯は変わらない。
だから、皆に愛され守られていく。
海に酔いしれていると、浜の隅っこでタオルでウェットスーツを拭いている美女が一人。
ピッタリとしたスーツのおかげで、出るところは出て、スタイルの良さをとことん強調している。
青色の髪を後ろで結い、顔の凛々しさを強調する。
たまに見せる優しそうな表情がまたまたぐっとくる。
ウェットスーツに、圧倒的感謝。
見てはいけないと心で思いながらも、目は言うことを聞かず見入ってしまう。
固唾を飲み込み、周りの音などはシャットダウンする。
これがゾーンと言うやつか。
彼女もタオルで体を拭き終わり、チャックへ手を伸ばす。
息をすることさえ忘れるぐらいの極限のゾーン状態。
心臓の鼓動を留まることを知らずに、秒ごとに速さを増していく。
そして、彼女がチャックを下しながら徐々に透き通った肌が露わに……
「どうかした?」
ばっちり目が合いました。
ここまで育ててきてくれた小原家。
そして、マリー。
今まで、ありがとう。
鉄格子の中にいてもあなた達のことは決して忘れません。
どうかご無事で……
「迷子、かな?」
「へ?」
警察に通報されると思っていた矢先、予想外の言葉が飛び出してきたので間抜けな声が出てしまった。
「お家どこかわかる?」
近付いてくる美女に何も答えることができず棒立ちしてしまう。
とにかく何か喋らなくては……
「家はわかるからだ、大丈夫。ありがとう、お姉さん」
「そっか。気を付けてね」
いつもより少し高めのお子様ボイスを使い、無邪気な笑顔を発動する高等テクを見せても動揺を隠せずにいたが、何とかこの場をやり過ごした。
それにしても、この姿は案外役に立つんだな。
ショタは最高だぜ。
「あ、ねえねえ」
「は、はい!」
急いでこの場を離れようとしたとき、不意に呼び止められ振り返る。
「女の子の着替えは覗かない方がいいよ」
「し、失礼しました!」
まるで体の中から燃え盛るような炎が噴き出しそうになり、ダッシュで逃げる。
あの小悪魔的な笑い。
あの人にはもう会わない方がいいと思った今日この頃。
「ま、この中水着なんだけどね。それにしてもすごい動揺してたな~、まるで年頃の男の子みたい」
* * *
朝から死にたくなるような経験をしました。
ホテルへ帰り、朝食となる。
相変わらず無駄に高い天井、作りすぎの窓、広すぎるレストランでマリーと二人きりで食事である。
「駆。今日一緒にgo to schoolしない?」
普通に学校行かない?でよくない?
「学校? 今日土曜だぞ、なんかあんの?」
「事務作業をhelpしてほしいの。 どうせ何もないでしょ?」
「事務作業ね……。 ま、どうせ学校行く用事があるからついていくよ」
マリーに視線を送っても、眉一つ動かさず俺の言葉を流す。
なんたって今日は、Aqoursの初ライブだろ?
* * *
「ここが浦の星か……」
改めて小学校と比べてみると、やはり大きい。
小学校にいるためか、高校生という雰囲気が鮮明に伝わってくる。
思い返せば、この頃に見ていた高校生とかってやたらと大人に見えたな。
あ、思い返すといっても記憶なかったわ! てへ!
「駆、私は事務作業で理事長室に行くわ。 適当にwalkしといて」
「手伝わなくていいのか?」
「屋上と図書館がおすすめよ」
俺の意見を華麗にスルーして、アイドル並みのウインクと含みのある笑みを浮かべて、上手すぎる英語の挨拶で立ち去る。
あの顔のときは大体変なことを企んでいるに違いない。
まあ、それを知りながら乗っちゃう俺も俺だけどな。
「おーい、マリー!」
「はい?」
マリーがきょとんとした顔でこちらを振り向く。
「後ろ髪はねてるぞ」
「もっと早く言ってください!」
マリーらしくない動揺っぷりと真っ赤な顔。
いつものお返しじゃ! だらっしゃあ!
* * *
マリーに言われた通り、屋上に行くことに。
屋上までの道は、なんとなく階段に沿って行けば着くと思い校舎を淡々と登る選択肢に。
途中で運動部らしきjkの組に、何あの子可愛い~ってあざとく言われた。
普段なら、どうせ可愛いって言ってる私超可愛い~って思ってるんだろ?とか考えてしまうところだが、自分が可愛いと言われてしまったら……
「あ、あざっす」
唇を尖らせ、向こうに聞こえない程度に返事をしてしまう。
いや、可愛いって言われたら誰だってこうなりますよ。
階段を上り、屋上への扉を開ける。
ここら辺で一番太陽に近いだけあって、これだけ日差しが強いとなかなか目が慣れない。
そんなクソ暑い中、黒いローブを羽織った誰かがいる。
絶対頭おかしいやつが一人、いる。
普通なら、引き返す場面。
やっぱり記憶がないだけあって、探求心が人一倍強くなった気がする。
たぶん昔の俺なら屋上まで来ていない。
早速、声をかけてみよう。
「ねえねえ、何やってるの~?」
その瞬間、黒いマントを翻し俺の視界を奪う。
「我が名はヨハネ! 堕天使ヨハネ!」
え~っと。
お疲れ様です。帰りま~す。