荒木先生「超魅力的な(おもしろい)キャラクターがいれば、もうその作品は無敵だぞ。 それくらいキャラクターは重要だぞ」
沢山の方が、様々な2次小説を執筆される中で。 オリキャラ物で、特におもしろいと感じるものは、全てといっていいほどキャラクターが個性的で楽しい。
ああ成程、と思う。 書籍版オーバーロードでは、出てくるのは全て個性的なキャラクター。
主人公は骨だし、ヒロインは残念美人。 龍と言えばカッコイイ物である……という風潮をブッ飛ばすデブゴン。
さらに、こんな少ない情報で「あ、これはあのキャラの事を言っているんだな」と想像できてしまう。 それくらい個性的で『濃い』キャラが勢ぞろいだ。
本編、2次問わず、そんな個性豊かなキャラを見ることが出来るのは、それだけで楽しいんじゃあないかな?
みんながんばれ。 神様!
オホン、オホン 「だからよぉ~~ なんで着替えるか? なんてどうでもいいことじゃあねーかよぉ~~ くっだらねぇーこと聞きたがるよなぁ~~っ」 オホホーン、オオホン
仗助は顔を赤くしながら、わざとらしく咳をする。
「オホン、オオホーン! オホン オムツ オホーン!!」
「えっ? 何から着替えるんだって?」
耳に手のひらをあてて、よく聞こえなかった と、億泰が聞き返した。
「何着てようがどうだっていいじゃあねーかよぉ ッ! 着替えるからよォ~ さっさと出て行ってくれよッ!」
「今何かオムツ…… とか聞こえたけど……」
ウププッ と億泰が目を丸くし、笑うのを堪え切れないといったフウに噴き出した。
「実はよぉ、もう知ってんだよっププッ。 ヒソヒソ こんな面白いことからかわずにいられるかってんだッ! ヒソヒソ ウククッ! ウクッウッ!」
「あっ!ひょっとして承太郎さんからすでに聞いているなッ!」
仗助は、掛け布を頭まで被って億泰に背中を向ける。 完全にヘソを曲げてしまったようだ。
「このチンピラがッ! からかってやがったなーッ! くそーッ着替えはもういいッ!」
「わかった、わかったからよぉ~…… 俺が悪かったよ…… そう怒んなって仗助ェ~ 着替え終わるまでの間、部屋から出てくよぉ~」
億泰は、仗助のマネをしてわざとらしく咳をし
「オホーン オホンオホン オホホーン オムツ を着替えるから」 ギャハハハハハッ!! ヒーヒー!
バンバン バンバン
床を叩きながら、億泰は爆笑している。 うるさい。 非常に迷惑である。
(く、くっそ~~ッ! 付け上がりやがってェェェ ッ! これは俺のキャラじゃ無いッ! 下ネタは断じて俺のキャラじゃないッ! ……ぐ、ぐやじいいい~~ッ!)
悔しさから、ギリギリと歯を食いしばって目に涙を浮かべる仗助。
「うるせーぞ億泰。 状況確認は昼食を摂ってからだ。 仗助もさっさと着替えて降りてこい」
椅子の背もたれに掛けてあった仗助の制服を、承太郎が投げ渡す。 バサリと制服は音を立て、覆いかぶさるように拡がると、寝台に着地した。
仗助が包帯を外し、着替えを終えて1階に降りてくると、テーブルの上には鹿肉を使った料理が並んでいた。 脂の少ない深い赤色をした…… まるでルビーのように美しい赤身の肉を煮込んだシチューだ。 鼻をくすぐる香ばしい香りと相まって、非常に美味しそうに見える。 仗助の胃が、音を出して空腹を訴えた。
だが、エンリの表情は何故だか硬い。 肉を前に固まっているエンリと、久々の肉にテンションが上がりっぱなしのネムが対照的だった。
「お母さん、このお肉は…… どうしたの?」
カルネ村では肉など滅多に手に入らない。 畜産をする余裕が無く、トブの森で狩をするのもモンスターや森の賢王などの脅威が多く危険な為だ。 森の浅い場所なら比較的危険が少ないが、そもそもカルネ村には狩人が1人しか居ない。
「承太郎さんがラッチモンさんと一緒に狩をしてきてくれたのよ。 大きな2頭の雄鹿を獲って来てくれたから、村の人達と分けても沢山あるわよ。 遠慮しないで食べて、エンリ」
「しっかし、弓を使わず槍だけで仕留めるなんてどうやったのですかな?」
文字通り頭を捻って不思議そうな声で聞いてくるエンリの父に、承太郎は 「投げただけだ」 とだけ答える。
ヘェ~と、それだけの説明で納得するエンリの父に
「鹿肉って初めて食ったっスけど、結構イケるっスね~~ サッパリしてて、食べやすいっス」
「仗助、オメー、もう肉食っても大丈夫なのかぁ~? 怪我とかよぉ~」
「大丈夫だよ! つーか心配するフリして肉取んなよッ!」
「へぇ~…… キャットフードとかに使われてるのは知ってたけど…… こんなに美味しいなんて知らなかったなぁ…… 猫っていい餌食べてたんだなぁ」
「おねーちゃんおかわりぃッ!」
「もう食べたのネム!? ちょっと待っててね、よそってくるから」
「…………やれやれだぜ」
一瞬で騒がしくなった状況に、承太郎は溜息を1つ。 賑やかな声に水を差さないようにと、騒がしさを我慢して食事を進めた。
食事を終えて、エンリの両親も交えた一家団欒のひと時。 村の仕事は、承太郎と康一&億泰コンビがほぼ終わらせてしまったため余裕があるのだ。 承太郎が村の事や地理などの質問を
「おじちゃん、これ見て~ かわいいでしょ~ お気に入りなの」
仗助はもう既に、おじちゃん呼びを諦めている。
ネムが持っている人形は、古びたガイコツ魔術師の編みぐるみで、モチーフとは裏腹に非常に可愛らしいものだった。 注意してよく見ると、所々ほつれたり破れたりしている。
「ずいぶん古そうな人形だなぁ~ ガイコツの人形なんてよ~ ものスゲー作るの難しいだろうによ~ 作った人はよ~ こりゃあ天才だな」
本気で人形の造りの繊細さと技術力に感心すると、傷んでいるところが嫌でも目に入る。
(おっ! そうだ礼をするんだったぜ!)
「ネムちゃん。 その人形破れたりほつれたりしてるけどよぉ~~ 『なおして』あげるぜ?」
「えー! おじちゃん治せるの~! すごいすご~い!」
まさに天真爛漫といった笑顔を浮かべる。 これには仗助も思わず釣られて口角が上がった。
仗助が破れた箇所を両手で覆い、「痛いの痛いの飛んでいけー」なんてらしくないことを口走る。 それを聞いた康一は、仗助の背後で、思わず うわぁ…… という感じの引き攣った苦笑いをしてしまった。
そんな康一をよそに、新品同様になった編みぐるみを見てネムは わぁ~! と感動と喜びの声を口に出すと……
「ありがとう! すごい頭のおじちゃん!」
大声でお礼を口にした。
ド ド ド
承太郎達3人の、周りの空気が一瞬で凍りつく。 康一と億泰は滝のような冷や汗を流し、緊張に身体を固まらせた。 そして、承太郎は自身のスタンド<スター・プラチナ>を うっすらと体に重なるようにだが 発動させている。
急に緊張状態になった3人を、エモット夫妻が不思議そうに見ていた。 今の所この3人しか知らないことなのだが…… 普段は温厚な性格をしている仗助だが、トレードマークの髪型を
ド ド ド
スゥーッと仗助の右腕が持ち上がっていく。
スタンドは精神力に依存する。 怒りなどの精神状態の変化で、スタンドの性能やパワーが上下するのは珍しいことではない。
<スタープラチナ>の能力を、発動させる寸前まで準備させている承太郎。
いきなりキレるのは母親譲りの性質だろうか? その爆発力は筆舌に尽くしがたく、その圧倒的なパワーは承太郎の<スター・プラチナ>のパワーを凌駕するほどであった。
そして…… 仗助の右腕が肩の辺りまで持ち上がり…… 止まる。
そして、仗助はビシィッ! と、自身のリーゼントを指差したのだ。
「スゲーだろ~ この髪型はよぉ~! オレの命の恩人も、こんな髪型だったんだぜェ~~ッ!」
ズルゥ ッ
仗助の予想外の行動に、力が抜けズッ転ろぶ億泰と康一。
「…………」
承太郎は無言でスタンドを消すと、エンリの両親との会話に戻っていった。
(なあ、康一よぉ 仗助のヤツ何でキレなかったんだ?)
(『凄い』は仗助くんの中では、ケナす言葉じゃあ無いんじゃないかな……タブン)
口元に手をやり、聞こえないように気をつけながら小言で質問した億泰。 まぁまぁ納得のいく予想が康一の口から聞かされる。
しかし、そんな平和なひと時は唐突に終わりを迎えた。
「 ぁぁああああ!!」
「 なんだ!?」
ガタンと勢いよく椅子が倒れる音。 仗助が椅子を蹴り倒しながら立ったために起きた音だ。
仗助が椅子を蹴倒しながら立ち上がり、承太郎の目は細く鋭くなる。 聞こえて来たのは…………悲鳴だろうか? 誰にも指示されること無く4人は行動に出た。
「ネモットさん、姉妹を連れてこちらへ来るんだ。 絶対に御家族と繋いだ手を離したりするな」
彼等はエンリが一度も見たことの無い表情をしていた。 剃刀のように鋭く尖らせた神経が、承太郎の表情を険しいものへと変えていたのだ。
エンリ達が身を寄せ合い、室内の脇へ移動したのを見届けた仗助は倒れた椅子に向き直り、そのまま右足を振り上げ
「〈クレイジー・
と叫ぶと、背後から現れた白い幽霊と重なるように右足をスイングさせた。 粉々に蹴り砕かれフッ飛んでいく、元・椅子の残骸。 家屋の裏口の扉に残骸が衝突して、木と木がぶつかり破壊され、
バッギャァァアッ!
と、轟音が響った。
そしてエンリは驚愕に眼を見開いた。 破壊されたハズの扉と椅子の残骸が、まるで映像の逆再生のように飛び散った残骸と共に集まっていったのだ。
そして、
「裏口は塞がせてもらうぜぇ~~ッ! 後で元通りになおすからよぉ~~ とりあえず出入り口は玄関だけにしたッ!」
チラリと、侵入経路を見事に塞いだ仗助を見て、玄関へと警戒しながら歩く承太郎。
「今のは…… 明らかに悲鳴だった。 室内だったため、聞き取り辛かった上に方向もわからないが…… エモットさん、貴方達は御家族と一緒に、ひとまず避難したほうがいい」
玄関を自分の体で塞ぎつつ外の様子を伺う。 近くに、今すぐ危険だと思われる脅威が無い事を確認する。
「<エコーズact1>ッ!」
外の状況を確認し終えた承太郎に、視線だけでコンタクトを取った康一が、自身の分身とも言える『スタンド』を出現させる。
精神エネルギーの塊でもあるスタンドは、うっすらと背後の景色が透けて見える。 スタンド能力で生じた像は、自分自身の分身と言えるものだ。 射程距離内ならば、壁の向こう側で操作するのも自在だ。 ただし、スタンドの視界と共有できる能力でないと分身の状態がわからず、目隠しした状態になってしまう。
康一の、小型のスタンドは視認性が低い。 その姿は、まるで偵察ドローンのように空中に浮かぶ。 蛇のような長い尻尾を揺らし、2本の腕と…… 浮かんでいる為必要が無いハズのタイヤが、脚の代わりに付いている。
軍事用偵察ドローンは、最低2km……出来れば5km以上遠くから操作出来る事が望ましい。 だが、エコーズはスタンド能力だ。 ある程度の攻撃が出来るし、エンジン音や風切り音がしない静かな移動が出来るので、これ以上望むのは酷だろう。
「偵察してこい、エコーズ!」
フワリ
康一の命令を受け、外に出ていくエコーズ。 そのままグングンと高度を上げ、射程ギリギリの地上高50メートルまで上昇する。 パワーが低い代わりに遠隔操作する事が出来るこのスタンドは、遠距離から操作する必要性から、スタンドの視界を共有する事ができる。
上空でエコーズは首を振り、異変を探す。 が、それはすぐに見つかった。 森とは反対方向。 村の南側から、全身を鎧に覆われた…… 見た目から騎士だと推測できる人影が確認できた。 手に握るのは、太陽の光を反射し銀に輝く剣。 その剣の1つは血に濡れている。 全身鎧に包まれた騎士は、鎧の重さを感じさせない軽快な足取りで、村へと走る。
「あ、あれは!」
「どーした康一! なにが見える!?」
「鎧だ! 鎧を着た集団がこっちに来るよッ! 血のついた剣を持ってる…… さっきの悲鳴はきっとこいつらのせいだ!」
「「 !!」」
康一を含めた4人の表情が、眼に見えて固くなり、エモット夫妻はその腕に抱いた姉妹をさらに強く抱きしめた。 武器を持った襲撃者が近づいている。 その情報を聞かされたエンリから、小さく悲鳴のような声が漏れる。
「……やれやれだぜ。 まだ村の外にいるんだったな、康一君。 敵の数が多いから、バラバラに散会されるとブチのめすのに時間が掛かりすぎて面倒だ。 そうなると村人に犠牲者が出るだろう。 オレと仗助が迎撃する。 億泰と康一君は
手早く役割分担を決め、承太郎と仗助は扉を蹴破り外へ出ると、騎士のいる方角へ全力疾走してゆく。 そして康一が、少し待ってくださいと慌てて騎士から逃げようとするエンリ達を引き止める。
康一は集中するとスタンドへ意識を移し、その目から光が消えた。 虚ろになった目は開かれているが、その目は何も見ておらず、スタンドの視界が康一の精神に繋がれる。 村の上空で浮遊する<エコーズact1>は、その2本の
<エコーズact1>が、腕を振り上げて文字を眼下に広がる村へと投げた。
ドシュゥ ッ!
村の中央広場に向けて投げられた『音』は、地面に触れると、そのまま吸い込まれるように立体的だった姿を消す。 そして、大地にはまるで描かれたように『カンカン』という文字が
カンカン!! カンカン!!
と鐘を叩く『音』が村中に響き渡る。 これを聞いた人はこう思うだろう。 「これは警鐘の音だ」と。
異変に気付いた村人が民家から次々と顔を出す。 そこへまた投げられた音は、『武器を持った騎士が迫っているので村の中央広場へ急いで来て下さい!』という『声』だった。
危険が迫る。 それは、この世界に住まう村人は、珍しいことではないと言う。 モンスターか、それとも野盗か。 思い当たる
「よしッ! これで一箇所にみんな集まってくれる!
「行くぜッ 康一! 村の広場によぉ~~ッ!!」
億泰は扉の無い玄関の縁を掴み、慎重に顔を出し外の様子を伺う。 敵の姿は見えない。 銀色の鎧は日の光に輝く雪のように目立ち、粗雑な楽器のようにガチャガチャうるさいので、チラッとみるだけで見落とすことは無い。 そのまま億泰は倒れた扉を踏んで外に出ると、振り返らずに腕を クイックイッ っと手招きした。
「近くには居ないようですので、僕たちも行きましょう。
スタンド というものが、エンリ達には良く解らなかったが…… 先ほど姿が見えた、幽霊のようなものを四人が召還できるのだろうと無理矢理納得させる。 コクリと、緊張した面持ちで頷いたエンリの父。 ネムと硬く手をつないだエンリと妻の手を掴むと、チラチラと後続の様子を伺いながら進む億泰の後を追うって外に出る。
一度も騎士に出会わずに、中央広場に到着した億泰と康一。 エンリ達は他の村人達と合流すると、粗末な武器を持った村の男達に促され、男達の後ろへと移動した。
「ヨッシャァッ! 無事に合流できたぜぇーッ!」
「まだだよ、億泰君! はぐれた殺人鬼が2、3人こっちに来るかもしれないッ!」
「あーそうだったな。 オレのスタンドはよぉ~…… 『手加減』が
康一はすでに上空へ飛ばしたエコーズを回収している。 いつでも自分の身と村人を守れるように…… 康一は以前深追いをして後悔してから、慎重になっていた。
2人は、物陰に隠れていないか確認するために、お互いに離れた場所をウロウロと歩く。 舗装されていない道…… いない。 曲がり角の影…… いない。 民家の影…… いない。 ……どうやら仗助と承太郎が、かなりの数を抑えていてくれているようだ。
(なんとかなりそうだ)
ほっとする康一。 少し張り詰めた神経を緩めた、その時であった。
「あっ!」
康一が指を指した先に、物陰から現れた騎士が1人でこちらへ向かってくるのが見えた。 康一が振り向いて億泰に伝えようとする。
が、しかし。
ゴ ゴ ゴ
康一の眼に映るのは、2人の騎士と対峙する億泰の姿であった。
騎士は康一を見ると、面頬付き兜に隠されて確認できない表情をニヤリと歪める。 この村最初の獲物は、目の前の黒い服を着た子供。 武器を持たずに、こんなところをフラフラと歩いている。
(ククク…… この…… 馬鹿めがァ――ッ!!)
剣は、家具やガラクタをひっくり返すのに邪魔だったため、抜かずにおいた。
(子供はすばしっこいからなァ――ッ! 捕まえておかなくちゃあなぁッ!)
騎士の腕が、目の前の子供を捕まえようと伸ばされる。 が、その前に子供がこちらに振り向く。 自分の姿を見ても逃げない子供に、不審に思い伸ばす腕の速度が落ちた。
「一応…… 言っておきますけどぉ~ いまの僕に触らないほうがいいですよぉ~?」
騎士の腕がついに康一の肩を掴んだ。 何か言っているが自分には関係ないと無視し、手甲に包まれた腕を後ろに引き鋭い剣先を突き立てようと振りかぶる。
……ふと、掴んだ肩になにやら 模様のような物が
「ン? なんだ、これは…… 文字……か? これは…… 読めないが……」
「<エコーズact2>…… ぼくの『服』にはすでに『尻尾文字』が貼り付けてあるんだよ。 あ~あ…… だから言ったのに……」
康一の衣服には、すでに『グルグル』の文字が
やれやれという、呆れた感情を表情に出し捨て台詞を吐く康一。 外国人のようにオーバーな仕草で、両手の掌を上に向ける。
康一のスタンド<エコーズact2>の能力。 それは…… 尻尾文字が張り付いた箇所に触れると、書かれた文字が実感となる能力だッ!
全盛期のマイケルジャクソンばりに騎士は
グル グル グル グル グル
激しく回転するッ!
しばらくして回転が止まり、騎士は生まれたての小鹿のようにヨタヨタとふらつく。 足がフニャフニャになっていて
「………………?」
小刻みに震えながら棒立ちする騎士。 それを不審に思った康一は、震えている騎士を
やがて震えもピタリと止まった。 すると……
「…………うぶうぉえええええッッ!!」
ブッシャァァア!!
回転させられ酔った騎士は、逆さにしたバケツにのぞき穴をつけたような見た目の、面頬付き兜を被ったまま嘔吐した! 行き場を失った吐瀉物は、のぞき穴から水鉄砲と同じ原理で吹き出す。 そう、
「うわあああああああああああああああああッ!!」
ギリギリのところでゲロブレスを回避した康一は、叫びながら必死で距離をとった。 そして、バクバクと走ったからではない心臓の鼓動に胸を押さえ、ブッ倒れた騎士を見ながら
(次からグルグルの文字は、地面に貼り付けよう……)
と反省したのだった。
目ん玉からゲロ吐きやがれッ!
というお話。
――没ネタ――
~もしデミウルゴスがマジギレしたら~
デミウル「本物のアインズ様はこの私を信頼成されて『まかせる』とおっしゃったのだ!!」
「よくも!! このクソ下等生物がッ!
「蹴り殺してやるッ! この両足羊がァ―――ッ!!」
すきなとこ:デミちゃんの忠誠心がアリアリアリアリアリと感じられるとこ
ボツりゆう:どうやれば変身するんだ? いや、出来るのか?
できそうな奴とモモちゃん接点無いしなぁ