第9話・疑問
士道が目を覚まして、琴里の話を詳しく聞くことになる。
琴里は私と初めてあったとき、精霊になったらしい。
当時の記憶を思い出す。裸だった琴里に、気を失った士道。周りは瓦礫に火の海。
精霊になった琴里を、当時の士道が封印したのだろうが、なぜそうなったか?
琴里達の話は少し受け流すが、誰かが盤上を見るように、駒を動かしている。
琴里の精霊化、その義理の兄が霊力を封印することができた。その後ラタトスクに魅入られて司令官になる琴里。
話が出来すぎている、まるで調整されている。タイムベントで我々が戦いを調整したような感覚だ。
ちなみに記憶は無いらしい。なぜ精霊になったのか、わからない琴里。士道は、精霊だった琴里のことも忘れていたらしい。いまは曖昧だが取り戻した。
そして治癒力は琴里の能力で、士道はだから生きていられたらしい。いまは無いから死ぬだろうな。
「まったく、二人とも自分の身は大事にしなさい!! 心配するこっちのことも考えて」
「わかったよ琴里」
先ほどまで甘えていた妹はどこに行ったのだろうかと思いながら、色々と話をするとおかしな点がある。
どうも精霊状態の琴里は好戦的で、初対戦なのに、オーディンと戦ったり、空間震の対処もまさかの本番で試した原理らしい。
いま薬で抑えているらしい。すぐに封印しなければいけないから、
「なぜ士道はデートしなければいけないんだ?」
「なぜって、琴里をデレさせなきゃいけないからだろ?」
士道はそう言うが、琴里の好感度などスキャンせずともわかる。
MAX。それ以上あり得ない。
まさかデートしたいがために、いま我慢してるのだろうか、少しばかり頭を痛める。妹というのはわがままか神崎?
私は昔の記憶を思い返す。そもそも私はなんなんだ?
家、ミラーワールド。そうミラーワールドだ。
よくよく考えれば、ミラーワールドがなぜこの世界に存在する?
「・・・元々のシステムは」
神崎士郎と【神崎士郎】が作りだしたシステム。コロシアムの仕組みはこうだ。
ミラーワールドは本来、神崎優衣を救うため、現実世界で生きるための命を生み出すシステムの器だ。
まずミラーワールドは謎に包まれているが、我々の研究ではある種のエネルギーを保存する世界であり、たまたまだが神崎兄妹がそれに関わることから、モンスター創造などのことができた。このことは後で知った。
神崎と共に研究した結果、ミラーワールドの膨大なエネルギーは利用すれば、時すら戻せることを発見した。結果がタイムベントによる、調整である。
タイムベント発動条件は、神崎が私ことオーディンで使用する、私が死ぬ、神崎が死ぬ、私と神崎が死ぬ、神崎優衣が死ぬと言う条件下で発動する。無論、自動発動は最後のバトル以外発動していた。
故にオーディンは負けることは無かった。負けたと言う事実は無かったことにしていたのだから当たり前だ。
ミラーワールドの力はまさに万能と言っていいが、明確な力にするには準備がいると研究でわかった。
時を戻すことは容易だが、延命となると話は別だ。ずっとミラーワールドからエネルギーを供給されなければいけない。それは本当の意味で生き返るという話ではない。
当初、タイムベントを使い、神崎優衣の死を回避すると言う実験を提案したが、それは失敗に終わる。どうあっても神崎優衣は死に、ミラーワールドの恩恵で延命すると言う事実。
それを変えるため、別の方法での延命を考えて、私が提案したのがこのシステム。
ミラーワールドはエネルギー保存庫として活用できるのなら、神崎優衣だけのための命を創り出せばいいと提案した。結果が13人の仮面ライダーのバトルだ。
まずは神崎兄妹の影響で、ミラーワールドが元来持っていたエネルギーで生まれ出たモンスター達に、人を捕食させた。捕食して、ミラーワールドの元来のエネルギーではないエネルギー物質を貯めておく。
そして食ったモンスターもまた、変質して、ミラーワールドの異種族として存在するようになった。
13人のライダー用モンスターは、元来の力が強いものを選び、与えた。オーディンのモンスターである、ゴルトフェニックスはその中で一番だ。
12人の戦士の生命エネルギーもまた貴重であり、戦いの激化とその命の輝きも利用できる。だからこそ早期決着も、遅すぎてもダメだ。
戦い続け、我々が定めたタイミングで最後の一人をオーディンが倒す。
その際、ミラーワールドの異物であるエネルギーが、神崎優衣の命である。
それは仮面ライダーバトルにより生まれたエネルギーを使い、ミラーワールド全てを命に変換するというシステム。
ミラーワールドが純粋なままなら使えないが、変化させてしまえばいい。バトルはそのエネルギーを集めるためのものだった。
そして私の研究に、神崎は賛同し、私は【神崎士郎】として、戦い続けた。
「・・・はあ」
目の前で鳶一、どうも彼女の両親は精霊に、炎の精霊に殺されたらしい。どうもあの場にいたらしい。
いまはデパートで、士道と琴里のデート、夏になる十香と四糸乃達、今後のために水着を買うことになる。
なぜかいる鳶一と十香達を見ながら、ミラーワールドを見る。
(ミラーワールドがエネルギー物質世界だと考えれば、別世界であるこの世界にも存在するのはわかる。だが)
ゴルトフェニックスは神崎兄妹が生み出した最強のモンスターであり、ドラグブラッカーは、私が烈火の戦士、彼が持つ影の部分を取り込むことで生み出したモンスターである。
そしてライダーシステムは、ミラーワールドを経由して私が作りだした道具。
色々おかしい。私はなぜこの世界にいる?
(あのとき、私や神崎はナイトを最後の一人として認め、神崎優衣を生き返らせることをやめた・・・)
何度も何度も、烈火の意志を継いだナイト、または烈火の戦士が前に出て、私を倒すか、タイムリミットなどで、タイムベントを使い続けた。
最後には、我々が折れた。
いや、神崎が折れた瞬間に終わったと言っていい。何度も妹から、新たな命、犠牲の上で生み出された命の拒否に、彼は折れた。
オーディンとして最後に、自動タイムベントを解除した記憶を思い出す。
だからこそ発動せず、私は消滅しているはずだった。もともとミラーワールド関係はあの瞬間、命へと変換されて消滅する。
ミラーワールドの一部と化した我々も消えるはずだ。
(だが私はここにいる、ドラグブラッカーやゴルトフェニックスもいるし、デッキもある・・・)
なによりこんな世界は私達の世界、過去ではない。未来と言う可能性はあるが、何名か新聞などでに取り上げられていそうなもの達を調べたが、いなかった。
さすがにあの者達が大人しく人生を過ごすなんてことはない。だからここは自分の世界ではないと理解した。
(ともかく、琴里のデートか・・・する必要はないんだがな)
その前に、琴里とキスしたことなど内緒にしないといけないし、色々と調べないといけない。
私自身、調べるべきかと考え込む。
(・・・私は何者なんだろうな)
そう思いながら、四糸乃に心奪われた友人をはたくのであった。
鏡の世界は、時すら巻き戻せるほどの力を閉めた空間であり、神崎兄妹はたまたま関わった。そしてたまたま神崎優衣はその恩恵で生きていられていた。
という解釈です。その後神崎士郎は研究しましたが、自分のみでは届かないと知り、彼を協力者にしました。
彼もまた研究者であり、自分の研究に利用できると確信して、神崎は近づきました。
結果、自分以上に自分に貢献する仲間となったのです。
神崎が作ったのはデッキや行き来までで、蘇生の理論などは全部彼が作りました。バトル発案者も彼です。
全ては彼もまた、研究の先を見たいが為です。それはいまは謎です。
それではお読みいただきありがとうございます。