Fate/faceless king   作:ほにゃー

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森の狩人

私の名前はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。

 

穂群原学園小等部の五年一組に通うごく普通の女の子でした。

 

何故でしたと過去形なのかと言うと、私、魔法少女になりました。

 

自分でも何を言ってるんだろうと思います。

 

簡単に言うと、昨日の夜、お風呂に入ってると、突然窓からカレイドルビー、通称ルビーと言う、喋るステッキが飛び込んできて、私に魔法少女になりませんかと言って来た。

 

あまりの胡散臭さに私は断ろうとした。

 

『楽しいですよ、魔法少女!気合で空飛んだり!ビームで敵をやっつけたり!恋の魔法でラブラブになったり!』

 

そこで思わず、私は反応した。

 

ラブラブ………

 

私には好きな人がいる。

 

名前は衛宮陸。

 

私の弟だ。

 

弟と言っても陸は同い年で、お父さんの養子だから、血の繋がりは無い。

 

ちなみに、私と苗字が違うのはお父さんとママは色々あって籍入れてないから、陸の姓は養子縁組になってるお父さんの衛宮となってる。

 

後、もう一人陸のお兄ちゃん的存在で私の義兄の士郎お兄ちゃんも衛宮の姓。

 

つまりは、血が繋がってないから私と陸は結婚が出来る!

 

ここが一番重要!

 

まぁ、そんなこんなで結局ルビーに騙されたような形で無理矢理契約させられ、見事魔法少女になってしまったのです。

 

その後、ルビーの前の持ち主の凛さんが現れ、事情の説明とクラスカードと言うカードの回収をすることになってしまったのです。

 

お陰で、朝は寝不足で先生に授業中に怒られちゃった……………

 

そして、今日の放課後。

 

私は掃除係の陸を残し、教室を出る。

 

いつもなら掃除が終わるまで陸を待つけど、今日だけは陸を待たなかった。

 

無理矢理契約させられた形だけど、こんな機会この先絶対に無いだろうし、楽しもうと思って、ルビーに魔法を教えてもらおうと思ったからだ。

 

ルビーと話しながら、下駄箱を開けると何かが入ってるのに気付いた。

 

「あれ?これなんだろ?」

 

取り出してみると、それは手紙だった。

 

なんで手紙?

 

『おおっ!これはもしやアレですね!』

 

「アレって………まさか!?」

 

『そのまさかですよぉ!放課後の靴箱に手紙と言えば、これはラブなあれにまちがいありません!』

 

ら、ラブレター!?

 

漫画でしかそんなシチュエーションないと思ってたのに、まさか実在していたなんて!?

 

『さぁさぁ、イリヤさん。早く中身を』

 

「おおお、落ち着いてルビー。ここは冷静に……冷静に……」

 

人生初のラブレター(かもしれない)に、緊張しながら封を開ける。

 

こういうのって貰った場合どうすればいいんだろう…………

 

や、やっぱり断るべきだよね!

 

知らない人からもらっても困るし!

 

あ、でも…………陸からだったら嬉しいな…………

 

そんなことないと思いながら、封を開け、手紙を読む。

 

〔今夜0時に高等部の校庭まで二人で来るべし。来なかったら殺………迎えに行きます〕

 

ラブレターではなく脅迫状だった。

 

脅迫状をそっと封筒の中に仕舞い、ランドセルに仕舞う。

 

『………帰りましょうか、イリヤさん』

 

「………そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陸 SIDE

 

どうもおかしい。

 

時間は夜の十二時を越える二十分前。

 

イリヤが何処かへと出かけた。

 

思えば、今日の朝からどうも様子がおかしかった。

 

いつもなら俺が起こすまで寝ているのに、今日に限っては俺が起こすよりも早く起きており、そのくせ、授業中に眠りこけ先生に叱られる。

 

今日のイリヤはどこかおかしい。

 

「よし、後を付けるか」

 

パジャマから私服に着替え、イリヤのを追う。

 

気付かれない且つ見失わない距離を保ちつつ、電柱などの物陰に隠れながら、イリヤの後を付ける。

 

後を追うと、そこはうちの学園の高等部だった。

 

「夜中に、それもこんな所に一体何の用事だ?」

 

『第五計測変数に虚数軸を追加。反転準備を開始。複素空間の存在を確認。中心座標の固定を完了。半径二メートルで反射路形成。境界回廊を一部反転します』

 

ん?何処からか声が聞こえる。

 

「こっちか」

 

声が聞こえた方に向かって歩き、俺がそこで見たモノは………

 

「い、イリヤ……!」

 

「り、陸!」

 

魔法少女みたいなコスプレをしたイリヤだった。

 

「………イリヤ」

 

俺はイリヤに近づき、肩を叩く。

 

「大丈夫。お前がどんな趣味でも、俺たちは家族だから」

 

「酷い誤解だよ!」

 

「コスプレ趣味なんだろ?大丈夫、セラやリズ姉、兄さんには言わないから。もちろん、母さんと父さんにも」

 

「だから誤解だってば!」

 

イリヤは半泣きになりながら説明する。

 

「ちょ、なんで一般人がここに!?」

 

あ、イリヤばっか目が言って気が付かなかったけど、人がいたのか。

 

「あ、すみません。うちの姉がご迷惑を。ちゃんと責任もって連れ帰りますんで」

 

「いや、そうじゃなくて!てか、まずい!ルビー!一時中断!」

 

『無理です!もう遅いです!ジャンプします!』

 

何処からか声が聞こえたと思ったら、急に光が俺達を包んだ。

 

だが、光が収まると特に変わったことは無く、いつも通りの風景があった。

 

いや、いつも通りの風景ではあるが、いつものじゃない。

 

なぜなら建造物が地面に映っているからだ。

 

まるで鏡の様に………

 

「え?ここ………何処?」

 

「凛さん!どうして陸まで!?」

 

「しょうがないでしょ!ジャンプする瞬間に入ってきちゃうんだもん!今更、止められるか!」

 

『言い合いは其処までです!来ますよ!』

 

謎の声は、イリヤが手にしてるステッキからだった。

 

おまけに生物の様にぐにゃぐにゃとうねってる。

 

一体どんな材質だ?

 

「あの……ここは一体なんなんですか?」

 

事情を知ってるっぽいツインテールの女性に訪ねようとした時、校庭の中心から黒い煙のようなものが吹き出す。

 

「説明してる暇はないわ!構えて!」

 

「な、なんなのあれ!?」

 

「報告通りね。クラスカードは実体化するのよ」

 

「カード回収って見つけるだけじゃないんですか!?」

 

「残念ながら違うわ。カードはアレを倒して回収するのよ」

 

黒い煙は徐々に女の人の形になり、目を隠し、目隠しの中央部分には大きな目が一つぎょろりと着いていた。

 

「戦うなんて聞いてないよぉ!」

 

襲って来た女性の攻撃を横に飛ぶことで躱す。

 

するとツインテの人は赤い宝石を三つ取り出し、それを投げつける。

 

宝石は爆発し、女性を巻き込む。

 

だが、爆発が収まるとその煙の中から無傷の女性が現れた。

 

「やっぱこんな魔術じゃ効かないか。結構高い宝石だったのに……」

 

「効かないって……じゃあ、どうすれば!?」

 

「あんたに任せるわ」

 

「へっ?」

 

「魔術は効かなくても純粋な魔力の塊なら通用するはずよ。頑張って」

 

なんて他人任せだ!

 

そう思った時、女は鎖の付いた杭を手に攻撃をしてくる。

 

ステッキに引っ張られるように移動し、杭はイリヤの背中を掠る。

 

「掠った!今、掠ったよ!」

 

「イリヤ!避けろ!」

 

掠ったことに涙目で慌てるイリヤに女が再び攻撃を仕掛けて来る。

 

俺が声を上げると、またステッキが動きイリヤを移動させる。

 

『接近戦は危険です。ますは距離を取りましょう』

 

「そうだね。取りましょう、距離」

 

そして、イリヤは遠くを見つめ、一気に走り出した。

 

「きょおおおおおりいいいいいいいい!!」

 

イリヤが走り出すと、女も武器を手にイリヤの後を追う。

 

「逃げ足は速いわね」

 

「あの、一体これは?」

 

「巻き込んだ以上、貴方にも説明しないとね。私は遠坂凛。魔術師よ」

 

魔術師とかそんなアホなっと言いたいが、先程のことを思い出すと納得せざるを得ない。

 

「私はある任務でクラスカードって言う英霊と呼ばれる者の力が宿った危険なカードの回収を任せられてるの。あのステッキはマジカルルビーって言う、一級品の魔術礼装なんだけど、私をマスターにふさわしくないとか抜かして、イリヤと勝手に契約を結んだの。見ての通り、クラスカード回収にはルビーの力が必要なんだけど、ルビーを使えるのは契約したマスターのみ。本当なら一般人は巻き込みたくないんだけど、このままじゃこの土地にも被害が出るからルビーを説得できるまでの間、イリヤにカード回収を頼んでるの」

 

なんと言うか、面白い具合に巻き込まれてるな、イリヤの奴。

 

「きゃあああああああ!!」

 

その時、イリヤの叫び声が聞こえる。

 

振り向くと女の攻撃でイリヤが飛ばされていた。

 

「イリヤ!」

 

俺は思わず飛び出した。

 

倒れてるイリヤに駆け寄り助け起こす。

 

「イリヤ!大丈夫か!?」

 

「う、うん、なんとか………」

 

「二人とも、後ろ!」

 

凛さんが走りながら叫ぶ。

 

振り返ると、あの女が杭を投擲するように構えていた。

 

凛さんは宝石を投げて、攻撃を仕掛けるが、女は気にせず杭を投げて来る。

 

避けられない。

 

そう覚悟をし、イリヤを抱きしめる様に守る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いけど、一度助けた奴が死なれるのは俺の寝覚めが悪いんでね。死なせはしないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イリヤ SIDE

 

武器を向けられ、もう駄目だと思った。

 

陸に抱きしめられ、目をきつく閉じた。

 

だが、その瞬間、陸の体から光が溢れ、それが眩い閃光となった。

 

光りが収まると、私はいつの間にか、校庭の端っこにいた。

 

誰かに抱かれながら。

 

「………誰?」

 

緑色のマントを着て、顔をフードで隠し、右手に弓が装備した人。

 

「俺だよ」

 

「………陸……なの?」

 

陸の声を聴き、私は目を疑った。

 

陸の恰好は一体…………………

 

「よく分からねぇけど、俺にも戦える力があったみたいだ」

 

弦を張り、矢を装備して、陸は笑った。

 

「んじゃ、ぼちぼち始めますか」

 

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