デート・ア・無限サバイブ・鏡像の戦士   作:にゃはっふー

6 / 51
四糸乃ゴッデス編、始まります。


四糸乃パペット
第4話・白の顔と黒の顔


 雨の降る中、私は歩いていた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 濡れているが気にせず歩く。あまり雨に関して意識を向けることはない。

 そうして歩いていると、

 

「っておい、神衣っ」

 

 士道があわてて現れ、おいおいと呆れながらこちらに来る。

 鞄を傘代わりにしているが、意味がないだろうにと思う。

 

「滅茶苦茶濡れてるぞお前っ、急いで帰ろうぜ」

「ああそうだな・・・」

 

 別に構わないのだがと思いながら、彼と共に歩き出そうとしたとき、

 

「ん?」

「ん、どうした神衣・・・」

 

 士道もそちらをふとっ見てみる。そこに不思議な少女がいた。

 ウサギの耳がたれている、フードの少女。

 その見た目は可愛らしいが、どこか不思議な、いな、

 

(精霊だと・・・)

 

 ドラグブラッカーが警告音を鳴らしている。この、片手にウサギのパペットをつけた少女が精霊だと、ドラグブラッカーが言う。

 確かに精霊は複数いる。これは空間震が複数あるため分かり切っていたが、まさか空間震無しに出現し、こうして出会うとは思わなかった。

 どうするか考える。少女が無害かどうか、見れば分かる。だが精霊として対処するには、自分は情報を多く得すぎている。

 士道になぜ精霊と分かった聞かれれば、まさかと思うがオーディンと知られる危険はある。

 そう思案していたら、精霊が転んだ。

 

「お、おいっ」

 

 そう思ったら、士道はすぐに駆け寄り、手をさしのべる。

 少女は怯えている様子に、すぐに切り替えた。

 この精霊は無害だ。

 

『二人ともわるいね~~』

 

 手元から落ちたパペット、士道がそれを渡すと、少女が前に出すようにしてしゃべり出す。

 その様子を観察して、すぐに察する。この場合は前に出るかと腹をくくる。

 

「別に良いよ、二人とも、問題ないね?」

『うんっ、よしのん達は問題ないよお兄さん~』

 

 そう言いながら、私は鞄から折り畳み傘を取り出す。

 

「雨に濡れるとあれだ、使うといいよ」

『えっ、いいの~? よしのん達はいいけど、お兄さん達』

「俺達の家はすぐそこだ。それにもう濡れているから問題ない」

 

 そう言い、士道がなにしてるんだと言う顔をしているが無視して、片手で開けるように教えながら、少女達に別れを告げる。

 

「お前、傘持ってたのか・・・」

「雨に濡れると、少しな」

 

 そう言いながら、傘を少し珍しそうに見ている少女。それを背にして走る二人。

 

「とにかく急ぐぞっ、琴里に怒られるっ」

「俺は問題ないな」

「お前も来いよ、たまには夕飯食いにっ。琴里も喜ぶしな」

「考えておくよ」

 

 そして後ろを気にしつつ、考える。

 

(きっかけは作った、うまくしろよ士道)

 

 いずれ出会うであろう出会いに、少しイベントを混ぜただろうと考えながら、家へと駆け込むのであった。

 

 

 

『神衣へ  SOSッ、十香が家に泊まるらしいっ。頼む神衣っ、しばらく家にいてくれっ』

 

 そんなメールを見ながら、私はシャワーを浴び終えて、考え込む。

 ここはいまミラーワールド。だが、通話できるようにしておいた。

 まあ、居場所などの探知など、都合良くするのには骨が折れたが、

 

「琴里」

『神衣兄、士道のことは無視して。女性慣れしないといけないの』

「やはり精霊は複数いるのか」

『さすができるお兄ちゃん、わかってるのね』

 

 彼女の中での自分と士道の評価は分かっている。

 

 大切で、大好きな、ダメダメなお兄ちゃんっ♪♪

 

 格好いいっ、素敵っ、自慢できる理想の神衣お兄ちゃんっ♪♪

 

 後者は本人が言って、前者は自己判断。まあ、本人に言えば否定するだろう。

 そんなことを思いつつ、次の精霊は誰だろうなと思う。

 

「そう言えば、恋愛させるのが条件なのは知っているが、どういうレベルで条件を満たすんだ?」

『ん? ああ言ってなかったわね。簡単よ、キスしていいと思われればいいの、キスすれば霊力は封印できるわ』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 つまり士道はあの時、十香とキスしていたということか。霊装や天使は霊力でできていたから、封印後消滅、または維持できずに消えたと思っていたが、

 

(キスしてあれか・・・士道、お前っていう奴は・・・)

 

 少々思うことがあるが、この際、士道の人柄など捨て置くかとすぐに切り替えた。

 士道が外道の道を進もうと、士道が背中から刺されたり、隔離された空間に幽閉されようと、研究に支障がなければいい。

 

「はあ、他に精霊いるのに、キスしないと封印できない術、どうにかできないのかな琴里? 友人が外道になるのは、少々目に余る」

『仕方ないわこれはね、他に術があるなら・・・』

 

 少し声のトーンが変わる。琴里自身も嫌だが仕方ないと割り切っているのだろう。ならばこれ以上は何も言えない。

 だが問題は十香だろう。彼女はキスの意味は知らなくとも、嫌がる可能性が高い。

 彼女のようなタイプもまた、独占欲が強い。あれはひどかった、デッキ渡したらいきなりあれだ。当時の我々もそうだが、彼女たちもたいがいだった。

 女というものは男よりもそう言ったものが怖い。いま現状の感想だ。

 

「わかったよ琴里、それと士道にはがんばれと伝えてくれ。俺はこの件には、士道用真っ黒ノートのものを琴里に提供する程度はするよ」

『なにそれっ!? 真っ黒ノートってなにっ!?』

 

 琴里も驚いて聞き返す。別にあれだよ、五河家両親からもらったり、過ごしたりして貯めに貯めた、真っ黒な歴史書だよと言う。

 とたん、わなわなと声が震え出す琴里。

 

『お、お兄ちゃんっ!? それって私は含まれてないわよねっ。ねえ答えてっ』

「安心しろ、妹のはばらまかない」

『それって手元にあるってことよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』

 

 電話は切っておこう。真っ黒ノート、五河兄妹のあんな写真やこんな写真。別に変なのはない、子供だから仕方ない写真ばかりだし、親公認だ。

 琴里のは別にばらまく気はない。というより、俺と一緒に寝てたりとか言う写真、俺にもダメージがあると・・・

 

「切り替えか・・・俺も私も、切り替えは大事だな」

 

 私は目頭を押さえ、首を振る。

 切り替えなければいけない。現状精霊の出現は感知されていないところを見ると、報告するわけにはいかない。

 ならしばらくは静観するとしよう。

 

「さあ、切り替えだ・・・琴里に渡す、士道の黒歴史写真はっと」

 

 ある写真を琴里に渡す、わなわな震えている琴里。つまり自分もこれレベルが手元にあると知り、その日はお兄ちゃんと猫なで声で話しかけられたが、揺るがない。

 琴里には悪いが、俺が五河兄妹で、立場が上なのだ。俺に勝てるのは果たして誰だ?

 こんな日々の中、十香との同棲生活を始める友人に冥福を祈ろう。

 いまはそんな体制で、精霊と士道を観察するのであった。




一人称俺時は神崎神衣。

一人称私時は、オーディン。

どちらも彼であり、どちらも彼ではない。

・・・駄文作者なのに設定だけはあるな・・・

これからもよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。