独眼機龍の十字砲禍《クロス・ファイア》 作:cmVkem9uZSE=
俺の神器は『
能力を発動すると、両手が赤黒い色した金属の触感がするグローブに包まれる。んで、その状態で鉄屑や火器、武器なんかを触れることで『捕食』し、その属性を可能な部分のみ『取り込み』、武器を『創る』。使用に耐えうるのは戦闘一回程度。終われば光の粒子となって消えていく。作れる武器自体はかなり強いし、『区斬る』という性質が植え付けられる以外はある程度の自由度もあるので、コストが高い点に目を瞑れば良い神器だと思う。
ちなみに、曹操がこの神器のことを神滅具クラスと言いそうになった理由は、組み合わさればヤバい能力が、2つ以上重なってるからだ。
自分の神器を知るために、英雄派で始めた神器研究…………曹操が集めてきた神器持ちに、英雄派幹部連中も強力かつ危ない神器に溢れているお陰で研究対象には事欠かなかったのが幸いだ。ま、それは余談として。
まず『神器』ってのは、文字通り神よりもたらされたチートアイテム。カタチは様々で、武器の形をしてるものもあれば、アクセサリー、あるいは神器自体に形はないものもある。それらは所有者と魂で結びつき、無理に抜きだそうとすると所有者は死んじまうが、その分その能力はピンキリとは言え破格のそれだ。ぶっちゃけ才能なんてメじゃねぇな。その種類も様々であり、今んところ俺が把握してんのは
・炎出したり水出したりなど、超能力ちっくな『属性系統』
・無から有、あるいは材料を元に何かを生み出す『生産系統』
・神器自体が意思を持ち、それ単独で行動する『独立系統』
・強力な生物を封印し、その能力の一端を行使する『封印系統』
てなところか。
基本的に、神器が持つ能力は一つ。その能力の範疇での応用でいろいろなことをできたりするが、やっぱり一つなのだ。
例を挙げると、英雄派幹部にジャンヌってやつがいるんだけど、そいつの持ってる神器が『
では、『
○その1:単純に性能が極悪
→単純に、強い。神殺しと同じルビが振られるだけはある。
○その2:能力が二つ以上
→現在把握してる神滅具のほとんどが、組み合わさってはならない能力が二つ以上セットになっている。これは通常神器では考えられないこと。
○その3:バグが多い
→魂に結びつくという性質上、神器は所有者の想いに割と反応する…………が、神滅具のそれは異常。まあこれは過去のデータではあまり見られず、観察できている今代の神滅具保持者を見てそう思ったんだけど。
○その4:使い辛い
→非常に面倒です。その強力凶悪なスペックを加味しても常人では使いこなせないものばかり。
他にも色々あるが、大まかにはこんなところか。
一般的に、正式生産型が試作型に劣るとは考えられないが…………俺には
…………で、話を戻すけど。
俺の神器は『属性・生産・封印の複合系統』、能力は『捕食』『摂取』『生産』『切断属性』の4つ。バグは今の所把握してないけど、極悪だし能力二つ以上だし使い辛いです。…………俺理論でいくと、神滅具判定されてもおかしかないよね、困ったことに。封印されてる相棒、クロス・ファイアもポヤポヤしてる立派なラノベヲタだから気にならないけど、相当ヤバい奴だったみたいだし。
…………ま、問題なのは周囲の評価であって周りが神滅具って言わなきゃ問題ねーよな? 厄介事は勘弁だぜ。
『んー……悪いけど、『独眼竜』と『災厄を超えた災禍』の組み合わせな時点で終わってると思うよ?』
トドメ刺すんじゃねぇよクロス…………。
◆◆◆
まあ気の滅入ることはスルースルー。そんなわけで俺は3大勢力の会談場所である駒王町へと下見に来ていた。まあメインでやらんといかんのは駒王学園高等部の下見なんだけどな。
ふむ、地方都市なだけあって過ごしやすい町だの。交通の便も悪くないし、商業施設も充実。しかし、都会ほど喧騒とはしていない。此処を支配しているというグレモリーの悪魔さんうらやましす。いやま、今の生活は大分楽で便利だがね。
…………あと、気配を悟られるわけにはいかんので、『
『(むぅ、隠連防付けてると念話しかできないんだよなぁ)』
「(いや、いつもと大差ねーでしょ。外に聞こえるか聞こえないかの違いで)」
良くも悪くも、俺の神器の中にいるこいつはヤベェ奴だ。バレないに越したことはない。
「しっかし夏だからか、陽射しがキツイよな…………飲み物持ってくりゃ良かった」
まだ本格的な夏の入りには程遠いが、それでも汗を書く程度にはあぢぃ…………自販機見つけたら水買おう。
そんなことを思いつつも、頭の中で地図を作りつつ、俺は歩いていく…………と、ある一団が向こう側から歩いてくるのを見つけた。
「ぶ、部長、それにアーシア……ちょっと歩き辛いんスけど」
「あら、イッセーは私と腕を組むのがイヤなの?」
「イッセーさん………(ウルウル)」
「いえっ、嫌じゃないっス! アーシアも、嫌じゃないから安心してくれ!」
…………なんだこの両手に花のリア充。紅髪のきょにゅー美人と金髪の可憐美少女に挟まれてるぜちくしょー。いや、別にいいけどね。俺引きこもりだから三次元にそういう相手いないし。俺の嫁は『光くんに魔女の呪いを』のなっちゃんだし。…………言ってて悲しくなるな。
まあそんな半分冗談は置いとくとして…………
「(…………ねぇクロス、アレは)」
『(間違いないね。兵藤一誠、リアス・グレモリー、アーシア・アルジェント。資料の通り、この街の悪魔達だ)』
まったく、会いたくないタイミングで会うもんだなぁ。ま、向こうはこっちのこと知るはずもないからスルースルー。とはいえ実物を確認できたのはそれなりの収穫だ。俺にしては運がいいと思う。
すれ違う時も見ないようにして、そのまま隣を通り抜け─────────
『ほう、お前も封じられてたのか『
心臓を掴まれた様な圧に襲われた…………が、表には出さない。
この腹の底から響く様な男性の声の主は間違いなく…………『
…………何故ばれた。いや、向こうは規格外の龍帝、もしかしたら俺の分からないところで理解してしまったのかもしれない。くっそ、面倒な。
『…………無視か? まあ臆病者の貴様のことだ、無視でもなんでもするがいいさ』
「(あ、おいドライグ! なんで一般人の前で声出して!?)」
…………チッ。
「(おいクロス…………クロス・ファイア)」
『(分かった。ありがとマサやん)』
後ろを振り向く。すると、何かただならぬ雰囲気を察した様子の3人が、構えを取っていた。
とりあえず、隠連防を外して声が出る様にしとこう。
『…………随分なご挨拶だね、アカくん。見ないうちに随分とひねたみたいじゃないか、構ってちゃんの子供みたいに』
『フン、仮にも貴様は俺の友。無視をする方が悪い』
『時と場合を考えろってのー。なんのためにマサやんが隠蔽してたのか分からなくなるでしょーがー』
え、今明かされる衝撃の真実なんだけど。思わず俺の残された左目でグリグリして自虐ネタ挟みつつ真○スやりたい程度には。
「お、おい…………どういうことだよドライグ!?」
『おそらく、お前と同じくあいつは龍に憑かれた男だろうよ。気を付けろ、あいつの神器の能力は知らんが、中身は知っている。
「神器使い…………まさか、
「…………あー、いや堕天使とは関係ありませんよ。いやマジで」
紅髪のおっかない悪魔ねーちゃんのセリフ、ちゃんと反論しとかないと後が面倒くさそうだ。いや、既にこの状況が面倒臭い。
「俺は野良の神器持ちですよ。まぁ、裏側の事情は神器の中にいる相棒から説明は受けてましたけどね。信用できないとは思いますけど、俺は単に引っ越したい街の下見に来てただけなんすよ…………いやまさか悪魔の支配下にあるとは思いませんでしたけどね。凄くいい街だと思ったんだけど…………」
必殺、嘘の中に本当のことを混ぜる! こうしておけば、嘘が演技くさくなくなるので割と重宝するのである! なお、引っ越したい街探しをしてるのは本当だし、ここが悪魔の支配下じゃなかったら真面目に引越しを検討するレベルには本気です。
「あら、街を褒めてくれるのは悪くない気分ね。まあ、支配下にと言っても運営に携わってるわけじゃないのだけど。…………まあいいわ。流石にグリゴリも不用意に不信感を与えてくるとは考え難いし、納得してあげるわ」
「寛大な処置、ありがとうございます。では、ドラゴンが揃うとロクなことになりそうにないので、早目に退散することにします。それでは」
さぁて、怪しまれない程度にさっさと街でるぞスタコラサッサー!
「……なんつーか、ああいう神器使いもいるんですね」
「珍しいとは思うわ。だってドライグの言が正しいのなら、おそらく強力な神器を持ってることになるもの。…………他の組織に所属していることも考えられるわね、一応報告しておきましょうか」
「あれ? あの腕輪、さっきの人の…………」
「あ…………」
「…………拾っておきましょう。白にしろ黒にしろ、また会う気がしてならないわ」
「…………クロス」
『…………マサやん」
「『ふふふ…………計画通り』」
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