IS学園の異端児   作:生存者

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第58話

 

アリーナ1つの犠牲で決闘が終わった頃、慌てて駆けつけてきた一夏達。

「アリーナが、一体何をすればここまで」

 

「それより教官が見当たらない。何処に」

 

「あ、姉さんが・・倒れてる!」

急いで飛んで行くマドカに続いて一夏も寄っていく。

 

「千冬姉、しっかりしてくれ」

 

「姉さん死なないで」

いくらなんでそれは言い過ぎじゃないか?と内心思っていたが

 

「教官、まだ私を置いていかないでください」

 

「ラウラまだ織斑先生は生きてるからね」

必死になって起こすラウラをシャルロットがなんとか鎮めて落ち着かせ起こそうとするがなかなか起き上がらない。一夏は首に手を当て脈を測ってみると一定の感覚で脈を打っているのを確認できたのを見て一安心していた。

 

 

「上条君、起きてる?」

 

「起きてる。ただし疲れるから起こさないでくれ」

 

「・・よかった」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「うんん、何でもない。それより何があったの」

少し頬を染めたが、冷静になり簪は気になった事を目を見て聞き出す。

 

「秋十と決闘してたんだ。それで途中で入って来た織斑先生を巻き込んじまってな」

嘘を偽りなく話す、別にあの事は話せばいい。今更怖がらても気になる事もないからな。嫌われたところで別に縁を切ったわけではない。

 

「もう、十分だな。よし」

少しずつ体を起き上がらせて立ち秋十に歩み寄る。

 

「秋十立てるか?」

 

「誰がお前の力を借りるか。さっさと失せろ」

 

「まだまだ元気そうだな、肩を貸してやるから立って休めるところまで行くぞ。あと織斑先生に言う反省の言葉も考えておけ」

それでも動こうとしない秋十を少し強引だが、手を引っ張り立ち上がらせて支える。同時にガラスの割れる音が響き渡る。

 

 

「ふふふっ、ちーちゃんの寝顔姿はレアだね〜」

人の群れに混じってさりげなくカメラで写真を撮っている束さんを一夏は止めようとするが元気が有り余ってるこの人を止める術はなかった。

しかし、

 

ピキッ

 

「あれ、おかしいな。レンズにヒビが入ってる」

唐突にレンズに入ったヒビに束は一度視線をずらす。

 

「おかしいのはお前の頭だ。束」

他にあった一眼レフのカメラが拳1つで簡単に壊れ。目を開ける千冬を見た全員が喜びの声を上げていた。

 

「教官、生きていたのですね」

 

「姉さん、死んだのかと思って心臓が止まるかと思ったよ」

 

「貴様ら、よほどしごきが欲しいようだな。で、一夏は何をやっている」

2人の問題児に少し視線を向けるとすぐに真上に見えた男に声をかける。

 

「え、嫌だったか千冬姉。昔は喜んでいたから久しぶりやろうと思って」

 

「・・・少しは場所をわきまえろ」

少しは視線を逸らした千冬を見た鈴は、あの人がデレた!と驚愕する。もちろん、それに気づいた織斑先生に鋭い視線を向かられ恐縮してしまったが。

 

「秋十は無事か」

 

「無事・・・です。上条と一緒にこっちに来てる」

 

「そうか」

展開している暮桜を解除して起き上がる。全く疲れをがんじさせない動きで歩き出して近寄って行く。

 

 

「やっと終わったわね。もう疲れたわ」

 

「そうですわね。1日であれだけの数相手に戦うことは滅多にありませんし・・・ヒッ!」

突如として感じた殺気に恐縮する。よくみると少し離れたところで2人が正座をしながら説教を受けている。

 

「あの2人、なんで説教されてるの?」

 

「勝手にアリーナを使った上に全壊にして決闘をやってたから。あとは教師に手を上げたからだって」

 

「・・・いくら身内でも千冬さんに手を挙げるのは馬鹿よ」

 

 

 

 

「この場はこのくらいで済ませよう。あとは寮に戻ってからだ」

不良生徒の更生という名目でたった5分だが説教を受けてグロッキー状態の2人。ただの説教なのにものすごい殺気と威圧でしかも、決闘もどきの直後なのでなかなか効く。

 

 

「やっと終わった・・」

安堵の気持ちとともに横に倒れる。だが、もう襲撃して来たやつは全員倒した。来たとしてもまだこちらの戦力もまだ残っているし、それこそ世界最強の人達が残ってる。

 

「お前が上条当麻か」

だからこそ油断した。新たな刺客が来ることも乱入者が来る可能性もありそして、藍以上の厄介で切れ者で手練れが来るのを。逃げるのは不可能と判断してまずは僅かでも軽減するために迫るただの蹴りを手で受け止めたが威力と速さが異常だった。痛みとともに体が吹き飛び瓦礫の山に突っ込む。偶然穴に入ったものの瓦礫の壁に衝突して絶妙なバランス保たれていた空間にコンクリートの塊が容赦なく押し潰した。

しかし、攻撃を受けた時に一瞬で相手の事を理解することができた。ISで戦ったところで勝てる相手ではない事を。人間の最強では実力を出させることもできない相手だと

 

 

 

 

上条を蹴り飛ばした本人は至って冷静だった。相手がこの程度ではくたばらない事を、それでも死には至らないがある程度は行動制限させられるくらいのダメージを合わせたと確信する。

 

「こんなものか、これだから力を持ち過ぎることは困る」

 

スーツ姿で現れた長身でガタイのいい成人男性にその場の全員が警戒を始める。髪色が茶髪なのはいいとしても、ぱっと見でもかなり鍛え上げられた肉体があるのはすぐに分かった。そして、繕う雰囲気が明らかに普通の人間でない事も

 

「また乱入者か、それにしても上条が一撃で動かなくなるなんて」

全員が一斉に構える。逃す気もないとまた語っているが、それでも

 

「私の任務は上条当麻の抹殺だ。お前達は関係ない」

そう言って上条の元へと歩き出す。何も興味がないのかすぐに視線を標的向ける。

 

「それ以上動かないで」

簪の撃った弾丸が足元に着弾する。一度足を止めるが不敵な笑みを浮かべて賞賛の声を上げる。

 

「なかなか技術だ。威嚇とはいえ足元を的確に狙撃するか。だが、その指示には従えない。こられは組織からの命令だ」

 

 

「では、力ずくで止めさせてもらう」

 

「もう一度言う、私にはお前達に手を出すつもりはない」

 

「何者かは知らないが、私の生徒に手を出すものは許さない」

 

「・・・警告はした。もう一度だけ言う、お前達に手を出すつもりはない」

 

「お断りだ、俺の友達に手を出させるか」

 

「そうか・・・覚悟はいいな」

腰に刺さっていた剣を抜き取る。雰囲気も変わる、

 

「ISが全部で9機か、あとは篠ノ之束か。一機を除いて全てに射撃装備か少しは骨が折れそうだ」

 

「少しで済むかしら?・・・え」

軽はずみな言葉だ、つい数十m先にいた人間が目の前に来ている。そして、何も出来ずに後ろに吹っ飛ばされていた。あまりの威力に装甲が凹んでいる。

 

「速い」

マドカのビットが40機全部が展開され、同時にラウラとシャルロットと簪が一斉に射撃を始める。

 

「ほう、伊達に候補生と言われているだけはあるな」

レーザーと弾丸が飛び交う中を軽々と移動する。マドカの偏光制御射撃のビットを目で見てから避け、シャルロットと簪の射撃を剣で切り落としていく。そして、ラウラの拘束機の追尾を圧倒的な速度で逃げ切り離していく。

 

「まず1人」

簪の懐に一歩で入りただの拳が入りアリーナの壁に激動する。

 

「簪!まだだ」

マドカがさらにビットを20機増やして計60機を操縦して自らも突っ込んでいく。

 

「2人」

ビットの1つが自分に飛んで来たのを避けた瞬間には目の前に男が迫る。ナイフを取り出し構えるようとするが速度が追いつかない。背中に肘が強く入り動きが鈍くなる。そして、膝蹴りが腹に入り崩れ落ちる。

 

「マドカ。ラウラ!行くよ」

瞬時に武器をマシンガンに変えて連射する。だが、相手にならず距離を詰められるが僅かに笑みを浮かべる。

 

「シールドピアーズ!」

目の前に来たの直感で見て放つ、男が拳を構えて目の前に来ていたのがしっかり捉えていた。しかし、目を疑った。ピタリと目の前で動きを止めて真上に軽くジャンプをして高さ5mも跳躍し足を揃える。

 

「3人」

杭のように尖った鉄の塊を飛び蹴り正面から踏み潰し、シャルロットも回避できず蹴り1つ意識を刈り取られる。

 

「シャルロット!」

叫ぶが既に目の前にいるだが、先ほどまでもは違い今度は剣できりかかっている。それを片手を出し自身の前で止め動きを取らせない。瞬時にレールカノンを向けて砲撃を行う。殺すことに躊躇している暇はない。

 

「こんな時には役立つな。AICか小賢しい」

視界から男が消え後ろに回っていた。

 

「何!」

かかと落としが入り一瞬で地面に倒れこむ。

 

 

 

「何なんだあいつ、ISを相手に・・・一体」

 

 

「私は聖人だ。ISくらいでは相手にならん」

 

「聖人?」

 

「いや、お前達が知る必要のないことだ」

まだも姿が消える。戦闘で一番弱いものから素早く片付けて行くを連想させていた。

 

「きゃあ!」

ガードしたのにも関わらずただの蹴りで20mも滑る。一撃一撃が恐ろしく強く速い。1度は耐えても2度はない、セシリアももう一度来た前からのアッパーで宙を舞う。

 

「やぁぁっ!」

ガキンッと剣とブレード同士がぶつかり合う。真後ろからの奇襲も声を上げたせいであっさりとバレ受け止められる。声なだ出さなくとも足音だけで把握されていただろうが。

 

「中々の剣さばきだ。いい動きだな」

声に反して一方的に攻め立てる。明らかに手を抜いているのは動きを見るだけで分かる、箒は守りで手一杯になり攻めに入る隙もなく、実力も遠く及ばない。真正面から受け止められ、ただ蹴りで吹っ飛んでいく。

 

「ちっ」

 

「ただ突っ込むだけで勝てる相手ではない」

 

「たあ!」

 

「こっちにはまだ人数で勝ってるんだ1人で無理するな」

 

「人数よりも質がなければ意味がないと思うが?」

だん!と踏み込んで近づく2人、何度も打ち合うが重ねるごとに段々と追いつかなくなっていく。

 

「束、行くぞ」

千冬と束が両サイドから迫る。一夏のフォローもあるがあいつでも到底かなわないと判断したからだ。速度は多少劣るが技術だけなら上回っている。2人の剣が首を取るために振りかざす。

 

「これは、最強と直々に手合わせができるとはな」

無表情を続ける男だが余裕が見られる。そして、手元にあったを収めると足元の影から先程よりも長く大きな剣を取り出す。

 

「・・・相手は3人。いや、こちらを見ている4人・・・計7人か。姿を隠さず出て来い。殺すつもりはない、手加減はしてやる」

死角から構えている人間まで確実に把握する男に全員が驚く。千冬と束もここまでの怪物は見た事がない。よく見るとイーリスにアリーシャも顔に緊張が浮かび上がっている。

 

「強大すぎる力を持つのも退屈でな、少しは楽しませてくれ」

直後、二本のレーザーが首元を通り過ぎる。当てるつもりはないと言っているものと判断したのか一切動かなかった。そして、逃すまい不可視の斬撃が来るが大剣を軽く振るいかき消した。

 

「軽々と消すか。これは危険だな」

 

「危険どころの問題じゃないよ」

千冬と束が対応するが剣の振るう速度と力が強く押される。そして何より移動速度までISと同レベル、音速で対応して来ている。隙を作らなくとも単純な速さで追いつかず死角からの攻撃で体勢が崩れる。

 

「しまっ!」

完全に油断していた、足元につまずき集中途切れ一瞬で間合いが詰められいる一夏。男の拳は目の前まで来ている。

 

 

「はぁ!」

ガキンッと鉄同士がぶつかり合う音で我に帰る。ついさっきまで離れていたアリーシャさんが間に入り攻撃を受け止めて追撃する。使用しているのはランス、楯無さんのものとは違い銃口はなく本当にただのランスだ。

重量のある武器が何度もぶつかり合い辺りは瓦礫が飛び散り地面にはいくつもの亀裂が入っていた。

 

「やはり実力があるものを何人も相手に撮るのは無理があるか。もっとも、その程度で私を止められると思っていたのでは話にならない」

 

「あらそう、でもまだ本気じゃないっていうのはお互い様ね」

余裕を見せるために軽く答えているアリーシャだが、剣の扱いと速さに舌を巻いていた。だが、言っていることは正しい。私達では到底かなわない相手だと言うことは。手も衝撃で痺れ始めているため、速く突破口を開けたいところだがこの相手を前に何も考えられない。

 

「千冬、今どのくらいの力でやってる?」

 

「せいぜい7割と言ったところだ。さすがに厳しい」

 

 

 

「話は済んだか。私は無闇な殺生は嫌いでな。そこを退くなら何もしない」

 

「誰が退くか」

 

「威勢がいいのは良いことだ。だが、戦場でそんなものはいらない」

全神経を注いで動きを見たがそれでも体が追いつかない、一夏の前には腕を振り抜いている男の影だけが見えていた。気がついた時には派手に地面に叩きつけられ何度もバウンドを繰り返してからようやく止まった。

 

「あ・・ああ」

激痛で動くことすらままならない。それに加えシールドエネルギーもたった一撃で全て削り取られ強制解除されている。

 

 

「いっくん!」

 

「束、心配は後だ。こっちにまずは集中しろ」

 

「でも・・」

 

「だが、まずは一太刀でも入れないと話ならん。手伝ってくれるか?」

イーリス、アリーシャともに問題ないと首を縦に降る。束に限っては親指を立てて良い笑顔もおまけで付いていたが。

体験が振るわれ、地面が真っ二つに割れる。少しの動きでそれを避けると、二重で瞬間加速をしたイーリスの特攻に続いてアリーシャと束が両サイドから逃げ場を塞いで迫る。遠距離からの狙撃という援護もあるが、全く当たらない。

 

「中々の剣さばきと連携だな。尊敬に値する」

まだ余裕を見せる男に必死で隙を作ろうとするが、3人を上回る速度と力で強引に押し離されるが、その間合いに千冬が強引に攻め入る。

 

「これはあまりやりたくないが、緊急時には仕方がない」

居合の構えから振り向かれたブレードが男の大剣を通り抜け、体の表面を切り裂く。しかし、その男は楽しそうに口が釣り上がる。2撃目は邪魔だった剣を切り落とし、頬に赤い線を引く。

 

「なるほど、伊達に世界最強と言われる筈だ。久しぶりの負傷だなこれは」

切断された剣を見て口を歪めて武器を捨てる。

 

「ふういい運動にはなった、そろそろスポーツはいいだろう。今度は殺し合いというの戦闘を始めるとしよう」

センサーが湿度の高さを知らせるがもう遅い、その時には水蒸気爆発が起こり、爆風で全員が吹き飛ばされる。

 

「お前達も今までの戦闘での疲労が少なからず蓄積している。これ以上酷くなる前にここで楽にしてやる」

ゆっくりと手を出す男に全員が一斉に起き上がり迫る。次に何が来るか分かったものでないが直感で不吉なものを感じていた。

 

 

「・・・射出を開始せよ」

しかし、それは第三者の横槍で止められていた。100を超える剣の弾幕によって。

 

「貴様も同業者か。だが、魔力を感じない、一体どんな原理なのか気になるがわ吐かせるのが一番妥当な判断になりそうだな」

全ての剣を避けると先程まで倒れていた秋十を見据えて呟く。

1秒で60mもあった間合いを詰めてるが秋十の姿は見えない。

 

「そんなに速くても捕まえられないのか?聖人さん」

 

「そうだな、速いだけでは捕まえられないようだ。なら速さはいらない」

安い挑発を軽く流して前傾姿勢になる。地面が割れ男の姿が消えた瞬間秋十も動く。自分の立ち位置から水平方向に100m以上を瞬間移動する。

 

「なるほど、直線だけの移動というわけではないようだな」

先動いたのを見てから移動したはずの秋十の真後ろに男が回り込んでいた。

 

「な!」

 

「驚くことはない。私も同類だ、この程度は見越しているはずである」

千冬も瞬間加速で間に入ろうとするが間に合わない。距離もあるが行動速度も相手が遥かに上回っている。こちらが動くからには秋十を殴り飛ばしているだろう。拳のはずなのに空気すら裂いて放つ。ブォン!と秋十の眼前まで迫り恐怖のあまり思わず目をつむる。

 

 

 

 

 

しかし、いつまでたって衝撃は来ない。それどころか会話の声が聞こえる。

 

 

「標的が直々に来るとは手間が省ける。瓦礫の中を捜索するのはこちらも面倒であるからな」

 

「俺の友達に手を出して手間が省けるだ?ふざけんのもいい加減しろ」

 

「・・・言っておくが私は聖人だ。無駄な抵抗をして痛い思いをするか、楽に死ぬかどちらか選べ」

 

「なら、お前を殴り飛ばしてさっさと帰ってもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




聖人・・・世界に20人もいないと言われる神の子に似た身体的特徴・魔術的特徴を持った人間。音速以上の移動も可能でミサイルが直撃しても傷1つ付かない。聖人同士の戦いでは普通の人間を余波だけで吹き飛ばすほどの戦闘になる。
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