デート・ア・無限サバイブ・鏡像の戦士   作:にゃはっふー

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神衣的には、やっと黒幕が顔を出してきた感覚です。


第12話・やっと出てきた黒幕

 海に落ちた士道。医務室で休んでいるが、八舞姉妹や十香と鳶一がいる限り、休まることがないだろう。冥福を祈る。

 十香には適切な看病方法を教えたが、ヒートアップしたら知らない。

 

「おしい男を失った」

 

 そう呟いて、缶コーヒーを飲む。

 それと共に男女の悲鳴が響いたが、逆の方角に歩き出す。

 

 

 

 翌日、海水浴だが、令音の話で、八舞姉妹と士道を三人っきりにするため、十香や他の生徒の目を逸らさせることが任された。

 まあそれは問題ない。他のもの達は各々楽しんでいるし、士道に話しかけようとしそうな男、殿町は砂風呂にしておいたから。

 

「神衣、シドーを知らぬか?」

「すまない十香、知らないな」

「おかしい、この辺りからシドーにおいがせぬ・・・これは」

「十香、これ欲しいか」

「!?」

 

 真っ黒ノートから一枚の写真を取り出す。それに衝撃を受けて、それをうれしそうに見ている。ふう、何枚か持ってきて良かった。

 そうしたとき、微かに従者モンスターから反応があった。ゴルトフェニックスが私に用があるらしい。

 令音に連絡後、少し砂浜から離れる。

 

「どうしたゴルトフェニックス」

 

 ゴルトフェニックスはこの辺り一帯を調べるように命じていた。案の定、ラタトスクの戦艦、フラクシナスはあったのだが、それとは別の戦艦を発見したらしい。

 

「別の? まあ、そろそろいい頃合いだと思ったが・・・」

 

 十香はプリンセスとして、世界各国に目に映っている。

 それでも普通の学生として過ごせるのは、霊力を封印されているためだ。

 だからと言って、無関係の一言で片づけられないのも頷ける。十香の誰かが見ていると言う言葉と、ジャミングの意味がわかった。

 

(捕食させるか?)

 

 艦内の人間全て、従者モンスターに捕食させるかと考える。少なくともミラーワールドに引きずり込めば終わる。

 そうすれば顕現装置なる、この世界のトップレベルの技術がてにはいるし、なにより、情報もてにはいる。

 だが、彼らが何のきっかけもなく死ぬば、十香に何かあると言っているものだ。

 

(・・・とはいえ、放っておけないか)

 

 そう考えていると、海を素早く泳いでいく二人組を発見する。

 十香と鳶一、まさか気づかれたようで、士道のもとに出向いている。恐ろしいことだなと思いながら、ため息をつく。

 

「・・・やはり捕食させ」

 

 その時、凛祢の顔がよぎった。

 モンスター達は捕食命令が出そうになるが、停止して戸惑う。

 

「・・・監視してろ」

 

 そうつぶやき、彼は肩をすくめ、士道の対処を任せる。

 これは彼の仕事であり、人殺しは自分の仕事。

 

「・・・だが、お前がいたら、最後まで待てと言うか? 凛祢・・・」

 

 もう誰も、覚えていない少女の名前を呟きながら、彼は色々と準備する。

 

 

 

 時間が経つのは早い、八舞についてもだった。

 士道は彼女たちの好感度を上げて知った、彼女たちの真実。

 自分ではなく、もう一人の自分を選べと、士道に言った。

 彼女たちは、自分の命より、もう一人の自分の命を選べと言い放った。

 

「・・・」

 

 いま士道達と別行動中、色々と思案する。

 

「・・・どうする士道? まあ決まってはいる」

 

 二人のどちらかを犠牲する? そんな選択肢を選んだ際は殺してやろう。

 そう思いながら、ドラグブラッカーを配置している。缶コーヒーを飲みながら、窓の外を見る。

 

「・・・風? が強い・・・雨? いや、嵐!?」

 

 いつの間にか外が嵐のように吹き荒れている。さすがに人が周りにいないことを確認しながら、外の様子を見る。

 その時、令音と鳶一が、何故のロボット、人形と対峙しているが、あれは顕現装置でできた、兵器だった。

 

「嵐はともかく、あれは敵艦か・・・まったく」

 

 人目を気にしながら、仕方ないかとデッキを取り出す。

 ガラス窓に掲げ、ベルトの出現と共に、手を放つ。

 

「変身」

 

 それと共に、それはベルトに収まり、オーディンが現れた。

 

 

 

『邪魔だ』

 

 複数いた人形を壊し、令音と鳶一を見る。どうやら、建物から出る人物の排除命令でもされているらしいそれらを、従者モンスターに回収させる。

 いくつかまだ動くが、鏡の中、ミラーワールドに引きずり込んだ。

 

「!?」

 

 二人とも驚いている。よく考えれば手の内を少し見せてしまった。少しばかり、軽率な行動だなと、内心苦笑する。

 

『まあいい』

 

 急いで二人を無視して、奧の方、嵐の中心へと向かう。

 瞬間移動は認識できる空間のみなため、走る状態だが、木々を飛び跳ねるように駆け抜けていくと、異常な光景を見た。

 

『ほう』

 

 士道は十香を守りながら、十香の天使である剣を握り、無数の兵器人形と対峙していた。

 そしてそれを従えているのは、写真家の女性。どうやら始めから仕込まれていたらしい。これは十香を捕獲するための作戦か?

 

『まあいい!!』

 

『ソードベント』

 

 ゴルトセイバーを取り出し、閃光のように人形を切り刻む。

 突如現れた私に驚くが、

 

『五河士道、貴様は風の精霊を。ここは私がやる』

「!? お前が」

『安心しろ、殺しはしない、面倒だからな』

 

 そう言って、二振りの剣を握り、こちらを睨む女性。

 

「不確定要素オーディン・・・まさかここで出てくるとは」

『行け、いまは精霊を救うことだけを考えろ!!』

 

 それを言われ、士道は十香と共に駆けだした。

 兵器人形が動くが、一瞬動きがおかしくなった。

 

「な、なに!?」

『どうやらそれらはもう一つの艦隊が操作しているようだな』

「!?」

 

 向こうの方は指示して、すでに襲撃している。もしかすれば、フラクシナスも攻撃に参加しているだろう。

 中と外、二つの攻撃にさらされ、コントロールできてないのだろうか、人形が暴れていて、彼女が下がろうとしたとき、なぜかそこに落とし穴があった。

 

『?』

 

 さすがに驚き、人形も落ちて、なにか呟いた後、女性は気絶した。

 死んでない様子を見ながら、なぜか辺りに落とし穴がある。なぜ?

 

『・・・埋めておくか』

 

 そうつぶやき、羽根の衝撃波で、全ての穴を塞いでおく。

 これでよしと頷き、私も急いで嵐の中心へと向かう。

 

 

 

 離れた位置、二人の精霊が黒い龍を睨んでいたが、士道の叫び声を聞いている。

 士道の選択肢、二人して助かると言う選択肢を聞きながら、私はドラグブラッカーを見つめる。あれはまた、士道よりも、二人の精霊を助けることを優先したらしい。

 

『最近言うことを聞かないな・・・ははっ』

 

 僅かに苦笑するが、凛祢の顔がよぎる。

 どうやら、彼女に影響されてしまったらしい。

 

『色々と考えなければいけない・・・だが』

 

 最後の言葉だけ怒気を込めて、それを睨む。

 敵戦艦が、落ちていくように八舞精霊に向かっている。どうやら可能性が0に近いというのに、相打ち覚悟らしいが、ここには民間人もいる。

 

『それは私が許さない』

 

 二人が力を合わせ、消し飛ばそうとするが、中にいるもの達を殺させるわけにはいかない。そう、やらせられない。

 ドラグブラッカーに命じる。炎で海面を撃ち、戦艦の前に入り口を作れ。

 すぐさま実行するドラグブラッカーと共に、私はアドベントでゴルトフェニックスを使い、戦艦をミラーワールドに入れる。

 それと共に八舞の天使が力を放つ、だが、それが届く前に、収納できた。

 

『頼むから、力業で解決しないで欲しいんだがな』

 

 私はそう言い、デッキを取り外して、俺としてサポートを始めた。

 

 

 

「士道に任せると、時間が経つのは早いな」

 

 そう思いながら、自動販売機から缶コーヒーを買いながら、それを飲む。

 あの後、森で二人の霊力を封印した士道。その場で裸になったから、衣類を渡してやったり、怒る十香を落ち着かせたり、色々サポートした。

 そして、いまはあれだ。

 

「シドーから離れろ!? 今度こそ窓際とシドーの隣は私のものだ!!」

「宣言、士道の隣は夕弦達がもらいます」

「くっくっく、さあいざ羽ばたく鉄の翼に参ろうではないか!!」

「士道は渡さない」

「た、助けてくれ神衣!!」

「・・・」

 

 仕方ない、真っ黒ノートを取り出す。

 

「それはやめてくれっていうかそれはなんだ!?」

「気にしたらお前、自害するから言わないよ」

「そんなに!?」

「言い値で買う」

 

 鳶一が食いついてきた。だがお前には渡さないから安心しろ士道。これは精霊用だから安心しろ、一応な。

 

「お前は敵か味方かはっきりしてくれ!!」

「じゃ敵で」

「神衣ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 

 

 

 顕現装置を調べ終えて、無人島にフラクシナスに連絡して、船員を捕縛も頼んだ。やれやれと思いながら、荷物を部屋に投げ込む。

 

「DEM社か・・・」

 

 世界で唯一、顕現装置を製造できる会社。

 彼らから『話し合い』で聞いた話。それを思い出す。

 

「やっと黒幕の名はわかったか」

 

 彼らは精霊をどうしたいのかまだわからないが、世界のために動いていない。いや、少しばかり考える。

 本当に会社、組織のために動いているのか?

 

「どうも私達のように、私情で物事が動いている気がするな」

 

 神崎士郎と【神崎士郎】として世界を、人の人生を狂わせていた者として、なんとなくだがそう思う。

 だがわからない。現状だけでは仕方ない。

 

「まあいい、この世界がどうなろうと知らない・・・私を阻めるのは」

 

 机、その中に視線を落とし、少し苦笑する。

 

「この世にもういない」

 

 そうつぶやき、私はドラグブラッカーを見た。

 

「そろそろ本格的に動くか、チップは私の正体、うまく立ち回ろう」

 

 そしてとりあえず、真っ黒ノートを補充しなければいけないなと、缶コーヒーを飲んでいた。




真っ黒ノート、五河家の士道並び、琴里と共に過ごしていた日々。その黒歴史が刻まれた品物が大量に封印されたノート。
琴里に関しては自分も混じっているため、表に出さないが、士道は躊躇いもなく出すネタが多く刻まれている。これは琴里ですら戦慄する内容も刻まれている。
士道のことでわがままな精霊達が一瞬で懐柔される内容のものが多く、五河家の両親からの許可もあるため、幼い頃のものまでしっかりとある。
ネットに上げられた日、もう彼は生きていらない。

神衣「これが真っ黒ノートの概要だ」
士道「いっそ殺してくれ・・・」

お読みいただきありがとうございます。
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