デート・ア・無限サバイブ・鏡像の戦士   作:にゃはっふー

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番外編・エンジェルから・・・えっ

「神衣兄ちゃん、なにか言うことは?」

「ごめんごめん」

 

 お怒り気味の琴里に対して誤る。

 あの後、ケガを負った俺に、精霊達は全員不機嫌であり、士道に迷惑をかけた。

 それとは別に、鳶一折紙もいつもと同じ様子であり、なによりである。

 まあ、

 

「でだ、俺の前だと、前の鳶一折紙、でいいのか?」

「はい、折紙でいいですよ神衣さん」

 

 そう、何故か俺の前だと、鳶一折紙は現在世界の鳶一折紙へと性格が変わる。

 改ざん前といまでは、性格がだいぶ違うため、士道洗脳噂が広まっているが無視しているし、本人は変わり無さそうだ。

 

「ケガの方は大丈夫ですか?」

「問題ない、気にすることはないよ折紙」

「よかった・・・」

 

 優しく微笑む折紙だが、屋上の扉が開いた瞬間、スイッチが切り替わる。

 

「おお、二人とも」

「士道」

「士道か」

「みんなで飯食う話になったんだ、折紙も来るよな」

「行く」

 

 その様子に苦笑して、先に歩く。途中で士道を連れて、少し用があるから先にとか言うが、まあ止めておこう。なにげに士道誘拐しているのだからな。

 

「むっ、遅いぞ神衣、折紙」

「仕方ない、士道が私を・・・」

 

 頬を赤くして、口元を隠す美少女に、クラスがざわつき、八舞姉妹や十香が食いつき、士道が弁解、助けを求め、俺無視する。

 いつもと違い、だが変わった結果に、私は考え込む。

 凛祢のこと、ファントムのこと、考えなければいけないことが起きる。

 

「むっ、神衣。また考え事か?」

「十香」

 

 話の中で精霊達が不満そうな顔になる。私が考え事をしていて、なにも言わないことに不満らしい。

 琴里も琴里で不機嫌ゲージが上がり、フラコシナスからクレームもとい、なにかあるのなら相談するように言われている。

 だが言えないわけがない。そもそも、

 

(・・・俺は何に引っかかってる)

 

 私自身、分からない。

 

 

 

 高台で一人、黄昏れている。家で考えていれば、四糸乃達がいる。最近、遊びに来るケースが多く、七罪まで神崎と名乗りそうな勢いである。

 七罪もまた、美九ガードのために、自分を頼るため、それなりの仲だとも思う。

 そんな精霊達に苦笑する中で、考えている。

 

「・・・まったく」

 

 平和な時間を過ごす中、どうしても頭によぎる。私はいまだに過去を捨て切れていない。

 過去の実験、多くの人生を狂わせ、繰り返し、壊し、破滅させてきた。

 せめて神崎、彼だけは幸せになっていて欲しいが、前の事件で問題ないことを知る。

 なら、私ははたしてなんだろう?

 

「消滅する人間か・・・」

 

 そうだ、どう足掻いても消える運命であった私が、なぜここにいる?

 

 私は死なない、消滅しなかった理由はなんだ?

 

 あるとするのならば、それは精霊の探求に当てたい。

 

 世界を救う? 否、そんなことに興味はない。

 

 私はただ、精霊達が幸せならばそれでいい。

 

 その時、彼女を思い出す。

 

 そして思い出す、己の歩いてきた道も・・・

 

「・・・私は」

 

 その時、これが日課になる考え事の中、ん?と何かに気づく。

 背後に誰かが現れた。

 

「・・・狂三」

「うっふふ、ごきげんよう、神衣さん」

 

 そう言い、優雅に現れる、黒衣のワンピース。

 時崎狂三が現れ、懐に手を置く。

 

「何か用かな?」

「貴方にもらいたいものがありますの、デッキを渡してくれませんか?」

 

 それに辺り一帯に警戒しながら、首を振る。

 

「悪いが、ナイトのデッキ、渡す気はない」

「・・・・・いえ」

 

 静かに、微笑み、手を銃のように見立てて、

 

 

 

もらうのはオーディンのデッキですわ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 その瞬間、身体が何回も貫かれた。銃弾、銃声がなかった。

 

 鮮血が舞い上がり、私はすぐに懐からデッキを取り出すが狂三の銃声が早かった。どこからか、加速された狂三達が一斉銃弾を放ち、デッキを吹き飛ばした。

 二度目の攻撃に、私は手すりに倒れ込む。

 

「がっは・・・な、なにが・・・」

「いっ、イッヒヒヒヒヒヒヒヒっ。ずぃぃぃぶんっとここがお気に入りのようで、助かりましたわぁぁぁ」

 

 そう言って、ナイトのデッキは蹴飛ばして、近づく狂三。

 吐血して流れる血を指で拭いて舐めながら、銃口を向けている。

 

「普通の弾丸に二の弾(ベート)で念入りに遅くしておきましたの♪ 時間ぴったり、全弾命中しましたわ♪」

 

 蠱惑的に微笑む狂三は、傷口に銃口を入れ込む。

 

「な、なぜ私が、オーディンだと・・・」

「あら? あらあらあらあらあら? 分かりませんか? 簡単ですわよ、存在しない異世界人さん?」

「・・・」

 

 本当に分からない様子に、キッヒヒと笑う。何も出来ない中、時計の目が眼下に見える中で、優しく告げる。

 

「異世界で過去の私の能力で、もう一度過去へ戻ることを考えた士道さんが仰ってましたの。神衣? 誰だと」

「・・・まさか」

「ええ、ええ、ええ、ええ、ええそうですわっ。その士道さんが神衣さんを知りませんでしたの」

 

 それに気づいた。彼女は、いや、過去に戻っていた士道は狂三と会話していたことを、どうして過去の再逆行を思いついたか、聞いていなかった。

 

「始めはオーディンや万由里さん方が居りませんでしたからお聞きになりましたの。そしたら、きっひ、キッヒヒヒヒ。色々と話した結果、貴方のところまでたどり着いたんですわ!!」

 

 その顔を満足そうに見ている狂三の指が、傷口へと伸ばされる。

 手足は他の狂三に取り押さえられる中、静かに、

 

「ここは鏡がない、すぐに眷属の方も、士道さん達も来ませんが、さすがに時間はかけられませんわね」

 

 最後に悪戯する少女のように、お別れのキスをする。

 頬にされた後、うっすら笑いながら、視界にはいるのは、

 

「さようなら、異世界の学者さん♪」

 

 少女の微笑みの後、銃声が静かに、世界を赤く染め上げた・・・

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