士道は困惑する。いま黄金の戦士、オーディンと謎の戦士が戦っているが、十香達も困惑してその様子を見る。
琴里は無線で色々と指示していて、その様子を睨む。
「なんなのよあれ」
お互いが瞬間移動して、剣と剣がぶつかり合い、空では黄金の不死鳥と、黒いもやを纏うドラグブラッカーがぶつかり合う。
訳が分からない事態に困惑するしかなかった。
『貴様は何者だ、なぜ城戸真司の姿をしている?』
【俺は本物だ、幻影ですらない貴様を倒せる、唯一の戦士】
『ふざけるな、私を倒せるのは最後の一人のみ』
ゴルトセイバーとドラグセイバーがぶつかり合うが、間近に見て気づく。それはドラグブラッカーの契約者の剣、ドラグセイバー黒であると知りながらも、首を振る。
『あり得ない、仮面ライダーリュウガもまた私だ。貴様であるはずはない』
【違う、お前が違うんだ。本物でも偽物でも、何でもない。城戸真司でもないお前こそ、消え失せろ!!】
【ストライクベント】
その音と共に、鏡からドラグクローが飛来するが、それは読んでいた。
『スチールベント』
その腕につける前に、鏡のように砕け散り、オーディンは殴りかかると共に纏われ、その一撃が鎧に食い込む。
【ぐっ】
『貴様は何者であろうともういい、破棄する』
引き抜くと共に、黄金の羽根が舞い上がり、衝撃波がリュウガを襲う。
砕け、消滅しかかるリュウガを見下ろしている。
『私を倒せるのは最後の一人、貴様ではない』
【・・・なら、調整するだけだ】
『なに?』
その時、デッキから一枚のカードを取り出す。それに驚愕する。
『バカな!?』
間に合わない。そう判断した技の瞬間、それは鳴り響く。
【タイムベント】
「おはよう」
ギリギリかと思いながら、起こしに来た凛祢にいつものように繰り返す。
(タイムベントだと?)
タイムベントのカードはある。外には出せず、鏡の中、ラボのカプセルにある。
ならばなぜあれはタイムベントを持っていた。
だがわかったことはある。
(奴は明らかな敵であり、私はタイムベント外であるから、使われると厄介だ)
すぐに帰路についたが、もう少し遅かったら、ここでおかしなことがおきる。最悪、オーディンが朝の道路にいるか、ここに神崎神衣がいないと言う事態になる。
それはまずいと思いながら、相手を思い出す。
左右の違う、城戸真司。確かにあれはリュウガの城戸真司だった。
なにかがこの空間で起きていると思いつつ、繰り返しの中に戻ることにした。
そこから激変する繰り返し、時折現れるそれに、心底うんざりする。
烈火のまがい物を使い、サバイブで向かってくる。時間も場所も考えず、時折現れるそれを撃退するが、タイムベントが何度も繰り返される。
それでもうんざりする程度である。私には関係ない。
「神衣、どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
凛祢との買い物も何度目だろうかと思いながら、また髪留めを買う。
正直これしかないのかと思いながらも、彼女に似合うものと考えると、どうしても最終的な答えのようにこれを選ぶ。
彼女の桜色、その髪に似合う髪留め。料理しているときなどつけている時が多いことと、彼女自身が喜んでいることもある。
そう考えながら、買い物を終えた後、凛祢と別れて、鏡のそれを睨む。
【滑稽だな、虚像でも何でもないお前が、誰かを思うのは】
「貴様・・・」
【今度こそお前を倒し、俺が本物になる】
「私を倒しても、貴様は城戸真司にはなれないと知れ!!」
「【変身】」
タイムベントとこの空間の繰り返しの中、凛祢達との時間も混乱しそうだが、気にせずに過ごす。
凛祢との買い物も恒例だった。
そんな中、おかしくなる。
士道が凛祢のことを始めから知っていた。
(どういうことだ)
士道が始めから凛祢を知っていることはイレギュラーだった。
それから他のもの達にも変化がある。前のことをうっすらだが覚えている。
凛祢もそれに焦ってか、士道と関わるようになる。空間内の維持のためか。
「あっ、神衣」
「凛祢」
そんな状態の中でも彼女は買い物で髪留めを買う。
どうしてだろうか、うれしそうにもうつけたり、大切に見つめていたり繰り返す凛祢を見ながら疑問に思う。
「うれしいのか」
「えっ、あっ、うん♪」
その顔は初期の頃よりも、暖かみがある気がした。
そんな凛祢を見ながら、静かに空を見る。
(しかし士道達の、記憶の引継は・・・)
タイムベントでもあった、いや、無理矢理あったと言うべきかと思うが、いま考えれば少し違う。
耐性がついた。城戸真司、彼は度重なるタイムベントの中、唯一それに抗った経験が多くある。
タイムベントの繰り返し、時折前の記憶を取り戻すケースが多すぎた。
繰り返せば繰り返すほど、前の戦い、とくに酷似した戦いの記憶を思い出すケースが多かった。
だからこそ、城戸真司を避けて、龍騎を別の者に与えたこともあるが、いつの間にか彼が烈火になる。
そう、我々の考えを覆したのは、彼だ。
「・・・」
このままでは終わりが来る。その際、凛祢はどうなるんだろうか?
(・・・どうでもいいはずだ)
だが、このままでいいのか?と思う自身がいる。
(・・・?)
なぜ凛祢のことを考える? 私には関係ない。
そう思いながらも、いつの間にか家に着き、凛祢が料理を作る。
いつの間にかいつもの光景だ。彼女の料理はおいしいし、助かる。
餌付けされてしまったのだろうか? だが、
「凛祢」
「? なあに?」
その顔は少し疲れているように見えて、その額に手を触れる。
少しドキっと顔を赤くするが、それでも、
「顔色が悪いぞ凛祢、代われ、今日は俺が作る」
「えっ、あっ、だ、大丈夫だよ」
慌てる凛祢だが、それを無視する。
料理は神衣になってからする機会が多くあり、士道にも教えるほどだ。凛祢を休ませながら、料理を作った。
それにすまなそうにするが、少しだけうれしそうに顔が緩んでいる。
「どうした」
「えっ、う、うん・・・誰かが作ってくれる料理って、そういえばなかったな~って思って」
「あっ、そうか?」
士道辺りが作りそうだが、凛祢はうれしそうにシチューを食べながら、おいしいと微笑む。
その様子を見ながら、自分も食べ始める。
「おいしい」
「そうか」
「うん・・・誰かが作ってくれるって、こんなにうれしいことなんだね・・・」
優しく呟く凛祢に、なぜだと思う。
凛祢はなぜこの空間を作り、閉じこめているのだろうか?
また倒す、繰り返す。時間が来て繰り返す。
また繰り返す中、そんな空間の中で、凛祢は少しずつ、顔色が悪くなる一方だ。
「・・・貴様か」
【お前を倒す、それまでは】
「貴様が凛祢の空間で何をしている?」
【?】
いつもより殺気を放ちながら、デッキを取り出して睨む。
その様子に【城戸真司】は怪訝な顔をする。
【お前には関係ない、俺にもあの女がどうなろうと知ったことか。俺はお前を倒し、城戸真司になり、この世界で有る存在になる。あの女の作ったこの世界で、お前さえ倒せば、俺は城戸真司になれるんだ!!】
「戯れ言を・・・俺を倒したところで奴にはなれない」
【始めになろうとしたのは貴様だろ!?】
「・・・」
その言葉に、何かがよぎった。何かが、かすめた。
【変身】
その一瞬の隙に、向こうはサバイブ体で襲いかかる。
だがそれを避け、すぐにオーディンへと変わり、戦いが始まる。
『貴様は何者だ』
【俺は城戸真司だ!!】
『貴様は城戸真司ではない、なぜそれまでに城戸真司にこだわる』
【虚像でも鏡像でも神崎士郎でも城戸真司でも何者でもない貴様に、何が分かる!?】
『そんなことは関係ない』
【関係あるさ、何者でもないお前になにができる!?】
交差する黄金と暗黒。黒い龍と黄金の不死鳥がにらみ合い、ぶつかり合う。
【何者でもないお前がなぜこの世界にいる!? お前こそこの世界に不必要だろう?】
『黙れ』
【何者でもない、何でもない、貴様はこの世界で存在しない。だから寄こせ!! お前の存在、お前の居場所、そして俺は城戸真司になる!! 消えろ幻影でもない、何でもないもの!!】
『・・・それは構わない、私は・・・意味なんてない求めない!!』
【存在しない者に価値があるかァァァァァァァァァァァァァ】
黄金と暗黒がぶつかり合う。だが、
一瞬、凛祢の顔がよぎった。
「・・・」
繰り返しの中、空を見る。
そしてまた凛祢が買い物しているが、顔色が悪い。
「凛祢」
「神衣? どうしたの?」
「それはこっちのセリフだ、お前顔色が悪いぞ」
「そうかな? 暑いから、そうなのかもね」
無理して微笑む凛祢。だが買い物は止めない、恒例のイベントのためか?
それは繰り返しをやめたくないのか、無理してでもやりたいのか。
そんなことを考えながら、ばかばかしいと思いながら、それを取り上げようとするが、凛祢はかたくなに拒否するため、買うことにする。
いつもの髪留め、だがそのあとは休ませる。
神崎家で休ませながら、ソファで横にさせていた。
「まったくお前は」
「ごめんなさい・・・」
それでもうれしそうに髪留めを見る。
凛祢の顔を見ながら、頭をかく。
なぜだろう、なぜそんなものに価値を見いだす。
「そんなにうれしいのか」
「うん・・・なんだか、とってもうれしい・・・」
そう呟きながら、それでも凛祢は限界だった。
いや、空間そのものに限界が近いと思われた。
繰り返しの中、従者モンスターが前に現れた。凛祢がいままでと違う行動を起こしたらしい。
士道を、ガーディアンがいる場所に連れて行った。
このままではガーディアンに士道が殺されて繰り返しがまた始まる。
繰り返しを早める気かと思いながら、考える。
「・・・凛祢・・・」
ガーディアンが放つ霊力の力を阻む、十香、四糸乃とよしのん、琴里、折紙、狂三がいて、士道は困惑していた。
「みんな、どうして」
「シドー」
「ドラグ、ブラッカーさんが、教えて、くれました」
『士道くんのピンチだってね♪』
その時、すでに傷が癒えたドラグブラッカーが現れ、士道は安堵する。
そして私が現れる。ガーディアンもそれに驚く。
『お前は』
「神衣!? なんでお前が」
「そこにいるガーディアン、その先にいる黒幕に話があるからだ」
「!? 神衣兄!? どうしてこのことを知ってるの!!」
琴里の叫びに、私の周りに従者モンスターが現れ、全員が驚愕する。
だが無視しながら、前へと歩く。
「お前が終わりにしたいのなら、ここでの実験はもう終わりだ」
『貴方が・・・』
「神・・・衣?」
ガーディアンから諦めたように、士道達は驚愕に満ちた顔で呟きながら、デッキを構える。
「悪いが、お前を・・・破棄する。変身」
黄金の戦士、仮面ライダーオーディンへと変わる。
その姿に狂三以外が目を見開きながら、その光景を見ていた。
ドラグブラッカーは私の周りに飛翔して、静かにゴルトフェニックスの剣、ゴルトセイバーを構えながら、ガーディアンに向ける。
「いまから会いに行く、待っていろ」
『・・・まだ終わらせられない、この世界を、まだ』
「抜かせ、私を阻めるのは、最後の一人だけだ」
この世界の終わりのため、繰り返しは最後を迎える。
次長くなりそうです。
偽物くんが何者か、色々とやるつもりですが、流れ的に描写が少ない気がする駄文作者。力が欲しい、デッキくれオーディン!!
それではお読みいただきありがとうございます。