二亜、六喰、すまん。
楽しんでもらえていれば幸いです、それでは、最終章の始まり。
第21話・冬、始まりで・・・
マフラー以外、冬服の学生が街を歩く。別に早く出向く理由は無いのだが、いつもより早く起きたと言うのが当たりか。
最近は凛緒が私の布団で寝るのが多い、凛緒の部屋は凛祢と同じだが、凛緒は時折、鞠奈や万由里など、寝床を変える。最近はよく私の布団で寝ている。
朝起きた後は、鞠奈が文句を言いながら、髪を整えてあげたりと、なにげに我が家の者達は凛緒に甘い。
そんなことを考えながら、そう言えば、
「今日は身体測定か、こんな寒空に・・・ドラグレッター火」
そんなバカなことを言いながら、一人出向くのであった。
「士道のクラスと共にか・・・耶倶矢、夕弦」
「かっかっか、分かっておる」
「肯定、やりすぎないように、力を抑えます」
「ああ、まだその辺り、考え物だな」
そう言いながら、半精霊とは言え、その力は常人より上であるため、手を抜かなければいけない。
二人はそれを承諾して、十香も大丈夫かと思いながら、静かに適当にする。
この手の手抜きは容易い。さくさく進む中で、後ろから妙な悲鳴が響く中、我々は順調に進む。
そして、士道が倒れたことを後から知った。
「ったく、なに考えてるんだか・・・」
いま先に早退届、念のため自分や十香達の分も出し終えて、医務室へ歩いていた。
と、
「?」
妙な騒ぎが聞こえ、おいおいと駆け出す。
そして、
「・・・これは・・・」
士道の霊力が暴走しているように、凄いことになっていた。
「疑念、見ましたか?」
「すいません」
くしゃみをして倒れた士道、八舞姉妹の力か、風を拭き起こした。その後何が起きたか分かるだろう。八舞姉妹はスカートを抑え、私を睨む。
また何か奢りか士道写真かと思いながら、急いでその場をごまかし、精霊達と共に士道を連れて行く。
「・・・来たか」
「かーーーーむーーいーーーさーーーんっ」
急いで仕事を終わらし、こそこそしなければいけないのに大声でやってくる美九。
琴里から頼まれ、美九を急ぎ、士道の元に連れて行く。ライドシューターでのミラーワールドを通ってだ。
「さあさあ早く行きましょうっ、ああっ、それと凛緒ちゃんは元気ですか? 私、早くお家にご招待したいですっ♪」
「色々言いたいことがあるが、いまは士道だぞ」
「はいっ♪ いま行きますよだーりん♪」
ナイトの姿のまま、即座に移動し、ラタトスクが管理する施設へと来て、中でミラーワールドから出る。
そのまま部屋へと突撃する美九を見ながら変身を解き、万由里と鞠奈の方に使いを出した、従者モンスターの様子を見る。
「そのまま凛祢達と待機していててくれと伝えろ」
そして去る中、何故か琴里に抱きついている美九をハリセンで叩き、痛いです~と言う美九を無視して、話が進む。
「ともかく、ある人物が怖いので、キスするのはまず全員でだ」
「なぜ」
状況説明すると、士道はいま霊力の循環が悪くなり、士道の元でオーバーヒートしているようである。
そのため、精霊達と再度キスし、霊力の巡回を広げなければいけない。
十香はそれを聞き、少し怪訝な顔をしたのが気になるが、いまは置いておき、士道の元に出向く一行。
そして、士道が寝ている部屋を開けると、
「ん? 士道?」
そこにいるはずの士道はいない。
「・・・」
いま私は、幻想的な氷像が作られた街道を歩いているが、これは本来無い物である。
何を考えていると疑問に思いつつも、その先へと歩く。
「士道」
その時、軽い炎をまき散らし、氷と炎の演出に、周りの操られた者達はぱちぱちと拍手する。
その様子は、琴里、四糸乃とよしのん、美九の能力を使用した。士道がいた。
「ん、ああ、神衣か」
「・・・お前」
「見てくれよ、これ。前より力があふれてるんだ。これでもう、お前や十香達ばかりに戦わせたりしない、みんなを守ることだっ」
「死ね」
そう言って、ソードベントを取りだし、斬りかかるが、それを素手で受け止める。が、その威圧に押され、すぐに顔色を変えて、避ける。
その様子に、十香達が驚き、わらわらと私を止めた。
「ま、待て神衣!? 何をしている!?」
「いま、俺程度なら片手で止められる、けど止められなかったと思っただろ? 図に乗るな士道、精霊の力で慢心するな」
「おいおい、これは手厳しいね」
その仕草など、精霊達も少し戸惑う。健康そうな士道だが、どこかおかしいとみんなが思う。
そう、いまの士道はおかしい。
十香達に平気で愛してるとか言う、いまは危険な事態と琴里が言っても茶化している。
なにより、いまの力を失うのが惜しい、流れ作業でみんなとキスするなんて面白くない。
だから、十二時までに俺をデレさせろ?
「・・・さすがにキレていいよな、士道」
「おいおい嫉妬か神衣?」
「なんとでも言え、そんな状況下じゃないんだ」
『フリーズベント』
士道の足下が凍り付き、それでもおいおいと余裕の士道。まあ、本気で止めに入ってないのだから仕方ない。
「いまだ琴里、すでに好感度は高いんだ。士道とキスすればそれでいい」
「ナイス神衣兄愛してるッ」
「そりゃないぜ、マイシスター」
「いつものことだろ」
「そりゃそうだな」
仕方ないと呟き、光が士道を包み込む。琴里が近づくが、光が消えると、そこには、
「士織モード!? 七罪の能力か」
「くっ、女装程度で止まると思ってるの!?」
「残念、五十点よ」
「へっ、ま、まさか!?」
琴里が胸を揉むと、それには確かな弾力があり、琴里は戦慄し、周りはざわめき、私は黒歴史が増えたなと思う。
完全女性状態、五河士織爆誕に、美九は歓喜の悲鳴を上げた。
「いっ、いしゃしゃひましゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
よだれを流し、キスするために迫る美九。うん、
(凛緒は一人で、美九の家に行かせられないな・・・七罪や四糸乃達も)
私が堅く決意する中、指を鳴らすと、周りが光に包まれ、全員が士織になる。
だが、私だけは無論、対象外。
周りの者達は美九の能力で操られており、困惑する中だが、
「・・・無駄だ」
烈火のナイトが炎を巻き上げ、剣を振るう。
それに風を巻き起こして防ぐが、すぐに力を込めて、切り伏せる。
「ちょ、神衣やりすぎやりすぎっ」
「宣言、さすがにそれは」
「すまないが、精霊の力を私欲で使用するのなら、斬る、しかもいまなら琴里の能力で死なないし、後で俺がデザート付きで飯作るよ」
「・・・・・・・・・・・・はっ、そ、それでもダメだぞ神衣っ」
十香少し考えたね。少し悲しくなったが、無視して、炎をなぎ払い、安全な場所に移動した士道は、俺をデレさせてくれと言い、去っていく。
「というわけだ」
各自準備中、我が家で相談している。腕を組み、静かに考え込んでいるのは鞠奈であった。
「・・・で、ラタトスクはどう動くの?」
「精霊達がフラコシナスの面々からサポート受け、デートとして、ドキッとさせらればいいらしい。だが」
「邪魔する者が必ずいる、AST、DEMが来る・・・ね・・・」
それに鞠奈は邪悪な笑み、口元をつり上げ、八つ裂きにすると呟く。
なぜ最初は作り手のために動く子が、こうなったのだろうかと思うが、
「・・・あんたの所為だからね」
そう、頬を赤くしてふくらます。それに万由里、凛祢、凛緒は、
「それじゃ、契約精霊はどうすればいいのかな?」
「凛祢と凛緒は、ミラーワールドで従者達の指示、万由里は俺と共に待機、フラコシナスからもらった機材で様子見。鞠奈はフラコシナスで待機」
「また義妹を・・・士道、元に戻ったらタダじゃ済まさないわ」
「だな、こりゃ、士織幼女モードで美九達を接待させるよう、脅迫しよう」
「? しおりってだあれ?」
この無垢な少女に見られた日には死にそうだが、無視しよう。
ともかく、
「それでは、オーディン組も、動きますか」
おーと凛緒も楽しそうに手を挙げ、各々が動く中で、
「・・・ああ、分かっている。そろそろな」
鏡の中のモンスター達にそう告げて、オーディンは静かに、歩き出す。
終わりへとカウントダウン、美九の暴走酷く無いかな?
それでは、お読みいただき、ありがとうございます。