IS学園の異端児   作:生存者

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第30話

「なんか、嫌な予感がするな」

買いたい物はとりあえず買い終わり、合流できていないアリサを探しに1階をふらついていると根拠はないが嫌な感じに襲われていた。

 

「そう言えばさっき通ったあの銀行、誰も出て来てないな」

すぐに銀行前まで行くと案の定扉が閉まり、自動ドアの電源も切られていた。

 

「ん〜やっぱりと言うか、まんま予想どうりだな」

そのまま、強引にこじ開け思ったが中に誰がいるかも分からないので店舗の裏あたりにある従業員用の扉から入ろうとする。ドアノブには番号のパスワードが設定されていたが適当に番号押しを難なく、通り向けて入った。

 

 

 

 

その頃、中では金を積み終えた犯人達が出て行く準備に入っている。

「おい、これで全部か」

銃を向け脅すがこれ以上はないと表情で訴え、それを読み取ったのか手を引くとなにやら合図を送り、全員が一斉に歩き始めるがリーダーらしき人物が足を止め、水色髪をした2人の姉妹に近づく。

 

「おい、更識簪。お前は俺たちと一緒に来い」

 

「え」

目を見開いて驚くが、それよりも自分の名を知っている事に以上に違和感を感じた。隣にいる楯無も驚くが初めて見た人が自分達の名前を呼んでいる事が気にかかった。

 

「早く来い、他の人間が死んでもいいのか」

銃口をまた別の人に向け、脅しかける。ここで迷惑を掛けたくない気持ちがありすぐに男に近づいて行く。

 

「素直だな。まあ、反抗しても殺していたが」

 

「ちょっと待ちなさい」

 

「あ?なんだ」

 

「妹を連れていくなら、代わりに私を連れて行きなさい」

 

「は!仲良く姉妹ごっこかよ。そんなに犠牲になりたいか?」

 

「自分の妹に怖い思いをさせるわけないでしょ」

 

「そうか、いいだろう・・・」

それを聞いた楯無は相手に分からないように作る。ここから離れた瞬間に全員を片付け用と考えていた。最悪、念の為と持って来ておいたISで強引に行動不能にする事も出来るからだ。

 

「ただし、身につけてる待機状態の専用機を俺に渡せ」

思わず動揺が表に出そうになる楯無に目の前の男は不気味な笑みを浮かべる、

 

「お前が対暗部の更識家当主だって事は知ってるんだ。わざわざ、自分の身をさらすのなら、代わりに俺たちを片付けるに決まってる」

完全に逃げ場を失った。1人で倒そうものならどんなに頑張ろうと犠牲者が出る。かと言って1人で行けば何をされるか分からない。

 

「どうした、妹を見捨てるか?」

 

「・・・いいわよ」

楯無はアクセサリーのように中央に飾りが施された、首飾りを差し出す。受け取った男は別の男に見晴らせてじっくりと見始めた。

 

「確かに本物だな。おい、妹の方を離せ」

約束どうり、簪は離され壁際に戻った。

 

「さて、そろそろ出発したい所だが」

そう言って先程を受け取ったアクセサリーを床に落とすといきなり、それを踏みつけた。一度で中央にさの宝石にヒビが入った。

 

「よかったな、更識楯無。これで自分の地位を盗られる心配はなくなったな。まあ、まあ、これからお前は全てを失う事になるが」

ギリッと歯ぎしりする音が響く、悔しさと憤りが混ざった目が男を指刺すが、何ともないような顔で流す。

 

「大丈夫だ、お前の事はしっかり歓迎してやる」

 

「そうだな、てめえも歓迎してくれぜ、刑務所がな」

第三者の声が聞こえとっさに振り返ろうとするが、それよりも早く無防備の脇腹にめり込む。メキメキと体が声を上げながら立て掛けの椅子を巻き込み壁に激突する。

 

「ってぇ、誰だ」

 

「どこにでもいる学生だ」

 

「ははっそうかよ、じゃあ死ね」

目にも留まらぬ速さで銃を抜き取るが、その時には目の前に拳が迫り宙に浮き上がっていた。

 

「こいつ」

周りにいた仲間らしき男は近くにいる人質に手を伸ばすが衣服に触れるか触れないかな所で腹に強い衝撃が走り体中の力が抜け倒れた。

 

「おい、こいつがどうなってもいいのか!」

2人目の男に強烈なエルボを叩き込み、次の標的を探ている時に人質を取りこめかみに銃を向ける男がいるが、軽く手を後ろに回し何かを取ろうとする。

 

「どこを見てる」

目線が体からズレた隙に一気に背後まで移動するとかかとの回し蹴りが側頭部に直撃し、あまりの威力に地面に叩きつけられバウンドしていた。

3人が終わっとこでいきなりバックステップを行う。その直後、さっきまでいた場所に銃弾が着弾した。今度は瞬時にその場にしゃがんだ後、バク転をするように一気に飛び上り銃弾を回避する。さらにそのまま連続でバク転を繰り返し、10mほど空いた所で止まると、先程蹴り上げた銃が足元にあり、それを目の前の男向かって蹴る。一直線に飛んだ銃は、自分に照準を合わせている男の銃に当たり飛んで行った。

 

「これで終わりかな」

軽く走って接近し、ジャブくらいの弱いパンチを繰り出す。それは軽く受け流され、代わりに頭突きを貰いそうになるが、無理矢理体からを引いて、相手の服を掴むと強引にそこから持ち上げ地面に叩きつける。衝撃で息が漏れ、慌てて呼吸を試みるがそのまえにかかと落としが腹に直撃し意識を刈り取られた。

 

 

 

 

 

 

「なんか、騒がしいな。一体何があったんだ?」

さっきから戻ってこない上条をアリサと友人は店内の慌ただしさに、何事かと思っていた。

 

「なんか、銀行で強盗かあったみたいだな」

 

「え、強盗!こんな身近であるんだね」

 

「いやいや、そんな呑気に言ってる事じゃないよ?」

 

「でもなー、この頃よくニュースでも銀行強盗が多発してるって言ってるから、ここでも起こっても不思議じゃないと思って」

 

「確かにそうだけど」

 

 

「おう、アリサ大丈夫か?深刻そうな顔になってるぞ」

 

「ふぇ?!当麻君?」

 

「どうしたそんなに慌てて?」

少しリアクションが大きくないか?と心の中で思ったが案外すぐに落ち着いた。

 

「って当麻君、血!血が出てるよ」

軽く右の頬を撫でると僅かながら血が付いていた。幸い傷も浅く、

 

「ん?さっきのか。気にするな、大した傷じゃないしすぐに治る」

 

「でも・・・」

 

「ダメよ、しっかり手当てしないと。ただでさえ君は怪我の回数が多いんだから」

 

「え、ちょっ楯無さん?!急に引っ張らないで!」

いつの間にか後ろに立っていた楯無さんに引きずられていく、心なしか少し顔色が悪そうに見えた。

 

 

「今の誰?」

 

「片方は分かったけど、あの男子が分からない。と言うか今のがアリサの連れ?」

 

「うん、そうだよ。いつもは頼りない感じだけど、いざって時は誰よりも頼りになる人かな」

 

「ん、あの楯無って人は確かIS学園の人だよね。その人と仲良くしてる。・・・え、まさか」

 

「多分、今考えてる事であってると思うよ」

 

「え、じゃあ付き合ってるって事?」

 

「違う!まず1人も付き合った人がいないし」

 

「なら、幼馴染みとか?」

 

「それも違う」

 

「となると、同じIS学園にいるかじゃない?」

 

「いやいや、それはないでしよー。だって、あそこに行った男子って3人だけなんだよ。こんな偶然はないでしょ、ねぇアリサ」

 

「え、あってるよ」

 

「・・・えっと冗談?」

 

「冗談じゃないよ!」

とつい声を張ってしまったアリサにいつの間にかメールが届き。少し時間が掛かりそうだから先に約束の店で待っててくれと書かれていた。

 

「どうした?自称彼氏さんから励ましのメールか?」

 

「だから違う!戻るのに時間が掛かるから先にお店に行っててくれって来たの」

 

「じゃあ、私たちもそれまで待ってるか」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、施設内に設けられた

「痛てて、直接傷口に消毒液を流し込まないで!」

 

「いいからお姉さんに任せなさい」

 

「危なくて、任せられませんよ!」

危なっかしい場面になっているが、管理している側もただのじゃれ合いのように見えるのか仕事場に戻って行った。

 

「はぁ、まったく毎回危険なことばっかりするわね」

 

「楯無さんにも言われたくないですね。いくら簪の為とは言え無茶だと思いましたよ」

 

「いいのよ、いままでかんちゃんには迷惑をかけて来たし少しくらいはらしい事くらいはしたいの」

 

「そうですか、俺としてはいつまでも一緒にいて欲しいと思いますよ。長年、疎遠だったようですからね」

 

「そうね。まだ時間はあるし、いままで向い合えなかった分もあるから一緒にいるつもりよ」

手当てが終わり、上条は楯無にお礼をすると部屋を出ていく。ちょうど入れ違いで簪もその部屋に入って来るときに

 

 

「当麻君、助けて〜」

 

「うお!どうした?」

上条を見るなりいきなり走り出して迫って来る。それを正面受け止めた。何が起こったのか分からない上条はとりあえずアリサの話を聞いてみるが特に逃げて来るほどの事じゃないのかと思ってしまう。

 

「質問責めにあったか。それくらいなら、1人で十分じゃないか?」

 

「無理だよ〜冗談だと思われてるしその・・・証拠がないんだもん」

 

「分かった、とりあえず話をつけるから一緒に行くぞ」

場所は分かっているので、席まで行くと色々と誤解やら冗談だと思っている友達に分かっていない事を全部話していた。少しは誤解が解けたのか何とか納得してくれた。

 

「疲れた、思春期の女子ってあんなに気になるもんか?」

 

「普通は気になるよ。一様当麻君だって有名人なんだから」

 

「そんなもんか。さてと、そろそろ昼頃だし何食べる?」

 

「え、無理しなくてもいいよ。自分で取りに行くから」

 

「俺はいいんだよ。アリサこそ、いつも歌と勉強の両立で大変な思いをしてるんだから少しくらいは休んでくれ」

上条に休めと念を押され、アリサは1人で戻って来るまで荷物番をする事になった。しばらく、待っているうちにキョロキョロと周りを見ながら歩いている水色髪の少女が気になった。

 

「あのどうかしましたか?」

 

「え、あの空いてる席を探してるんですけど。その・・全然見つからなくて」

 

「それなら、相席で一緒に座ってもいいですよ」

 

「もう1人いますけど、いいですか?」

 

「もちろん、構いませんよ」

笑顔で答えると安心したのか、もう1人の連れを呼びに走って行く。

 

「友達と来てるのかな?それにしても何処かで見た事がある髪色だったような・・・」

何かモヤモヤとしたものが残るが、原因が分からず唸っていると

 

「すいません、お待たせしました」

ちょうど来た為、考え事をやめると軽く促し座るのを座ってもらった。

 

「ごめんなさい、こんな時に相席をお願いしてしまって」

 

「いえいえ、困った時はお互い様ですから」

と言うと携帯電話を開き溜まっていたメールの整理を始めた。コンサートの予定やらレコーディングの時間など細かいものが多くあり、1つ1つ目を通しているとずっと前から視線を浴びているのに気づく。

 

「あの何か付いてます?」

 

「あ、すいません。あのアリサさんは上条君とどんな関係なんですか?」

 

「え、ちょ!かんちゃん」

 

「あの・・・どうして分かったんですか?」

一応、すぐにバレないように外に出る時は伊達メガネを掛けるようにしているがあっさりと見破られた事に驚く。しかし、元から誰か分かっていた2人には全く意味がなかった。

 

「なんで、上条君の事も知ってるんですか?一体誰なんですか?」

 

「えっと、ごめんね。申し遅れました、IS学園で生徒会長をしてる更識楯無です」

 

「妹の更識簪です」

 

「・・・」

あまりに驚きすぎて声が出なくなってしまったが、そこへ頼んでいた昼食を乗せたおぼんを持って上条が戻って来る。

 

「あれ、簪に楯無さんも昼飯ですか?」

 

「あ、上条君」

 

「そんなところかしらね。上条君は彼女さんとデート中みたいだけど」

 

「デ、デートって私と当麻君はそんな関係じゃ・・」

 

「楯無さん、俺は誰とも付き合ってませんよ。それに俺じゃアリサとなんて釣り合いません」

 

「男女が一緒にいれば世間一般ではデートって扱いになるのよ」

 

「アリサとは友達です。それ以上でもそれ以下ありません」

ありのままの事実を言った上条だが、あまりにストレートな言葉にアリサは少し顔を膨らませた。

 

「あれ?アリサどうしたんだ、不機嫌そうだけど」

 

「何でもないよ。いつも通りの当麻君だと思っただけ」

明らかに拗ねているのに気づかず困った表情をしながらお盆に乗ったコップを手に取る。そのまま口に流し込んで飲むが、僅かに粉のような細かい粒が入っている口触りに?と頭を傾げるが、特に異常も感じる事もなく全て飲み干す。

その時目の前を横切る女性がこちらを見て他人には分からないように笑っているように見えた。妙に視線が合う事に不信感を抱くが僅かに目線をそらした時には何処にもいなかった。

 

「なんだったんだ今の」

 

「どうかしたの?」

 

「あ、気にするな些細な事だ。さそれで簪は何も食べないのか?さっきから気になってたんだけど」

 

「先に頼んで来てるから、今は待ってるだけ」

 

「あ、そうなのか。んで今日はどうして来たんだ?もしかして、代表候補の合宿前の息抜きか?」

 

「・・・そうかな、お姉ちゃんも一緒にあるみたいだし、いいかなって思ったから」

ストーカーをしてましたとは言えず、ありそうなことをでっち上げて言うが目線が完全に避けている為明らかにバレそうになる。

 

「そうだよな、候補生の合宿じゃ大変だし息抜きも欲しいよな」

そんなバレバレの嘘にも気づかず、2人は心の中でホッとする。

「そんなに大変なんですか?」

 

「まあ国を背負っている訳だし、プロのスポーツ選手と同じくらいの体作りと戦闘訓練を2日か3日くらいはやるわね。って上条君にも通知が行ってるし知ってるはずだけど」

 

「・・俺は行くつもりはありませんよ。大体、候補生でもないし、自分の事くらいは自分でどうにかします」

 

「一応義務なんだけど」

 

「なら、そこら辺の学生程度に負けるような生温い練習なんかに出ても意味がないと思いますが?」

 

「でも、一応行かないと。義務なんだし」

 

「行くにしても、その前に色々とやる事があるからな」

 

「例えば?」

 

「町のゴミ拾いと、その後実家から少し遠くにある農家の人の手伝いですかね」

どれも身勝手な用事になるが、ただ遊ぶのかと思っていた3人は驚く。

 

「どうも人手が足りないとか頼まれたんですよ。まあ、市長にはいい広告として使われてますけど」

 

「でもそれが嫌なら出なくてもいい気がするけど」

 

「困ってる人をほっとけないから、てところかしら。学園じゃ一夏君と同じくらい人気あるのもそのせいね」

 

「でも昨日の一件で相当落ちたんじゃないですか?」

 

「昨日?何があったの?」

あくまで一般の高校に通っているアリサには話が分からず聞いてみる。

 

「んーあれを話してもいいのか分からないな」

 

「・・・微妙なところね。でも誰にも言わないなら問題無いと思うわ」

 

「なら、やめておきます」

 

「え、なんで?」

 

「多分、声出るからな。来週まで待っててくれ」

 

「来週・・・あ、今年もやるの?」

 

「ああ、そのつもりだからその時に話すよ」

 

「あれって一体なに?」

 

「その2年前から毎年当麻君の家でバーベキューをしてるですよ。友達数人と当麻君の家族と一緒に」

 

「そうなんだ・・・じゃあ私も行っていいの?」

 

「いいぞ、大人数でやる方が盛り上がるしな。楯無さんもどうですか?」

それにふたつ返事で返す楯無に簪は思わず苦笑してしまう。元から行く気満々なのを知っていたのもあり必死にそれを表面に出さないように堪えて言っているのにどうしても耐えられなくなったのだ。

「お、簪。なんか鳴ってるぞ」

ふとポケットの中に入れていたブザーが鳴っていた。オーダーした料理が出来た合図に2人は一緒に立ち上がり取りに行った。

そんなに時間も経っていなかったこともあり、料理が冷めることもなかったので4人で一緒に食べ。その後も4人で洋服を探したりと楽しい時間を過ごした。

 

 

 

 

 

日が落ち始めた夕方頃、1日存分に楽しんだ4人は帰る為駅に訪れていた。

 

「じゃなあ、アリサ」

 

「うん、またね当麻君。楯無さんに簪さんもありがとうございました」

帰る方向が全員バラバラになのだが、まだ電車が来るまでの時間があるため集まっていたが、ちょうどアリサの乗車する電車がそろそろ来そうになっていた。

 

「じゃあね」

 

「またね、アリサちゃん」

 

「さよなら。あ、当麻君ちょっと右向いて?」

 

「え、右?まあいいけど・・・!」

飛びつきながら上条の頬にキスをしてきたのに驚く。

 

「じゃあねー当麻君」

そんな驚いている上条に手を振りながら走り去って行くアリサをただ簪と楯無は見ているのが精一杯だった。

 

 

「えっと・・・じゃあまた」

 

「また、じっくりと聞かせてもらうわよ上条君!」

ちょうどいいタイミングで楯無と簪の電車が来てしまい聞き出そうにも出来なかった2人は一言だけ言って帰って行った。

 

「アリサのやつ、最後にとんでもない事していきやがったな。今度会う時は楯無さんに何を言われるか・・・。ああ、それはもういい。さてと、俺も帰るか。途中で何もないといいけど」

 

 

 

 

 

 




銃弾を勘だけて避けられるあたり常人超えてますね。
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