俺が考えたアリーシャヒロインのゼスティリア   作:具志健

16 / 29
フォートンが倒れ、穢れが晴れたペンドラゴ。次の目的地を目指す前に、まずは腹ごしらえと宿屋へ向かう。


第十六話 人間と天族

宿屋

メーヴィン「ドラゴ鍋……70点ってとこだな」

 

ス「メ―ヴィン!」

 

ケ「先生!」

 

メ「おお、今日はケインと一緒か。久しぶりだな。手紙は読んだか?」

 

ケ「はい。遺跡の奥には導師の秘力なるものが眠っている場所が描かれた壁画がありました。一つはすでに訪れたので、これから残り三つを回る予定です」

 

メ「なるほど。ケインが役に立っているみたいだな」

 

ア「はい。彼がいないと今頃どうなっていたか」

 

メ「教え子が導師のお供になっているとは、ワシも鼻が高いわい」

 

ケ「先生も相変わらずお元気そうですね」

 

メ「ああ、おかげさまでな。お前たちも大活躍だったみたいじゃないか。聞いたぜ。教会の件」

 

メ「大変だな、導師ってのは」

 

ス「ん、いろいろあるけど……大丈夫」

 

メ「そうか。で、なにかつかめたか?」

 

ス「うん。あそこにマオテラスはいなかった」

 

メ「ほう?」

 

メ「マオテラスは謎の多い天族だ。存在自体を否定する説もあるほどだが……」

 

ミ「教会神殿は信仰を集めてきた。アスガード隆盛期からずっとだ。相当強力な天族の加護がないと、そんなことは不可能じゃないか?」

 

ス「マオテラスが存在し、祀られてたのは事実だと思う」

 

ミ「だとすると問題は、いついなくなったか」

 

ケ「マオテラスは大陸全体を加護する強い力を持った天族。なら、いなくなったのは、その加護がなくなった時と考えるのが自然だね」

 

ス「災厄の時代が始まった時か」

 

ミ「待てよ、マオテラス失踪が災厄の時代の原因だとすれば」

 

ス「マオテラスの加護が戻れば、災厄は治まる。マオテラスを捜そう」

 

ケ「先生、なんか心当たりがありませんか?」

 

メ「教会神殿以外だと、マオテラスと同じ五大神の力が残るという四つの遺跡があると……」

 

ス「試練の神殿!」

 

ケ「おそらく先ほど話した遺跡ですね」

 

メ「さすが導師だな」

 

ス「旅の途中で何かわかったら教えて」

 

メ「わかった。俺も伝承を当たってみよう。じゃあな。風邪ひくなよ」

 

ス「ありがとう」

 

メ「おう!」

 

メ―ヴィン去る

 

ラ「ケインさん、良かったのですか?もっと話したいことがあったのでは?」

 

ケ「いいんだ。ボクたちと先生が追っている伝承は大元では同じだ。またどこかの遺跡でばったり会えるさ」

 

ミ「じゃあ次の目的地は試練の遺跡?」

 

ス「ううん。その前にペンドラゴの加護を復活させたい。せっかく穢れがなくなったんだ。この状態を維持したい」

 

ラ「わたしに加護をしてくれそうな天族に心当たりがありますわ」

 

ア「本当ですか!?その方はどこに?」

 

ラ「この街にいるはずです。探してみましょう」

 

ケ「ペンドラゴの加護を復活させたら一度ゴドジンにも戻ってみないか。ボクたちが行った土壌調査を元に騎士団が派遣されることになったんだけど、如何せん戦争中という事で先延ばしになりそうなんだ。ゴドジンにも加護天族がいなかった。教皇様がいなくなってどうなっているのか、様子を見ながら加護天族を捜そう」

 

ア「やることがいっぱいなんだな」

 

ス「その分やりがいがあるよ」

 

ラ「決まりですわね」

 

 

 

ペンドラゴ 路地

ス「ライラ、ホントにこんな路地に天族がいるの?」

 

ラ「はい、確かに昔はここに……」

 

ミ「昔って何年前のことなんだ」

 

ケ「やれやれこんなんで見つけられるんだろうか」

 

「ライラちゃん!?ライラちゃんじゃないの!」

 

ラ「ムルジム様、お久しぶりです」

 

猫型天族現る

 

ス「むしかして天族!?この猫が?」

 

ケ「ラストンベルを加護してもらっているオイシさんだって、犬型の天族だった。猫の天族がいても不思議ではないだろう」

 

ラ「一匹ネコの高位天族で、強い加護の力をもつ天族ですわ」

 

ム「あなたが噂の新しい導師ね」

 

ス「スレイって言います。ムルジムさん、この街の加護をお願いしていいですか?」

 

ム「昨日、この街を覆っていた穢れが消えたわ。あなたたちがやったんでしょ?だいぶ住みやすい街になったわ」

 

ス「それじゃあ!」

 

ム「わたしでよければ喜んで」

 

ア「感謝します、天族ムルジム様」

 

ム「わたしは教会にいるわ。旅では辛いことが少なからずあるでしょう。何か困ったことがあったらいつでも相談に来なさい、ライラちゃん」

 

ラ「ムルジム様……ありがとうございます」

 

ス「さあ今度はゴドジンだ」

 

ケ「指導者を失って混乱していなければいいんだけど……」

 

ミ「行ってみよう」

 

 

 

ゴドジン

ケ「さあゴドジンまで戻ってきたわけだが……」

 

ス「どうやって加護天族を捜そうか」

 

ラ「すみません、この地域のことはあんまり詳しくないんです」

 

ミ「手掛かりなしか」

 

村人A「ケイン!やっと戻ってきたか!村長さんはどうなった?」

 

ケ「ペンドラゴまで送り届けたよ。おそらく向こうで刑を受けることになるだろう」

 

村人A「そうか……」

 

村人B「仕方ないよ。俺たちはわかっていて悪いことをしていたんだ……。騎士団に懇談する件は?」

 

ケ「聞き入れてくれたよ。ただ、現在隣国との外交関係が緊張状態で、今すぐにとはいかないみたいなんだ」

 

村人A「なんだって!」

 

村人B「それだと俺たちはどうやって生きていけばいいんだよ!」

 

子ども「パパ、ぼくたちどうなっちゃうの?」

 

ケ「すみません……」

 

村人C「ちょっと!ケインくんを責めてもしょうがないでしょ!!国が見向きもしなかったこの村を救うために頑張っているのよ」

 

ケ「いいんです。結果が出ていないのは事実ですから」

 

村人A「いや、俺らもつい熱くなってしまった。兄ちゃんは悪くないもんな」

 

村人B「また一から考え直すか。まだ方法はあるはずだ。ケインにも迷惑かけたな」

 

ケ「い、いえ」

 

村人C「これからはわたしたちでなんとかするわ。さっそく集会を開くわ。みんなを集めましょう」

 

村人去る

 

子ども「お兄ちゃん、ぼくたちのために頑張ってくれてありがとね。これあげる」

 

ケ「これは?」

 

子ども「お花。学校の花壇で育てているのを摘んだの」

 

ケ「ありがとう。大切にするね」

 

子ども「うん!」

 

子ども去る

 

ア「この村の人たちは強いな」

 

ス「うん。たくましく生きている」

 

エ「落ち込むことはないわ。あなたが悪いわけじゃないって言っていたでしょ」

 

ケ「ああ。でも――」

 

エ「でも、なに?ボクが村長を連れて行かなかったらこんなことにならなかった、とでも思っているの?」

 

ミ「エドナ!」

 

エ「わたしたちがどうしようが、あんな方法じゃ長くはもたなかったと思うわ。もっと根本的なところから解決しなくちゃ」

 

ケ「それはそうだけど、肝心の方法が……」

 

ラ「完全に手詰まりですわね」

 

ス「何か特産物があればいいんだけど」

 

エ「そもそも、なんでこの村にこだわるの?導師の仕事なら加護を復活させて終わり。それでミッションコンプリート。あとはここの人に丸投げでいいじゃない?」

 

ケ「……以前この村に訪れた時、ボクはこの村の人たちに凄く良くしてもらった。とても豊かな土地とは言えないけど、人情溢れる人達で……。ボクは彼らを救いたいんだ」

 

ラ「ケインさん……」

 

ス「村長さんと約束したしね。それにほっとけないよ」

 

エ「アリーシャは?ゴドジンはローランスの村、敵国よ。それでもこの村を救いたい?

 

ア「もちろんです。苦しんでいる民を助けるのは騎士の務め。それがたとえ敵国であろうとも同じです」

 

エ「人間ってホントバカね」

 

エ「スレイ、ケインとミボを借りるわよ。加護天族探しは残りのメンバーでよろしく」

 

ス「えっ?」

 

ミ「それってどういう――」

 

エ「いいからわたしと一緒に来なさい!」

 

ケ「何か考えがあるんだね」

 

エ「さあ、どうかしら」

 

ス「ずいぶんあいまいな……」

 

ケ「わかった。エドナちゃんを信じよう」

 

ミ「ケイン!いいのか?」

 

ケ「エドナちゃんは冗談や嫌味を言っても、ウソは言わない。かけてみる価値はあるよ」

 

ス「行っておいでよ。加護天族はオレたちで捜すから」

 

ミ「スレイまで!」

 

ラ「東の方に強い力を感じます。この力の持ち主ならゴドジンの加護を引き受けてくれるかもしれません」

 

ア「決まりですね」

 

ミ「本当にいいのか!?」

 

エ「あら、ミボ。そこまでしてスレイから離れるのが嫌なの?」

 

ミ「そんなことは――」

 

ス「ミクリオ。大丈夫、すぐ戻るから」

 

ミ「ああもう!わかった。エドナと一緒に行けばいいんだろ」

 

エ「それでいいのよ」

 

ケ「そっちの方は頼んだぞ」

 

ス「ああ」

 

 

 

ミ「エドナ、一体どこまでついていけばいいんだ!もう村の外れだぞ!」

 

エ「黙ってついてきなさい」

 

エ「ここらへんでいいかしら。ケイン、周りに人はいないわね」

 

ケ「ああ。さすがにこんな所には、めったに人がこないだろう」

 

エ「そう」

 

ケ「そろそろ説明してくれないかい?ここで何をするのかを」

 

エ「言われなくても説明するわよ。ここに畑を作るわ。それなら村の人も生活できるようになるでしょ」

 

ミ「畑を?しかし――」

 

ケ「ここは痩せた土地だ。それが出来たら苦労しない」

 

エ「バカね」

 

エ「どいてなさい。これから土壌を耕すわ」

 

ミ「なっ!?」

 

エドナ、天響術を駆使して土壌を耕す

 

エ「こんなもんかしら」

 

ミ「エドナ、いきなり危ないじゃないか」

 

エ「ちゃんと手加減したわ。ほらこれ」

 

エドナがケインに何かを手渡す。

 

ケ「これは?」

 

エ「痩せた土地でも育つ野菜やイモの種、らしいわ」

 

ミ「いつの間にこんなに……」

 

ケ「早速植えよう!」

 

 

 

ミ「ふう、やっと終わった」

 

エ「お疲れ様。どろだらけね。ドロンコミボ。略してドミね」

 

ミ「だから略するの止めろって!そういうエドナも顔に土が付いているじゃないか」

 

エ「こ、これは……。わたしは地の天族だからいいのよ」

 

ケ「エドナちゃんが一番張り切って畑仕事をしていたけどね」

 

エ「気まぐれよ。気まぐれ。男どもの作業が遅いのが悪いのよ」

 

ケ「わかった、わかった。ありがとう、エドナちゃん」

 

ミ「次はどうすればいいんだ」

 

エ「水をたっぷりあげればとりあえずは大丈夫。後は人間次第」

 

ミ「わかった。今度は僕の出番だ」

 

ケ「ミクリオくん、頼む」

 

ミ「任せてくれ。スプラッシュ!」

 

畑に水をかける。

 

ミ「これでひとまず安心かな」

 

女の子「すごーい。あそこだけ雨が降ってきたー」

 

村人「ケイン、これは……」

 

ミ「あちゃー、ばれちゃったか」

 

ケ「それは、そうだね……。どこから説明した方がいいかな」

 

村人「昨日まで何もなかったところに畑が出来ている。あんたがやったのか」

 

ケ「いいえ。仲間が協力してくれました。ボクは手伝っただけです」

 

村人「ありがとう!これで村は救われる!」

 

女の子「お兄ちゃん、ありがとう!」

 

ケ「お礼なら、ここにいるお姉ちゃんにしてください」

 

エ「え?」

 

女の子「誰もいないよ」

 

ケ「ううん。エドナちゃんっていう優しいお姉ちゃんがいるんだ。彼女がこの畑を作ってくれたんだよ」

 

エ「何を勝手に……」

 

村人「まさか、天族様がそこに!?ありがとうございます!エドナ様!」

 

女の子「ありがとう、エドナお姉ちゃん!お姉ちゃんがつくった畑、大事に育てるからね」

 

ミ「ほら、エドナ」

 

エ「ああ、もう!わかったわよ」

 

エ「水やりは一日二回。早いやつなら一月で収穫できるわ。大切に育てなさい。……強く生きるのよ。詳しいことはそこに書いてあるわ」

 

ケ「エドナちゃん……」

 

エ「早く伝えなさい」

 

女の子「ねえ、お姉ちゃん、なんて言ってるの?」

 

ケ「どういたしまして、だって」

 

女の子「ふふふ、わたし頑張るわ!今度村に来た時にはわたしが作った野菜で料理ご馳走してあげる」

 

エ「その時を楽しみにしているわ」

 

ケ「楽しみにしているだって」

 

女の子「ホント!?お姉ちゃん、絶対また来てね!」

 

ミ「完璧に僕のこと忘れているな……」

 

ケ「これに詳しい育て方が書いてあります。参考にしてください」

 

村人「何から何までありがとうございます。早速村の人達に伝えてきます」

 

ミ「これなら大丈夫だな」

 

ケ「ああ、彼らなら畑を枯らすことはないだろう」

 

村の穢れが晴れ、領域が展開される。

 

ミ「村の穢れが消えていく。加護が復活したのか」

 

ケ「スレイくんも上手く行ったみたいだね。村のどこかにいるはずだ。戻ろう」

 

ミ「ところで、エドナ。なんであんなに畑のことに詳しかったんだ」

 

エ「昔、お兄ちゃんが教えてくれたのよ。人間たちはこうやって苦しい環境の中でも生きるために努力しているって話しながら……」

 

ケ「そうだったんだ。お兄さんにもお礼を言わないとね」

 

エ「話を出来る状態じゃないと思うけど」

 

ケ「エドナちゃん、ボクに同じことを何度も言わせないでくれよ」

 

エ「…………」

 

ミ「あ、スレイたちだ。おーい」

 

ス「みんな」

 

ア「村の人から話を聞いた。上手くいったみたいだな、ケイン」

 

ケ「そっちこそ」

 

ミ「この人は?」

 

ラ「紹介しますわ。天族フォーシア様です」

 

フォーシア「こんにちは」

 

ミ「この人がゴドジンの加護を?」

 

ラ「はい」

 

フ「あなたね、畑を作ったっていう天族は。村の人たち、すごく喜んでいたわ」

 

エ「気まぐれよ、気まぐれ」

 

ケ「素直じゃないな」

 

フ「あなた方が救ったこの村、その結末をしっかり見届けます」

 

ア「よろしくお願いします、フォーシア様」

 

ス「今回のMVPはエドナだね」

 

エ「さあ、問題が解決したのならさっさと行きましょう。導師が神威を使えないなんて話にならないわよ」

 

ミ「残りの試練は、水と地と風か……」

 

ケ「水はミクリオくん、地はエドナちゃんとして、後は風の天族の陪神が必要だね」

 

ア「風の天族か。ライラ様、心当たりはありませんか?」

 

ラ「ない事はないのですが……」

 

エ「まさか、デゼルとザビーダ……。なんて言わないよね?」

 

ミ「彼らは憑魔を殺して回っているやつらだぞ!導師とやっていることが真逆じゃないか」

 

ス「加護天族を捜している間に考えていたんだ。俺なりにロゼやデゼルの事。やっぱり殺す事が救いになるなんて間違っていると思う」

 

エ「具体的にはどうするの?」

 

ス「どうにか説得できないかな?ロゼとデゼル、そしてザビーダともゆっくり話がしたいんだ」

 

ア「スレイ、それはあまりにも危険だ」

 

ス「ロゼはオレたちを助けてくれた。オレを殺す気ならいくらでもチャンスはあったはずだ。ロゼはオレたちの敵じゃないよ」

 

ミ「でも、彼らは憑魔を――」

 

ス「ロゼみたいに明るい子がなんで暗殺ギルドなんかやっているのか。気になるんだ」

 

ケ「確かに天族と共に行動するなんて普通では考えられない。良くも悪くも何かしらの事情はあるはずだしね」

 

ミ「敵と判断するのはまだ早いか……」

 

ラ「わかりました。彼らの情報も探しましょう。しかし、今は秘力を手に入れるのが先決です」

 

ア「そうですね。彼らがスレイを狙っているのなら、再び現れるでしょうし」

 

エ「それで、水と地、どっちへ向かう?」

 

ケ「壁画によると地の試練の方が近いんだけど、正確な場所までは分からないからね。もっと情報が欲しいところだよ」

 

ア「そういえば、レイクビロー高地で遺跡が発見されたという報告があったな。マルトラン師匠が調査に向かうと言っていたが」

 

ケ「レイクビロー高地か。大体の位置は一致するな。アリーシャ姫、詳しい場所はわかるかい?」

 

ア「ああ。道案内は任せてくれ」

 

ミ「でも、今アリーシャがハイランドに戻るのは危険なんじゃ……」

 

ア「わたしはスレイの従士です。わたしだけ指をくわえて見ているわけにはいきません。わたしも行きます」

 

ラ「言っても聞かないところはスレイさんそっくりですわ」

 

ス「大丈夫。いざとなったらオレがアリーシャを守るよ」

 

ア「スレイ、ありがとう」

 

エ「張り切っているけど、敵陣に無策で突撃するわけじゃないでしょうね」

 

ケ「グレイブガント盆地は両国がにらみ合っている。ラモラック洞穴を通って迂回するほうがいいだろう」

 

ア「了解した。早速行ってみよう」

 

 

 

数年前 ペンドラゴ郊外

ロゼ「はあああ!」

 

フィル「ロゼ、お疲れ。また腕を上げたね」

 

ロ「もちろん!なんたってあたしは団長なんだから!」

 

トル「団長?ははは、僕たち『風の傭兵団』の団長はブラドじゃないか」

 

ロ「いずれはそうなるの。すぐに追い越してやるんだから」

 

エギーユ「期待せずにその時を待っているよ、団長さん」

 

ルナール「…………」

 

ブラド「うん?何か呼んだか?」

 

エ「実はロゼがな――」

 

ロ「ま、待って!まだ団長には秘密なの」

 

ブラド「この俺に秘密を持つようになったか。ロゼももう子供じゃないんだな」

 

ロ「もうバカにしないでよ」

 

ロッシュ「そのぐらいにしておけ。依頼は終わったか」

 

フィル「うん。ここらへんの魔物は全部倒したよ。依頼完了」

 

ブラド「みんなよくやった。街に戻るぞ。仕事終わりだ、ぱ~と飲むぞ!」

 

トル「やった!」

 

ロ「待ってました!早く街へ戻ろう。ほら行くよ、ルナール!」

 

ルナール「そんな引っ張るな、ロゼ」

 

ロゼ「あたしは腹ペコなの。すぐにでもお腹に何か入れたいぐらい」

 

ルナール「なら一人で行け。俺はいい」

 

ロゼ「えー、みんなで食べた方がおいしいじゃん」

 

ルナール「たく、好きにしろ」

 

ロ「決まりね。みんなも早く早く!」

 

エギーユ「おい。ご馳走は逃げないぞー」

 

ブラド「やれやれ困った団長希望者だこと。今行くよ」

 

その様子を二人の天族が見守っている

 

?「あいつらとの旅は本当、楽しい。冥利に尽きるだろ?」

 

デゼル「ああ。感謝してる。俺を傭兵団に誘ってくれて。こうやって近くにいても話しかけられないのが残念だが」

 

?「俺たち天族は、ブラドたちには見えないからな。だが、確かに俺たちはここにいる。それだけで十分だ」

 

デゼル「ああ、そうだな」

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ロ「デゼル!デゼル!」

 

デ「う、うん」

 

ロ「デゼル!」

 

デ「なんだ夢か……。どうした?」

 

ロ「エギールから報告。スレイはレイクビロー高地を移動中。試練ってやつに向かったみたい」

 

デ「試練……。あの神威とかいう力を手に入れるアレか」

 

ロ「アリーシャ姫が纏っていたあの力……。あの力ならあいつ相手でも戦えるかもしれない。デゼル」

 

デ「わかっている。俺たちも神威の力を手に入れる。そして……ザビーダから憑魔を殺す方法を聞き出す」

 

デ(俺たちの傭兵団をめちゃくちゃにしたあいつを次こそ殺してやる!)

 




こんにちは、作者です。第十六話です。今回は、ペンドラゴとゴドジンの加護天族を探す話になっております。半分近くはエドナ発案の農作業でしたが(笑)エドナが人間と関わる機会を作りたがったためのイベントですね。最後の方には、デゼルの回想パート①を描きました。風の傭兵団の過去は、原作でまったく描写されていないので、ほとんど脳内補完です。あしからず。次回からは試練神殿めぐりの旅が始まります。結構改変しました。良かったら見てってください。ではまた、第十七話で会いましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。