騎士団塔
セ「スレイ殿!よくご無事で!マシドラ様のことはわかったか!?」
ス「実は……」
事情を説明
セ「マシドラ様が自ら逃げた……!?」
ス「ごめん、詳しい話はきけなかった。逃げるのに精一杯で」
セ「いや、捕らえられていないと、わかっただけでも充分な成果だ」
エ「アイツの領域をなんとかしないと」
ス「教皇様に碑文を読んでもらって秘力を手に入れよう」
ケ「セルゲイさん、教皇様はゴドジンにいるらしい。確定情報ではないけど」
セ「どうやってそんな情報を!?」
ス「それは……」
セ「何か訳ありみたいだな。導師殿が言う事だ。理由は無理に聞かぬ。こちらとしては何も情報がないのも事実。ゴドジンに捜索隊を派遣しよう」
ミ「待った。こっちが教皇を捜そうとするのは枢機卿もわかっているはずだ」
エ「下手に騎士団が動いたら、教皇様の居場所を教えてしまうことになるわ」
ラ「ゴドジンにはアリーシャさんもいます。ハイランドの姫がローランスにいるとなると混乱は避けられないでしょう」
ミ「僕たちだけなら」
ス「隠れて行動できる……か。ゴドジンにはオレたちが行くよ」
セ「しかし、それではあまりにも」
ケ「人数が多すぎるのもかえって危険です。ここはボクたちに任せてください。必ず教皇様を見つけだします」
ス「そういうこと」
セ「……かたじけない」
ス「あ、その代わりっていったらだけど、ローランスの通行証をもらえないかな?オレ、ハイランド軍の味方って誤解されてるかもしれなくて」
セ「貴公がどんな人物かは十分承知している。早急に手配しよう」
ス「よかった。これで一安心」
セ「自分からも、ひとつ伝えておきたいことがある。表に出てもらえないか」
騎士団塔の外
セ「貴公との戦いで自分が使った技を覚えているか?」
ス「うん」
セ「あれは『獅子戦吼』。代々、我が騎士団に伝えられてきた奥義だ。今の使い手は自分と、弟のポリスのみになってしまったが……。それを貴公に伝授したい。受けてもらえるだろうか?」
ス「わかった」
戦闘
ス「『獅子戦吼』」
セ「素晴らしい飲み込みの早さだ」
セ「すまない。無骨者ゆえこんなものしか報いる術を知らないのだ」
ス「ううん。すごい技だよ。ありがとう、セルゲイさん」
セ「もう我々は同門だ。セルゲイでかまわない」
ス「オレもスレイでいいよ」
セ「スレイ。自分は教皇様が逃げ出したとは信じたくはない。だが、この事件には自分の知らない裏があるようだ」
ス「わかった。教皇様を見つけて事情を確かめよう」
セ「頼む」
騎士団塔内
セ「スレイ、通行証だ」
ス「ありがとう。これで安心して旅ができるよ」
ケ「ゴドジンはここから南東の方角だ。一度調査で行ったことがある。案内しよう」
セ「ケイン、スレイ、頼んだぞ」
ス「うん。任せてよ。それじゃあ行ってくるね」
ゴドジン到着
ス「ここがゴドジンか」
ミ「こんな街道から離れたところに村があるとはな」
女子「あ!よそものだ!」
男子「こら!そういう言い方しちゃダメって学校で習ったろ?」
女子「そうだった!」
女子「こんにちは!」
ス「こんにちは」
ケ「久しぶりだね。元気してた?」
男子「あっ、研究しているお兄ちゃん!久しぶり!」
ケ「うん。元気そうだね」
ス「この建物は学校?」
女子「そうだよ!村長さんがつくったんだよ」
男子「村の将来のためにね」
ス「学校か!」
ケ「以前訪れた時には学校なんてなかったが……」
村人と村長が来る
村長「街のものに比べたら、ささやかすぎるだろう?」
ス「そうなの?オレの育った村にはなかったから」
ミ「ちょっと憧れだったよね」
スレンジ「ゴドジン村長のスレンジです。こんな辺境まで、どんな用で?」
ス「えっと、人を――」
ケ「お久しぶりです。みなさん」
村民女「あんたはいつかの探検家さん。また遺跡の調査かい?」
ケ「まあそんな感じ。以前来たより随分景気がよさそうですね」
村民男「それもこれも村長のおかげさ」
ケ「あなたが村長さんですか。はじめまして、ケインと言います。今日は遺跡調査で来ました」
村「それはご苦労な事です。幸いこの村は、大きな飢饉にはみまわれていません。どうぞごゆっくり」
村民女「それどころか前より豊かなぐらい」
村民男「村長のおかげでな!必要なものがあったら遠慮なく言ってくれ」
村民女「また自分の手柄みたいに」
ケ「へえ。それはそうと、先行させている仲間を見かけませんでしたか?白い甲冑をつけたボクと同じぐらいの年齢の女性なのですが……」
村民男「ああ、あの人か。今ちょうど村にいるわよ」
ス「風の骨の情報は本当だったんだ」
村民女「久しぶりの再会だ。その仲間をつれて、うちにおいでよ。腕を振るうよ」
ケ「ありがとうございます」
村民男「じゃあ、また後でな」
村民去る。
ケ「スレンジさん」
村長「なんでしょうか?」
ケ「あなた、どこかで見たことがある顔なのですが、ボクと会ったことありますか?」
村長「はて、人違いではないですかな」
ケ「そうですか。失礼しました」
村長、去る
ケ「…………」
ス「いい村だな」
ミ「ちょっとイズチを思い出したよ」
ス「…………」
ラ「スレイさん、わたしたちで教皇様の手がかりを探します」
エ「気が気じゃないんでしょ。行ってきなさい、あの娘のところへ」
ス「わかった。ありがとう」
パーティ、自由行動に
スレイ、アリーシャを見つける
ス「アリーシャ!」
ア「スレイ!?どうしてここへ?」
ス「ちょっと調べ事をしていてね。アリーシャは?」
ア「わたしは――」
回りを見回す
ア「ここでは人が多い。場所を移そう」
ア「ここなら村の者も来ないだろう」
ス「アリーシャ、例の極秘任務ってやつなのか?」
ア「ああ。そうだ」
タケダ「殿下、こちらにいらしたか。むっ、お前は導師!?」
ス「あなたは、あの時、アリーシャを迎えにきた兵士」
ア「スレイ、この村ではわたしたちの素性は隠している。誰もいない場ならいいが……」
ス「そうか。ごめん」
タ「殿下、なぜ導師がここに」
ア「彼らは別の用事でここへ来たらしい。今から話を聞くところだ。スレイ、話を聞かせてくれないか?」
ス「実は……」
暗転
ア「なるほど、ローランスの教皇様がここへ。行方不明という噂は聞いていたが……」
タ「これはチャンスだ!教皇を生け捕りにしてハイランドに持ち帰ったら、手柄を挙げられる!」
ス「そんなのダメだよ!オレたちには教皇様が必要なんだ」
ア「わかった。教皇様の身柄はスレイたちに預けよう!」
タ「殿下!」
ア「教皇の件は任務内容に入っていない。それにハイランドは導師に恩義がある。それをむげにはできないだろう」
タ「しかし!」
ア「それにわたしたちが追っている件に繋がっている気がする」
ス「アリーシャたちが追っている件って?」
ア「最近、ローランスのみならずハイランドにもエリクシールが流通している。不老不死になると言われている名薬だ。貴族たちがこぞって買いあさっているのが問題になっている。エリクシールは普段市場に出回るようなものではなく、高値で取引されている。このままではハイランドの資金がローランスへ流れこんでしまう。そう危惧したハイランド政府は、わたしをエリクシールの調査するようにローランスへ派遣したんだ」
タ「殿下!?こんなどこの馬の骨とも分からない人に機密事項を」
ア「スレイは情報を提供してくれたんだ。こちらも持っている情報を明かさないとフェアじゃない」
ス「それで、そのエリクシールがゴドジンにあると?」
ア「ああ。ここから出荷されてペンドラゴに運ばれているらしい。しかも教会名義でだ」
ス「教皇様とエリクシールか……。アリーシャ、オレたちと一緒に来ない?」
ア「しかし、わたしは……」
ス「行方不明の教皇様と教会が管理しているエリクシール。これって絶対関係してるよ。調べることが一緒なら協力した方がいいよ」
ア「……わかった。でもスレイたちに迷惑はかけられない。この件が片づけるまででいいだろうか」
ス「それでもいいよ」
ア「ありがとう」
タ「導師なんか胡散臭いやつと行動するのはまっぴらごめんだ。俺は別行動しますよ」
ア「スレイは胡散臭くなんかない!現にここには天族様がいらっしゃって」
タ「殿下には、その天族様とやらが見えていらっしゃるのですか?」
ア「そ、それは……」
ス「アリーシャ……」
タ「俺は目に見えるものしか信じません。得体のしれないやつとは行動できない」
ア「くっ」
ス「アリーシャ、いいんだ……。そう思われても仕方ないんだ」
ア「しかし!」
タ「安心してください、仕事は放棄しませんから。俺は俺のやり方でエリクシールを探します」
タケダ、去る
ア「スレイ、すまない。失礼なことをした」
ス「大丈夫だよ。さてみんなと合流するか」
ア「ミクリオ様とは一緒じゃないのか?」
ス「ああ、えーと。今は別行動。教皇様の手がかりを調べているんだ」
ア「そうか……」
ス「行こう」
ア「……」
ミクリオと会話
ミ「アリーシャと再会できたみたいだね」
ス「うん」
ス「これからはアリーシャも一緒に調査することになったんだ」
ア「よろしくお願いします、ミクリオ様」
ミ「なっ!」
ス「アリーシャ、ミクリオが見えるの!?」
ア「いいや。でもスレイの顔を見ていればなんとなくわかるよ」
ス「ははは、これは一本取られた」
ミ「…………」
ス「そうだった。どうそっちのほうは何か掴めた?」
ミ「掴めたってほどではないけど、気になる事が一つある」
ス「おっと、ちょっと待って。アリーシャ、手を」
ア「あ、ああ。すまない」
ミ「一通り回ってみたんだが、この村かなり豊かみたいだ」
ス「いいことじゃないか」
ミ「なぜかが問題」
ス「……収入源か!」
ミ「そう。周りは農業にも狩猟にも適さないやせた土地だ」
ス「街道沿いでもないし、特別な産物もないっぽい」
ミ「変だろ?普通なら真っ先に飢饉に苦しむような村なのに」
ス「訳があるんだろうな。なにか」
ア「確かに不自然ですね。……まさか例のエリクシールの収入が」
ミ「エリクシール?」
ス「ここでは人が多い。後でみんな集まった時に説明するよ」
ミ「わかった。僕ももう少し村の人の様子を伺うこととするよ」
ス「じゃあ、集合場所は……」
ア「学校の裏に路地があります。そこでは誰かに会話を聞かれることはないでしょう」
ス「俺たちは他の人たちの所に行ってくるよ」
ミ「ああ。気をつけろよ」
ス「わかってるって」
ア「では、ミクリオ様失礼します」
スレイとアリーシャ去る
ミ「この感じ。なんだか少し前に戻ったみたいだな……。アリーシャが従士として戻ってくることはもうないかな。僕からしか姿を捉えられないってあんまりじゃないか」
ライラと話す
ラ「アリーシャさん!よかった。無事だったのですね!」
ス「アリーシャ、ライラだ」
ア「ライラ様、お久しぶりです。先日はご迷惑をおかけしましてすみませんでした」
ラ「いえいえ、こちらこそ結果的にあなたを苦しませることになってしまい――、聞こえていませんよね……」
ス「ライラ……」
ここでケインが歩み寄る
ケ「こんにちは、マーリンド以来だね」
ア「ケイン!」
ケ「元気そうで何よりだ」
ア「ケインこそ」
ケ「あっ、一応アリーシャ姫はボクの研究チームの一員ってことになっているからよろしく」
ア「わかった」
ス「それにしても、このゴドジンって幸せそうな村だよな」
ア「前向きで、活気がある。みんな良き人ばかりだ」
ス「けど、天族の加護は感じないな」
ラ「はい。加護天族は不在ですわね。一時は、かなり荒れていたようです。それを今の村長さんが立て直されたということですわ」
ス「だからみんな村長さんを尊敬してるんだな」
ラ「そうなのでしょうね。ここはずいぶん貧しい土地のようですし」
ケ「以前来た時には彼はいなかったんだけどね、かなりの手腕だよ。ぜひご教授願いたい」
ア「話によると村長さんは一年ほど前にこの村に来たらしい」
ケ「一年前、ね」
ラ「ケインさん、どうかされました……?」
ケ「ごめん、ちょっと気になっていることがあってね。もうちょっと調べたら、ちゃんと話すよ」
ス「二人とも、集合場所は学校の裏ね」
ラ「わかりましたわ」
アリーシャ、スレイ去る
ケ「アリーシャ姫がとりあえず無事そうでよかったね」
ラ「そうですね……」
ケ「これからどうするの?アリーシャ姫が戻ってくるように説得でもする?」
ラ「それはアリーシャさんが決めることですし……」
ケ「問題はキミがどうしたいかだよ。誓約が色々あるのも分かるけど、自分の気持ちを押し殺すのも良くない」
ラ「ケインさん……」
ケ「ボクも行くよ。後でね」
ラ「あ、はい」
ラ「…………」
ラ「わたしは……、わたしはどうしたらいいのでしょうか」
ラ「アリーシャさん……」
エドナと話す
ア「後はエドナ様だけだな」
ス「うん。あっ、いたいた」
エ「スレイ、……アリーシャと無事会えたみたね」
ス「うん」
エ「……そう」
ス「エドナ?」
エ「村の奥に遺跡があったわ。相当古くて凝ったものみたい」
ス「古いってどれくらい?」
エ「多分『クロースド・ダーク』より前。ワタシより年上かも」
ス「って、『アヴァロストの調律』時代!?本当なら超貴重だよ。それ!」
ス「……あれ?えっと、エドナって何歳――あいたっ!」
エ「なに?」
ス「なんでもないです……」
エ「仲直りは出来たの?」
ス「もともと喧嘩してないし」
エ「ふーん」
ア「エドナ様、ご無沙汰しています」
エ「あなたも相変わらず律儀ね」
ア「…………」
エ「張り合いがないわ。スレイ、なんとかしてこの娘にわたしの姿が見えるようにしなさい」
ス「そんなこと言われても……」
エ「もういいわ。行きなさい。遺跡が気になっているでしょ?」
ス「遺跡か……」
ア「入口の方は立ち入り禁止になっているみたいだ。村の人が見張りについている」
ス「何かありそうだな。ありがとう、エドナ。行ってみるよ」
ア「学校裏で待っていてください。私とスレイで見てきます」
スレイ、アリーシャ去る
エ「一緒にいたいなら素直になればいいのに。人間って面倒な生き物ね。話をするとき、スレイに通訳してもらうのも面倒だし、早く従士に戻ったらいいのに……」
遺跡前
ス「ここがエドナが言っていた遺跡か」
ア「誰かいるぞ。あれは村長さん?」
ケ「スレイ、アリーシャ、こっちこっち。そこにいちゃばれちゃうよ」
岩陰に隠れる。スレイ、アリーシャ、ケイン。
「やつら、村長を捕まえにきたんじゃないのか?」
「冗談じゃねえ!村長がいなくなったらゴドジンは……」
スレンジ「心配はいらんよ。聖域に入れさえしなければ大丈夫だ」
遺跡に入っていく村長。村長から穢れ発生
ス「村長さんから穢れが……なんで?」
ケ「答えは、あの遺跡にあると思う」
ス「……だな」
ア「一回戻って、ライラ様たちと作戦を練ろう」
みんな合流
ラ「みんな集まりましたね」
スレイとアリーシャ手を繋ぐ
ス「遺跡のほうを見てきたよ」
ミ「どうだった?」
ア「やはり見張りがいました。とても正面から入れそうもないです」
エ「明らかに怪しいわね」
ケ「そこに何かがある」
ア「おそらくエリクシールだと思う」
ミ「エリクシール?」
ア「実は……」
暗転
ミ「なるほど。エリクシールで収益を得ているのなら、この村の豊かにも説明がつく」
ス「なんとかして入れないかな」
ラ「方法ならありますわ」
ア「本当ですか!?」
ラ「はい。おそらくこの岩の先はあの遺跡に繋がっているはずです」
ケ「この崩れた岩の先か……」
ミ「どかすのは無理だね」
エ「そうでもないけど」
ス「エドナの術なら!」
ミ「試してみてくれ」
エ「やってあげてもいい。ミクリオが『エドナお嬢様、どうか岩をどかしてください』って頼むなら」
ミ「おい、ふざけている場合じゃ――」
エ「手がかかるのよ。『エドナお嬢様』はね」
ミ「くっ……なんて屈辱的な……」
エ「ほら、早く言いなさい。『エドナお嬢様、どうか未熟なミボに代わって岩をどかしてくださいませませ』って」
ミ「増えてるぞ!?」
エ「早くしないともっと増えるけど」
ラ「エドナさん、イジワルはその辺にして――」
ス「この岩をどかして欲しいんだ、エドナ。お願いします」
エ「スレイはいいのよ!?」
ス「オレも、いつの間にか力を貸してもらうのを当たり前に思ってたかもしれない。そういう心のせいで穢れが広まるのを見てきたのにな。感謝を忘れちゃダメなんだよな。天族を祀るにも。仲間と旅をするにも」
ス「もちろん天族だけではなく人間に対してもだ。ありがとうアリーシャ、ケイン」
ア「スレイ……」
ケ「唐突だね。でもその気持ちは嬉しいよ。こちらこそありがとう」
エ「あなたは変わらないのね。いいわ。私の『巨魁の腕』を、あなたに預ける」
ミ「スレイに冗談は通じないよ」
ス「よーし、未熟なミボに代わって岩をどかしてみるか!」
ミ「それも言うのか!?」
エ「ホント、冗談通じない」
ア「ふふふ、この感じ懐かしいな」
エ「行くわよ。ロックランス!」
岩壊す
ス「すげえ威力!」
エ「そう?」
みんな先に行ってミクリオとエドナだけ
ミ「『巨魁の腕』か……くやしいが、さすがは地の天族といったところか」
エ「……」
ミ「エドナ?」
エ「あひゃぁ!!」
エ「……『巨魁の腕』を使った後は全身が筋肉痛地獄になるんだから触らないでくれる?」
ミ「そ、そうなのか……」
エ「見た目通り華奢なアタシは、本来傘より重いものは持てない。守ってあげたくなるNO.1の淑女なのよ?」
ミ「それは別にどうでもいいが、やはり大きな力にはそれなりの代償があるってことなのか」
エ「気を遣われても困るからスレイには言うんじゃ、ないわよ」
ミ「そうかもな」
エ「あとさっきの話は、力を使ってないときは好きに触っていいって意味じゃないわよ」
ミ「知ってるよ」
奥に進む
ス「なんだここ?倉庫みたいだ」
ア「これは!?」
ス「エリクシール!?」
ミクリオ飲む
ミ「偽物だ。けど、なんか体が熱く……」
ラ「これは滋養強壮薬ですね。強力な依存性があります」
エ「一回売れば需要が保証される。悪質ね」
ア「やっと見つけた!」
ラ「そんなものが教会のお墨付きで売られているのですか?」
ケ「ゴドジンに本物の証明書を書ける人物がいるとすれば……」
ス「失踪した教皇様」
ミ「村の資金源も説明がつくね」
ミ「村長の穢れの理由も」
ス「共犯か。もしくは」
ケ「村長が教皇か」
「貴様らっ!どうやってここにぃッッ!!」
ロ「こいつ、まさかっ!」
ケ「憑魔!?」
ミ「まさかこの憑魔、村長なのか!」
ス「アリーシャ下がって!」
ア「あ、ああ」
戦闘
浄化完了
ラ「なんとか浄化できましたわ」
憑魔が男に
ケ「これは!村長じゃない!?」
男「やっぱり村長さんを捕まえにきたんだな……?そんなことさせねぇっ!」
スレンジ「やめろ!一体何があったんだ!」
ス「あなたは……マシドラ教皇様?」
マシドラ「……調べはついているのだな」
ケ「やはりそうだったか。どっかで見た顔だと思ってたんだ」
ア「なんで教皇様がこんなことを?」
マ「聞きたいのはこっちだ。なぜ私が教皇などという望んでもいない仕事をしなければならない?私が聖職に就いたのは、家族にささやかな加護を与えたかったから……ただそれだけだったのに」
ス「でも、あなたを慕っている人は大勢います。騎士団のセルゲイたちだって」
マ「わかっている!だからできることを必死でやった!自分を顧みず!皆のために何十年も!その結果――!気が付けば、家を顧みない男と憎まれ、私の家族は跡形もなくなっていた……。私は……一体なんのために……」
ケ「……ハイランドとの戦争には関わったんですか?」
マ「戦争も国も民も、全部投げ出して逃げた。すべてがどうでもよくなったのだ。死ぬつもりで森をさまよい、動けなくなったところを彼らに救われた。ゴドジンの皆は、私に何も求めず、ただ家族のように接してくれた」
ラ「それで村のために働こうと思われたのですね」
ミ「偽エリクシールを売り捌いてまで」
ケ「理由はなんであれ、ボクはあるがままを報告しないといけない。それはここにいる皆同じだ。おそらくあなたはそれ相当の処分を受けることになるだろう」
ス「ケイン!?」
ア「それも止む負えないだろうな」
マ「卑怯者と言いたければ言うがいい。今の私は――村人(かぞく)のために生きている」
ミ「同情はするよ。けど、教皇を連れ戻さないと」
ス「碑文を読まなきゃ秘力が得られないし、セルゲイたちも枢機卿に対抗できない……よな」
ラ「ですが、村長さんの人望と手腕がなかったら加護のないゴドジンはどうなってしまうか……」
ミ「わかるけど、同じことはペンドラゴにも言えるよ」
エ「そもそも、コイツが逃げたのが原因。責任を果たさなくていいわけ?」
ス「何か方法あるんじゃないか?碑文を読んでもらってゴドジンに戻るとか」
ラ「騎士団や教会があの状況では……」
エ「この人を解放してくれるって思う?」
ス「……」
マ「く……っ!げほっ!げほっ!がはっ!」
男「村長!」
ス「村長さん!?」
マシドラは、胸に手をあて、そのまま倒れ込んでしまった。
こんにちは、作者です。第十三話です。アリーシャと再会し、さあ各キャラと会話をさせようと思った時に、「従士契約を破棄しちゃったから、天族と話すどころか、その姿を見る事もできないじゃん……」と、もどかしさと寂しさを感じました。天族は人間を見る事できるけど、人間からは天族を見る事ができない。中々難しい問題ですね。あまりにも立場が違いすぎます。その中でどう共存していくか。歴代の導師は苦しんだのだろうなと思うと、心が痛いです。ではまた、第十四話で会いましょう。