デート・ア・無限サバイブ・鏡像の戦士   作:にゃはっふー

45 / 51
凛緒・イン・ワンダーワールド

 その日、俺達は園神家族の買い物に出かけるのだが、

 

「私、家にいるわ。時崎狂三がどう出るか分からないしね」

「私も、町の方見てるから、気にしなくていい」

 

 そう気を遣われ、親子もとい、私達だけで買い物になる。

 五河家、フラコシナスにまだ園神家のことを教えていない。士道はファントムとして凛祢に出会っているため、そのこともある。下手な誤解を与えることはできない。

 いまは別の人間名で借りた一軒家に住んでもらっている。実は研究所としていくつもそう言った建物を所持している。

 ちなみに、凛緒はパパとママと呼ぶのを止めて欲しいと、頼み込み、渋々、おねえちゃんとおにいちゃんになった。

 

 

 

「まずは衣類か、凛緒、お洋服買うよ」

「うんっ♪。お買い物~お買い物~♪」

「うふふ」

 

 二人に手を握られ、嬉しそうな凛緒。

 その様子に微笑みながら、静かに町を歩く。

 

 

 

「さて、凛祢はもういいのか?」

「うん、私の服はもういいよ。次は凛緒のお洋服にしたいし」

「そうか、凛緒の洋服はどうするか」

「あっ、あれ可愛い♪ 凛緒、あれ着る?」

「うんっ♪」

 

 白いワンピースのような可愛らしい物、普段着の物を選び、試着する。

 凛祢が着せている中、私は靴も見る。少し甘いなと思いつつも、服に合う靴を購入する。

 

「あーもう、神衣は凛緒に甘いんだから」

「いいだろ、凛緒、椅子に座りなさい。合うかどうか見るから」

「はーい」

 

 そう言って椅子に座り、靴を履かせる。まるでお姫様に靴を履かせている様子に、凛祢は微笑む。

 そして可愛らしいお姫様は、靴を掃き終え、くるりと一回転する。

 

「えへへ、りお、かわいい?」

 

 首を傾げ、裾を掴む。その様子に、

 

「「「可愛いよ」」です~っっ♪♪」・・・・・・・・・ん?」えっ?」

 

 なにか人が一人多いため、私と凛祢は振り返る。

 そこにいたのは、

 

「み、美九!?」

「はい、美九さんですよ神衣さんっ。で、この子は誰ですか!? とてもキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥトですっ」

 

 凛祢も見ているが、特に見るのは凛緒であり、凛緒はキョトンと首を傾げて、見ている。

 その仕草だけできゃあぁぁぁぁぁぁぁと悲鳴を上げる美九。もうダメだろ美九。

 

「お姉さんの名前は美九お姉さんですよ~~お名前言えますか~」

「りお? りおはりお、そのがみりおだよっ。みくおねえちゃんっ」

「りおちゃんですねぇぇぇぇぇ、ね、ねぇりおちゃん、お姉ちゃんのおうちに遊びに来ませんか? おこづかいあげますよ、まずは一、いや五万で」

「み、美九待て、落ち着こうか美九」

「ハッ、わ、私としたことが・・・少し反省。神衣さん、すいません、ええっと」

「あっ、私は園神凛祢、凛緒のお姉ちゃんで、神衣の保護者さんの、親戚です」

 

 そう言う話をして、そうですかよろしくです~と手を取り、ぶんぶんと握手する。

 

「ああ、二人とも可愛いですっ。どうですか!? 神衣さんもこのあと私のおうちに行きませんか!? だ、大丈夫、大丈夫ですから、何も、いえ、紅茶をお出ししますッ」

 

 その様子に危機感しか持てない。大人しくさせるしかないし、目立ち始めている。

 正直美九はこれでもアイドルだが、急に真顔になり、

 

「あっ、もう何が起きても怖くないです」

「何が」

 

 私の方が危機感を持つ。仕方ない、

 

「あ、美九。俺達、まだ用があるんだ、また今度にしよう。な、凛緒」

「うんっ、またねみくおねえちゃんっ♪」

「はうっ」

 

 美九は満面の凛緒の笑顔に心打たれ、またですよ、約束ですよっ、ぐっひぃひひひと笑い。指切りした。

 けして凛緒と二人っきりにしないと心に誓いながら、別れた。

 

 

 

 そんな美九の遭遇の中で、これからみんなと顔を合わせた際に、頭を痛める。

 だが、

 

「神衣? どうしたの?」

「ん、いいや・・・何でもないよ凛祢」

 

 高台で野良猫たちと遊ぶ凛緒を見ながら、静かに考える。

 そう、

 

「凛祢」

「ん?」

「十香達と、ちゃんと友達になりたいか?」

 

 その言葉に少し黙り込み、静かに、

 

「うん、今後こそ、偽りの記憶や、関係じゃない。ちゃんとした友達になりたい」

「・・・なら、叶えるよ。その願い、それがライダーである、私の役目だ」

「・・・うふ、やっぱり、似合わないよ」

 

 凛祢はもうダメと言いながら、肩を振るわせて笑い出す。

 オーディン、本来の私の言葉使いは、彼女にとって、謎のツボらしい。

 

「実際の年齢は長いんだ、見た目年齢が合わないのは当然だ」

 

 肩をすかし、くすくす笑う凛祢に、凛緒が抱きついてくる。

 凛緒を受け止めながら、だっこして、凛祢と手を繋いで歩く。

 

「それじゃ、帰るか」

「うん」

「はーい♪」

 

 こうして私達は帰る。我が家へと・・・

 

 

 

 朝日、寒い寒い、早朝、制服に着込む中で、私は気づく。

 

「これは、マフラー?」

 

 手編みのマフラーらしきそれに、覚えがないが、添えられている紙を見て、黙り込む。

 その文字は、

 

『神衣へ、貴方の鞠亜より。冬は寒いですので、ちゃんとしてください』

 

 それに驚きながら、少し微笑み、それを巻いて登校する。

 そして、

 

「・・・始めよう」

 

 そう呟いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。