自慢の兄ずら!   作:しましょー

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デレマス楽しいです。








保護者参観での子供自慢

prrrr prrrr

 

「あ、もしもし。俺だけど。今日どうだった?ちゃんと旅館に着けたか?」

 

「おう。それは良かった。そいで明日の発表順とか分かったか?」

 

「うん…うん…最初から2番目?そっか…。じゃあちょっと厳しいかもしれない。…うん。まぁ模試受けてからだから。ごめんね。」

 

「東京楽しいか?後ろでガヤガヤ言ってるけど。……うるっさいな~」

 

「え?変な人に絡まれた?大丈夫だったか?」

 

「同じ出場者だったのか。それなら良かった。うん。じゃあ明日頑張ってな。」

 

「あ、お土産頼むぞ、いつもの。は?みんなに食べられた?よし、そいつらには帰ってきたらお仕置きが待ってると伝えておけ。あ、お土産はもう一度買ってくれ。金は出す。」

 

「え?ジャンプが土曜日に出てる?さすが東京だな!」

 

「じゃあおやすみ…。」

 

 

 

………ふぅ。長電話になってしまった。

 

「ジャンプが土曜日に出てるのは今度の月曜日が祝日だからだと思うよ?」

 

「うおっ!びっくりした…!」

 

突然掛けられた声に振り返ると、さっき別れたはずの松浦さんがいた。

 

 

 

 

 

 

 

今は土曜の夜。Aqoursのライブを明日に控えた日である。

俺は今日あったことや明日の予定などを聞くためにまるに電話していた。

うちはお寺ということで、親父たちは朝が早い。だから家の中で電話するのは悪いかなぁと思い、家の外で電話していたんだが。

 

「なんでここに?」

 

すぐ後ろにいたのに全然気がつかなかった…。知り合いで良かった…。

 

「眠れないからちょっとランニングでもしてから寝ようと思ってね。走ってたら知り合いの声が聞こえたから。」

 

ちょっとランニング…?松浦さんの家からここまでどれだけあると思ってるんすか…。

見るとほほも上気していて、少しなどではない距離を走っていたことが分かる。

 

そんなに全力で走ってたら逆に眠れなくなると思うんですよ。

 

「それで?国木田くんが電話してたのは彼女さん?」

 

「いや、妹だ。今東京に行っててな。」

 

「へぇ…!妹さんいたんだ。なんで東京に?」

 

「ウチの妹はスクールアイドルをしててな。なんか東京でライブするとかで……。」

 

と、そこまで言って松浦さんの表情が険しいものになっていることに気づく。

 

「どうかしたか?ずいぶん怖い顔になってるぞ。」

 

「へ?あ、あぁ。いや、なんでもないよ。」

 

松浦さんは慌てて否定するが、なにか隠してるような気がする。

今の話になにか気に障ることがあっただろうか。

……いや、スクールアイドルのことか。ついでに今聞いちゃおうかな。

 

「そういえば昼間に聞こうと思って忘れてたんだけど。」

 

「ん?どうしたの?」

 

口に出してから逡巡する。果たして今聞いてもいい話なんだろうか。

…いや、遅かれ早かれ聞かなきゃいけないってことは分かっている。だが、あのマリーですら自分から話そうとはしてないんだ。だったらもう少し待つべきなんじゃないんだろうか。

 

「…いや、やっぱりなんでもないよ。」

 

「ふ~ん。変なの…。」

 

松浦さんは怪訝そうな顔をしたが、すぐに気を取り直したのか笑顔になった。

 

「まぁいいや!じゃあボチボチ帰るね。ずいぶん遠くまで来ちゃったし。」

 

おう。確かにもう良い子は(まるは)寝る時間(すでに寝てる)だしな。

まぁそんなに時間は経ってないんだが。最初が遅かったし。

 

「送ってこうか。さすがに女の子一人で帰すわけにはいかないし。」

 

「ありがとう。でも私全力で走るけどついてこれるの?」

 

むかっ。

 

「自転車なら…なんとか…。」

 

だってこの子の持久力ハンパないんすよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。日曜日。

朝起きていろいろ準備して模試受けて今は沼津駅にダイヤさんとAqoursのお出迎えに来てる。

 

「おやおや?あなたは『Aqoursのことは任せとけ。』とか言っておきながら、そこから数話の間なんの活躍もしてない徳丸さんじゃないですか。」

 

「そういうあなたこそ『ルビィに変なこと教えないで。』とか言っておきながら、そこから数時間に渡って自分がいかにルビィちゃんの良さを()()()()()()を話してくれたダイヤ様じゃないですか。」

 

「ダイヤ様と呼ぶなと言っているでしょうに…!このシスコン…!」「シスコンゆーなし!ってかどの口が!」

 

「「むむむ…!」」

 

…な・か・よ・く・お迎えに来ております。

時刻は夕方。さっき『次の電車で帰る』という連絡が来たため迎えに来たら、この人と鉢合わせしました。

ちくしょう。Aqoursの保護者ポジションは俺一人で十分だというのに…!

 

「…結果のことは聞きましたの…?」

 

ダイヤさんがこちらをにらんでいた目をそらしながら尋ねてきた。

結果と言うのはもちろん東京ライブのことなのだろう。

さっき…さっき電車の時間と一緒に連絡があった…。

結果的にダイヤさんの言っていたことが的中したことになってしまった。

 

無言を肯定と受け取ったのだろう。

おれの返事を待つことなく、続ける。

 

 

 

 

 

「これから。」「へ?」「彼女たちは"これから"だと私は思いますわ。」

 

予想外に前向きな声で前向きな言葉が聞こえたのでびっくりしてしまった。

彼女はスクールアイドルに反対していたはずでは…?

そう思いダイヤさんを見てみると、自分でもキャラじゃないのだと思ってるのか少し赤くなって顔を背けていた。

 

はい1ツンデレいただきました-。

 

「ああ。俺もそう思う。だから俺たちがしっかり支えてやらないとな。」

 

「ふ、ふん!あなたにはルビィ以外をよろしくお願いしますわっ!」

 

「おいちょっと待てルビィちゃんは俺の妹だろ?」「あ!?」「すいませんでした。」

 

さてさて、各家庭の妹自慢をしていたらどうやら主役たちが到着したようだ。

駅に電車が到着し改札から6人の女の子たちが出てくる。と、同時にその何倍もの女の子に囲まれていた…。

あれ浦の星の制服もあるけれど、俺が通ってる高校の制服もあるような気が…。

 

「ほら、ここにはこんなにファンがいるのですから。」

 

そんなの分かってるし~。ってかなんであなたが自慢げなんだし~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある程度同級生やファンのお出迎えがすんだのか、6人が人混みから出てきた。

やっぱり少し元気がないように見える。

いつも通り振る舞ってる(ように見える)のは…千歌ちゃんと…よっちゃんぐらいか。

 

向こうもこちらに気づいたのかまっすぐこっちに向かって歩いてきた。

ホントに足が重そうで、一瞬なんて声をかけたものか分からなくなってしまう。

 

だが、ダイヤさんは迷ってる俺に気がつくことなく優しい声をかけていた。

 

「おかえりなさい。」

 

「おねぇちゃん…!」

 

俺もかける言葉が見つからず、同じ言葉を繰り返す。

 

「…おかえり。みんな。」

 

「徳兄ぃ…。」

 

う、うわぁん。と、ルビィちゃんがダイヤさんに抱きつく。

やっぱりつらかったのだろう。人の目もはばからずに泣いていた。

 

まるも来て良いんだよ…?と思っていたが来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィちゃんが落ち着くのを待つために港で休憩することになった。

移動する際もどこか暗い雰囲気がつきまとう。

 

俺は一番後ろをゆっくりついて行く。

最後尾ででいつも通りに振る舞っているよっちゃんに声をかけてみた。

 

「お疲れさま。東京はどうだった?」

 

「徳くん…。そうね、ヨハネのリトルデーモン候補がたくさんいたわ。やっぱり東京にはヒトを堕天させる力が集まるようね…!あと、ご飯からお菓子までおいしいものが多かったわ。」

 

「そうか。んで?俺のお土産を食べたのはヨハネなのか?この口か?」

 

「ふぇ…ふぉ、ふぉっと!ふぁなふぃふぁふぁいふぉ!」

 

両ほほをつまみ、いじくり回す。

涙目になって子音が全てFになって抵抗してくるまではテンプレート。

やわらかい感触を少しの間楽しんだ後、手を離す。

 

少し責めるような目でこちらをにらんでくるが、それは無視して告げる。

 

「無理してないか?もう俺もダイヤさんもいるから、無理に明るく振る舞わなくても大丈夫だぞ?」

 

さっきよっちゃんは『リトルデーモン候補』と言った。

彼女は自分のファンのことをリトルデーモンと言っている。それを『候補』と言った意味…。

やっぱり彼女も内心では傷ついているのではないかと思ったのだ。

 

と、突然神妙な顔して立ち止まる。

的外れなことを言って怒らせちゃったか…?と思ったけれど。

 

「はぁ…なんでわかっちゃうのかしら。」

 

と苦笑いだった。どうやら当たっていたらしい。

 

「何でと言われてもなぁ…。なんかいつもと違ったから。」

 

よっちゃんはその言動とは裏腹に、精神年齢はすごく高いと思う。

だから気を遣うことにも長けている。そんな場面を何度か見てきた。

 

「今は普通にしていいんだぞ?今日は甘えて良い日だ。」

 

「うん…そうね。そうだよね。ありがとう。」

 

そう言って自分で頭の羽を外すと。

他のメンバーがこちらを気にせずに前に歩いているのを確認して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背後から抱きついてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背中には暖かくやわらかい感触。

 

「おおっとこれは想定外というか心臓止まるというかほらみんなが見てるというか。」

 

見てないけど。

 

「…うるさいっ……!今日頑張ったんだから良いでしょ…!徳くんが甘えていいって言ったんだし!」

 

その声を聞いててんぱっていた心が冷静になる。

よっちゃんの顔はここからでは見えないが、その声は…湿っていた。

 

…年相応なところもあるじゃないか。

 

「……今日見に行けなくてごめんな。」「別に良いわよ。忙しかったんでしょ。」

「Aqoursのことありがとう。」「こっからは任せたわよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「任せられた。」

 

自信を持って返事するとふっと背中から感触が消える。

振り返ると頭に黒い羽をつけた堕天使の姿が。

 

「ヨハネは復活したわ!待たせたわねリトルデーモン!」

 

「だからリトルデーモンじゃないっちゅうに。」

 

目を少し赤く腫らしながらも、その他は完全にいつものよっちゃんだった。

 

「お~い。ふたりとも置いてくよ~。」

 

「「今行く~!」」

 

千歌ちゃんにふたりで返事しながら、リトルデーモンはここからどんどん増えていくんだろうなと内心思った。












投稿遅くなってすいません。
先週の火曜に投稿して、その後水木金とテスト。土日挟んで、今週は実習で病院に来てます。
リアルが忙しくて…。

え?デレマス?スクフェス?ちょっと何言ってるか分からないッす。

ってなことで次の更新は週明けを予定してます。10月入ったら更新ペース早めますので…。10月頭の再試が終わったら…!

ではでは。
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