自慢の兄ずら!   作:しましょー

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そういえばこの小説では書いたことありませんでしたが、実は作者は感想を頂けると喜ぶ生き物です。メッセージを書いてあげたら元気になるのではないでしょうか。



【幕間】善子とヨハネ

『私のリトルデーモンにならない?』

 

それは私の勇気を振り絞っての言葉だったのに…!あの朴念仁は…!

 

「なにが『遠慮する!』よ!かっこつけちゃって-!…ちょっとかっこよかったじゃないのよ!」

 

私こと津島善子は自室のベッドの上で悶え、苦しんでいた。側には半開きの段ボールと、その中から溢れる真っ黒な布。それを横目にベッドの上をごろごろごろごろ。

この疼きは残念ながらいつもの闇の世界からの刺客のせいじゃないことは分かっていて。いや、いつも刺客から狙われている訳ではないんだけども。

…友人の兄とは…なんともまぁ()()のお相手じゃないかとも思う。普通を嫌った私らしくないとも思う。

でもしょうがないじゃない。幼稚園の頃から一番長く見てきた異性なんだから。

 

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幼稚園のとき、私にはほぼ毎日遊んでいた相手がいた。

その子の名前は国木田花丸。すこし小柄で、マイペースで、いっつもワンテンポ皆から遅れていたから誰かが側にいてあげないと駄目なほっとけない友達。

幼稚園にいる間は私が甲斐甲斐しく世話を焼いていたものよ…。あの子は三月生まれってこともあって発育が遅かったし。

 

そして私達は幼稚園が終わってからもよく一緒にいた。私のママは別に働いてた訳じゃないけど、最初あの子が公園で一緒に遊ぼうって誘ってきて…、結局は日課みたいになってたわ。

 

「よしこちゃん。つぎは、すなあそびがいいずら!」

 

「しょうがないわね。きょうはなにつくる?」

 

「おしろ!」

 

「……じゃあまずいしがきからつくりましょ。」

 

「ずら!」

 

実はそこにいたのは私達二人だけではなかったの。親が5歳の子供を二人で置いていくわけ無いじゃない?

小学生のお兄さん。今考えると2歳差って小さな差だけど、その時は私から見ればとても頼もしく見えたわ。

 

「ほら。スコップ借りてきたぞ。」

 

そう言って三人分のスコップを持ってきてくれたのは国木田徳丸くん。花丸のお兄ちゃんで、私にとってもお兄ちゃんみたいな人だった。

 

「「ありがとう(ずら)!」」

 

運動ができて、友達がたくさんいて、私達にも優しくしてくれて。

…あの男はその時からモテモテだったのではないだろうか。

 

 

 

 

 

そして私達はある約束をする。

 

「天使!?かっこいいね!じゃあ飛べるようになるんだ!」

 

そう言って滑り台の下から見上げている少年と

 

「あ、徳くん…。そうなの!飛べるようになったら徳くんにも見せてあげるね!」

 

滑り台の上から話す、いつか飛べると信じている少女。

 

「本当?じゃあ約束しよう!」

 

「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲-ます。指切った!」」

 

子供の他愛ない約束。数年後には、飛べるわけないと分かっていたけれど。

それでも私の心に残り続けたのは、たぶん彼がすごく輝いた目で私を見てくれたから。

(私は今輝いているんだ…!)

幼いなりにそんなことを思った。

 

 

 

 

 

私達が小学校に入学したあたりから遊ぶ機会は少なくなっていった。

徳くんは部活に入ったし、私も小学校で新しい友達ができた。顔を合わせることはあったけど徳くんの周りにはいつもたくさんの人がいて、私には声を掛ける勇気なんてなかったの。周りの人たちが作る空間はあまりに明るくて。

人気者な徳くんと違って私は普通の子。だんだんと顔を見たらなんとなく避けるようになっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私もあの輪に入れるくらい輝かなきゃっていつしか思ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

中学校に入る頃にはたぶん徳くんは私のことなんか覚えてなかったでしょうね。でも私は覚えていたわ。

 

…いえ、あの頃の私はただ"輝きたい"とだけ思ってたから…。もしかしたら彼のことなんて頭の中になかったかも知れないわね。

いろんなことに手を出しては失敗して。離れていく友達もいたけど、そばにいてくれた友達もいた。そんな人たちを他所に私は暴走してた。

 

そんな私の停止した頭に平手打ちを浴びせる出来事が起きたの。

 

 

 

 

 

「好きです!」

 

曲がり角を曲がろうとして聞こえたのはその一言。私はとっさにその角に隠れて様子をうかがったわ。

言葉を継げた後、手紙を渡して去って行く女子生徒と、手紙を持ったまま停止している男子生徒。

もちろん徳くんね。ちなみに女子生徒はどうやら徳くんの部活の後輩マネージャーだったみたい。後から聞いた話だけど。

 

徳くんはしばらく手紙を受け取ったままの姿勢でいたけど、女子生徒が見えなくなってから私が覗いている方をふりかえった。

困惑した表情も含まれていたけれど、誰も見ていないと思ってたのかその顔には照れた笑顔が輝いていて。

 

…とっさに逃げ出した。あの輝きを見ていられなくて。

そして思い出した、あの約束。

私はただ輝きたいんじゃなかった。徳くんに輝いた私を見せたかったんだ。ってね。なによ。輝きたいって。ただ徳くんに良い姿見せたいだけじゃないのよって。

こんなかっこ悪い姿じゃ全然駄目じゃない。笑えたわ。

 

 

 

でもだからこそ吹っ切れた。今が底辺だぞ、ここから頑張るんだ、そう自分に言い聞かせた。

 

 

 

 

 

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からの堕天(笑)よ!

 

なぜかそこから堕天しちゃったのよ!いろいろチャレンジした中で一番長続きしたことが一番の黒歴史よ!そのせいで高校に入って不登校になりかけて…泣

 

 

頑張って登校したらなぜか徳くんが女子校にいて。ズラ丸に励まされて。

 

私のせいでAqoursが失敗しちゃって…。でも徳くんはそんな私の心情を読み取ってくれて。よっちゃんと呼んでくれて。

 

…Aqoursの皆と追いかけっこして私の個性を認めてもらった日にね。千歌さんから聞いたの。

 

「徳丸さんはね。千歌達にヨハネちゃんを追いかけてほしかったんだと思う。徳丸さんがヨハネちゃんに何か囁いてた時の顔がね。そう言ってたんだ。あんな真剣な表情の徳丸さん初めて見たもん。」

 

…それホントかしらね?信じても良いのかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

津島善子を迎えてくれた暖かい居場所。いえ、津島ヨハネもひっくるめて迎え入れてくれたみんな。

 

そして私が善子であり、ヨハネである原因を作った男の子。

 

みんなまとめてリトルデーモンにすることは今は叶わなかったけれど、私はこの場所で輝いて見せる。

 

キラキラ輝いている徳くんの隣にたっても恥ずかしくないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからそれまで待っててね?










まずは意味分からないとおっしゃる皆様。申し訳ありません。
実は前回の話で(ヨハネの心理描写が足りねぇなぁ)と思ったのですよ。
それでせっかくなら1話作ってヨハネの徳丸への気持ちを書こうと思ったのですが…上手く表せた気がしません。
暇な皆さんは何回"輝き"って使ったか数えてみたら良い暇つぶしになるのではないでしょうか。
たぶんこの話は大幅に修正します。その時はまたお知らせしますね。
取り敢えずヨハネが可愛いってことを今の段階で理解して頂ければ問題はないかと・・・。

まぁ次回は平常運転に戻って日常。次々回も日常。そいでアニメ第6話に繋げようかと。話も動くみたいですし。日常回では曜ちゃんと梨子ちゃんにスポットを当てようかなと思っております。お楽しみに。


ではでは。
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