また今回も楽しんでいただけると幸いです。
「さてと、ルベドはどこにいるかな?」
モモンガはそんなことを呟きながら第8階層を歩いていた。目的はルベドに会って、今の彼女の状態を確認するためである。しばらく歩いていると彼女はそこにたたずんでいた。
「いたいた。ルベ・・・、ん?何だ?様子がおかしいな」
ルベドはたしかにそこにいた。だが彼女の様子が少しおかしかったのである。
(おかしいな。ナザリックの僕達なら俺やゼクスさんがくるとすぐに気づくはずなんだが・・・、まぁルベドには俺達に対する忠誠心がないからなのかもな)
そう自己完結させるとモモンガは改めてルベドに話しかけた。
「ルベドよ。少し話しがあるのだがいいか?」
だが話しかけてもルベドが反応する様子はない。
「(どういうことだ。あきらかにおかしい)ルベドよ、どうした?大丈夫か?」
モモンガがそう聞いた瞬間モモンガの身体は後方に吹っ飛ばされていた。
(な、なに!?攻撃を受けたというのか!?)
「《
モモンガはこの世界にきてはじめて受けた明確なダメージに驚きながらも、即座に飛行を発動させて態勢を立て直した。
「ルベド!どういうつもりだ!」
「敵・・・排除する」
モモンガが尋ねるも返ってきたのは感情の込もっていない声だけだった。
「くそっ、
モモンガが指輪に念じるとモモンガ姿は第8階層から消え去った。
◆
第9階層
「危なかった。しかし、あれはいったいどういうことだったのだろうか」
(NPCが俺を攻撃した?しかし何故・・・。いくらルベドに俺達に対する忠誠心がないからといっていきなり攻撃を仕掛けてくるだろうか。いや、あれは確実に俺を敵と認識していた。しかも他のNPC達が崇めている俺達を、だ。・・・いくら考えても正しい答えは浮かばんな。とりあえず第8階層を封鎖するとして、このことは明日ゼクスさんにも報告しておこう。はぁ、これを聞いたらゼクスさんどんな反応するのだろうか。無茶をしなければいいんだけど)
とりあえずこのことはまだ他のNPC達には秘密にするとして、今日のところはモモンガも休むことにした。
◆
翌朝
「えっ!?ルベドに攻撃された!?」
朝のナザリックにそんな声が響いていた。
「ええ、昨日ルベドの様子を見に行ったときに。どうやら俺を・・・いや俺達を敵と認識しているようです」
「そ、そんな・・・」
俺は膝から崩れ落ちて地面に手をつけていた。いやだってルベドが俺達を敵と認識しているだって?
俺とルベドのナザリックライフはどうなるってんだ。モモンガさんはそんな俺をみて、
「とりあえず元気出してください。まだ明確な理由がわかったわけではないんですから。それとこのことはまだ他のNPC達には伏せてあるんですからもう少し静かにお願いします」
「そうだったんですか。すみません、つい取り乱してしまいました。ならとりあえず、このことは・・・」
「今のお話本当なのですか?」
そこには真剣な表情をしたアルベドが立っていた。どうやら俺達の話を聞かれてしまったらしい。
「い、いや。アルベドそれはだな・・・」
「本当なのですか?」
「・・・あぁ、本当だ」
「そうですか・・・」
モモンガさんがアルベドの有無を言わさぬ迫力に負け本当のことを話すと、アルベドは少し悲しそうな表情していた。
(意外だな。モモンガに危害を加えるやつは、例え身内でも絶対に許さないと言うかと思ったんだが。そうか、ルベドがアルベドの妹だからか。たとえアルベドといえど複雑な気持ちなのだろう)
俺がそう思っているとアルベドが何かを決心したような顔をして言った。
「モモンガ様。たとえルベドであろうと至高の御方であるモモンガ様に危害を加えたのを見過ごすわけにはいけません」
「だがな・・・」
「待てアルベド。俺が行く」
「ゼクスさん!?何言ってるんですか!」
俺がそう言うとモモンガは怒ったように言ってきた。だが今回ばかりは俺も引くわけにはいかない。今回の原因はルベドなのだ。
「モモンガさん。今回ばかりは引くわけにはいけまでん。それに今のナザリックでルベドに勝てる可能性があるのは俺だけだ。もしルベドを殺すことになったとしても、その役目は俺がやる。アルベドもそれでいいか?」
「しかし・・・」
「ゼクスさん・・・、わかりました」
「なっ、よろしいのですかモモンガ様!?」
「かまわん。ですがゼクスさん、絶対に無茶はしないでくださいよ」
「ありがとうございます」
俺はそう言ってフル装備にすると、モモンガさんとアルベドと共に第8階層へと転移した。
◆
第8階層
ルベドは荒野に一人たたずんでいた。
「ルベド・・・、何故モモンガさんを攻撃した!?」
俺が聞くとルベドは顔を上げ少し驚いたような顔をして呟いた。
「ゼクス様・・・」
(ルベドがちゃんと反応しているだと?どういうことだ。俺の時はまるで反応しなかったのに)
モモンガが考えているとゼクスはルベドと会話を続けていた。
「ルベド、答えてくれ」
「・・・私はずっと一人だった。誰も来ることのないこの荒野で。私がナザリックの役にたてたのは第8階層まで攻められたあのときだけ!私には至高の41人に対する忠誠心はない。私に書かれたのはただ『敵を排除する』ということだけ。なら私は何を糧に生きていけばいい!?・・・みんな私を置いて去ってしまった。私の創造者でさえも」
「ルベド・・・」
「ゼクス様・・・あなただけは私によくお話を聞せてくださいました。とてもうれしかった。ですが、あなたもいずれ私を置いていってしまわれる。ならばいっそ私は全てを破壊する」
ルベドの悲痛な叫びに誰も口を開くことができなかった。あのアルベドでさえも。
《モモンガさん。ルベドが攻撃をしてきた理由はわかりましたね》
《ええ、まさかルベドがそんなに思い詰めていたなんて》
《モモンガさん、ルベドのことは俺に任せてもらえませんか?》
《えっ、どうするつもりなんですか?》
《ルベドと戦います》
《なっ、正気ですか!?どうして・・・》
《ルベドがああなってしまったのは俺達のせいだ。なら責任を持ってあいつの思いを受け止めてやらなきゃいけません》
《なら二人でも・・・》
《いや、それはだめです。たとえ二人で戦って勝ったとしてあいつは満足できますか?それに戦うなら俺のほうがむいてます。あいつはどうやらまだ俺のことは心に残っているみたいですからね》
《・・・わかりました。ゼクスさん、あなたを信じます》
《ありがとうございます。さっきもこんなやり取りしましね・・・。もし俺に何かあったら、後は頼みます》
そう言って俺はルベド戦うために一歩踏み出した。
◆
第7階層
《ん?アルベドですか。どうしました?》
デミウルゴスが自分の守護する階層でモモンガに言われた周辺調査行くための準備をしていると、突然アルベドからメッセージがきた。
《デミウルゴス、緊張事態よ。ルベドが反旗を翻したかもしれないわ》
《は?ルベドが!?どういうことです!?》
《どうやらずっと一人で放置されていたことでかなり溜まっていたらしいわ。ルベド自身から聞いて私もさすがに心に響いたわ》
《・・・そうですか。それで今の状況は?》
《ゼクス様がお一人でルベドと戦うつもりらしいわ》
《なっ、御身自ら!?何故止めなかったのです!?》
《モモンガ様が許可したことよ》
《モモンガ様が・・・。わかりました。すぐに、ナザリックの守護者全員を第8階層へ集合させます》
《ええ、お願い。後、万が一に備えてペストーニャとルプスレギナ、ニューロリストを頼むわ》
《了解です。では後程》
(まさかゼクス様自身がいかれるとは。ゼクス様は以前よりルベドのことを大変好いているご様子だった。そのことも関係してそうですね。だが今はそのようなことを考えている場合ではありませんね)
《コキュートス、聞こえますか?実は・・・》
ルベド対ゼクスの戦いはすぐにナザリック全域に広がり大変な騒ぎになっていた。
ナザリックを不穏な空気が包むなか、今二人は激突しようとしていた。
今回話しがとても短くなってしまいました。
申し訳ございません!
今回でルベド対ゼクスを終わらせるつもりだったのですが、長くなりそうだったので次回にさせていただきました。
また次回も楽しんでいただければ幸いです!