IS学園の異端児   作:生存者

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第33話

「おーいかみやん。早く行くんや」

 

「今行く、待っててくれ」

 

「早くするぜい、海は待ってくれないんだにゃー」

急かすような声に上条も慌てて支度を済ませ玄関に向かう。その顔はいつもIS学園で自分の強化に精を出しているものでは無く、ただ休みを楽しんでいる何処にでもいる学生そのものだった。

 

 

 

「いや〜今年は人が多いな。去年はほとんどいなかったのに、やっぱりかみやんの影響であるんか」

上条の家から歩いて10分程度の場所にある浜辺に遊びに来ていたが、かなりの人が訪れていた。ちなみに一緒に来たのは中学時代の同級生で親友の2人。妹を溺愛しているシスコンの土御門元春、どんな女性も好みという変わった考えを持った本名不明の青髪ピアスと来ている。

 

「確かにやたら多いな、しかもジロジロ見られてるし」

 

「しょうがないにゃー。かみやんの事を知らない人間はいないし、ここに来れば会えるなんて書き込みが何処かにあったぜい」

 

「ま、それについては諦めるんだなかみやん。けど、わいは正直驚いてるで、こんなに人が来るなんて」

 

「まあ、俺も驚いてるけどさ」

 

「そうや、こんなに女性がたくさん来るなんて天国のようや!」

 

「お前はそれが目当てか!」

 

「当たり前や!こっちは男女共学やけど、ほとんど話せないんやで。まともに話せるのなんてアリサちゃんしかしないんや!」

 

「そうだにゃー、しかもこのご時世うかつに話しかけられないんだぜい」

 

「・・・だったらここでやるなよ。余計に心配になるぞ」

 

「ふん、かみやんに負けへんで!わいも彼女を作りたいんや!」

と高らかに宣言し走り去っていく青髪ピ。そ

 

「だとさ、土御門はどうする?」

 

「そうだにゃー、とりあえず舞花に合いそうな水着を探して来るぜい」

 

「了解、ロリコン軍曹。じゃあ、ここで待ってるからな」

 

「分かったにゃー」

多分、来ている人の水着でも見てくるんだろうと思い 、荷物番をする。

 

「暇だなー。ま、のんびり出来るのもいいことか」

家から持って来たパラソルやシートを引き、一息ついて持参した麦茶を飲む。

 

「あいつら遅いな。青髪は上手くいってるとは思えないし・・・土御門はどうだろ」

迎えに行くか迷い始める、だがここを空けると何か盗まれそうな可能性もあり出ようにも出れない。

 

「どうしたものか」

 

「あら、お困りのようねお兄さん」

 

「え、まあ・・・ってスコールさん来てたんですか」

絶世の美女と称してもおかしくない容姿のスコールから声を掛けられるが、慣れたように応える、、

 

「随分早く気づいたのね」

 

「ここら辺で金髪の人なんて俺の友人以外で見た事がないんですよ」

 

「なら、俺みたいのは見た事あるか?」

 

「・・・お願いですから、急に現れるのはやめて来れませんかオータムさん」

突然、隣に現れるオータムに上条は苦笑いする。ついでに言うと上条の首の後ろから手をまわし背中にのしかかるような状態で抱きついているからだ。

 

「それと勘違いされそうなので、せめて離れてください」

 

「なんだ、そんな事か。別に気にする事でないだろう」

 

「オータム少しは抑えなさい」

亡国企業時代から上司と部下以上の関係(意味深)だったらしくこれで気持ちは楽になれると思った。

 

「あなた1人で占領していたら私も出来ないでしょう」

が、そんな運良く行くわけもなくあっさりと崩れ、腕に自分の体に引き寄せる。もはや、大人2人の遊び道具になり楽しんでいるのを見ているだけになっていた。

力押しでこの位なら逃げられるがこれだけ人が見ている中でそれをやるのはかなりの無理があった。

 

 

 

「なっ・・・か、かみやん・・・そのお2人とは一体どんな関係なんや」

 

「お、落ち着け青髪、これには訳があってだな」

 

「そうだぜい、一度落ち着くんだ青髪」

ちょうどよく現れた

 

「誰にでもフラグを立てるのがかみやんのポリシーぜよ。なら、フラグを立てた美女の1人や2人とここで会ってもおかしくないんだにゃー」

 

「おい、土御門!勝手な事を言うな!」

 

「そんな怒ることでもないぜよ。実際かみやんにはそのお二人がべったりしてるんだにゃー、それを見せておいて今更違いますなんて言えるのか?」

 

「こいつ・・・」

言い返したいところだが現在進行形で2人はべったりしているので何も言い返す事が出来ない。

 

「やれやれ、人気者はつらいぜよ」

 

「ならてめえこそ、自分の妹に手を出しておいてナンパなんかしてんじゃねぇ!」

 

「な!な、何をいってるんだにゃー!舞花にそんな事をした覚えはない!」

 

「なら、舞花から俺に兄貴が毎日夜の相手をするのが大変だからどうにかしてくれって相談のメールが来てるのはなんでだ?」

淡々と応える上条に土御門は慌て始め、青髪は少しずつ

 

「ツッチー、それは本当かいな」

 

「ま、舞花には手を出していないにゃー!それに頼んでるのはマッサージであって決して一線は超えてないぜよ。それにキスまでで抑えてるだにゃー」

 

「いや・・そこまで言わなくても。確かにメールは来てるけど、ただお前との惚話についてばっかりだぞ内容は」

それを聞くと空を見上げながら、

 

「舞花、俺はまだ見捨てられてなかったにゃ〜」

 

「ツッチー何1人で解決してるんや!1人身の人間に対する嫌味か!」

 

「はっはっは、嫌味だと思うならお前も1人ぐらい作ってみろ」

 

「言うたなツッチー。覚悟するんや!」

飛びかかろうとする青髪を上条は見かねて2人の拘束を振りほどき青髪に近づくと先に出していた手を取ると強引な力技で海に向かって投げ飛ばした。海と距離が近いとは言え10m以上あるがとりあえず黙らせる事を優先したいため、その倍の20mも投げ飛ばした。

 

「よし、お前も行くぞ」

 

「行くぞじゃないにゃー!なんで俺までそれを受けなきゃいけないぜよ」

 

「俺もそろそろ泳ごうかと思ってたからな、ちょうどいいだろう?」

 

「急にマジ顔は勘弁してほしいにゃー」

 

「大丈夫、痛いのは一瞬だけだ」

 

「や、やめて欲しいにゃ〜なんて」

案の定土御門も投げ飛ばされ、頭から海面に叩きつけられた。

 

「はぁ、いつも通りの馬鹿騒ぎしなくても、遊びに来たのに何をやってるんだあいつらは」

 

「ふふ、面白い子達ね」

 

「・・そこで休むなら荷物番くらいやって下さいよ」

 

「人の心配は良いから遊んでこい。一度きりの高生活なんだからな」

 

「分かりました。じゃあお願いします」

投げ飛ばした2人を追いかけるように走って海に入って行く。それを見送った。離れて行ったのを確認すると最初に声を発したのはオータムだった。

 

「あんな、怪物見たいなのが普通に学生やってるなんて世の中おかしいな」

 

「彼の場合は怪物を通り越してるわね。まだあの組織に入った私なら勧誘したいくらいに」

 

「いや、あいつを勧誘するなんて無理だろ。俺たちがやってた事を許すような性格じゃねえしな」

 

「そうね、けどその性格のお陰でこの生活があるのよ。単身で亡国企業の本部をものの数時間で、しかも死人も重傷者も出さないで壊滅させるような人だけど」

 

「あれを見た時には目を疑ったぜ。まあ、一回やり合った事を思い出せば容易に想像出来たな。所々に拳がくっきりと残った扉がいくつもあったし」

 

「平和ボケでもしたのかしらね」

 

「そうだろうな、これを見て違和感を感じ無くなったのくらいだし」

 

「それにしても、あなたがパーカー着るなんて外だと以外に肌を見せない人なのかしら?」

 

「俺はいつもこんな感じだ。それを言うならスコール、お前は露出が激しいんだよ。水着にしても随分と際どいやつを選んだな」

 

「そうかしら?前も同じような服しか着てないからあまり分からないわね」

 

「それじゃ、あいつに痴女なんて言われても仕方ないな」

 

「でも、困った顔をしてる彼の顔を見るのも良いものよ」

もちろん、あなたもね。と付け足し頬を染めるオータムにスコールは笑顔で応える。いつもならキスをしているところだが、人目も多い事を思い踏み止まった。

 

 

 

 

ちょうど太陽が一番高く上がり眩しくその光を反射する海面に3人の人影が写っていた。その場所は浜辺から100mほど離れ、ら

「いやー楽しいにゃー」

 

「そうやな、宿題に追われることもなくのんびり過ごせるし」

 

「そんな、大変なのか?」

 

「まあにゃー。何処も同じだろうけど、女子が優遇されてばっかりで話しかけるのも一苦労ぜよ。何か変な言いがかりを付けられればこっちにはなすすべもないにゃー」

 

「そうやで、大体声かけられるのなんて目をつけたイケメンばっかりや。俺たち普通の人間はせいぜい嘘のラブレターを送られて女子の笑い種にされる程度や」

 

「大変そうだな。俺も言えないけど」

 

「何言いてるんや、かみやんなんて楽園にいるようなものやろ」

 

「そうでなかったぞ。よく考えて見ろ、この世の中で3人の男性適正者があの中に入ったんだからな。最初なんて、酷いもんだよ」

 

「ああ、入りたての同級生はともかく2年、3年は相当毛嫌いしそうだにゃー。こっちも同じような事になったし分かるぜよ」

 

「ああ、なんでこんな時までそんな話になるんや!そんな事を忘れるくらい今日は遊ぶやでツッチー、かみやん!」

いつになくテンションの高い青髪に2人はそうだな、と頷き再び泳ぎ始める。が、少し羽目を外してしまったのか沖近くまで行ってしまい戻る事になったのだが、臨海学校の時と同じく途中でサメに襲われ水中で素手の格闘で倒す事になった。いつもの不幸が重なって食われ掛けるが内側から口をこじ開け逃げなど、ハプニングに見舞われたが無事に浜辺に戻って来た。

 

「マジで死ぬかと思ったにゃー」

 

「ツッチー、お前は一番先に逃げた癖に何行ってるんや!」

 

「まあまあ、とりあえずこの通り生きてるし問題ないぜよ。なあ、かみやん?」

 

「そうだな、みんな無事に帰ってこれたしチャラで良いんじゃないか」

 

「かみやんが言うなら問題ないわな。そうや、かみやんいま何時や?」

 

「え、今1時少し前だな。あ」

 

「思い出したようやな。この後買い出しがあるんやろ、もうそろそろ行った方がいいちゃうか?」

 

「確かに行った方がいい時間だけど一通り買い終わってるし」

 

「ちなみに何が買ってないんだにゃー?」

 

「・・まだ買ってないのは野菜ものだな。肉はもう容易してあるから」

 

「でも、今回は人数が多くなりそうだし、余分に買っておいた方がいいじゃないかにゃー」

少しの間悩むが土御門の言う事も間違いではないので追加の肉も買いに行く事にした。一度、荷物番を頼んだスコールの元に戻ろうとしたが上条でも入りづらい空気がその周りに漂っていたのでメールだけ残し買い物に出かけた。

 

 

 

 

 

「くそっ!なんで、僕がこんな目に」

そこから数十km沖では愚痴をこぼしながら漁船に乗り込み手伝いをする秋十の姿があった。彼には似合わないような大量の汗をかきながら仕事に掛かっているがその動きはやはり鈍い。元から強制された奉仕作業ほどやる気が出て来ないのだが、せめて頑張って役に立ちたいと言う気持ちすらなく。ただ、頭の中は恨みと怒りの2つが占めていた。

 

「元はと言えばあいつのせいだ、あいつが来なければ僕の思い通りになったのに」

 

 

 

 

 

 

 

 




次回あたり、専用機組にこちら側の上条の過去を話したいと思います。
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