俺が考えたアリーシャヒロインのゼスティリア   作:具志健

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水の秘力を得た導師一行。さらなる秘力を求め地の試練神殿へ向かう。


第十八話 エドナの花

同刻某所

マルトラン「ヘルダルフ様、今戻りました」

 

ヘルダルフ「ご苦労。どうだった」

 

マ「ハイランドの古い遺跡で世界を斬る剣を手に入れました。こちらを」

 

ヘ「ほう。これはいい」

 

ルナール「導師はどうしますんだあ?オレ様がやってやろうか」

 

サイモン「キツネ!ヘルダルフ様にそのような口の利き方――」

 

ヘ「よい、サイモン」

 

サ「も、申し訳ありません、ヘルダルフ様」

 

ヘ「導師はまだ殺すな。やつらにはまだ利用価値がある」

 

ル「ちっ」

 

ヘ「ルナール、そしてサイモンよ、お前たちには導師が憑魔と化し、我の配下になるよう働きかけよ。方法は問わぬ。そうじゃな、あの心優しき導師が仲間を失ったらどんな反応を示すかな……。……孤独による苦しみに耐えれまい」

 

サ「ヘルダルフ様……」

 

ヘ「マルトランはハイランドへ戻り、開戦へ向けて準備を進めよ。もう一度この世界を穢れで満たすのだ」

 

マ「御意に」

 

マルトランとルナール消える

 

サ「ヘルダルフ様……、みながヘルダルフ様のことを忘れてしまってもこのサイモンめが最後までお側にいます。だから……」

ヘ「よいのだ、サイモン。それが我が定め。ワシが災禍の顕主である所以なのだから――」

 

 

 

地の試練神殿モルゴース

ス「ここが地の試練神殿か……」

 

ミ「特に変わったところがない普通の遺跡みたいだね」

 

ア「ここが本当に地の試練神殿なんだろうか?」

 

「ほう、訪問者は久しぶりだな。むむ、誰かと思えばライラちゃんじゃないか!」

 

ラ「導師パワント!?」

 

パワント「ライラちゃん。いつもながら見事だ……」

 

パワント、ライラを舐めるように凝視する。

 

ミ「知り合い……なのか?」

 

ラ「はい。……相変わらず困った人ですわね……」

 

ス「この天族も導師だったのか?」

 

パ「その通り。死に方ひとつで種族を越える。げにこの世は愉快よな」

 

ア「天族にもいろんな人がいるのですね……」

 

パ「む!」

 

ア「はい?」

 

パワント、アリーシャを舐めるように凝視。

 

パ「導師の力を求めてきたんだな?試練だろう?そうだろう?」

 

ス「うん……まぁ……」

 

パ「そっちの娘じゃないのか……」

 

ケ「この人、ホントに導師だったの?」

 

ラ「これでも導師パワントは一万以上の憑魔を鎮めた、天族の間にも名を馳せた方ですのよ」

 

パ「うむ!」

 

ケ「へぇ、この人がね。導師のイメージを改めなくてはならないな」

 

エドナ、パワントに近づく。そして上目遣いで

 

エ「エドナにちょうだい♪おじたまの♡は~や~く~♡」

 

パ「おお!かわいい子だの~!エドナちゃんか~」

 

エ「おじたま~ん♡ワタシ我慢できないの~♡♡」

 

パ「おぉ?!だが試練だからの~。力を示してもらわなくちゃ……」

 

エ「ちっ……使えない……」

 

パ「え……」

 

エ「ワタシに今更試練とか?何なの?」

 

パ「いや、それがルールで……」

 

エ「要は力を示せばいい、そうなのね。で、何をすればいいの?」

 

パ「や、えーっと……、どうしようかな……。しばらく誰も来なかったから全然考えてなかった……」

 

ミ「なんていい加減な……」

 

エ「面倒ね。今すぐここで決めなさい」

 

パ「そうじゃのう……。ワシと戦うってのはどうじゃ。そこで力を示してくれ」

 

ラ「パワント様自ら!?」

 

パ「そうじゃ。試練としては十分じゃろ」

 

ラ「ですが……」

 

パ「何もワシを倒すことが目的ではない。力を示してくれさえすればいいんじゃ」

 

エ「それでいいわ。さっさと始めましょう」

 

パ「導師もそれでいいかな」

 

ス「ちょっと待って。秘力を受け取るの、オレの代わりにケインに出来ないかな」

 

ケ「えっ」

 

ス「オレ、ずっと考えていたんだ。地の秘力はケインに受け取ってほしいなって」

 

パ「不思議なことをいう導師だな。理由を聞いていいかの?」

 

ス「オレとアリーシャは秘力を手に入れて神威が出来るから、ある程度の穢れには対抗できるけど、ケインはそうじゃない。これからの戦いのことを考えたらケインも身につけてもらったほうがいいかなって」

 

ラ「確かに、ケインさんが神威を実現させることが出来れば、戦いの幅は広がりますわね」

 

パ「なるほど。久しぶりに出現した待望の導師の従士ということでオマケしておくかの」

 

ラ「どうですか、ケインさん?」

 

ケ「ボクはいいけど、エドナちゃんは……」

 

エ「誰と組んでも一緒よ。勝手にすれば」

 

パ「よし決まりじゃなあ。キミー、名前は?」

 

ケ「ケインです。よろしくお願いします、パワントさん」

 

パ「よろしくー。じゃあケインくんとエドナちゃん以外見学で」

 

ア「二人だけで戦うのですか!?」

 

パ「さすがのワシも六人を相手取るのは疲れるのでの。それに嬢ちゃんと導師殿の力はすでに秘力を手にしている時点で立証済みだからな。ワシは純粋に二人の力を計りのだ。本当に秘力を授けるのにふさわしい人材かどうか」

 

ケ「そういうことみたいだね。すまないが、しばらく待っていてくれ」

 

エ「試練なんてさくっと終わらせるわ」

 

パ「それはどうかの」

 

一閃。エドナに攻撃

 

エ「きゃ」

 

ス「なっ、早い!」

 

ケ「エドナちゃん!」

 

パ「よそ見をしている場合かな」

 

ケイン、攻撃を受けとめるが、吹き飛ばされる

 

ケ「ちっ!」

 

ラ「さすがパワント様ですわ。ちっとも衰えてない」

 

ア「これほどとは……」

 

ケ「大丈夫かい。ほら、立てる?」

 

エ「……これぐらいなんてことないわ。ちょっと油断しただけよ」

 

パ「ほらガンガンこんかい」

 

ケ「言われなくてもそのつもりさ」

 

ケ「行くよ、エドナちゃん」

 

エ「ええ」

 

 

 

ケ「はあはあはあ……」

 

パ「今日はもう限界のようじゃの」

 

ケ「面目ない」

 

パ「いやいや、お主はよく頑張った。また明日期待しているぞ」

 

ケ「ありがとうございました」

 

ケ「大丈夫かい、エドナちゃん?」

 

エ「平気よ。エロオヤジ、露骨に手加減していたわね」

 

ケ「ああ、軽く捻られたよ。膝が笑ってる」

 

エ「随分無茶するのね」

 

ケ「エドナちゃんこそ、今日は随分前衛に出ていたね。いつもならもっと後ろじゃなかったかい?それに全然集中してなかったし」

 

エ「戦い方なんて相手によって変わるわ。あなた、軍出身なんでしょ?それぐらいわからないの?」

 

ケ「……勉強になります、エドナ先生。でも本当にそれだけかい?」

 

エ「…………」

 

ス「ケイン、エドナ、お疲れ様」

 

ミ「今、天響術を」

 

ケ「すまない、もうしばらくかかりそうだ」

 

ラ「仕方ないですわ。相手はあのパワント様ですし。明日頑張りましょう」

 

エ「…………」

 

ラ「エドナさん……」

 

 

 

夜になる

エ(…………。眠れない……。…………少し夜風に当たろう)

 

エドナ、遺跡の外に

 

エ「アイフリードの狩り場……。聞いていた通りの辺境ね。何もないわ。…………」

 

エ(お兄ちゃん、もう少しで助けてあげるからね。ワタシが必ず……)

 

エ(うん?この花は……)

 

エドナ、一輪の花を見つける。その瞬間、何者かの領域が広がり、穢れが強くなる。

 

「やっと見つけたあぁ!」

 

エ「この領域は!」

 

ルナール「おやおや、今日はお一人かい?ひっひっひ」

 

エ「あなた、マーリンドでアリーシャを襲った憑魔ね」

 

ル「導師の姿が見当たらないな。どこにいった?」

 

エ「さあ、どこかしら」

 

ル「しらばっくれるってか。……まあいい。お前が死ねば、導師はオレへの恨みで穢れ、憑魔になるかもしれないなあ。じっくり探し出して、一人また一人と食い尽くしてくれる!」

 

 

 

ラ「は!この領域は!」

 

ラ「スレイさん、アリーシャさん!起きてください!」

 

ア「どうしたんですか、ライラ様……」

 

ス「まだ夜明け前じゃないか……」

 

ラ「近くで強い領域を感じます。ボールス遺跡でアリーシャさんを襲った憑魔と同じものです」

 

ミ「あのキツネ目の!」

 

ス「またアリーシャを狙って……」

 

ラ「それにエドナさんもいないんです」

 

ケ「なんだって!」

 

ミ「ライラ、エドナがどこにいるのかわからないのか?」

 

ラ「それが……エドナさんの力が何かに遮断されていて正確な位置まで掴めないんです」

 

ス「それって、まさか!」

 

ケ「ライラさん、領域の中心は?」

 

ラ「ここからすぐ南です!」

 

ケ「ありがとう!」

 

ケイン走り出す

 

ア「ケイン!」

 

ミ「まずい、エドナもケインも強い領域に対抗する術をまだ持っていない!」

 

ラ「もし長時間領域内にいたら……」

 

ア「考えるのは後です」

 

ス「二人を追いかけよう!」

 

 

 

ル「どうした、どうした。もうお終いかあ!」

 

エ「くっ、浄化の力もなしに憑魔相手はさすがに辛いわね」

 

ル「随分お疲れのようだな。仲間を呼んでもいいんだぞ、けっけっけ」

 

エ「あなた程度のザコ憑魔、ワタシだけで十分よ」

 

ル「強がるねえ。それじゃあ、これで最後にしてやる。死ねえ!」

 

ルナールが斬りかかるのをケインが受け止める

 

ケ「なんとか間に合ったか」

 

エ「ケイン、どうして……」

 

ス「『ルズローシヴ=レレイ』」

 

ア「『フォエス=メイマ』」

 

ス「二人から離れろ!」

 

ル「ちっ!」

 

ア「お前はマーリンドで会ったキツネ!今度は何が狙いだ!」

 

ル「……さすがに六対一は割に合わない。またに出直そう」

 

ス「待て!」

 

ラ「領域が消えましたわ」

 

ア「くそ、また逃がしたか……」

 

ケ「どうして一人で戦うなんて無茶をしたんだ!」

 

エ「キツネはスレイを狙っていた。それをわざわざ教えるバカはないわ」

 

ケ「バカはキミだろ!もしかしたら死んでいたのかもしれないんだぞ」

 

エ「……その時は残りの力を振り絞ってお兄ちゃんを解放してあげるだけよ。壁画にも描かれていたでしょ」

 

ケ「いつ死んでもいいみたいな言い方をするな!そんなことをしてお兄さんが喜ぶと思うか!」

 

ア「ケイン、少し落ち着いて……」

 

エ「あなたにお兄ちゃんの何がわかるって言うのよ!お兄ちゃんと話したこともないくせに知ったかぶらないで!」

 

ミ「エドナ……」

 

エドナの手から、何かが落ちる。

 

ス「うん、何か落としたぞ。これは……」

 

ア「花?ランの一種みたいだが」

 

ケ「これは……!」

 

ケインが拾う

 

ケ「……」

 

エ「返しなさい」

 

ケ「これは『エドナ』という名前の花だ」

 

エ「!」

 

ミ「エドナと同じ名前だ」

 

エ「あなた、どうしてその名前を……」

 

ケ「昔、やたら世話好きな人がいてね。その子が好きだったんだ、その花。「かまってちゃんのくせして、水をあげすぎるとすぐヘソを曲げるんだ」って、嬉しそうに嘆いていたよ」

 

ラ「ケインさん、その人って、もしや……」

 

ケ「素直じゃないところはキミもこの花と同じだ」

 

エ「うるさいわね」

 

ケ「ボクはもう争いなんかで誰も失いたくない。それは人間だって天族だってドラゴンだって一緒だ。この災厄の時代を終わらせて、みんなで笑いあえる世界でみんなと一緒に笑いあう。それがボクの夢」

 

ラ「ケインさん」

 

ケ「きっとお兄さんもエドナちゃんに生きていてほしいと思うよ」

 

エ「何度も言わせないで。あなたに何がわかるのよ」

 

ケ「わかるさ。誰だって大切な人は失いたくないと思い、生きて帰ってくることを願うものさ。それはオレたちだって同じ気持ち。ボクはエドナちゃんもお兄さんも死なせない。もう少しだけ、ボクに時間をくれないか。」

 

エ「…………はあ、色々めんどそうね」

 

ケ「…………」

 

エ「……いいわ、あなたが生きている間は待ってあげる」

 

ス「エドナ!」

 

エ「その代わり……わたしと一緒にお兄ちゃんを救って」

 

ケ「キミがなんて言おうと最初からそのつもりさ」

 

ラ「エドナさん、吹っ切れたようですね」

 

ミ「ケインに良いところ取られちゃったね、スレイ」

 

ス「えっ、何でオレ!?」

 

ミ「こういうのはスレイの役割だからね」

 

ア「ふふふ、そうかもしれませんね」

 

ス「アリーシャまで」

 

ケ「みんな、つい熱くなってしまってすまなかった」

 

ラ「いえいえ。新しいケインさんの一面が見れて新鮮でしたわ」

 

ミ「エドナも一人で突っ込んでいった事、反省したみたいだしね」

 

エ「反省シター」

 

ス「ははは、これで一件落着かな」

 

エ「何言っているの?まだよ」

 

ケ「秘力。ボクたちの目的を忘れたのかい?」

 

ス「あっ、そうだった……」

 

エ「明日はあのエロオヤジを相手しなくちゃならないし、もう寝ましょう」

 

ラ「そうですね、少しでも体を休ませなくてはもちませんわ」

 

エ「そういうこと」

 

ミ「神殿に戻ろう」

 

エ「それと、ケイン」

 

ケ「なんだい?」

 

エ「…………ありがと。ワタシを止めてくれて」

 

ケ「どういたしまして」

 

エ「明日足を引っ張ったら、ハリセンボンの刑ね」

 

ケ「それは恐ろしい。どうにかして試練をクリアしないとね」

 

 

 

パ「おはよう。今日も空気が澄んでいて、いい朝じゃのう」

 

ラ「パワント様、おはようございます」

 

パ「うぬ、昨晩は大変だったようじゃのう」

 

エ「あなた、知っていたの?」

 

ラ「私がお話ししました」

 

パ「あれほどの領域の強さ、間違いなくバックには災禍の顕主がついておるな。これからは色んな方法で導師殿を貶めようとしてくるはずじゃ。くれぐれも気を付けて――、って、お主たちもわかっていることか」

 

ス「うん、大丈夫」

 

ア「スレイには私たちが付いています」

 

パ「それは安心だ」

 

ケ「パワントさん、早速昨日の続きを」

 

パ「いや、その必要はない」

 

ケ「はい?」

 

パ「昨日までは二人ともどこか怖い顔をしておったが、今はとても晴れやかな顔しとる。これなら秘力を授けても大丈夫だろう」

 

ミ「そんなのでいいのか!」

 

パ「穢れに負けないためにも大切なことじゃぞ。災禍の顕主に対抗するには一人の力ではどうにもならん。仲間と協力することが不可欠なのじゃ」

 

ラ「心の試練、ですわね」

 

ケ「試練はクリアって事でいいんですよね?」

 

パ「うぬ。これからもその心を忘れるではないぞ」

 

ケ「ありがとうございます」

 

エ「で、どうすればいいの?」

 

パ「うむ。ケイン、エドナちゃん、祭壇に祈りを捧げるのだ」

 

ケインとエドナの体が光る

 

ケ『ハクディム=ユーバ』

 

ス「どう?エドナ?」

 

エ「……力を感じるわ」

 

ケ「これでようやくボクたちも穢れに対抗できる」

 

パ「ワシから見たらまだまだ未熟だが、二人とも伸びしろ多き原石。精進して自分色に磨くのじゃぞ」

 

ケ「はい」

 

エ「一応、礼は言っとくわ」

 

ス「それと、パワントさん。ここにドラゴンが描かれた壁画ない?」

 

パ「ドラゴンの?あるぞ」

 

ケ「ボクたち、ドラゴンを元の姿に戻す方法を探しているんです」

 

パ「ふむ。なるほど。確かこの辺に……。あっ、あったあった。ここじゃ」

 

壁画を見せる

 

ア「これは……」

 

ス「導師が穢れを祓っている。手に持っているのはなんだ?」

 

パ「それはジークフリート。そいつに天響術を込めて、憑魔に放つと穢れと結びつくのをしばらく防げる」

 

ケ「天族自身が傷つくことは?」

 

パ「これはあくまでも天響術を込めるだけじゃ。本人が弾丸になる必要はない。力は落ちるが並大抵のドラゴンは浄化できるだろう。力を使った天族はしばらく術が使えなくなるが難点だがの」

 

ス「じゃあ、これでエドナのお兄さんを助けられる!」

 

エ「そのジーなんとかってやつはどこに?」

 

パ「それが……ワシにもわからないのじゃ。実際に存在しているかどうかも定かではない」

 

エ「使えないわね」

 

パ「すまん」

 

ラ「パワント様でも分からないのではお手上げですわ」

 

ス「…………」

 

ミ「スレイ、どうした?」

 

ス「なんかこのジークリンド、どこかで見たことある気がするんだけど……うーん」

 

ス「あー!」

 

ア「どうしたんだ、スレイ。大きな声を出して」

 

ス「ザビーダが使っていたやつだ!」

 

ミ「ザビーダ……、霊峰レイフォルクで憑魔を殺していた風の天族か!」

 

ラ「確かに似ていますわ!」

 

エ「ザビーダ、ああ、あいつね」

 

ケ「エドナちゃんまで知っているのか。もしかして知らないのボクだけ?」

 

ア「いいや、私も知らない」

 

ス「実は……」

 

 

 

ア「なるほど、私がいない間にそんなことが……」

 

ケ「憑魔を狩る天族ザビーダと強大な穢れに対抗できるジークフリート、か。とりあえず実物を見てみない事にはなんとも言えないな」

 

ス「ザビーダを捜そう」

 

エ「何か手がかりはあるの?」

 

ミ「各地の加護天族をあたってみたら何かわかるかも」

 

ア「そうですね」

 

ケ「エドナちゃんもそれでいいかい?」

 

エ「面倒だけど、それでお兄ちゃんを救えるなら我慢する」

 

ス「決まりだな」

 

パ「行くのか」

 

ス「はい。ありがとう、パワントさん」

 

パ「何事も事象の前には原因がある。それを理解し、よく考え、そして進め。答えを焦るな。導師の道程は世界に渦巻く情念の根本を理解する事から始まると知れ」

 

ス「はい、ありがとうございます」

 

パ「しかし、またここに一人か。寂しくなるの」

 

ケ「そんなこと言わないでください。もっと強くなって、また遊びに来ますよ、ね、エドナちゃん」

 

エ「次こそはあなたをケチョンケチョンにしてやるわ」

 

パ「それは楽しみじゃ。待っておるぞ、我が弟子よ」

 

ス「ははは、それじゃ!」

 

パ「うむ」

 

 

 

神殿を出る

ミ「色々あったけど、これで火、水、地の三つの秘力を手に入れることが出来た」

 

ス「後は風だけだけど……」

 

ラ「その事も考えなくてはいけませんね」

 

ア「問題は山積ですね」

 

ス「一歩一歩進んでいくしかないか」

 

「おー、ライラはんやないか~。久しぶりやな~」

 

エ「この声は」

 

ラ「アタックさん!」

 

ノ「こんなところでみなさんとお会いできるなんてびっくりしたわ。どなんしたん?」

 

エ「それはこっちの台詞よ。ノルがこんなところで何をしているの?」

 

ノ「言いまへんかったっけ?ウチ、旅を出るって」

 

ス「そういえば……」

 

ラ「言ってましたわね」

 

ノ「ほんま大変だんたんたやで~。強い風にも吹かれるわ……冷たい雨にも打たれるわ……憑魔に食べられそうにもなったんや」

 

ア「憑魔に……それは大変でしたね」

 

ノ「でもな、もうダメだと思ったときにな、救世主が現れたんや~!上半身裸のかっこいいあんちゃんだったわ~」

 

ミ「上半身裸!それって、ザビーダのことじゃ」

 

ノ「ウチを颯爽と助けるとすぐどっか行ったさかい、名前は聞けなかったんやけど~」

 

エ「あんな格好しているやつ、あいつ以外いないわよ」

 

ラ「そうですわね!乙女の前でハダカなんてはしたない!」

 

ケ「ライラさんにここまで言わせる天族ザビーダ。ますます興味深いね」

 

ス「ザビーダと会ったのはどこらへん?」

 

ノ「自分らがウェストロンホルドの裂け谷と呼んでいるところや~」

 

ケ「ウェストロンの裂け谷。バルバレイ放牧地の西。ここからだとまっすぐ北の方角にある辺境だね。巡視隊がたまに見回りをするぐらいで、ローランスに住んでいる人でもめったに訪れない」

 

ミ「ここから北ということは、風の試練の場所と一致するな」

 

ケ「昔から原因不明の突風が吹くこと有名なところだ。おそらくその影響だろうね」

 

ア「行ってみる価値はありそうだな」

 

ノ「ウチも案内したいんやけど、ごめんな~。今は仲間を集めている最中やねんか~。かんにんな~」

 

ア「アタック様は仲間を集めてらっしゃるのですか?」

 

ノ「そうや~。ウチらも久しぶりに集結して導師のお役に立とう思ってんねん~。だいぶ集まってきたで~」

 

エ「ノルは集団になるほど強い力を発揮するわ。アリのようにね」

 

ア「それは頼もしいですね」

 

ノ「ウチらの活躍に期待しといてや~。そいじゃあ、ウチはもう行くで~。ほな、またな~」

 

ノルミンアタック、去る

 

ラ「次の行き先が決まりましたね」

 

ス「うん。ウェストロンの裂け谷へ行こう」

 

一行、ウェストロンの裂け谷へ向かう。

 




こんにちは、作者です。第十八です。パワントのキャラクター性が中々好きだったので、ただのエロオヤジではなく、師匠ポジションにしました。彼も一応、護法天族ですし、それっぽいことをさせるべきかなと。エドナの花は、ディスカバリーチャットで軽く触れられた程度でしたが、強く印象に残っていたので捻じ込みました。花の名前=キャラ名というネタは割と使われていますよね。ハリエット、エリーゼ、そしてエドナ。ぱっと思いつくだけで三人はいます。揃いも揃ってええ話やね。ではまた、十九話で会いましょう。
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