独眼機龍の十字砲禍《クロス・ファイア》   作:cmVkem9uZSE=

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色々と突っ込みどころあると思いますが、原作も定期的に頭の悪いネタをやってたし、この位ふざけてもいいよね!(白目)


砲火その14

「……なあジャンヌ、本当に大丈夫だと思うか?」

 

「安心しなさい曹操。あまりにも軽い調子で言いやがるものだから一発加えてやったけれど、あの男が簡単に死ぬタマじゃないのは、あなたの方が知ってるでしょ?」

 

「い、いやそれもそうだが…………妙な胸騒ぎが」

 

「?」

 

「今回、彼らが会いに行くのは影の国に住む彼の知り合い、そしてその知り合いが紹介してくれる槍の名手ということだが…………」

 

「ええそうね、今回珍しく政矢にしてはまともな繋がりだとも思ったわね。ぶっちゃけ影の女王とも知り合いと言われても納得するレベルだったのだけど」

 

「…………それ、なのだがな」

 

「歯切れが悪いわね、なによ?」

 

「以前中国で彷徨ってたころ、こんなことがあった。政矢の釣り友達だと紹介された年配の方、その釣り針が…………縫い針だったのだ」

 

「…………?」

 

「当時の政矢もそんな顔をしていたな……アジア圏の外だとあまり有名じゃないから仕方ないが。…………殷周革命で、周の軍師として勝利に導いた、崑崙山で仙道としての修行を受けた道士にして策士、姜子牙。…………いや、こっちの方が有名か、『封神演義』の太公望。釣り針に使っていたのが縫い針だった話は自分で調べてみるといい…………」

 

「……えっ、良くは知らないけれどビックネームじゃない!?」

 

「私も、まさかとは思ったんだ…………某かの物真似の類いだと。…………だがな、その直後『ほっほ、龍だけじゃなくて、聖書の神の遺志まで釣れよったか』…………と」

 

「バレてる……おもいっきりバレてる……」

 

「一度だけなら、偶々。二度なら事故。三度目以降は…………必然だ。似たようなことが、それはもう沢山…………」

 

「え、えぇ?」

 

「今だから分かる、ドラゴンは無自覚に何かを引き寄せる、それも理不尽なまでに……英雄派がこうして大きくなった一因に、絶対あの男も入っているはずだ…………。だがら確信を以て告げよう。今回、政矢は影の女王と関わってくるぞ」

 

「…………ない、とは言い切れないのが怖いわねー」

 

「私は不安でならないよジャンヌ……政矢がそう簡単に死ぬとは思えないし、死んだらどんな手を使ってでも復活しそうだ、『コンテニューだうわははは!』とか高笑いしながらな…………。だが相手が影の女王なのが問題なんだ…………」

 

「それは、影の女王が政矢を見初めるとか、そういう?」

 

「違う! ああいやそっちも逸話的に非常に心配だが、女王が政矢を長期間影の国に拘束するんじゃなかろうかという不安だ! ケルトの特殊な嗜好は有名だろう!?」

 

「俗称『戦闘民族』、ね…」

 

「あれでいて結構繊細な男なんだぞ……戦士として特別優れてるわけでもない……! ああくそ、やっぱり無理を言ってでも引き留めるべきだった…………!」

 

「そこは、もう政矢の責任感の強さを祈るしかないわね。まあ、大丈夫だとは思うけれど」

 

「何を根拠に!?」

 

「口ではなんだかんだ言いつつ、あの男はそれなりに私達のことを大事に思ってるわよ」

 

 

◆◆◆

 

 

「な、なぁ望…………?」

 

「なんですか政矢さん?」

 

「ここ、影の国なんだよな…………?」

 

「ええ、そうですよ」

 

禍の団英雄派出張組三人、異界にて仰天する。

なんでかって? 影の国だと聞かされてやって来た場所が、どう見ても全寮制の中高一貫校にしか見えないからだよ!

 

「あはは…………いやぁ、影の国は訓練のマンネリを避ける為にこうやって50年に一度ぐらいのペースで模様替えをしちゃうんですよ…………それで、ちょうどその模様替えの時期に僕が余計なものを見せてしまったがために…………」

 

「どんなものを見せたんだお前は…………こんなの、政矢が読み耽るライトノベルとやらでも読まない限り…………」

 

「あるいは学園ドラマ、アニメーション、その辺りですか…………? 影の女王、もしやするとパパ殿のご同類…………?」

 

「あ待って、凄く嫌な予感がするというか、この光景に凄く心当たりが有りすぎて辛いんだけど」

 

そこで望は、ニッコリと笑った。あぁ、とてもいい笑顔だけど嫌な予感しかしないぃ!?

 

「『Devil Smash!!』というアニメでしたかね。政矢さんが強く推しておられたので根負けして見てしまったのを覚えています。ええ、感動の学園モノのアニメでした。未練を遺して死んだ少年少女が集う外に出れない全寮制の高校、死ねない世界にて消されて堪るかと抗い戦う人達と、彼らを消す『(小)悪魔』と呼ばれる生徒会長。徐々に明かされていく世界の真相と、出会いと別れ、未練を遺すに至る過去や、本当にしたかったこと…………涙無くして語れませんね」

 

「ギャーッ!? やっぱりぃぃいいいい!!?」

 

え、これ俺のせい!? 俺のせいなんですか止めてくださいそんな目で見ないでコンラとペルセウス!!

 

「政矢さん、あなたに分かりますか? ようやっと登り詰めた門番という職が、突然生徒会役員:書記という称号に変わる瞬間に感じた何とも言えない感情が。いえ、はまった上で見せてしまったのは僕ですし、それを見て『うん、悪くない。学園青春モノ…………アリね!』といって本気で影の国を学校に変えてしまう女王も女王ですが」

 

「待て、今影の女王という物騒なネーミングから想像もできないような台詞が飛び出したぞ」

 

「やっぱりパパ殿のご同類では…………?」

 

「いえ、大丈夫です。大丈夫じゃありませんけど。政矢さんは単なる(気合いの入った)オタク、女王はなんというか…………思春期を戦場に捧げてしまった系なので」

 

「「「あー…………」」」

 

出張組、思わず納得する。年を取ってふと学園モノのドラマを見て、昔に思いを馳せる系か。本来なら昔のそういう風景を作り出すところ、見たものが見たもの故に日本の学校を模したそれに…………。

 

「それで、服装も白いのから普通のブレザーに変わってんのか」

 

「ええ、実は皆さんの服装も」

 

「あ、言われてみれば……」

 

「き、気がつきませんでした…………何故!?」

 

「つか、ロボロボしいドラゴンロボットに何故制服を着せる」

 

「おそらく、女王の趣味ですね」

 

「ズレてんなー影の女王…………」

 

今から会いに行くのかその影の女王に…………もうヤバイなぁ既に…………。

 

「では、我らの女王…………いえ、我らの生徒会長の元まで案内します。禍の団高校からの留学生の皆さん、ようこそ影の国学園へ!」

 

「「「色々と突っ込みてェ!!?」」」

 

 

◆◆◆

 

 

「ハァーイ、よく来たね禍の団英雄派の諸君。いかにも私が、影の国の女王『スカサハ』だ。以後良しなに頼むよ。あ、丁寧な言葉遣いとか面倒なんで、癖でもない限りそこのところヨロシク~」

 

案内された部屋…………というか生徒会室で待っていたのは、影を思わせる黒い長髪をたなびかせる、『生徒会長』の腕章を着けたセーラー服の女学生だった。…………嘘じゃなかったのか。というか、かっるいなこの女王!!?

 

「……じゃあ、自然体で行かせてもらいますわ。俺は伊達政矢、今回望にケルトで槍教えられるやつ紹介してくれって頼んだ張本人です。まさか、影の女王が出張ってくるとは思わんで、なんも準備してない。申し訳ない」

 

「いいよいいよ気にしないで。君には色々と恩もあるし、一度会ってみたいと言ったのはこっちの方さ! そんでもって、こっちの連絡不足で負担を掛けているようで申し訳ない。いやぁ、二人で来るものだと思ってたからさー。この分の補填も、させてもらうよ。ここにいる間は、好きに過ごすといい!」

 

「ありがたい。度肝を抜かれたが、ある意味で実家のような安心感だ、お言葉に甘えて好きなように過ごさせて貰うよ」

 

…………かっるいけど、すこぶる変なヤツでもないらしい。逸話的にちょっと構えていたのがバカらしくなるな、これは。

 

「私は…………便宜上、コンラと。元の名乗る名前は当の昔に捨ててきました。願わくば、この場でも貴女の嘗ての弟子と同じ名を名乗らせていただきたい」

 

「んー、かったいねー。まあ、君はそれが素だから強制はしないけど。()()()()()()()、オババは君の元気な顔が見れて満足だよ」

 

「…………は? いえ、あの、俺は、」

 

「新たな生を受ける度に記憶を無くすのは自然の摂理さ、余程なことがない限りね。でも記憶を無くしても、君は私の弟子には変わりない。ここは、祖母の家とでも思えばいいさ。もっとも、訓練は必要以上に厳しくさせてもらうけどね!」

 

…………驚いた。コンラも、一部の英雄派メンバーと同じで魂を継いだ者だったのか。コンラはコンラで、あの影の女王に認められたのか、それとも他の感情に因るものか、声を震わせて、ありがとうございます、と呟いた。

 

「それで君は……ペルセウスくん、だね?」

 

「お、おう。いかにも俺が、ペルセウスだ。急に来ることになって悪かったな」

 

「ふふふ、いいよー。君らの懸念も当然さ。帰ったら、君らの頭領にも『申し訳ない』と伝えておいてくれ。場所が場所だけに、さぞ気を揉んだことだろう」

 

「……まあ、ちょっと騒ぎがあったけどな。でもある意味ではいつものことだ、気にする必要はないぜ」

 

「そうかい。ん、君も好きなように過ごしなさいな、退屈はしないぞぉ?」

 

そして女王は手を叩き、ニッコリと笑って言う。

 

「さて、挨拶はここまでにして、早速『今の影の国』のルールを伝えるとしよう! いや、この場合『影の国学園の校則』かな? あとで生徒手帳は配布するとして…………」

 

……うぅん、本格的に学校してんなー。

 

「まずここは、誰がなんと言おうと今は『学校』だ。私は生徒会長だし、君たちは『禍の団学園の留学生』だ。私を呼ぶときは、『女王』とかそんな無粋なことはよして、『先輩』とか『生徒会長』とか、そういう風に呼ぶこと!」

 

「はい生徒会長、質問があります」

 

「なんだね伊達クン?」

 

「影の国では、会長が一番強く、一番知識があると思うんですけど、教師役をやるのではないのですか?」

 

そう言うと、生徒会長はもじもじとして…………こう言った。

 

「だって、生徒じゃないと望と青春ラブコメできないじゃないか」

 

「「「…………は?」」」

 

「…………みなさん、会長の妄言は気になさらないように」

 

「毎度のことながらつれないねぇ望!! いいじゃん、憧れの生徒会長と青春ラブストーリーしようぜ!!?」

 

「会長ほど肉食だと薄い本案件です、勘弁してください」

 

「がふっ!?」

 

吐血して倒れる会長を見て俺らは思った。

 

 

 

 

 

「「「(大丈夫か、これ…………?)」」」

 

 

 

 

 

 




なんでこう、俺はオリジナル回をやろうとするとこれで一本書けるほどに設定を練るんだろうか…………
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