艦これ 傭兵鎮守府物語   作:URIERU

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本来妖精さんのお話は書いてなかったのですが、つい書き始めると止まらない。
妖精さんに群がられたいだけの人生だった。

批評、感想に飢えております。些細なことでも書いていただけると、とても喜びます。


第十三話「妖精再び」

「訓練をし終わった後のごはんは一段とおいしいでありますな」

「なのです」

 

 二人がおいしそうにご飯を食べる姿を眺めながら考える。

 妖精はいつまで起きているのだろうか、夜に工廠へ行っても話にでてきてくれるのだろうか。

 

「どうしたでありますか?食事が進んでないでありますよ」

「ん、妖精にこの後会いに行こうと思ってな。しかし、夜にいっても起きているものか」

「そんなことでありましたか。大丈夫だと思うでありますよ。大規模作戦のときには夜通し艤装の修理をすることもありますからな」

「妖精も意外と大変だな。一応武装について話をしときたくてな」

「何か新しい武装でも開発するでありますか?」

「お前には今日12.7cm単装砲を装備させてたろ?できることなら同口径の連装砲にして、弾幕を厚くしときたくてな」

「なるほど、敵の注意を引くならそのほうがよさそうでありますな」

 

 しかし、武装の取り回しもまたすこし変わるであります。

 新たな訓練が必要になるでありますな。

 

「まぁ明日はそのままの装備で出てもらうさ。あとは電の主砲をもう少し口径を大きくして火力と安定性を重視するとしよう」

「射程も弾道も反動も変わるのです。でも、頑張るのです」

「頼むぞ」

 

 そういい、あとは適当な雑談に花を咲かせながら夕食を平らげる面々であった。

 

____工廠____

 

「妖精さん、夜分遅くにすまない。話せるか?」

 

 声をかけながら入っていくと自然と明かりがついていく。

 暗かったということはもう寝ていたのか。

 

「なによ、こんなヨルおそくに。レディーをこんなにまたせるなんて!もっとはやくあいにきなさいよ!」

「シュニンはずっとマッテタンダゾ!」「オトコマサリなシュニンがオトメに・・・」

 

 相変わらず騒々しい場所だ。一体何人の妖精がいるんだろうか。

 

「で、なんのヨウジかしら」

「いや、武装について相談があってな。いま装備させている単装砲よりも口径の大きいものと連想砲がほしい」

「ふん。それで、ワタシたちへのミカエリはなんなのかしら?」

「見返り!?普通に働いてくれるんじゃないのかよ!?」

「タダではたらかせようなんてアマイのよ。なにかかんがえなさい!」

 

 弱ったな、そんなもの考えてもいなかった。

 そもそも妖精って何か好きなものとかあるのか。

 妖精なんて仙人じゃないが霞みでも食ってるものかと思ってたが・・・

 

 あれやこれやと悩んでいると、トンと肩に軽い重みが乗る。

 顔を向けると妖精の一人が肩に乗ったようだ。

 片手は口の前で手を丸くし、もう片方は耳に手を当てている。

 耳を貸せということか。

 

「一体なんだ?」

 

 と言いつつ、耳を向けてやる。

 

「シュニュンノアタマヲナデナガラ、オマエダケガタヨリダ、ッテイッタライチコロヨ」

 

 前は頭を撫でたら怒られたような気もするが、だがほかに手もない。

 やってみるとしよう。

 

「なぁ、あ、そういや名前。主任が君の名前じゃないよな」

「え、な、ナマエ?」

「そうだ、俺が主任って呼ぶのもな」

「・・・」

 

 黙りこくってしまう。先ほどまでの元気な様子はどこへ行ったのか。

 

「ワタシタチヨウセイにはナマエがないの!」

 

 と、肩に乗っていた妖精が焦りながら教えてくれる。

 主任妖精に目を向けるとトボトボと工廠の奥へと歩いていく姿があった。

 まずいな、どうしたものか。

 なにか名案はないものかと考えていると、主任妖精が頭につけている花に目が行く。

 スイレンの花か、英語では確か・・・

 

「リリー!」

「・・・!」

「やっぱ名前って大事だろ。お前はリリーだ。俺が名付け親じゃだめか?」

「リリー・・・」

 

 しばし、沈黙が流れる。

 やがて、真っ赤になった顔を隠すようにリリーがしゃべりはじめる。

 

「コンカイのミカエリはリリーってナマエにしといてあげるわ!おめあてのモノはちゃんとつくっておくからさっさとでていきなさい!」

 

 そう言ってリリーは工廠の奥へと消えていく。

 どうやら交渉は成立したようだ。

 ホッと一息つくとワラワラと妖精が周囲に集まってくる。

 

「ワタシモ!ワタシモ!」「ねー、ねー!ナマエちょうだいよ」「シュニンだけずるーい」

 

 周囲に集まっていた妖精はついには方々から服を引っ張り始める。

 

「おいおい、待てって。そんな一辺に言われてもだな」

「ワタシタチだってはたらくのよー!」

「それが仕事だろう!?

「ぶーぶー」「ブラックだー!」「タイグウカイゼンをヨウキュウするー!」

 

 ついには髪を引っ張るもの、ぽこぽこと叩いてくるものまで現れる。

 

「わかった。ちょっと待て!適当につけられても嫌だろ!?」

 

 一旦そこに並ぶんだ、と作業台を指さす。

 

「にげたらゆるさないんだからね!」

 

 と言いつつ、体に群がっていた妖精たちはふよふよと飛んでいき台へと並んでいく。

それから傭兵は一夜をかけて妖精たちの名前を付けていくのだった。

 

そして、後日完成した装備を受け取りにきた傭兵が、カンカンに怒ったリリーにハンマーを振り回しながら追いかけられたのはまた別の話であった。

 

ただ、みんなに名前を付けてくれた傭兵に、見えないところでリリーが感謝をしていたことは書いておかなければならない。

 

 




本来あきつ丸には12,7cm単装砲などの主砲関連は装備できないのですが、そこらへんは見逃してください。
ただ駆逐艦が20cmや35cmなどの中~大口径主砲の装備やカタパルトつけたりなどということはしません。
あくまで、あきつ丸でも15.5cm3連装副砲が装備できるなら、小口径主砲くらい装備できてもいいかなという判断で付けました。
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