IS学園の異端児   作:生存者

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第39話

「おーい、当麻。準備した荷物は全部乗せたか?」

 

「もう全部乗せたよ。それよりも大丈夫か?帰って来てから毎日何処かに行ってるけど体の方はどうなんだ?」

 

「正直言うと体には結構負担が来てるよ。でも、昔の友人と気分転換をしてから精神的には楽にはなってる。ほら、もう行くぞ」

にこやかに笑う刀夜にどうも言い返せず、車に乗り込む。既に母親の詩菜は助席に座っていおり、全員がのるとすぐに出発する。

 

「学校の方は楽しいか当麻」

目的地は移動時間だけで3、4時間かかるらしく、時間もあるため自然と会話が主な暇つぶしになってくる。

 

「まあ、楽しいよ。周りが女性ばっかりなのは辛いけど」

 

「普通なら楽園だって言うと思ったんだが」

 

「毎日監視されるような間に合えば、すぐにその気持ちが変わると思うよ。部屋も1人じゃないし、一つ上の先輩も一緒だから気楽に休めない」

 

「女子校に入ったものの宿命みたいなものだな、それは。でも、設備自体は最先端の技術を投入してるはずだっかな。それで生活は充実してるだろう」

 

「そこについての文句は無いけど」

 

「はは、なら十分だろう。学生なんて楽しんでなんぼだ」

楽しい会話に笑顔が漏れるが、運転をしている刀夜の隣で詩菜は何か見覚えのある紙を見ている。

 

「母さんなんで、成績の紙を持ってるの」

 

「学園に相談してFAXで送ってもらったんですよ。なかなか持って来ないのでね」

いつの間に。なんでそんなもの相談して取り寄せられるの?!

 

「ふふ、友達は作っておいて損はないんですよ」

ええ!じゃあ教師の中に母さんの友人がいたの!?怖っ全然気づかなかった。

 

「そうだ。母さん、成績自体はどうなんだい?」

 

「基礎学科が低いのは前と同じですけど。他の成績は一部を除いて軒並み高いですね。一体どうしてかしら?」

 

「まず、言いたいんだけど。あの学校に来てる人たち、そこら辺の難関校でも通れるような人ばっかりなのに、頭の良さで勝てるわけない」

 

「そうだな、確かにあの学園は日本最難関校だし、おまけに世界中から将来有望な人を推薦する高校だからね。入試の時の倍率は20倍近く死ぬほど勉強しても入らないレベルの場所だ」

 

「私としては特に気にしてないですよ。でも、あまりに偏りすぎて気にかかったくらいですから」

 

「家事万全なんて、父さんの知り合いには少ないな。主夫でも目指してるのか?」

 

「家事は母さんから少し教わってどうにかしたけど。主夫になるつもりはない。でも、先輩達からはいっそ選手になるのはどうかって言われたことはあるな」

 

「ISの大会か。相当な実力がないと無理なんじゃないか?それに男子が出れるかも怪しいところだ」

 

「実力は問題ないとは言われてるけどね」

 

「戦績はどのくらいなんだ?」

 

「今の所、負けは1回だけかな。あとは全部勝ってるし、生徒の中だと上の方だったよ」

 

「上の方か。なら、実力は国家代表や候補の人間とも並べるくらいだな」

 

「・・・今更だけど、なんでそこまで知ってるの?」

 

「いやー、同僚の仕事仲間にいろんな情報を知って人がいてね。休憩時間に聞いたりしていたんだ」

世の中には何処からか情報を持ってくるような人も沢山いるし納得する。しかし、男性であそこにいるのも言えば校長と俺らの4人しかいないはず。本当に何処から拾って来たんだよ。

 

 

 

「それにしても、こうやって家族で出かける事なんて久しぶりだな」

 

「まあ、色々あったし」

何なく目的の場所までついた上条一家は近くで自由につかれる足湯でまったりしている。

 

「ここら辺の温泉街の旅館とかってかなり高い気がしたんだけど」

 

「同僚からプレゼントだよ。その人にも家族があって本来なら来るはずだった。けど、急に仕事が入って行けないから変わりって渡されたんだ」

 

「もしかして、御坂旅掛さんですか?」

 

「ああ、帰って来る前も一緒に仕事してたよ。なかなか変わった人柄だ」

 

「御坂・・・ああ、そんな苗字のスーパー女子中学生がいたっけ。学力優秀、スポーツ万能でIS学園に入る事がもう決まってるような感じがしたような」

 

「まあ、そこは本人が迷ってるようだけど」

そう言えばこっちに来てからあった事がないな、会えばよくない事が起こるのは目に見えるけど。とりあえず今は休もう。それからは自然が多かったので川で釣りをする事にした。その近くでは釣った魚を調理して出してくれる食堂もあったので昼食も兼ねての始めた。親父と2人で着替えて釣り始め40分ほどで7匹程釣れた。

 

「結構釣れたな当麻」

 

「父さんも釣ってるけどね」

 

「今日は珍しく当たりがいいからな。一日中やればもっといくぞ」

しかし、一日中やっているとずっと立っているか座っているので足が尻が痛くなる。

 

「もうこれで十分だし昼にしよう」

 

早速釣った魚を持って行き、調理をしていただき食べる。料理は刺身や塩焼きといったもとだが、かなり美味しく食べられた。珍しく食中毒も起こらず。

 

 

 

 

 

「今日泊まるのここなんだ」

 

「そうだぞ。なかなか泊まれないから楽しんでくれ」

仰向きは和風の屋敷みたいな建物だった。まず、山梨の方森の中まで来てるし見ようによってはやばい屋敷に見える。中も同じく和風の装飾になっていた。チェックインを済ませ、鍵を渡され部屋に向かい開ける。ドアはビジネスホテルと同じオートロックで番号札も付けられている。

 

「あ、やっぱり広いな」

座敷で3部屋もある。だが、部屋に風呂は付いていない。どうやら、大浴場しかないようだ。

 

「おお、これなら、ゆったり出来るな」

 

「本当ですね」

しかし、何故和室でベットがあるんだ?両方用意して客の好みの方で寝れるようにしてるのか。クレーム処理をしてこうなったのか、元からこうして両方置いてるのかは分からないけど。

 

「はぁ、これからの暇つぶしがこれか」

自分のカバンから取り出したのは辞書同等の厚みのある本。中身はISの専用機についての整備の仕方や武器の取り扱いの仕方まで、頭から煙が上がるほどの大量の説明が細かく記されている。

 

「こんなところまで勉強か?」

 

「いや、これ読んでおけって言われてるけど、未だに読みきってなかったから」

 

「それは読んでおくべきだけどな。そうだ、当麻。これ、見てみないか?」

少し自分の旅行カバンを漁り取り出し渡して来たのは何かの商品カタログだ。

 

「IS装備のカタログだよ。一様、取り寄せも出来るから欲しいのがあればこっちで払う事は出来るから」

 

「ん〜面白そうなのはあるな。少し見てみる」

受け取るとパラパラとめくりながら、座って気になるもの探していく。時間が掛かりそうなので途中からイアホンを付け音楽を流しながら読み始めていた。

今持っている武器は全部触れたことがあるものしか入っていないからな。あ、これ気になる。

 

「なかなか見ないし。なんか新鮮だな」

いつの間にか全部見終わっていたので気になったページに偶然持って来ていた付箋を貼っておき。残った専用機の説明書を読み始める。先ほど違い文しかないので、全くと言うほど頭に入らない。

 

 

 

「いやー、広いな。施設自体も大きいからこっちも大きくなるもんだけど」

 

「しかも、露天風呂もあるし予約もすれば混浴まで出来るからな。休むにはもってこいの場所だ」

 

「十分過ぎるくらい休めそうだけど。大体、効能が違う風呂がざっと見て7つもある」

 

「うん、中はそれだけしかないけど。外はもう少し多くあった、まあ日頃の疲れを取るいい機会だ」

とまあ、色々言うが一度入ると親子揃っておやじ見たく声を出す。

 

「ああ〜効く〜」

 

「はは、おじさんみたいだぞ当麻」

 

「いやー毎日監視されるストレスが溜まるから、周りを気にせず入れるのが一番の癒しになる。あと、時間も気にしなくていいから」

 

「それを言うなら、父さんも大変なんだぞ。ISの武器の売り込みに行く時なんかは。言葉遣いから動き方まで、全部気をつけないと色々と訴えられるから」

普通の男性から言えば贅沢悩みを愚痴る2人。もっとも、そこまで女性に対して良くも悪くもそれほど強い感情を持たないのが原因だが。

 

「あ、当麻。さっきまで見てたカタログで欲しいものはあったかのか?」

 

「2つくらいはあったよ。あのグローブみたいので手先からレーザーが出るやつと、ISでも通用するロケットランチャー」

 

「また変わったものを選ぶな」

 

「変わったものの方が使いやすい時もある」

 

「それもそうだな。分かった、こっちで注文しておく。あ、使った時は映像も撮ってくれると助かる」

データ収集とか参考の動画にも使ったりするし必要だよな。その時はコピーして送るか。どっちも使ってみたら面白そうだしな、でも映像取るの忘れそうだからしっかり覚えておかないと。

 

「よし、じゃあ十分に暖まったし外に外に行ってくるから」

 

「いってらっしゃい〜」

いくつも風呂があると全部入りたいのか外の露天風呂の方に行った。まあ、常に自由行動をしているような家族だし気にすることもない。一度お湯から上がりしっかり体を洗うと、いつもの癖でサウナに入る。場所によっては外に設けられたりするがここでは屋内にあった。中は珍しくテレビが置かれ、30人近く入れる程のスペースの確保されている。

 

「やっぱり、金をかけてる場所は違うな。普通の温泉でもテレビなんか置いてある場所なんかそうそうないぞ」

改めてこの旅館の充実さに感心し、まったりとテレビを見ながら時間を過ごす。普段は途中で休憩を1度挟んだりして30分程入っているので、度々壁に掛けられた時計を気にしながらじっと座る。幸い中は誰も入っておらず1人で熱気に耐えていた。すると、4人の20代くらいの人がぞろぞろと入ってくる。耳にピアスが開いたり、髪色が変わっているのでミュージシャン辺りか?と思う。

 

「ああ、疲れたー。夏場なのにコンサートの回数多過ぎるだろ」

 

「文句言うなよ。今なんとか売れ始めたんだ、この勢いを続けないないと生き残っていけないぞ」

 

「これからも頑張るしても、休みは必要だ。この息抜きは助かるが、羽目外しすぎないようにしないと」

 

「でもな、こんな時だからこそ遊びたいもんなんだよな。誰か女でも連れ込んでヤりたいな」

 

「おい、声出しすぎだ。他の客に聞こえるぞ」

 

「気にするなよー。多分寝てるだろうし、聞こえてないって」

 

等の本人は内心呆れ始めてため息が出そうになるが黙り続ける。端にいた為、聞こえていないと思われ声をかけられることもなく穏便に済む。

 

「最近は金さえ出せばどの女もやり放題だからいいよな。ストレスが溜まった時には最高だよ」

 

「いつもそんなことやってのるかお前は」

 

「俺なんかまだ可愛い方だよ?友人なんかそこら中で強姦しまくってるんだぜ。それで誰かに話したら、ヤッてる動画ばらまくとか言って脅してるからな」

 

「とんでもないやつだな」

 

「変わり者なのは分かってるけど。あいつは誰でも見境なく狙うからな、前は女優を追っかけ回して、最後には攫ってるからな。何故か襲うやつのスケジュールとか把握してるし、ドンピシャで狙っていくんだよな。あ、そう言えばお盆辺りに歌手のアリサってやつをさらうとか言ってたな」

一瞬だけ眉毛がピクリと動く、がほんの僅かな時間だけだったので誰も気づかない。

 

「アリサって、出てからずっとCDの売り上げが一位で歌声が綺麗なやつだよな」

 

「ああ、しかも歌に篭った気持ちも俺らと違うからな。天才としか言いようがない」

 

「あの年でこの人気だもんな、時間が経てばもっと上手くなったりするんじゃないか?」

 

「いやでも、あの容姿だし。脱いだら凄いんだろうな」

 

「お前はいつまでそんな事考えてるんだよ」

 

「いいじゃないか、俺だって男なんだぜ。気になったりするんだよ」

もう、この人達の話を聞いていると頭がおかしくなりそうなのでさっさと出て外の露天風呂に浸かる。

 

「たった数ヶ月の間に色々あったな。どこに行っても厄介事はもう慣れたけど、この後とんでもない事に巻き込まれないことを願うか」

空を見上げながらそんな事を呟く。今じゃ平和なんて言っても兵器どうぜんのIS戦闘が世界大会まである競技(スポーツ)になっている。それが悪用され世界中で誘拐、強奪、殺人までも起こっている。どんなに世界を驚かすような活気的なものを作り上げたとしても、いつかは犯罪者なんて連中が利用して人に恐怖を与える。この負の連鎖が永遠に続くのだ。

 

「そろそろ上がろう。確かこの後、バイキングだっけ?まあ、それが夕飯だししっかり食べておくか。あとは誰も食中毒にならないように祈る事ぐらいか。・・・一体何が出るのかな、楽しみだな」

 

軽く入るつもりが次々に頭に浮かんでくる事を考えているうちに10分近く入っていたため、軽くのぼせてしまったが強く意識を持ち抑えて出て行く。脱衣所から出るとすでに浴衣姿で待っていた刀夜と会った。

「おお、当麻遅かったな。また、サウナで汗を流してたのか?」

 

「今日はいつもの半分くらいだよ。あとは外の露天風呂に浸かってた。もう、行くの?」

 

「そうだな、混まないうちにゆっくり食べたいからだな。じゃあ父さんは先に行ってるから」

自分も浴衣に着替えてくる為、部屋に戻って行く。手慣れたように着替え、すぐに刀夜の向かった場所に向かう。以外と人が多く混雑し始めていたが、なんとか合流する事が出来たので全員で食べ始めてた。

厨房に接する面にはそれぞれ肉料理、魚料理、サラダ、汁物、麺類、他にもデザートや漬け物に飲み物、別売でワインなんかも置かれている。目の前で調理してる所も見れるので更に食欲が湧いたりする。

部屋で食べることもできるが予約と追加料金が掛かるそうなので、どこぞのお金持ちか有名人くらいしか使わないらしい。

 

「お疲れ様ー」

乾杯の音頭を取ってすぐにビールジョッキ半分をあっさり飲み干し、持ってきた料理に手をつける。自分も持ってきた料理を食べ始める。やはりというか、1つ1つ手の込んだ味に仕上がっている。これなら、当たる事は無いだろうと安心しながら。

 

その後、全員が満足するまで食べ部屋に戻ると両親は揃ってテレビを見ながら一緒の時間を楽しみ。上条は1人外へ出て、何処か歩いて行った。もちろん、趣味になり掛けている心霊スポット巡りをしに行く為だ。流石に夜遅くまで行くと入らなくなるので近場にある場所にするつもりだが、行く場所は夜になると誰1人寄り付かない獣道を進んで行った先にある吊り橋。噂だと、橋の下に引きずり落とされるなんてものだったり、真ん中まで歩いて進むと行く先に白い影が現れるなんて事がある。まあ、明日無事に部屋に入れば生きて帰れたと思えばいいや。

 

 

 

 

 




対IS用のロケットランチャー、直撃した時の威力が想像出来ないな。
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