デート・ア・無限サバイブ・鏡像の戦士   作:にゃはっふー

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ラストサバイブのその後、彼はやっと、偽りを捨てました。
どうぞ。


第24話・やっと

 士道暴走後、我が家は賑やかになった。理由はまず、

 

「というのが私とみんなの関係です」

「そんなことが裏で・・・」

 

 なんで教えてくれないのと言う琴里の睨みを無視しながら、和室のこたつに入る私。凛緒が膝の上にいる中、真面目な会話がリビングで行われている。

 内容は凛祢の身の上話であった。

 

「・・・嫌だよね、記憶をいじって、そこにいられるの・・・」

「まあいい気はしないわね。けど、一番怒らせることしてる人がいるから、気にしなくていいわよもう」

「うむっ、凛祢は今日から友達だっ♪」

 

 そう言う意見の中、一番怒らせた者の一人である私に、視線が集まる。

 鞠奈は不機嫌が振り切れるほどであり、本当に手加減無く攻撃してきたほどだ。

 

「それで、いくらなんでも種明かしが早く無い?」

「仕方ないだろ、狂三に知られた時点で、隠す通りも無い。凛祢や万由里、それに真那のこともある。個人で隠れながら、彼女達に今後関わりつつ、普通の生活をさせることは不可能だ。ならあのタイミングが最適だ。ラタトスクの本意も分かったことだしな」

「一応言うけど、あれは」

「一部の人間だけの判断だろうが、私はあれを総意と捉える。悪いが琴里の言葉でだろうと、次はない。無論、私達を監視する者が現れたら・・・その者はきっと消えたようにこの世から居なくなるだろう」

 

 そう言った途端、窓ガラスに無数の従者モンスターが姿だけ見せる。暗に勝手なことしたら命の保証はないと言っている。

 それに琴里はふうとため息つく。琴里の立場上、難しい場所にいる。

 

「ああ、琴里を罰した瞬間、どうなるかも分かってるだろうか彼らは?」

「まるで主導権を持ってるみたいな言い方ね」

「・・・気づいてないのか?」

「?」

 

 その様子を見て、そうかと納得する。

 私の反応に襟を捕まれたりするが、無視することにした。苦しいが仕方ない。

 

「ああ琴里、鞠亜のために、フラクシナス強化のデータはお気に召したかな?」

「・・・オーバーテクノロジーね、あの子も喜ぶわよ」

「それはなにより」

 

 その時、ストライクベントが放たれたため、私はすぐに防いだ。何故こういうとき、モンスター達は私を守らないのだろうか?

 鞠奈が笑顔で、静かに怒っているが、静かにストライクをしまい、座る。万由里も不機嫌でこちらを鋭く睨む。

 女の子って難しい。

 

 

 

 部屋でパソコンを操作していると、メールが来る。私の知らないアドレスだが、気にせず開ける。

 

『こんにちはオーディン、早速で悪いんだが、機嫌を直して欲しい。あれは私の落ち度だ。五河琴里に関しても、君の用件を飲む。私としても彼女に罰を与える気はない。他の者達も、君が自分の前に現れた瞬間から、かなり怯えてる。できれば今後とも、我々・・・いや、彼女達の味方でいてくれ。   エリオット・ボールドウィン・ウッドマン』

 

『くだらん、悪いが私は私情、自分の願いを叶えることしか考えていない。君達、いや、この世界がどうなろうと知らない。私の願いを妨げるのなら、容赦しない。そして影から来る者は覚悟しろ、闇は闇の中で消える。   神崎神衣否、仮面ライダーオーディン』

 

 躊躇い無く、彼のアドレスへ送っておく。

 

 

 

 しばらくして、凛祢が料理している。今日の夕飯は彼女が作るのだが、量が多い。精霊を始め、私や真那もいるのだからだが、

 

「ううん、みんなとのちゃんとした記憶・・・私としての一歩だから、お願い」

 

 そう言われ、手伝うことを止めて、大人しく待つ。

 途中で凛緒が何度も美九に話しかけられていたが、側にいました。

 

「さて、飯を食う前に、フラコシナス司令官である、五河琴里に一言言っておくよ」

「!」

 

 静かに黙り込む琴里、できればそう警戒しないで欲しい。

 

「私の方針は今も昔もこの先も変わらない。精霊を知り、世界を知り、己のために動くだけだ」

「・・・敵なの? 味方なの?」

 

 真剣な顔で聞かれるが、とくに気にも止めず、

 

「あいにくと、いまさら彼奴らのように、他者のために戦う意志は無い。私は前世の世界で多くの人を殺し、殺させ、人生の歯車を壊し、そして繰り返させた」

 

 タイムベントの存在を言いながら、神崎士郎と共に行った仮面ライダーと言うシステム。バトルファイトのことを説明する。

 狂三が居たら、興味津々だろう内容だろう。そんなことしか心の中でわき上がらない。

 例えそれで、世界からはじき飛ばされた、存在無い者に成り果てたとしても、後悔という感情すら無い。

 

「と、どうした十香? 気分が悪くなったか?」

 

 十香が静かに服を掴んでいた。私はこれが飯前の話であり、嫌な話なのを理解する。だからこう聞いた。

 そう聞くと、十香は、

 

 

 

「神衣、苦しそうだぞ・・・」

 

 

 

 心配そうにしていた。

 

 他の精霊達も、おかしなことだと思いながら、少しだけ、

 

「・・・そうか、私はまだ、過去の家族に後悔してたか・・・」

 

 それに額に手を置き、少しだけ苦笑する。

 

「愚かだな私は、これほど時間が経っても、過去の幻影に未だに捕らわれてるとは・・・折紙のことも強く言えん」

 

 自ら選んだ道なのだから、諦めるしかない。

 そしてなにより、もう取り戻せない願いだ。それだけはけしてしてはいけないと、心の奥底で思う。

 

「・・・貴方は強いと思っていた・・・けど、とても弱い・・・それが本当だった」

「・・・だな」

 

 折紙の言葉に同意し、そして静かに、凛緒を抱きしめる。

 

「今度は手放さないさ、もう戻すことができないんだから」

「もう、くすぐったいよパパ♪♪」

 

 嬉しそうな凛緒に対して、琴里と四糸乃がむっと言う顔になる。

 

「質問、パパ? とは?」

「凛緒は私の願いと、凛祢の霊力から生まれたから、本人の感覚ではそうらしい」

「娘さんを幸せにします、私にください!!」

「・・・・・・・・・・そうらしい」

「無視するのねお兄ちゃん、分かったわ」

「・・・私もお兄ちゃんって言えば、守ってくれる・・・結構切実なのよね」

 

 そう言う七罪は私を盾に、美九を警戒する。

 結局、平和な日々が過ぎるのであった。

 

 

 

「・・・」

 

 士道は検査やらなんやら、いまだに慌ただしく進む日常の中、たった一人で町を見下ろす中、静かに風を感じる。

 そんな中、

 

「・・・貴様か」

『やあ、こんにちはかな?』

 

 ノイズが走り、空間に誰かいる。

 静かに振り返りながら、それを見た。

 

「凛祢は返してもらった」

『彼女がそれを望むなら構わないよ、神崎神衣』

「・・・それと一つだけ言わせてもらおう」

『・・・なんだい?』

 

 その瞬間、モンスター達が一斉に現れ、威嚇する。その姿はすでにサバイブで強化された、モンスター達。

 

「貴様は俺の敵だ」

『・・・』

 

「十香を孤独にした」

 

 世界から拒まれ、一人だった少女。

 

「四糸乃とよしのんの叫びを無視した」

 

 一人を拒むあまり、もう一人の自分を作りだした少女。

 

「狂三をあそこまで放って置いた」

 

 願いのために、狂った少女。

 

「琴里に町を破壊させ、苦しめた」

 

 過去に人を殺した可能性に怯えた少女。

 

「耶倶矢、夕弦が苦しんでいるのに、放置した」

 

 大切に思い合っているのに、それを表に出せない少女達。

 

「美九に偽りの静穏を与えた」

 

 本当は違うものを求めていた少女。

 

「七罪の行動を咎めず、そのままにした」

 

 他者との繋がりを知らなかった少女。

 

「折紙が精霊への憎悪を知り得たはずなのに、精霊化を優先した」

 

 その結果、悲しい事実を背負うことになった少女。

 

「貴様だけは明確に、いま現時点で俺の敵だ」

 

 それだけで十分だ。

 

「貴様の望みがなんであるか知らない。だが、どれほど尊い願いであろうと、私は知っている。犠牲がある時点で、どんな願いも叶えることなぞ許されない」

 

 他人を犠牲に、妹の蘇生を望んだ彼を思い出す。

 

 だが、彼女は幾度の世界でもそれを知り、涙を流す。それに彼が苦しみながらも前へと進んだ。

 

 それでも、それを止める者達が居た。

 

 それで知った。

 

「私は五河士道の、犠牲の無い救済に全てを賭ける。城戸真司や神崎士郎、そして神崎神衣、私と言う存在全てを賭けて」

『・・・』

 

 その時、やっと、私・・・いや、俺はこの世界に踏み込んだ。

 

「それが俺の願いだ」

 

 それを聞き終えた。

 

『そう・・・なら、それまで私の子供たちをお願い』

 

 こちらの意志を知り、その場から去った。

 

「・・・ふざけるな、子供と言うのなら、絶望に至らせるな・・・」

 

 より強い決意の中、モンスター達も激昂して吼える。

 彼の目的は堅くなり、そして、

 

「もう迷わない、城戸真司、神崎士郎・・・私は仮面ライダーオーディンとして、この戦い、最後まで生き残ろう。我が願い、そして友達の願いを叶えるまで」

 

 もうすぐ真冬に迫る中、やっと彼は、異物だとしても、この世界の存在として戦うと決意した。




お・ど・す。神衣くん、なにしてるんだよ。
嘘を言わなくて済むようになり、神崎神衣はこの世界の人間になれたかどうか。正直、彼にとってはどうでもいいから、精霊研究が優先ですね。
それでは、お読みいただきありがとうございます。次が最終回です。
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