独眼機龍の十字砲禍《クロス・ファイア》   作:cmVkem9uZSE=

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気が付いたら日刊ランキング13位なんですけど、登録件数100人越えたよわーいって喜んでたらいつの間にか250人越えてたんですけど!!? うれしいけど怖い!!?
何がそんなに受けたんだ…………曹操か、曹操なのか!!?

とにかく、ありがとうごさいます!!


砲火その10

「それではこれから、第1回ブレイクダウン・トリガー稼働実験を行いまーす! ゲロリーン、聞こえるー?」

 

『ゲオルクだ』

 

Ciao!! 俺、伊達政矢! 何処にでもいる普通の高校二年生ェ!!

 

なーんて、アホな挨拶は置いといて、現在俺はお世話になってる禍の団英雄派所属の魔法使い兼研究者であるゲオル…………ゲロリンに頼み、彼の持ってる神滅具『絶霧(ディメンション・ロスト)』の禁手『霧の中の理想郷(ディメンション・クリエイト)』で実験施設を模した結界空間を作ってもらい、さらに実験のデータ収集を結界の外から手伝ってもらうことに。

 

『ところで政矢。最低限の資料に目を通したところ…………この『ブレイクダウン・トリガー』とやら、俺から見ても危険な代物であると判断せざるを得ない』

 

「あそうなんだ。で、それが何か問題?」

 

『…………いや、それ自体は問題ないが、それでお前が死ぬのなら話は別だ。今死なれると、曹操のモチベーションにも関わるし、何より損失がデカい』

 

「ふぅん。じゃあゲロリン先に言っとくわ。今回本当にヤバいから、万が一の時は遠慮なく殺してくれ」

 

『ゲオルクだ。あと話聞いていたのかお前? そうならないように努力することだ』

 

「えー、でも死んだところで第二第三の俺が…………正確には『この』俺が死んだ瞬間に神器システムに干渉、十字砲禍を俺のスペアボディに移すように準備はしてあるから、心配しなくてもいいんだよ?」

 

『………………………………』

 

おろろ、絶句してらぁ。

 

「あれれぇ? もしかして心配してくれちゃった?www」

 

『…………了解した、死ね』

 

「あははははは! ごめんてゲロリン」

 

『ゲオルクだッ! 大体お前がその嘔吐物のような呼び方をするせいで、お前以外からもその汚い呼び方をされてるんだぞ!?』

 

「え、いいじゃん親しみやすくて。お前堅物なんだからもっとスマイルスマーイル。怒るとシワが増えるぜ?」

 

『現在進行形で怒らせてるのはお前だがな! もういい、さっさとやることを済ませるんだな!』

 

ブツッ、と通信機が切れる音がする。…………おちょくり過ぎたかな? でも本気では怒ってないし、まだ大丈夫だよね、うん。仲が悪いわけでもないし。

 

「……で、クロス。お前なんで黙ってるのさ」

 

『……………………まさやん、それ本当に使わなきゃダメ?』

 

「うん、明らかに使う前から危ない、あってはならない発明だと分かっていても、試さずにはいられない。これは研究者としての俺のサガだね、諦めてくれ」

 

『うぇぇ…………もうやだこのマッド…………』

 

それでは始めようか、死への疾走を!

 

「それでは『神器外部装置ExNo.02:ブレイクダウン・トリガー』、起動」

 

俺は手の中にある、バレルのない拳銃のような装置の引き金を、引いた。

 

《Switch-on!!》

 

《Level-1!! Danger!! Danger!! Danger!!》

 

《Connect:Cross・Fire!!》

 

『Unknown unit has connected.System in jeopardy.Recommending immediate termination of use.』

 

「おいクロス、お前結構余裕あるな!?」

 

『開き直りだバカ! ネタに走れるときに走っとくのがヲタクってもんだろ!!』

 

なーにが『不明なユニットが接続されました』だ、面白すぎんだろ!

 

『《Attention:Are you ready?》』

 

「伊達政矢の名前に於いて承認」

 

『Approved』

 

《Out of control!! Break down booster!!》

 

承認と同時に俺を中心に火花が散り、意識が焼かれる感覚と共に両腕が文字通り持っていかれ、歪な機械腕と化す。その上で、神器に全身が喰われ…………見るもおぞましいだろう機械龍へと変貌する。

 

『Awaken:Juggernaut Drive』

 

《Trigger level-1》

 

「グ…………グルゥォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!」

 

 

◆◆◆

 

…………ことの始まりは、一週間前まで遡る。

 

いつものごとく、俺は曹操に呼び出されてあることを依頼された。

 

「『Compulsion B×B』を完成させろだァ?」

 

「ああ、三大勢力の和平が成功し、阻止出来なかった禍の団は三大勢力を滅ぼしていく方向で全体としての方針を固めるだろう。不本意なことに、英雄派も出動せざるを得ない状況も増えてくる」

 

『そうなると、何より厳しいのが向こうの物量…………数に対抗するために質をあげようってか』

 

「ああ。その質をあげる手段の一つとして、神器を強制的に禁手にする『Compulsion B×B』を完全に完成させて欲しい。理論自体が出来ているんだ、君ならば簡単に実用化まで持っていけるのでは?」

 

「いやぁ…………うん、無茶言いやがるなぁ雇い主さんよ…………」

 

幾ら俺が天才神器研究者だとしても、難しいことはあるんだよ…………?

 

「『えっ……?』」

 

「何故驚く。あとなんでクロスまで驚く」

 

『うーん、その場のノリ? まそれはともかく、『Compulsion B×B』はなんというか…………軽トラにロケットエンジン積むかのごとき所業なんだよそーさん』

 

禁手化(バランスブレイク)』自体は、どの神器にも搭載されている機能だ。それも神器の奥底のブラックボックスに眠っている。一般的な禁手化は例えるなら、ブラックボックスの封印を解く鍵を、経験を積ませていくことで形成していき、特別な体験でその鍵をブラックボックスの鍵穴に挿して開き、至るものである。

 

『Compulsion B×B』は、ブラックボックスを抉じ開ける為のマスターキー、無理矢理禁手化へと至らせるものなのだ。

 

禁手化した神器のデータを洗い、どの神器にもあった共通するコードを発見し、それをマスターキーとして使えるように情報の肉付けをした。確かにこれで、禁手化自体はできる…………のだが。

 

「本来経験を積んでいく過程で行うチューニングや、土台になる所持者の身体が完成しないままに禁手化するんだ、無事じゃ済まない」

 

「…………ああ、だから軽トラックにロケットエンジンを積む、という表現なのか。確かに的確だな」

 

「禁手化へと至らせる、のみならこれ以上はない。実用化させようと思ったら、段階を踏ませることでまだ安全に運用させるか、あるいは制御装置を別個で用意する、ぐらいだな。今でこそ、神の不在でシステムが揺らいでるから干渉しやすくなってるけど、『禁手(バランスブレイカー)』は法則に逆らう力…………ホイホイ発現させられるものじゃないんだ。難易度高いぜ」

 

「なるほど。なら、()()()()()()?」

 

…………話聞いてたのかな、この聖槍ボーイ。

 

「お前はできないことはできないと断言する。難易度が高いだけで、できないわけではなさそうだ、という風に聞こえたのだが」

 

「…………否定はせんがなぁ」

 

でも、本当に…………そんなものを完成させていいのだろうか? どう考えても、戦争の道具一直線だし。あと他の陣営に奪われた時のことを思うと、迂闊なものは作らない方が…………。

 

「今更、だと思うよ。最近実戦配備された『鏡写しの貴方に告ぐ(アバターメイカー)』も、負けず劣らず迂闊な発明だろう。あれのせいで、『神器は改造できる』という事実を知らしめてしまったんだからな」

 

「…………えへっ☆」

 

いやー、うん…………本当今更だったね。

 

「でも、難易度高いのは疑いようもない事実なんですよ。これは臨時報酬弾んでくれないとやってられないぜ」

 

「ふむ…………では、研究資金も兼ねて前金として100万、成功報酬として500万でどうだろうか?」

 

「成功報酬要らんから300万寄越せ、それで確実に完成させてやる」

 

「頼もしい返事だ。分かった、その様に手配しておこう」

 

「うし、じゃあ早速今日から取りかかるわ」

 

さてさて…………忙しくなるなぁ。

 

 

◆◆◆

 

 

ということで、研究開発に没頭すること一週間。依頼された『Compulsion B×B』完成版とは全く別の…………それも真逆のものが完成してしまったという。

 

いや、ちゃうねん。寄り道しちゃっただけやねん。

 

「……まったく、実験するのは構わないが、もう少し安全策を講じてだな」

 

「ごめんなさぁい…………」

 

というわけで、現在俺は医務室に運ばれて、曹操に看病されてるという。というかリンゴ剥くの巧いなこいつ…………。

 

結局あの後なにが起こったのか。ブレイクダウン・トリガーによる強制『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』起動、そして別個で用意していた神器暴走強制停止装置が作動し、気絶と共に緊急停止。全身ぼろぼろの状態且つ、両腕が穴ボコだらけの状態で倒れた…………と、ゲロリンが教えてくれた。手早く対処しないと失血死一歩手前だったとか…………ありがとよゲロリン、死ねとか言ってたのにちゃんと回復魔法掛けてくれて。

 

「それで、何を作ったんだ?」

 

「生物封印系神器には、『覇獣(ブレイクダウン・ザ・ビースト)』とか『覇龍』とか、あるじゃん?」

 

「…………まさか?」

 

「いや、想像してることとは多分違うな。俺が使ったから、覇龍を強制起動させたけど、そんな強制起動させるだけのもの、俺が作るかよ」

 

いやまあ…………本当こんなもの作っちゃってごめんなさいというか、今すぐにでも存在を抹消すべき代物だよ。

 

「使用者を、自立行動機能の付いた神器にしてしまう装置。ざっくり言うと、封印系以外の神器で『覇龍』『覇獣』を引き起こすトリガー」

 

「……バカなのか?」

 

「マッドサイエンティストと言ってくれ」

 

いや、うん。バカと言われても否定出来ないんですけどね…………。

 

まず、リボルバーを回して1から6まであるレベルを調整、引き金をひくことで起動する。

使用すると、搭載されている未完成の『Compulsion B×B』を使って神器を強制的に禁手し、暴走させる。

そして、身体の一部をレベルに応じて神器に侵食させ、余剰パーツとして使うことで神器のスペックを無理矢理底上げさせ、思考を神器の効率的な運用に終始させるように書き換える。

起動時間は10分、時間を過ぎれば強制的に神器が停止。神器の余剰パーツとして持っていかれた身体の一部は消失し、脳へのダメージを残し、神器は1日程動かなくなる。

 

『覇龍』『覇獣』などを使える神器などに使うと、通常の効果とは別にそれらが起動、より強力且つ危険に力を行使できるようになる…………と。

 

うん! 使用者への配慮とか、欠片もないよね!

 

「まあでも、俺が十字砲禍の所持者だったからまだマシだったなぁ」

 

『自分の身体を喰われ慣れてるから、被害が思ったよりも少なかったねぇ。神器も停止してないし』

 

「馬鹿か君らは。死にそうになって何が被害が少なかった、だ。無理に頼んだ俺も俺だが、別のものを作る君も君だ。しばらく研究開発は凍結、娯楽作品も没収しておく」

 

「『えっ…………』」

 

そ、それだけはご勘弁を、曹操様ァ!!

 

 

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