IS学園の異端児   作:生存者

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第64話

 

 

「暇ね」

「暇だな」

 

「思ったよりもやる事がないわね」

 

IS学園のアリーナの一画に作られた休憩室。冷暖房やテレビ、シャワー室まで完備されているなんとも贅沢な部屋だ。

 

「今頃はあの会議場にいるのか」

 

「今は男性適正者を何処の国に所属させるかが議題だっような」

 

「みんな日本所属になるでしょ」

とそんな会話をしていると付けていたテレビが急にニュースに変わる

 

「おっなんだなんだ?」

 

『つい数時間ほど前、スイスにある国際IS委員会が襲撃されたもようで、参加者全員が意識のない状態で発見されました。関係者によると何かで叩かれたような外傷が数多くあり・・・』

 

「「「ぶっ!」」」

 

犯人が誰なのか知っている3人は同時に吹き出してしまった。

 

『犯人は不明で、現在も警察による捜索が行われています』

非常に驚いていると顔で言っているが、その後ろから何やら騒いで近づいてくる警察官が画面に映っていた。

 

『全員この場から出ろ。これは国際警察に一任された、無関係な人間は立ち入りを禁ずる』

 

 

「あらあら、派手にやったわね」

 

「え、スコールさん!?」

 

「整備お疲れ様。さっきオータムからの電話があって、会議場に亡国企業の残党がいる事を国際警察に密告してそうよ。もし、信じなくてもISを私的理由で無断使用したから、どちらにしても牢屋に入れるつもりのようね」

 

「うわぁ」

すでにここに来た人にも残党が残ってることは織斑先生が伝えていたので信憑性はかなり強いがそれでも逃げる人間がいる事も考慮して手回しをしていたのを知り少し驚いていた。

 

「明日以降にはニュースで大々的に報道でもするかもしれないわね」

 

 

夜遅くでもあり、早く寝なさいとスコールに言われ3人とも後にして行った。

 

 

 

「これでようやく終わったね、ちーちゃん」

 

「お前と違ってこっちは書類整理で大変な目に合うがな」

 

「なら、束さんが教師でもやるよ?」

 

「そうか、給料なしで考えてやる」

 

「ええ!それ酷いよ!」

 

「貴様は生徒にハッキングの方法まで教えかねん。それに私には大して権限はない。直接学長に頼んで来い」

 

1日くらいなら交渉次第でどうにかなるが。と呟いた言葉に過剰に反応を示す束。

 

「なら、いっくんと保険のじ」

 

「いや、やはりここで私が引導を渡してやるのか一夏の為か」

何処から出したのか分からない真剣を引き抜き始める。どうやら本気で首の跳ね飛ばすつもりらしい事を感じ取り、束は少しずつ下がりながら

 

「冗談だよ、お・・落ち着いてね」

 

「大丈夫だ。束、私は至って冷静だ」

 

「それって別の意味で捉えていいよね!?」

 

 

 

 

 

一方一仕事が終わり、2人は帰国の為に飛行機に乗り込み離陸を待っていた。

 

「滞在時間のほとんどが移動で終わりってなかなか無いですね」

 

「俺は楽しかったぜ。弱い奴でもあんだけいれば歯ごたえがあるな」

 

オータムさんの笑いに上条は苦笑いする。あの後の戦闘自体はたった15分で終わり、外に出ようとした関係者を引きずりこんで逃亡を防ぐ作業にもあったいたがそれを含めても計45分で片付いた。正直簡単に終わりすぎて困ってしまったが。

 

「お前って身体能力だけは規格外だよな」

 

「そのだけ。って部分の言葉を強調するのはやめて下さい」

 

遠回しに頭は良くないと言われてる気がしてならないので止めたいがそれを楽しんでやる人なので手の施しようがなかった。

 

 

「はぁ、向こうに戻ったらまたテスト勉強の続きか」

 

「なんなら今からでもやるか?」

ニヤニヤと笑いながら課題の山を見せつけられ思いっきり拒否させてもらった。

 

「なんだ、せっかく教えてやるのに」

 

「それなら教えられる側の事も考えて下さい」

 

勉強が嫌なのにレベル高い学校に叩き込まれるとか恐ろしいな。これじゃ拷問だ!

 

 

『お客様に申し上げます。申し訳ございませんが当機での搭乗手続きに不備が起こったので異動をお願いします』

 

 

「不備か・・・」

 

「なんだ、不安なのか?」

 

「不安も何も、機械の故障なんていつも通りなので俺じゃないかなーなんて」

 

と考えていた矢先に

 

「すみません、お客様。手続きの不備で次の旅客機になってしまっていたので移動をお願いできませんか?」

 

やっぱりかと内心ため息を吐く。まあ、いつもの事なので諦めが付いていた。

 

「次、何時からのですか?」

 

「この機の後ですので、約1時間から2時間程です」

 

そこまで急ぎの用事も無いので荷物を降ろして出る。本来乗るはずだった機内からは先に行ってるからな、とメールが届いた。

 

「俺は帰るのに何時間かかるか心配だな」

 

それから待ち時間の間に空港の職員らしき人からお詫びとして一個上のランクに座席が変わった事を伝えられ新しいチケットも渡された。

 

「エコノミーからビジネスクラスにアップか。一回くらいはファーストクラスに乗ってみたいななんて」

 

 

 

 

「広いな。でも窓の席じゃ無いのが一つ困った事だな」

 

座席に座って最初の一言がこれである。ゆったり座れて確かにくつろげるが外の景色が見づらいのが少しだけあった不満だった。

 

「にしても人の数が少ないな。最低でも70人くらいは乗ると思ったのは思い込みか」

 

乗ってからずっと耳を澄ませて人がどれだけ乗っているのか聞いていたがほとんど足音も聞きとれなかった。念の為に荷物は仮想空間に武器と一緒に入れてあるので墜落しても無くすことはない。

 

「あと5分、ふぁぁ。なんか、眠くなってきたな。寝るか」

離陸を前になり急に眠気に襲われ、気づけばそのまま夢の世界に旅立っていた。

 

 

 

 

 

 

「標的は寝た。すぐに離陸を開始しろ。予定どうりのポイントで作戦を実行する」

 

「了解、一撃で仕留めるわ」

 

「証拠は残すな。撃った後その場からすぐに移動しろ」

 

それに答えるように少女の口角が少しだけつり上がった。

 

 

 

 

 

 

「!気のせいか・・・」

 

何やら寒気がし、飛び起きたが何も起こっていなかった。内心は珍しく悪い予感が当たらないなと安心していた。

 

「まだ離陸してから30分か。そうそう航空機が爆発なんて無えよな」

 

 

 

 

「標的の確認。撃ち落とすわね」

 

真っ白に輝く装甲で覆われたISに身を包み、構えられたライフルで旅客機をスコープで覗き込み引き金を引いていた。

遥か上空10000mを時速800kmで飛行する飛行機を水面下10mから青い光が撃ち抜いた。上空では爆発が起こり機体は大破、空中分解を起こしバラバラになった。その光景を確認すると

 

「よし、任務完了。よっしゃー報酬もらって買い物だー」

 

と喜びはしゃぐ少女、そのまま軽く報告を済ませると海中を移動してその場から離れて離脱して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様手を止めないでください」

 

「止めたくなるわよ、何なのよこの量は!」

 

早朝、虚に生徒会室まで連れて来たのは楯無を待っていたのは幾多もの書類の山だった。数日間も各国から来たお客が帰ってこなかった事に対しての謝罪を寄越せだのと身勝手な抗議文が多く届いていたのだ。

 

「白式に黒龍に須佐之男、これらの専用機のデータを開示しろなんて私1人の権限だと無理。1人ずつの所属の国を早く決めろ、これも無理」

 

「お嬢様、無理とばかり言うのはダメですよ」

 

「だって〜」

 

1人できめられるようなものばかりで本人の確認も必要な書類が多い。大体、処理するのが学生だった事を分かってるのかしら

 

 

「お姉ちゃんこっちの書類にハンコをお願い」

 

「え?もう終わったの?」

 

「大概は簡単なものだったから」

 

えっと、キャノンボールヘェスタの延期をするか。男性適正者のデータの開示、ん?学園にいる篠ノ之束にコアの製造願い・・・

 

「よくこんなの対処したわね」

 

「適当にあしらって断る方が楽だから」

 

そして、少し間を置き。

 

「あまりにも面倒なのは破り捨てるのが一番だって上条君から聞いた」

 

「確かに・・・いやいや、ダメよ」

 

一瞬自分もそうしたいと考えてしまうが、それは会長としても流石にやってはいけない事だ。

 

「今回の一件でだいぶ各国からの抗議がさっとうしていますが、内容がかなり被っていますね」

 

「そう?でも一部はまともな内容に思えるわよ」

 

一枚の紙には「助かった、ありがとう」と感謝の言葉も混じっていた。

 

「でも、この量は辛いわね」

 

流石に2時間も続けて返答し辛い書類の片付けに集中が切れ始め、軽い気分転換に部屋に設置していたテレビをつける。

 

 

「やっぱりIS委員会の襲撃の内容が大きいか」

 

「中には訓練も受けた操縦者も待機していたそうですし、警備の乱雑さが浮き出たのでは」

 

「乱雑じゃなくて、襲撃した人が強すぎるの間違いだよ」

 

虚もその人間を試合で見ているため、簪の言っている事が理解できた。一度、同級生のダリル・ケイシーに誘われて模擬戦をやったこともあるが、3年でも上位の実力の自分も簡単に倒されたことがある。

 

 

「あれ、また変わった」

 

 

『つい先程、スイスから飛び立った旅客機が何者かによって海面に墜落したとの情報が入りました』

 

 

「騒がしい1日ですね」

 

「そうね」

 

『なお、乗り合わせていた日本人男性1人が行方不明と言う情報もあり、当局の調べでは男性適正者の1人、上条当麻という人ではないかと考えています』

 

「「え」」

 

と2人が声を漏らし1人は黙って報道を聞いていた。その中、携帯の鳴る音が静まり返った部屋に響く。

 

「もしもし」

 

『おお、簪。今話せ・・・』

 

反射的に電話を切ってしまった。報道が出てわずか数秒後に本人から電話が掛かってくるという、あり得ない状況につい体が動いてしまった。驚きが止まらないなか再び電話が鳴り響く。

 

『頼むからいきなり切らないで!』

 

「ごめん、テレビで行方不明って出たたからつい」

 

電話の向こうからは溜息の後に、気にするなと声が帰って来た。悪気があった訳ではないが少なからず罪悪感が残った。

 

『ついに行方不明扱いか。まあいいや、他にはテレビでなんか言ってるか?』

 

「今のところは何も」

 

画面に映っているのは野次馬が近くの海岸に駆けつけている映像ばかりで肝心の内容が報道されていない。

 

『分かった。こうなったら黒龍で飛んでく、また後でな』

 

 

 

 

「え、無事だった?」

 

「うん、でも怪我が具合はどうか分からない」

 

僅かに波打つような音を聞きたられたので海面に居たことは間違いなかった。

 

「良かった〜・・・ん?でも、気になることがある」

 

「どうかしました?」

 

「大体深夜にIS委員会の襲撃報道がされたわよね。なのに数時間で報復として乗っていた旅客機の撃墜なんて出来るかしら」

「生き残りの報復だとしても手回しが速いですね。別の人間がやっているとしか」

 

強い人間程敵が多いなんて言葉が一瞬でて来たが、すぐに頭からふるい落として、結論を出す。

 

「まあそれは今後考えましょう。上条君が帰ってからでも対策はできる」

 

「では、お嬢様。残りはこれだけありますので」

 

渡されたのは山のように積まれた書類の束。今日から授業中も再開される為、残りは放課後に回すことにしたがどれだけやっても終わりそうのない量に肩をがっくりと落とした。

 

 

 

 

臨時の休校が明け、朝のHRの時間になり1年1組の教室には男子3人を除く全員が揃っていた。

 

「ではHRを始める。今日から授業を始めるが、まだ教師が全員復帰していない為に、臨時で手伝ってもらう教師が今日は3名ほど来るが了承してくれ」

 

「それから織斑兄弟はまだ怪我が残っているため欠席。それから、今朝のニュースで行方不明とされている上条は連絡が入った。今もこっちに向かっている。遅刻してきた時は職員室に来いと言ってくれ。以上だ」

 

朝一番で入ってきた行方不明のニュースにほとんどの人が驚いていた。しかし、連絡があり無事だったと聞くとほっとした様子が広がった。

 

 

「では、1時間目は座学だが担当は」

 

「ちーちゃん、もう始めてもいい?」

 

とひょっこり顔を出して現れる担当者。

 

「今日の座学を担当する篠ノ之束です。よろしく!」

 

一部を除けば大概の人は初対面になる有名人にクラス中の人の目が点になる。

 

「ほぇ〜美人さんだ〜」

 

「そこの布娘、ありがとう。では今から、私のISについて詳しく解説をするから全員ついて来て〜あ、一応ノートも持ってね」

 

どうやら、実際に見えないと気が済まないのかクラス全員を連れてアリーナへと向かって言った。

 

 

「やれやれ、これが外部に漏れたら国が騒動も起こるかもしれんな。全く、今年は忙しい1年だ」

 

別のクラスの実技を始めていた千冬も言葉ではこの先の不安を予測していたが、人見知りでほんの一部の人以外を見分ける事が出来なかった親友が楽しそうにしている姿を見て笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 




ISを作り上げた本人が直接指導・・生徒が殺到しそうだな
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