IS学園の異端児   作:生存者

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第36話

色々あった上条家での宿泊も終わり秋十を無事に学園に届け終えた。それから2日経った頃、いつもの時間より前に携帯電話の着信音で目を覚ました。

 

「はい、上条ですが」

 

『おはよう上条君、と言いたいところだけど。今日何の日か知ってる?』

今日?特に予定はないし、あるとすれば代表候補と代表、あと任意で参加したい人がやる合同合宿があった気がする。でも俺は代表候補でもないし、参加の申請もしてないし問題ないはず。

 

「合同合宿がある日ですよね。でも、俺は関係ない・・・」

 

『一応言っておくけど上条君、男子は強制参加になってるのよ』

 

「え?それって本当ですか」

 

『本当よ。ほら、早く来ないと織斑先生から怒られるわよ。あと、9時から始まるからそれまでには来るように!』

 

「え、休む事も出来ないんですか?!」

 

『当たり前じゃない、講師として出るんだから』

 

「はぁっ?!!」

 

『ああ、時間も無くなるからまた後でね』

プツリと通話は切れすぐに用意を始めた。情報では3日間の予定になっていたし着替えも持って行かないと、あと電車で間に合うかな。今ならギリギリで行けそうだ。

 

 

 

 

 

 

「これより、合同合宿を始める。代表候補生及び代表は強制参加。その他に参加したいものはここに揃っている。これから3日みっちりと指導するから覚悟するように」

 

「ちなみに来れなかった人達もいるので自分達が特別だと思わないように気を引き締めてくださいね」

 

「山田先生の言う通り、すでに遅刻している生徒が1人いる。間違ってもそんな事のないように。それぞれ近接戦闘、遠距離射撃、連携訓練の3つに分かれてもらう」

 

「近接戦闘は私が、遠距離射撃は山田先生、連携訓練はナターシャと先程行った遅刻したものに担当してもらう。期間が3日もあるため体調管理には気をつけろ、以上だ」

 

 

「やばい、遅れたー。つーか、乗ってる電車が脱線するとか勘弁してくれよ!」

開始の時間が過ぎてから約20分後、無事?に到着し慌てて着替え始める。道中で乗っていた電車がいきなり脱線し復旧するまで乗れなくなり走って来ることになった。流石に本島から離れているIS学園まで海の上を走ったりという芸は難しいのでモノレールに乗りここまで来ていたが。

 

「あとで怒られるのは目に見えるけど行くか」

とりあえず織斑先生をしに行くと、案の定鉄拳制裁を受けるが何事もなかったように走って行く。それぞれ1つずつアリーナを使っての合宿の為、移動がかなり苦労する。しかも、近接戦闘と連携訓練は両方とも端にあるので正直面倒臭い。

 

「すいません、遅れました」

 

「お、やっと来た」

 

 

到着するとこちらに気づいたナターシャ先生が手を振って来る。それにつられた他の数名もこちらを見て来るが

 

「今はどんな状態になってるんですか?」

 

「連携訓練をするペアが全員決まったところだけど、この後はどうするか決めてないからお願いね」

そうだった、この人真面目な部分もあるけど少しラフになるんだった。出来れば来たばっかりの人間に押し付けないで!

 

 

「・・・じゃあ、まずは簡単に組み合わせでも作って模擬戦でもやりますか。あと終わった人から順番に注意点だけ言ってもう一回完全出来てるかどうかを見るって感じでとうですか?」

 

「いいんじゃないかしら。私も教えられてた事しかないし、逆の立場ににっても何をするかはなんとなくしか分からないから」

なんかんやで試合は始まり

 

 

「えっと、とりあえず2巡してある程度は改善出来みたい、なのか」

 

「そうね、なら今度はペアを変えてやってみる?」

 

「それなら、俺とナターシャ先生が入ってペアの1人とお互いに組んでまた模擬戦をするなんて方法もありますよ」

 

 

「なら、それにしよう。流石に私も動きたくなったからね。じゃあ、用意して来るから説明お願いー」

とりあえず決め方はじゃんけんで行った、勝った方がナターシャ先生と、負けた人は上条と組んでやることになる。まあ、軽い試合だしいつも通りにしたいところだったが、全員相手になったが本気で倒しに来たのは予想外だった。今日だけの特別ルールでペアのどちらかのシールドエネルギーが0になったら終了にするというものを追加してから。

始まった瞬間にいきなりレーザーを10発も打ち込んでペアと分断してその間に落とす、スピード勝負に持ち込んで来る人も中にはいた。

例えば本音と相川のペア

 

「いきなり偏光制御射撃とかありですか?!」

掠るか掠らないかのギリギリ距離で避け距離を空ける。

 

「これも作戦なんだから、勝たせてもらうわよ!」

更に的確な射撃を続けざまに何度も迫って来る。

 

 

「きよきよ勝負だ〜」

 

「口調の割に行動が怖いよー」

何時もののんびりとしたのほほんさんだが、打ち込んでくるブレードのキレはかなりのものだった。軽く10回程度の打ち合いだけですでに相川は抑え込まれて行く。

 

「ハァッ!」

負けじと必死にのほほんさんの攻撃の応酬に付いて行くが、徐々に対応が遅れ始める。もともと武器を持って戦うことが全くない、半年前まではただ学生だった。相手は1年の中でも専用機を持っている国家代表候補と同等の腕を持ってる上に体力もかなりあるおかげで全く時間が経っても手が緩む隙もない。そんな事を考えているうちに構えていたブレードが大きく外に弾かれ目の前に本音が振りかぶったブレードが目に入る。いくら、模擬戦とはいえ流石に怖がることもある。思わず目を瞑って終わるのを待つ。だが、いつまで経っても終わりのブザーすら鳴らない。

 

 

「まだ、試合は終わってない。諦めるな」

ゆっくりと目を開けると顔の数cm手前で止まっていた。よく見ると振り下ろしているブレードの手元部分に差し込まれるように日本刀が当たっている。振り切る途中で止める持っている側の手にも鈍い振動が走り僅かに硬直する。

 

「あ、いまだ」

ふと、意識が飛んでいたがすぐに戻り大きく外に弾かれたブレードを全体重をかけ振りかぶり一撃を加え距離を取った。

 

「安心しちゃダメよ」

本音の遥か遠くから瞬時に射撃が相川に向かって飛んで行く。スラスターを利かせ逃げようとするがそれを追うようにレーザーは湾曲して軌道が変わる。

 

「先生それじゃあぶないですよ」

上条は相川との間に入り刀を振り、レーザーを刃の部分ではなく地に当てて跳ね返す。

 

 

「え、そんな方法ってあり!?」

急にきたトリッキーな動きに声が出てしまうがそんなの御構い無しで迫る。

 

「レーザーくらいなら跳ね返すせますよ。ついでに言うとそらせる事も」

続いて来たレーザーの軌道を確実に読み、長い刀身で強引にそらし背後に迫っていた本音に命中させる。

 

「本当に学生なのよね。偽装してない?」

 

「学生です。あと、いつまでもレンズなんて覗いてたら・・・」

姿が消える。スラスターの出力を最大まで上げ僅か1秒で視界からいなくなる。

 

「いい的です」

いつの間にか後ろに回り込まれ一太刀を浴びせられる。続けて振り切った瞬間に止め、今度は逆に柄で突き更にもう一度斬りつける。

 

「まだまだよ、ガラ空きだわ」

 

「そうですか?」

振り切ったところから更に振り、遠心力を使ってはたき飛ばす。ついでにおまけ代りに蹴りも一緒に入れごっそりとシールドエネルギーを削り取る。

 

しかし、そのせいで距離があきナターシャは全ての銃口から射撃をする為に手をかける。

 

「ここで距離を空けていいのしら?これで終わりよ」

 

「いえ、もう終わりましたよ」

刀を鞘にゆっくりと納めていき完全に納まった瞬間、残っていた物が無くなり気づけば試合終了のブザーが鳴り響く。

 

「また負けた〜強過ぎるよ」

 

「そうでもないですよ。かなり手を焼きましたし、あと少し遅かったらこっちが負けてましたから」

掲示板を見るとそれぞれのペアのエネルギーの残量が表示されていた。あの後、本音と相川さんの勝負になっていたようだが、技量とかの差がやはり目立ち、対抗はある程度まで出来ていたようだが押されていた。先にナターシャが負けた為、残ったようだがもっと時間が掛かっていたら結果は逆になっていたかもしれない。

 

「えっと、ご苦労様」

 

「ありがとう上条君。でも、ほとんど助けてもらってばっかりだったけど」

 

「そんなに助けないし、むしろもっと頼ってもくれて構わないから。無理な時は助けを呼ぶ事も大切な事だぞ。1人で戦ってる訳じゃないからな」

とアドバイスも終わり、軽く休もうと歩き出そうとするが

 

「かみやんーお疲れなのだ〜」

と元気に手まで振りながら上条の背中に飛びつくようにぶつかってくる。思わぬ衝撃に耐えきれず思いっきり倒れ、前にいた相川も一緒に巻き込んでしまう。

 

「痛て、のほほんさん頼むから急に来ないでくれ」

 

「えへへ、久しぶりに会ったからついつい」

 

「勘弁してくれよ」

 

「あ、あの上条君・・」

声を掛けられ改めて正面を見ると慌ててその場から離れた。ちょうどよく倒れた時に相川さんに覆いかぶさるようになり、壁ドンならぬ床ドンをしていたのだ。

 

「うお!ご、ごめん。って大丈夫か、顔が赤いけど風邪でも引いたのか?」

気になった上条はさも当たり前のように額に手を当てる。そこまで熱はないけど少し熱いな、まだ上がってきてる。

 

「んー結構熱あるから保健室に・・・って」

よく見ると目を回して意識をうしなっていた。

 

「やばっ気を失ってる。のほほんさん、少し遅れるって伝えておいて!」

すぐに抱きかかえて保健室の方に走っていく。去り際に遅れそうなことだけ伝えて行く。

 

「了解なのだ〜」

手を振りながら、声を掛ける。自分もまだアドバイスを受けていなかったのを思い出し戻って行く。しかし、上条が戻って来ない事を聞かれた時、間違えて意味深な言い方で応えてしまった為、帰ってきた時ジロジロと見られるようになった。

 

 

 

 

 

「だぁー疲れた」

1日目の合宿が終わりシャワーで汗を流し自分の部屋に戻って来るとばたりベットに倒れこむ。特に指導役として今回は呼ばれてしまったので教員と同じ量の動きをする事になるとは思っていたが、予想以上に試合数が増えたのが原因だった。

 

「まだ、使い慣れない人がいるからって、1人が何回も乗れるようにしたのはいいけど。やっぱ疲れる」

これからは各国の代表候補者も入って来る事も想像すると考えたくないのか、目を閉じる。疲れもピークとまでいかないが、溜まってきているため仮眠で済ませようとする。

 

「じゃあーん、楯無お姉さんの登場よ!」

 

「・・・」

しかし、現実はそううまくはいかない。かなり高めのテンションで突撃した事で一瞬で寝るのを諦める。

 

「お疲れー、なかなか人気があったわよ上条先生」

 

「お願いですからその呼び方だけはやめてー」

 

 

「それにしても随分疲れてるわね。そんなに動いたの?」

 

「寝起きで慌てて参加したんですよ俺は。それに今日は同級生が多かったんで、1人が乗れる回数を多くする為に少しルールを変えた模擬戦と、軽いサバイバル戦とかを何回も」

 

「あちゃーそれはやりすぎね」

「やってから後悔しましたよ。まあ、みんな楽しそうに出来たので良かったですよ」

満足しているのか軽い笑顔を作る。もちろん、始まる前からどんな事をやりたいか少し聞いた時に、たくさん乗りたいと言う人が多かった事も1つの要因になっている。

 

「おーい楯無。一緒に風呂にいかないか?」

 

「いいわよ。あ、上条君も来る?」

 

「行きません!」

来ないと分かっている上でいつも誘って来るので毎回つかれる。本人は入りたいと思っているだろうが上条自身が嫌目に合うのが目に見えているので絶対に乗ることはない。

 

「さてと、1人になったし食堂に行くか。今日は焼肉定食でも食べようかな」

ゆっくりと起き上がると軽く伸びをすると今更ながら気になった事を思い出す。

 

「そう言えばなんで選ばれたか聞いてなかったな。・・・まあいっか、終わった時にでも聞けばいいし」

 

 

そこから少し離れた校舎の一室では仕事で残る織斑千冬と山田真耶2人の姿があった。もちろんその内容は合宿の反省、改善点の処理だ。上条は軽く報告だけして帰ってしまいナターシャに限っては亡命手続きでまだ残っている作業があり戻ってしまった。そんな事があったが、2人は黙々続けるがおどおどしながら声を出す。

「織斑先生、1つの聞きたい事があるですが」

 

「どうした、山田先生」

 

「あの射撃、近接の訓練の担当教師は私達で問題ないと思うんですけど。連携訓練だけ何故生徒から選んだのか気になっているんです」

 

「その事か。単に実力がある者、指導役として他人からある程度の信頼性がある人物を選んだ。教員の中でも話し合って決めたが、連携訓練だけは適任者がいない、なんて事になってしまってな。ちょうど入りたてで人望があるナターシャと、生徒の中でも人望と実力がある上条を選んだ」

 

「確かに、2人とも実力・人望ともに申し分無いです。ですが・・」

 

「分かっている。あいつのは正直連携と言われれば連携の中には入るが戦い方が異状だ。それぞれが自分の相手を確実に決め一対一の状態でやる。相手の技量が高い勝負でそんな事はある種自殺行為に近い。一方が崩れた瞬間には終わったも同然の状態なる」

上条のやり方はペアの人間を信頼して動いている。だが、お互い対峙している相手と同じ技量を持った状態でしか出来ない。

 

「全く。何を考えいるのか分からんやつだ」

 

 

 

 

 




と言う事で1日目終了です。頑張って2、3日目も書いて行きます。
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