「やっと来たか、待ち遠しかったぞ織斑一夏」
「俺もだラウラ。鈴とセシリアを傷つけた事を謝ってもらうぞ」
一夏とシャルルペアとラウラと夜竹さんの試合になり、ラウラは夜竹さんを下げさせている。完全に1人でやるつもりか、ってことは一夏とシャルルは先に夜竹さんを倒すのか。
「ねえ、どっちが勝つと思う?」
「何も無ければ一夏のペアだな、問題はラウラだな」
「あれ?何処か行くの?」
「トイレだ、別に遠くには行かないから」
今にもついてきそうな簪を留め、観客席から離れ1階にあるトイレに入っていた。男子にとっては学園では唯一気の休まる場所だが一箇所にしかないため移動が大変なのが困ったところである。
「はぁ落ち着く。でもなんだろう、嫌な予感が止まらない。・・ピットにでも行くか」
用を済ませ、手を洗うとピットまで歩いていると騒がしくなり急いでピットに向かうと既にISを展開した秋十が立っていた。
「秋十何があったんだ?」
「何、あのドイツの暴力女が暴走しているだけだ」
どういう状況か完全に分からず上条も着替え、ピットに出ると黒い液体がラウラを包みこみ、人間の形をかたどっていた。
「あれは、一体なんだ?」
「俺の姉さんだ。しかも、まだ選手だった頃の。なかなかいい、これこそ僕の立つ場所だ。あの化け物を倒すのは僕の役目だからね」
上条は無理だと止めようとしたが、その前に突っ込んで行った。後を追うように飛んで行ったが教師部隊が陣形を組み、お互いをフォローできる距離を保っている状態の中に秋十は飛び込んでいた。
「あの馬鹿、何突っ込んでるんだ。よし、一夏とシャルルは無事か」
「上条、秋十を止めてくれ。あれじゃ陣形が一瞬で崩される」
「その前にお前には仕事がある後であのラウラと戦ってもらう。とりあえず半分、これで十分だろ」
「上条、僕の残りのエネルギーを充填しておくから。今は秋十を止めて」
「ああ、わかった」
一夏の機体はあのラウラに全てのシールドエネルギーを削られたのか強制解除されていた。がまだシャルルのほうは残っていたのか、一夏のISにエネルギーを供給し始めていた。
「何をしている招集されていない生徒は避難しろ!」
「僕の零落白夜でシールドエネルギーを0にすれば一瞬であの化け物を倒せますよ」
「そんな勝算の少ないやり方は勧められない!」
その忠告を無視し、秋十はその場で瞬間加速で距離を詰めると零落白夜を発動させたブレードで切りかかるが、その前に横に回りこまれ鋭い一振りが振るわれたが、さすがは神に選ばれた人間と言われている人間なのかギリギリでその太刀筋に合わせて難を逃れたがその剣の速度は徐々に上がり3撃目で、今度はブレードが秋十の腹部に投影された。唯一使える武器を投げてきたことに驚愕し、反応が遅れた。
「な、ブレードをッ!」
その間に武器を回収され、振り上げた一撃でシールドエネルギーが0になり落ちていった。がそのせいで教師たちに一瞬の隙が出来、陣形から離れた隊員が出た。
「おい、集中を切らすな。陣形を保つんだ!」
声を掛けるがもう遅かった。すぐそこにまで来ているラウラにライフルを撃ったが、剣先で起動をすらされ後ろにいた隊員に当たった。仲間を撃ってしまったことに動揺し、動きが鈍った。そこにラウラの蹴りが顎に入り宙を舞った。次にその教師を踏み台にして上に飛び突進、その腕を掴み反対にいた教師に投げる。さらに加速して下にいた最後の1人に切りかかる。
「お前の相手は俺達だ。この人達は関係ない」
ガキンッ!と金属同士でぶつかり合う音ともに上条が当たる寸前で、アスカロンでその一撃を受け止めた。新たな敵と認めたのかゆっくりと上条の方を向くと、構え直し何も無い目でしっかりと見ていた。
「お前の相手は俺と一夏だ。関係の無いやつを傷つけるな。そんなに力でぶつかりたいなら相手になってやる」
「ダメだ生徒は下がれ」
「あなたは怪我人を運んで下さい。その間こいつの相手をします」
その言葉に反論をしようとするがその前に、ラウラの剣が真っ直ぐに飛び込んで上条の体を貫こうとするが、大剣についている極太のワイヤーで体の外に逸らした。そこには火花なが散り、何本かの細い線が切れた音がしたが上条は揺るがず、そこから斧のように飛び出た部分で刀身をへし折るように下に振るった。だがブレードをずらすことで避けられ、すぐに片手に持ち替え首を跳ねるように横に更に速度に乗った一太刀が襲うが上条は首を不気味な音が鳴るほど一気に倒した。耳のすぐ上を風が過ぎ、今度はノコギリのようになっている面で切り裂こうとした。それもブレードを逆手持ちで受け止められた。しかし、合わせてくれたブレードに力を込め今度は振り回し、中央まで飛ばすと上条も続き固く握り締めた右手で振り下ろされるブレードが当たる前に左頬を殴り更に後ずさりさせた。
「ただの強さじゃ俺は倒せないぞ、ラウラ」
すると供給が終わったのか一夏が飛んできたが全てを展開する事は出来なかったのかスラスターとブレードのみが展開された。
「上条、すまん遅れた」
「いや、大丈夫だ。一夏には最後の止めを頼む、あと俺がどうなってもあいつは助け出してくれ」
そう言い上条は剣をひっくり返し、薄くなっている部分で切りかかる。それを簡単に止められるが更に押し滑らせ、根元よりは薄い中程にあるスパイクで止めると上条は地面まで一気に加速して叩きつけると地面に剣で縫い止めていた。がすぐに拘束は解かれ上条の心臓狙うように刺すようにして加速してきたラウラを当たる手前で位置はずれているが白刃取りで受け止めた。その危ない状態でまた上条は呟いた。
「一夏、このあと何があってもあいつを助けろ」
その直後上条の体をブレードが貫き、血が飛び散り口からも少しずつ漏れ始めた。その光景を見た一夏を除い人間全てが目を見開いた。
「ゴハッ!・・逃がすかよ。この剣は抜かせないからな、この大馬鹿野郎」
ラウラは必死に抜こうとしているが上条は刺さっているブレードを握り抜かせまいと止めているがそのせいで今も上条の肉体を蝕んでいた。ならばと空いている片手で振り払おうとしたが上条はその手を蹴り外に大きく出した。
「はあああああああああ!」
タイミングがなんとかあったのが瞬間加速した一夏が胴体を切り裂いた。すると中から意識を失った状態のラウラが外に倒れこんできた。それと同時に上条は刺さったブレードを引き抜き投げ捨てた。
「ったく迷惑のかかるお嬢様さんだ。うっ!痛、なんとか心臓は逃れたか」
「上条、馬鹿何やってるんだ!」
「ふう、俺はいいラウラを先に運べ。俺の傷は1時間もすれば治る。ラウラの方が状態は危ないんだ、速く!」
「ちっ!分かった。先に倒れたらぶっとばすぞ」
「ああ、約束だ」
ISを解除し、傷口を押させながらふらふらと歩いていたが、運悪く途中で楯無さんに捕まり部屋まで連行されてしまった。
「ここは、一体」
ラウラが目を覚ましたのは真っ暗な世界だった。声を出しても何も響かなかった。辺りを見回すと急に目の前に2つの扉が現れた。
「なんだ、これは」
もしかしたら、ここは死んだあとの世界なのかと思いラウラはどきらの扉を開けようか考えていた。何も無い真っ暗な場所にいるよりはマシだが、どちらかを選ぶのにどうしても困っていたが手を掛けたのは左の扉だった。
「なんだ、天国でも地獄でも無いのか。なら、一体」
ギイーと軋む音とともにその扉の中に入った。生まれてから軍事施設くらいしか彼女は見た事がないが、そこにはどこにでもある一般的な玄関らしき場所だった。不用心に扉は開いておりそのまま入っていき階段を上っていくと、ある部屋の前で2人の少年が少し出来た隙間から中を覗いていた。
「おい、何をやっている」
片方の少年に触れようとしたが振り抜け、あろう事か扉もすり抜け部屋の中に入った。慌てて頬をつねると痛みがなく夢の中だと思った。さの部屋には中学生くらいの少女がベットに腰を下ろしていた。ひどく疲れているのか、外にいる2人には気づいていないようだった。だがその顔をよく見てみると、顔立ちには見覚えがあった。今ほど、凛々しくはないがはっきりとラウラは分かった。そして、少年達の方も慌てて見ると、2人の顔立ちは秋十、一夏に似ていた。まさかと感じ少年達の話を聞いた。
「姉さん、遊んでくれないかな」
「……そんなこと言っちゃダメだよ、秋十。我慢しないと」
この会話を聞いて納得したというか納得せざるえなかった。
「これは、やつの記憶なのか」
そう思った時にはまた場所が変わり今度は、水で満たされた場所だった。そして、そのプールの表面には薄っすらと凍りわずかに雪が積もっていた。そこにあの時より成長した一夏が突き落とされていた。この寒さの中で、寒中水泳でもやるつもりかと勘違いしていたがそれは間違いだった。
「調子に乗るな、この出来損ないが」
「あの立派なお姉様や弟の足を引っ張るしか能がないくせに」
口々にそう言うと数人の少年達はまだ水中にいる一夏を放置してその場を去る。
「大丈夫。大丈夫だこんなの・・・なんともない」
いなくなった隙を見て濁ったプールから上がった一夏はそう呟いたが。どう見てもそんな訳はないと思った、厚手の冬服を着ているがそれでもその手は震えていた。
「なんだこの過去は、それに出来損ないというのはどう言う意味だ」
パァンッ!と音が響きまた場所が変わった。
「ここは道場というやつか」
日本の漫画文化に興味を持っている部下の影響か場所の特定には時間はかからなかった。道場の中央では防具をつけて試合をしていたがほどなくして片方が制し両者は面を取っていた。片方はやはり幼い一夏だ。相手は光の加減で見えないがポニーテールと顔のラインから少女だと分かった。
「この未熟者が!」
パシッ!と先程面を打った時とは異なり、酷く鈍い音が響く。目の前の少女が面をつけていない一夏を顔を殴ったのだ流石に試合のように強くはないがそれでも一夏は痛みに顔を歪めていた。
「この程度か。最強の千冬さんや天才の秋十の身内だと言うのに、貴様の力はその程度なのか!」
何度も竹刀で殴られ頭から血を流すほどの暴力を振るわれても。プールの時と同じようにまた、大丈夫だと呟くばかりだ。その後も場面は変わり教室にいた。テストの返却をしているのが一夏だけは囲まれ、殴る蹴る行為が目に入った。その後何度も場面は変わるが、勉学でもスポーツでも成績ぐ悪ければ出来損ないと罵倒の嵐にあい、十分に評価される結果を出せば、ズルをしたんだ、調子に乗るなと、彼の成果は叩き潰された。終わりのない負の言葉と暴力にラウラも吐き気を覚えた。
「やっほーいっくん久しぶりだね〜」
この人物は一体誰なのだろうか、馬鹿にするわけでもなく話している。この時の一夏はすっかり大きくなり今と同じくらいの体格をしているが目にはあまり光が宿っていなかった。それでも話始めると少しずつだが光が宿っていった。
「ごめんね、うちの箒ちゃんが。はい、かなり早いけど誕生日プレゼントだよ。あっこれはあっくんには黙っててね。バイバイ〜」
一夏の手にあるのはブレスレットのようなものだ。気がつくと目の前から消え一夏だけが残されていた。さらに場面は変わり寮の屋上に一夏と上条が2人で立っていた。2人以外、誰もいないその屋上にゴギッ!と鈍い音が響いた。
「お前はそれでいいか?いつまでも惨めに2人のお荷物なんて言われて悔しくないのか!」
これはまだ私が入っていない頃の場面かそれにしても何故あいつは熱くなっている。
「もう天才に勝てないと思ったから努力をやめただと。勝手に自分に限界を決めつけるな!自分の思ってる限界を限界だと思うじゃねえ!そう言うのはな、最後まで死ぬ気でやり抜いてそれでも無理だった奴が言うことだ。挑戦もしてないくせに弱音を吐くな!」
「人の気持ちも分からないような、初めて会った人間が偉そうに語るな!どんなに努力しても周りは認めてくれない、暴力と罵倒を散々に受けてどれだけ心が壊れているか分からない奴が!」
「誰1人その努力を認めなかったか?」
「認めてくれるやつはいたよ、でもそれで誇れるわけないだろ。俺は、秋十も千冬姉を超えたいんだよ!」
「なら、いいじゃないか」
「なに?!」
「なあ一夏、なんでその友人か分からないけどその人が認めてくれだ事を誇れないんだ?別に全ての人に認めてもらわなくてもいいだろう。たった1人でもそれを認めてくれるやつがいるんならそれを誇りに思えよ。あいにく俺には友達なんてやつは今まで出来なかったけどな、それでも認めてくれる人はいたよ。どんなに小さな成果でもそれを凄いと言ってくれる人がな」
「だからなんだ。それは単なる自己満足だろ、そんなものに誰がすがるか」
「それで十分だ。なぁ一夏お前は秋十と千冬さんを超えたいって言ったよな、じゃあ超えたあとは何をするんだ?お前の本当に望んでいるのはそれなのか?」
「え」
「例え話だ、もし千冬さんをお前は超えたとするお前は一体何をしたい?超えたところで千冬さんが歩いてきた道を通ってくるだけだ。お前は1人になるのが嫌だった。誰かに見て欲しかった。この2つが望んでいることなんじゃないか?」
「ああ、そうだよ。けどどうしろって言うんだよ。もう時間は戻らないんだ」
「とりあえず。いまは秋十よりも強くなれ、力でも気持ちでもな」
「秋十にいまから勝てるわけないだろ。どんなに努力しても超えられなかったやつだぞ」
「その為に俺がここに来てるんだよ。お前が本気なら俺もしごいてやる。いいか、1つ教えてやる。やって失敗するのは何も恥ずかしことじゃない、何もやらないで失敗することの方がよっぽど恥ずかしいことだからな」
上条は手を出すとその手を一夏は思いっきり握っていた。その瞬間また最初に見た暗い場所に戻っており、ラウラはまだ見ていない右側の扉に入った。だが入ってすぐに何千もの映像が一気に目に入り込みその苦しさに徐々に意識とられ薄れていった。
「うぅ・・」
目を覚ますと、最初に目に入ってきたのは天井だった。
「気づいたか」
その声に聞き覚えがあった。それは敬愛する織斑千冬だった。
「・・・わ、私は・・・」
「無理はするな、全身に負荷をかけ過ぎたせいで筋肉疲労と打撲がある」
「何が・・あったんですか?」
「・・一応、重要案件であるうえに機密事項だか。VTシステムは知っているか?」
「はい、正式名称はヴァルキリー トレース システム。過去、モンド・グロッソで部門受賞者の動きを模倣するシステムで確か・・」
「操縦者への負担が大きくなるため、IS条約で使用どころか研究、開発までもが禁止されているはずだが、お前のISに組み込まれていた」
「・・・」
「巧妙に隠されていたようだな。操縦者の精神状態、機体の蓄積ダメージそして何より、操縦者の意思、いや願望がそろうと発動するようになっていたようだな」
願望という言葉に顔をしかめた。一夏とシャルルの連携に徐々に追い詰められ、最後には何を言ったのか鮮明は分からないが、それでも力に溺れたのは分かる。織斑千冬に憧れ、力の象徴として唯一無二の存在になろうと。
「私が、求めたからですね・・」
「ラウラ・ボーデビッヒ」
「は、はい!」
急に名前を呼ばれ慌てて顔を上げる。
「お前は誰だ?」
「わ、私は」
「誰でもないならちょうどいい、今からこれからお前はラウラ・ボーデビッヒだ。まだ3年も精々悩めよ15歳。・・・あ、あとお前に見舞客がいるぞ」
入って仲のいい人は1人もいないし見舞に来る人などいないはずだが扉が開き入ってきたのは上条と一夏だった。
「おう、元気そうだなラウラ」
「お前が言うことじゃねえよ。肋骨を1本へし折って、一部の臓器を傷が入って癖に」
「何故お前達がここに」
その言葉に一夏と上条は首を傾げた。
「何故って、怪我人の見舞に来て悪いか?」
「同じく」
そんなの当たり前だろ、と言いたそうな顔で2人は言っているがラウラ本人は驚いていた。
「見た感じは門題なさそうだな」
「ああ、なんだか左頬が痛いがな」
「そりゃよかった。殴った甲斐があったよ」
「軽々と女の顔を殴るとは度胸があるな」
「それが俺やり方だからな」
「はぁ、・・上条お前はまだ部屋で休んでおけといったはずだが」
「別にこのくらいの怪我なら問題ないです。大げさなんですよ」
「動きを止めるために、自分から刺されに行くやつが何処にいる。早く戻れ、心配させるな」
了解です、と言って上条は出ようとするとまた慌てて走ってきた山田先生が来ていた。
「あ、織斑君に上条君ここに居たんですね。ちょうどよかったです」
俺もあと少し早かったら胸を触りそうだったんで、ちょうどよかったです。ここで変態扱いされないで。
「男子には朗報です。なんと今日から男性の大浴場が解禁されました」
「あれって確かまだ先なんじゃ?」
「それがボイラーの点検が早く終わったので折角なら男子4人に使ってもらおうと思ったんですけど。秋十君はまだ意識が戻らないようなので」
あ!すっかり忘れてた。強敵を前にするとどうしても忘れるな。途中から飛び込んですぐに終わったんだよな。
「一夏君は同室のデュノア君を呼んできてもらえませんか?上条君は少し遠いですけど」
「ああ、はい。2年の寮にあるのじゃ流石に入れないか」
「すみませんが流石に無理ですね」
まあ、大浴場で足を伸ばして広々と入れるのはかなり助かる。て言うか楯無の事を気にせずゆっくり入れるのは助かる。
「大浴場の鍵は私が持っているので脱衣所の前で待ってます」
「ええ、一年の方に行くの〜」
「当たり前です、誰が女風呂に入りますか!」
「え、男子ってみんな入りたいもんじゃないの?」
「それは一部の人間です、俺も勝手に含まないください」
上条は着替えを取ると足早に部屋を出て行った。疲れが溜まっていた上条と一夏は入るなりすぐにお湯に浸かっていた。
「はぁ、疲れた〜」
「おっさんみたいだぞ。イテテ、ああ傷口にしみる」
一夏を見ると腕の所々に切り傷が残っていた。上条も胸を刺された傷があり痛みはあるが、それでも入っているだけで気分はかなり楽になっていた。
「毎日こうやって入れるともっと楽になれるんだけどな」
「それは無理だろ女子の方が圧倒的に多いんだから。まあ俺もそうしたいな」
久しぶりに入る風呂に2人はだらしなくなっていたが、もう1人はいってくるのを忘れていた。
「お、おじゃまします」
「ぶっ!」
「え、何でシャルロットが?!」
「いや、僕も入ってみようかなって」
「じゃじゃあ、俺は出るよ。ゆっくり入ってくれ」
「え、僕と一緒じゃだめ?」
「いや、一緒の風呂に男女が入るのは。なあ、そうだろって、こいつもう寝てる」
「ん、おおシャルルもう来たのか」
「おい、この状態に違和感を感じないのか?!」
「そう言われてもな。毎日バスタオル一枚でシャワー中に突入してくる楯無さんに慣れたせいで、見慣れた。いや〜慣れって怖いな」
「そんな呑気に言うことじゃねぇ!」
「なら、問題無いよね?」
「あと、頼むからせめてタオルで体は隠してくれ。ずっといるのは流石に耐えられない」
「う、うん。それに大事な話があるんだ」
「ぐっ!・・分かった」
ゆっくりの腰を下ろし少しずつ、シャルルは入り一夏と背中合わせになった。
「あのね一夏。お礼を言いたいんだ。ありがとう」
「お礼?・・ッ!」
温かさとまた別の感触が背中に当たり一夏は顔が赤くなったがそれを全力で抑えつつ、どういう事か聞いた。
「うん、アリーナまで移動する時に助けてくれた事、医務室で庇ってくれたこと、……それに周りに流されるだけの僕に抗う気持ちを思い出させてくれた事。この学園に来てからはほとんど一夏に助けてられてばかりだから」
「いや、でもそれは上条が手伝ってくれたからで・・え!今度はいない!?」
いつの間にか、端で寝ていた上条の姿は消え一夏とシャルルの2人だけになっていた。
「上条君にも感謝はしてるけど、僕は一夏に一番助けてもらったよ、ありがとう」
「ふぁああ、眠い。ここ最近ほとんど寝ないで走ったりしたせいか、一気にくるな」
「お疲れ、どうだった?大浴場は」
「まあ、疲れが取れてよかったですよ。でも時間を気にして入らないといけないのはちょっと大変ですけど。ふぁああ」
もうそろそろ寝ようと思っていたが急に扉が開き来客が現れた。
「上条、怪我は大丈夫か?」
「フォルテさんこんな時間にいいんですか?」
「こっちは怪我をした後輩を心配して来てるんだ。まあ、こっちの寮長さんは少し甘いからこのくらいは軽い注意で何とかなる。それより傷は」
「傷は塞がりましたし、ただの刺し傷ですよ」
「自分から留めるために刺されに行ったって聞いたぞ。一夏は目の前で見たし聞いたって言ってたけどそんな傷を負って大丈夫な訳無いだろ」
上条を手前のベットに座らせると、着ている服を脱がせ傷口を見ていた。完全に塞がってわいたがその周りに血がこびりついていた。
「おいおい、本当に大丈夫かよ。あと少し下にいったら心臓に届いてるぞ。あと、下のこのさらしはどうしたんだ?」
「・・古傷が多いんで隠してるだけです・・よ・・」
「あれ、おーい。寝たのかよ、どんだけ疲れてるんだよ」
「この頃寝ないでずっと外を走ってからね。多分、このトーナメントが終わるまでずっと1日通してトレーニングばっかりしてたからね」
「それはまた随分と無理してるな。まあ、それがこいつの強みなのかもな。自分を犠牲にしてでも仲間を助ける、って感じか、変わったやつもいるな。さて、私も寝るか」
さりげなくフォルテは上条と同じベットに入り寝ようとし始め楯無は止めに入った。
「ちょ、自分の部屋に戻りなさい。寮長に言いつけるわよ」
「なんだ、そんなにこいつと2人でいたいか?まったくあの生徒会長さんもぞっこんかよ」
「ち、違うわよ。彼はただ遊び相手だし、普通のルームメイトよ」
「なら、一緒に寝るか?」
ニヤニヤと笑いながら空いている上条の反対側の手を指差した。少し耐えるも一度はやってみたかった楯無は結局、誘惑に負け添い寝する事にした。余談だが次の日、楯無とフォルテの肌ツヤが良くなっていたという。